Lumintop IYP365 の 365nm UV 版…と、『365』がカブって少々ややこしいのですが、既知の通りIYP365のモデル名の由来は『一年365日、毎日 In Your Pocket で使えるペンライト』でありまして、今更言うまでもなく365nmは紫外線光(UV)の波長の事であります。
IYP365-UV と表記しても良いのですが、ここでは白色LED搭載機種と明確に分ける意味で IYP-UV と表記します。
IYP-UV はLumintopの公式HPにも掲載されておらず、IYP365のアルミ版のブラックボディに 365nm UV-LED を載せたバージョン…というぐらいしか予備知識がない状態で4月中旬にAmazonにてポチしました。(発見したのも偶然という…)
購入しやすい価格だった為か、既に Amazon では【SOLD OUT】になっていますが、再入荷される事を期待しつつレビューしたいと思います。(できればTool AA 2.0 のグレーも…)
購入動機は撮影前のホコリ付着チェック用として購入したワケなのですが、比較のために後半の照射画像では放送事故的な汚れ画像を載せているので、そうした画像に耐性の無い方はスルーする事をお薦めします。
製品HP
- LUMINTOP Flashlight HP
- LUMINTOP IYP365 – lumintop.com
- LUMINTOP IYP-UV – amazon.co.jp
- LUMINTOP JAPAN メーカー直営店 – amazon.co.jp
LUMINTOP Official SNS
- Facebook – Lumintop / @lumintop
- instagram – Lumintop / lumintop_flashlight
- Twitter – Lumintop Flashlight / @Lumintop
- Twitter – Lumintop Japan / @Lumintop_Japan
関連記事
- LUMINTOP IYP365 Titnium / Nichia 219CT – 2AAA Penlight – roomX.jp
- LUMINTOP IYP365 / Nichia 219B – 2AAA Penlight – roomX.jp
- OLIGHT i3UV EOS / Ultra-Violet : 395nm LED – roomX.jp
INDEX
パッケージ
クラフト紙のパッケージですが、以前とパッケージサイズやロゴの印刷位置などデザインが変わっています。
製品種別を識別するためのチェックBOXが印刷されているので、IYP-UVも永続的に販売される機種…なのかもしれません。
製品内容は、IYP-UV本体、シリコンディフューザー、予備Oリング、日本語マニュアルとなっています。
付属のディフューザーは、同社のTool AA などに付属するシリコン製ぷよぷよディフューザーで蓄光仕様(GITD)となっています。
ちなみに、UVライトに蓄光ディフューザーを被せるとどうなるか…?
実際に試してみたら蓄光ディフューザーに紫外線が吸収されて普通の白色光になりました。
ナゼにUVライトに蓄光ディフューザーが付属しているのか不思議だったのですが、蓄光ディフューザーの着脱により、1粒で二度美味しい的に使えるように…って事なのかもしれません。(※個人の想像です)
仕様/サイズ
付属のマニュアルは 219CT や XP-G3 を搭載した白色光のIYP365のマニュアルなので、モードに関する記述については IYP-UV に当て嵌まりません。
IYP365 と IYP-UV の違いは、搭載LEDとモード数(※後述)の違いだけで、その他の仕様は共通化されています。
※製品仕様は予告なく変更される場合があります。
同じIYP365でも、アルミとチタン、もしくは銅素材によって本体重量は異なってきますが、全長や直径、基本デザインはシリーズ共通です。
例によって使用電池によって装備重量は多少増減するので参考程度に留めてください。
ボディ
IYP-UV の意匠も、既にお馴染みとなった感のあるブラックボディに金環アクセントの外観です。
同様にポケットクリップもリアパーツで固定される構造で、クリップの素材、サイズ、剛性も共通です。
ヘッド/ UV-LED
OPリフレクターにUV-LEDの組み合わせ。
可視光カットフィルターは備えておらずIYP365と同じガラスフィルターのみになっています。
搭載UV-LEDについては、メーカーや出力(ワット数)など、365nm波長以外の情報は公開されておらず詳細については不明です。
《訂正》
n195n様より、Nichia NVSU119CE との情報をいただきました。amazonの商品ページ画像にもLEDについての記述がありました。お詫びして訂正いたします。
IYP-UVの制御基板は、白色LED搭載のIYP365とは全くの別物となっています。(※画像は Nichia 219B版との比較)
現行のIYP365はメーカーロゴやモデル名のプリントがリニューアルされていたようで、IYP-UV のロゴプリもこれに準拠しています。自分の場合は IYP-UV と IYP365 を見分ける唯一の目印になっています。(^^;
先端のOリングは蓄光になっていますが…
蓄光ディフューザーを通すと紫外線が吸収されるように、露出面積が僅かなOリングであっても貴重な紫外線が蓄光Oリングに吸収されている…ような気がします。
スイッチ
スイッチはリバースクリック式で間欠点灯は不可。
白色光IYP365と同じくスイッチトップは金属製です。スイッチの操作感についても白色光IYP365とまったく同じです。
電池
IYP-UVの動作電圧は、白色光IYP365と同じく 0.9~3.0V。
1.5Vの単四乾電池×2、もしくは 1.2VのNi-MH充電池×2で動作します。
電池交換は、基本的にヘッド側から行います。リア側からでも電池交換は可能ですが、クリップがあるのでヘッド側からの方が遙かに楽です。
電池交換時に金環パーツが外れる場合があるので、紛失しないように要注意です。
モード
IYP-UV の搭載モードは【Low】⇔【Hi】の2モードです。
点灯中の半押しにより2つのモードが交互に切り替わります。
モードメモリは搭載しておらず、消灯時の次のモードで再点灯します。モードメモリ無しでも良かったのですが Hi/Low の2モード仕様なので不都合は感じません。
恐らく1ワット出力のUV-LEDだと思いますが【Hi】での点灯時にはかなり発熱するので、LEDの過熱による破損を防ぐためには、ユーザー自身が適宜 Hi/Low を使い分ける必要があります。
照射
今回は、上の3本のUVライトで照射比較を行ってみました。
JAXMAN U1 と IYP-UV は 365nm、i3-UV は 395nm のUVになります。
水平照射
配光/蛍光反応
LED電球
LUMINTOP IYP365 / Nichia 219B
LUMINTOP IYP-UV / 365nm UV
JAXMAN U1 / 365nm UV
OLIGHT i3-UV EOS / 395nm UV
IYP-UV の配光は IYP365 とよく似ている…というより殆ど同じ配光です。
蛍光色に対する反応をチェックするのにロスコ社の蛍光パラコード(オレンジとグリーン)、KLARUS Mi2(オレンジ) を照射してみました。
365nm と 395nm では、やや365nmのほうが強く反応していますが、劇的な差はないように感じました。
UVインク反応
LED電球
LUMINTOP IYP-UV / 365nm UV
JAXMAN U1 / 365nm UV
OLIGHT i3-UV EOS / 395nm UV
例によって日本国旅券と日本銀行券でUVインク反応をチェック。
同じ365nmの波長でも JAXMAN U1 は可視光フィルターを備え、UV-LEDの出力差(紫外光線量の差)により、IYP-UVよりも強く反応が出ています。
汚れチェック
LED電球
LUMINTOP IYP365 / Nichia 219B
LUMINTOP IYP-UV / 365nm UV
JAXMAN U1 / 365nm UV
OLIGHT i3-UV EOS / 395nm UV
汚れチェックは、普段常用している Tool AA 2.0 をポケットから取り出してそのまま撮影してみました。
埃や皮脂、ローレット部分の汚れは 395nm よりも 365nm の方がハッキリと確認できます。同じ365nmでもやはり U1 の方が強く反応が出ていますが、IYP-UVでも充分に汚れチェックが可能です。
※この後、スタッフが洗浄清掃を行いました。
まとめ
i3-UV EOS でも埃チェックは可能でしたが、ツイスト式であるが故に一度点灯させたら常に点灯させた状態でスタンバイ、そのまま電池を消耗…という効率の悪い使い方をしていました。
自分の用途(主に埃チェック)では短時間でON/OFF操作を繰り返すので、モード変更も含めて片手で操作を完結できるノック式のペンライトはやはり便利です。
ただ、IYP-UVに100%満足か?…と、問われると答えは否であり、ヘッドを覗き込んでLEDを確認しないと白色IYP365 と IYP-UV の見分けがつかないのは、両機種を所有しているユーザーには不便ですし、油断して子供がイタズラ…なんて、悪い想像をしてしまいました。
ヘッド部分に UV-LED搭載である事を明示しつつ直視厳禁の『CAUTION』ステッカーでも貼ってあれば、IYP-UVであることが一目で判りますし、安全に使用する為にもソレだけは最優先でお願いしたいです。
低出力のUV-LEDとはいえ、取扱いを誤れば失明などの深刻な事態を招くことになるので『安全にお使いいただくために…』には必須事項であるハズなのですが、残念ながら今回購入した IYP-UV については、安全への配慮が欠落していると言わざるを得ません。
一般的な白色LEDであればココまで言わないのですが、事故が起こればUV-LEDライトの販売規制や許可制などにもつながりかねず、それはメーカーとユーザーの双方に不利益しか生まないので、そこんとこは切にお願いします。
また、白色IYP365のマニュアルがそのまま添付されていますが、IYP-UVのモードや出力については、半ペラでも構わないので別紙で添付、もしくはWEBでPDFマニュアルを公開するなどの対応を望みます。
あとは、既存の白色光IYP365をそのまま転用することで、IYP-UVの開発・製造コストが抑えられ、販売価格も低めに設定出来るのも理解出来ますが、先端Oリングについては黒色Oリングに変更するなど、UVライトとしての性能向上には拘って欲しかったところです。(でも、暗闇では蓄光Oリングが便利なんですよね…)
欲を言えば、可視光カットフィルターも装備して欲しいところですが、低出力UV-LEDとの兼ね合いもあるのでしょうし、IYP-UVがUVフラッシュライトの入門機的な位置付け…なのかもしれません。(ならば尚更、安全についての配慮が必要ですね…)
本日現在、amazonでは品切れ中…ですが、安全性に配慮した構成で再販されるかもしれないので、気になる方はマメにチェックしてみてください。
+++
…とは言え、正真正銘 365nm のUV-LEDを搭載したUVフラッシュライトであることは間違い無く、IYP-UV にて屋外・屋内で撮影に使うライトが一式揃いました♪
右側の JAXMAN E2 (Nichia 219B Hi-CRI:5700K) は拡散配光に改造し撮影補助光として、Lumintop IYP-UV については埃チェックがメインなので、この2本は殆ど屋内のみでの使用となります。
レーザー(命名:照子)は軸線確認用、NICRON N7 は70m先に置いてAFピント合わせに、暗闇で撮影順序を記したセットリストを確認したりメモったりするのに便利なライトペン(ペンライトではない)のゼブラのライトライト(Lightwrite)を使っています。
他にも HC3 や FUN など、これまでレビューして来たライトを夜間撮影時に使用していますが、赤色LED搭載の複眼機である 宮澤製作所謹製 SL-B 660nm は、照タイム撮影以外にも多用しています(SL-B は近日レビューをお届けします)
LEDライトに興味を持ったキッカケは撮影時の照明として使えないか?…が始まりだったのですが、いつの間にかライトそのものを被写体としていて、思えば遠くに来たもんだ…と (゚ー゚*)。oO
ミイラ取り(撮り)がミイラ、手段が目的化した感は否めないのですが、フラッシュライトを基軸に知見や人的交流が広まったのも事実でして、今はハマって良かったとしみじみ思う今日この頃です…( ˘ω˘)ウンウン
本当に波長が365nmかは怪しいです。
amazonの商品ページの画像には “NVSU119CE” と書かれていますが、Nichia NVSU119Cは375nmまでしかありません。
Engineering Sample(型番の末尾が ‘E’)の365nm版を搭載している、なんて可能性も無くはないですが…。
仕様書
http://www.nichia.co.jp/specification/products/led/NVSU119C.pdf
接写画像
https://www.lumitronix.com/en_gb/nichia-smd-led-uv-nvsu119c-u375-14358.html
amazonページにある NVSU119CE の記述は気付きませんでした。
なるほど、NVSU119C は、375nmまでのラインナップですね…。
NVSU119CE はエンジニアリングサンプル、もしくは 365nm波長が出ている選別品(…か、エラー品)かも?
となれば、365nmインクに対する反応が弱いのにも合点がいきます。
情報、ありがとうございました。(^^