IYP365は、LUMINTOP社初となる2AAA(単四×2本)仕様のペンライトです。
個人的に発売されるのが楽しみだった製品で、7月の上旬に発売されてからスグに amazon : Aoniro Jさんから購入しました。
ん?なんで今頃レビューするのかって?…(´・ω・`)
実は購入して手元に有ったのは2週間ほどで、撮影とdoorman自身のレビューをメモった後で、知り合いのお医者様の処にお嫁に行きました。
実際に現役ドクター(総合病院の内科医)にIYP365を使ってもらい、ドクター目線で客観的に製品を観て(診て)もらおうかなと・・・
事前に製品に関する情報は一切伝えず、ある程度の期間使い込んでもらった上でこちらから質問を送り、それに回答してもらう形をとりました。(ちなみにこのドクターは筋金入りのMacユーザー)
そして、その結果は・・・【まとめ】を参照って事で♪(*´∇`*)テヘ
■製品HP
・LUMINTOP Official HP
・LUMINTOP IYP365 – LUMINTOP
・LUMINTOP IYP365 / Nichia 219B ver. – amazon.co.jp
■関連記事
・LUMINTOP TOOL Ti / Nichia 219B – 1AAA Flashlight – roomX.jp
・ThruNite Ti4T Titanium Penlight / CREE XP-L V6 (CW) – roomX.jp
・ThruNite Ti4 / CREE XP-G2 (CW) Penlight – roomX.jp
パッケージ
ルミ兎さんがプリントされたシンプルなクラフト紙のパッケージです。
付属品は予備Oリング×2のみとなっています。
主要諸元や特徴はパッケージ裏面に記載されています。
シンプルな操作系の製品なのでマニュアルが無くても困る事はないでしょう。
サイズ
一般的な筆記用具や他の2AAAペンライトとほぼ同じサイズです。
ボディ
HA3仕上げのツヤ消しブラック・ボディ。
ヘッドとリアの金環が上品なアクセントになっています。
クリップ
ペンライトの使い勝手を大きく左右するクリップはステンレス製で、ボディとリアパーツの間に配置され両パーツでしっかりと固定されるタイプです。クリップが完全に固定されるのでポケットから出し入れするのもスムーズですし、何よりスイッチ操作時にクリップが動かないので操作性が格段に良くなります。
ちなみにクリップの基本デザインは、同社の TOOL AAA や Prince と同じデザインを受け継いでいます。
ヘッド/LED
浅めのOPリフに日亜219B(もしくはXP-G2)の組み合わせで、EDC用途にピッタリな拡散系配光となっています。
画像を撮り忘れましたが、ヘッド先端、ガラスフィルター部分のOリングは蓄光(GITD)仕様です。
IYP365だけでなく、最近のWormやTOOLシリーズは、リフのボトムホールがLEDドームのサイズに合わせて造られています。直接配光に大きな影響はなさそうですが、ちゃんと造られている感があって好感が持てます。
ルミうさぎさんもヘッドにちゃんと居ます♪
ジョイントネジ部は一般的な山ネジですが、精度が高くネジ山も処理されているのでスルスルと回せます。
ネジ山にも塗装が施されているのでヘッドを緩めることで誤点灯防止のロックアウトが可能です。また、ヘッドを素早く【緩める/締める】ことでモード変更も可能となっています。
比較画像を撮り忘れましたが、基板のパターンも最近のWormやTOOLシリーズと同じとなっています。
リア/スイッチ
スイッチはリバースクリック式で間欠点灯は出来ません。
IYP365は、リアスイッチの面積が大きくスイッチトップが低い、特徴的なデザインとなっています。
一応、テールスタンドも可能ですが、接地面積に対して本体が細長いので、完全に水平な場所でないとローソク立てはできません。
スイッチストロークは浅めで、突出部とほぼ同じ深さです。
操作感はやや重めで、軽快というよりは落ち着いた操作感のスイッチとなっています。
誤点灯はしづらいと思いますが、人によって好みが別れそうな操作感です。
スイッチ面積が大きいので、スイッチのどの部位で操作してもON/OFF操作が可能ですが、スイッチトップが低く重めの操作感なのでスイッチトップに対して垂直にチカラを加えるのが一番操作しやすく感じました。
リアパーツは取り外し可能ですが、リア側から電池の交換は出来ません。(※後述)
電池
IYP365の動作電圧は 0.9 – 3.0v
1.5vの乾電池、1.2vのNi-MH充電池が使用可能です。
(※3.7vの10440は使用不可)
今回から単四形白エネを投入しました。
先述の通り、電池交換はフロント側から行います。
リア側が【-】接点となるので電池も【-】極から挿入します。
モード
IYP365の搭載モードは計3モード。
ストロボモードなど特殊モードはありません。
・Low – 1.5 Lm / 50時間
・Mid – 25 Lm / 25時間
・Hi – 125 Lm / 35分
(※Nichia 219B の場合)
【Mid】-【Low】-【Hi】-【Mid】のサイクルでモードが移行します。
消灯してから一定時間経過するとメモリーがリセットされ、次回点灯時には必ず【Mid】で点灯します。
照射
同じペンライト型の3製品ですが、搭載LEDは3製品とも異なります。
水平照射
配光・演色比較
蛍光灯 18w
THRUNITE Ti4 / XP-G2 (CW)
LUMINTOP IYP365 / Nichia 219B
THRUNITE Ti4T / XP-L V6 (CW)
Nichia 219B のLEDダイサイズがXP-G2と近い所為かTi4と配光がよく似ています。
演色性比較についてもXP-G2(CW)と大差が無いように見えますが、Ti4ではペットボトルのキャップの色がやや鮮やか過ぎる感じです。それでもXP-G2(CW)の演色性もなかなかのモノで、個体差があるとは思いますがIYP365にもXP-G2 ver.が用意されており、Max:200ルーメンのXP-G2 ver.を選択するのも良いかと思います。
まとめ
知り合いのドクターには、以下の点についてお聞きしました。
・本体デザイン、サイズについて
・スイッチの操作感について
・明るさについて
・光色について
・医療現場での使用について
※各項目について詳細な回答をいただいたのですが、全文を載せると色々とアレなので要点のみを抜粋して掲載します。
・本体デザイン/サイズ
デザインは良いですね。
派手過ぎず地味過ぎず、金色の部分が目を惹きますが、この部分が銀色だともっと一体感が出そうです。
・スイッチの操作感
スイッチが大きいので押しやすいかと思いましたが、筆記具の感覚で操作すると操作ミスすることが多く、当初はライトを握り直す事がありました。構造的に最初にスイッチの角に指先が触れるのですが、この状態のままスイッチを押すとスイッチの反発力を強く感じます。スイッチの中心をノックしようとすると、今度は拇指(※親指)が不自然に曲がって窮屈です。スイッチの感触はもう少し軽いほうが良いですね。ただ、ノック式で片手で操作できるのは便利です。
・明るさ
夜間、消灯時間後に廊下を歩くには丁度良い明るさです。
最大の明るさ(※Hi)を院内で使う機会は殆どありませんが、今のLEDは凄く明るいのですね。
・光色
このLEDは青白く無いのですね。
自然な光色で良いと思います。
・医療現場での使用
不自然に青白く無いので口腔内の状態などを診るには便利ですが、黒と金色のカラーリングが微妙です。担当者によっては気にしない方も居ると思いますが、私個人としては診察に使うには抵抗を感じます。
無難な処では【白】か【銀】ですが、小児科ではポップなカラー(例えばピンクやオレンジ)が良いかもしれません。
ご質問の瞳孔反応についてですが、確かに一番小さい光(※Low)は対光反射を診るのに使えそうです。しかしながら現時点でそうした状況での使用には至っていません。ただ、緊急を要する場合には二つ目の明るさ(※Low)に切替えるのが煩わしいと感じる救命士や看護士は多いかもしれませんね。最初の明るさ(※Mid)では光が強すぎてショック状態に陥る危険があるので、現場では一番小さい光(※Low)だけあれば充分です。
反射鏡(※リフレクター)を備えているので先端が太くなっていますが、医療現場で使うとなると反射鏡を廃して先端を出来るだけ細く丸い形状の方が患者さんも我々も抵抗感が少なくなると思います。
(※)はdoormanによる注釈
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言われてみれば 「なる程・・・」 と納得する意見ばかりですし、知り合いの看護士さん達も黒いペンライトは持っていないですな…。もちろんドクターによって意見が違うと思うし科によってもニーズが変わるとは思いますが、頂いた回答を読むと全ての医療現場に共通する声のような気もします。
今回、協力して頂いたドクターが普段どんなペンライトを使っているのかは敢えて聞かなかったのですが、想像するにハロゲン球のリアを捻って点灯するタイプのペンライトじゃないかなぁ・・・と。同僚の看護士さんの中には砲弾型LEDを搭載したペンライトを使っている方も居て、それと比較して『青白さが無い』と評価されたのではないかなと…(゚ー゚*)。oO
ただ、誤解しないで欲しいのは LUMINTOP IYP365 は医療用のメディカルペンライトではなく、あくまで汎用性を重視したEDCライトであるという点です。今回は 『もし医療現場で使うなら』 という想定の下で本職のドクターに使用感を伺ったので、医療用としてデザインされていないIYP365について厳しい評価がなされるのは当然の結果だと思います。
スイッチに関してはdoorman自身も似たような印象があり、ペンライトの使用状況を考えるとノック式ボールペンのようなスイッチのほうが操作しやすいかと思います。現行のスイッチはデザイン的には面白いのですが、操作性を最優先に考えると厳しい評価になります。
それでも Nichia 219B の演色性能にはお墨付きを頂けましたし、普段使いに於いてはIYP365のデザインも明るさについても高評価が得られたと自分は理解しています。(`・ω・´)