
ThruNite Ti titanium / TiS がリリースされた際、その電圧仕様から何となく2AAA(単4×2本)の製品が 『出る予感』 は有りましたが、やはりペン型ライトの Ti4 が発売されました。
『 発売されるかも?・・・(゚ー゚*)。oO 』 と、思いつつも中々リリースされないので某社の MT06 をDXでポチる寸前でしたw(※ポチらなかった理由は後述)
ThruNite Ti4 は、Ti titanium / TiS の回路をそのまま使って電池仕様を2AAAしただけ・・・ではなく、モード制御のプログラムがペンライトの用途や操作に合わせて若干変更されています。
そうした部分も含めて ThruNite Ti4 のレビューをしたいと思います。
■製品情報
ThruNite Official – ThruNite Ti4
■関連記事
・ThruNite TiS stainless / CREE XP-G2 R5 (NW)
・ThruNite Ti titanium / CREE XP-L V4
・GENTOS Floox LU-185
INDEX
パッケージ



見慣れた紙箱パッケージですが、スリムな紙箱の側面にThruNite社の所在地やQRコードが印刷されています。(このTi4はCWバージョンなので【白丸】シールが貼られています)
内容物はTi4本体、予備Oリング:2個、英文マニュアル、乾燥剤となっています。
サイズ


Ti4のサイズは、カタログ値で
- 長さ:132.9mm
- ヘッド径:14.2mm
- 本体重量:22.3g
となっています。

同じ2AAA仕様のペンライト Floox LU-185 や筆記用具(ゲルインクBP)とほぼ同じ長さと太さです。
構造的・技術的には、さらに細く短くする事も可能だと思いますが、無理に小型化するよりも体が(手が)覚えている既存の筆記用具と同じサイズのほうが良いと思います。

単四の eneloop Pro ×2本を使った場合の重量は実測で約47gでした。
ボディ


1AAA仕様の Tiシリーズは全身ローレットが施されており、2AAAになっても全身ローレットのボディかなぁ・・・と、勝手に想像していましたがTi4は滑らかな曲線を持つモダンなデザインの製品でした。
ヘッドパーツの部分はストレートで、ボディ中央部にかけて細くなりテールに向かってまた少し太くなって、手に持った時に自然にフィットする感じです。
実物を手にするまでは 『スイッチ操作の時に滑るのでは?』 と思っていましたが、テールに向かって徐々に太くなっている所為かON/OFF操作時に滑るような感じは全くしません。


付属のクリップは見た目より頑丈で実用的です。
取付部分はリング状でリアパーツ(スイッチユニット)で締めて固定する仕組みなので、ハメ込むだけのクリップみたく簡単に外れる事はありません。ネックランヤードで首からぶら下げたり、バンジーコードを繋げたりと用途に合った使い方ができると思います。
ヘッド/LED


現行の TiS / Ti3 と同じくOPリフに CREE XP-G2の組み合わせ。


PCB(回路基板)と絶縁塗装されていないボディ先端が直に接触して通電する構造なのでヘッドを少し緩めると誤点灯防止のロックアウトが可能です。
リア/スイッチ
プッシュ式(ノック式?)のリアスイッチはリバース・クリック式です。
間欠点灯はできませんが、複数モードを備えたライトではリバース式のほうが使い勝手が良かったりします。(ライトの用途にもよりますが…)



硬質素材のスイッチは、トップ(指が触れる部分)の表面積が小さく、ノックするチカラが分散しないので軽快な操作感です。クリック感もハッキリしているので厚手の手袋をしていても問題無く操作できます。
故に点灯中のモード変更は、スイッチ半押しではなく素早くダブルクリックするほうが簡単で的確に行えます。(※付属の取扱説明書にもモード変更は ”half press” ではなく ”quick double click” と明記されています)
また、ペンライトの形態や用途からして、作業時の手元照明として使う場面では《半押し》よりも指先のチカラ加減に気を取られる事が無く操作可能な《ダブルクリック》のほうが作業そのものに集中できて作業効率が上がるのかなと・・・。
後述するモード関連のプラグラムとの兼ね合いも有るのでしょうが、敢えて ”quick double-click” とされている理由がココにあるのかなと・・・。
もちろん《半押し》による瞬断でモード変更も可能ですが、微妙なチカラ加減で指先に意識を集中させて操作しないと《全押し》してしまうのでストレスを感じるかと思います。
リバース式スイッチは、《半押し》によるモード変更に慣れているので最初は《ダブルクリック》という操作に違和感が有りました。逆に複数モードを備えたフォワード式スイッチのライトをダブルクリックでモード変更されている方は違和感無く操作できると思います。
ちなみに硬質素材なので特有の 『カシャカシャ感』 や 『カチャカチャ感』 は多少有りますが、スイッチの軸のブレが少ないので気になる程では無いと思います。
たかがスイッチ、されどスイッチ・・・
フラッシュライト全般に云える事ですがスイッチひとつで使い易さが左右されるのでやっぱスイッチは大事です!(`・ω・´) キリッ


スイッチ部分はユニット化されており、電池の【-】極との接点となるスプリングと【GND】との導通を完全に分離する構造になっています。(ボディ側は後からパーツを足しているのではなくネジ山と共に削り出しによる一体成形されているように見えます)
電池

Ti4の対応電圧は0.9~3.0V。
市販の単四アルカリ乾電池かエネループなどのNi-MH充電池を2本使用します。

電池交換はヘッド側から行います。
前述の通りスイッチ側には【GND】接点が成形されているのでリア側からは電池交換ができません。
エネループ・プロも問題無く使用可能ですが、エネループ・プロでギリギリなのでオーバーサイズな規格外のNi-MH充電池は入らないと思います。
モード
搭載モードとランタイムは以下の通りです。
※単四Ni-MH充電池/900mAh使用時
- Firefly:0.3 Lm / 137時間
- Low:24 Lm / 12時間
- Hi:252 Lm / 51分
- Strobe:252 Lm / 90分
2AAAとなった事でより高い電池電圧が得られ、同じXP-G2を搭載した TiS/Ti3 と比べてルーメン値も高くランタイムも伸びています。

モード順は1AAA仕様の Ti Limited / TiS / Ti3 と共通で《firefly》 – 《Low》 – 《Hi》・・・の順でモードが変わり、連続でモード変更した場合も Ti Limited / TiS / Ti3 と同じく、上図の様に7回目に点灯した時に《strobe》になります。(※ストロボはメモリーされません)
前述の通りスイッチの《ダブルクリック》でモード変更を行いますが、点灯中にヘッドを《緩める》-《締める》の操作でもモード変更が可能です。ただ、ヘッド部分に滑り止めが有りませんし、逆手に持った状態で使う事が多いと思うのでモード変更はリアのスイッチで行うのがベターかと思われます。
+++

現行のヘッドツイスト式Tiシリーズは、モード変更やモードメモリの基準となる間隔が【2秒】となっていましたが、Ti4は【1秒】となっています。
※消灯後10秒以上経過するとモードメモリがリセットされて Firefly からスタートするのはTiシリーズと同じです。
リアスイッチ式なので ON/OFF操作を【1秒以内】で完了するのも難しくは無く、よほど不器用で無い限り操作ミスはしないと思います。【1秒以上連続点灯】で現在のモードが記憶される仕様も短時間でON/OFF操作を行う使い方が多いと思われるペンライトでは妥当な仕様かと思います。
まだ Ti4 の使用時間は短いのですが間欠点灯ができなくても不便は感じません。
照射
Firefly – 0.3 Lm

Firefly / Low / Hi



Firefly比較

Ti4のFirefly が 0.3 Lm、TiS (NW) のFirefly が 0.04 Lm ですが、両者を比較するとTi4のFireflyはかなり明るく感じます。
光色が違うのでアレですが、MAGLITE SOLITAIRE (XENON)の公称:2.0 Lmより少し暗いぐらいなので 実際は0.3Lmより明るいかもしれません。
Low比較

屋外でLowを使ってみた感じでは24ルーメンより明るい印象を受けました。
Hi比較

Hiの252ルーメンは屋内と屋外、両方で確認してみましたが大体それぐらい出ていると思います。
ただし、ヘッドのサイズからしてHiモードでの連続点灯ではそれなりにヘッド部分が熱くなります。
個人的には、おっかなびっくり使う高照度よりも長時間安全に使える適度な明るさを備えたほうがペンライトとして有用だと思うのですが・・・マーケティング的には高ルーメン値のほうが受けるんだろうなぁ・・・
可能で有れば、60~100ルーメン前後の《Med》モードが欲しいところです。
配光(Low)/色温度

XP-G2 の Cool White ですが光色は真っ白な6500KのCWではなく、やや暖色寄りのCWです。(5500~6000Kぐらいかな?)
画像ではスポット強めの配光に見えますが、Floox や TOOL AAA よりもスポット光が広く拡散系の配光です。TiSとはNWとCWとの光色の違いがありますがTiSと同じ配光で照射範囲もほぼ同じです。(Ti4のほうが少しだけ照射範囲が広いかなぁ・・・)
+++
《追記:2015.07.13》
XP-G2のCool-White バージョンに続き、Neutral-white バージョンが日本のAmazonでも購入可能となりました。現物を見ていないので確かな事は言えませんが、先の照射比較画像内の ThruNite TiS がXP-G2 の NW なので似たような光色になるのではないかと思います。
+++
まとめ
EDCとして使うとなるとサイズの関係でより小型の1AAAライトが好まれるのですが、何らかの 『 作業 』 をする場合の手元照明としては、小さな1AAAのライトよりも適度な大きさで重過ぎず、ランタイム(点灯時間)面で有利な2AAAのペンライトのほうが使い勝手が良かったりします。
ただ、便利と分かってはいてもフラッシュライトメーカーからリリースされている複数モードを備えたペンライト製品は、これまでポチるのを躊躇ってしまう価格のモノが多く、品質と性能のバランスが良いと感じる製品が無くて自分にとってもTi4は GENTOS Floox LU-185 以来のペンライトとなりました。
某社の MT06 も販売から時間が経過していますがポチらなかった最大の理由は2段階しかないモード(光量)にあります。(某社のライトはどれもデザイン的に狙い過ぎてる感も有りまして…)
用途にもよるのでしょうが、自分の場合は至近距離で使うライトには Firefly的な《微光モード》が無いと生きられない体になっているのでございます・・・( ´¬`)
実際、ThruNite Ti4 にはFireflyが搭載された事でEDCに留まらず、車両・機械整備や医療現場など専門性の高い仕事(現場)でも活用できる守備範囲の広い製品になったと思います。
うっかり至近距離で照射した場合でも、基本的にFireflyスタートなので対象が《白飛び》する事は少ないでしょうから作業効率も上がりそうです。
+++
ThruNite の直販サイトでの価格は現時点で$25.95となっています。
昨今の円安の煽りで日本円にすると高価に感じるかも?・・・ですが、OLIGHT や Nitecore、47、Nextorch、Bronte、STREAMLIGHT、etc… 他社のペンライトの価格と比較すると価格設定が低めです。(お医者様御用達の Welch Allyn のペンライトの価格ときたら…w)
amazon の ThruNite@Direct で販売されている製品の価格は常に為替レートに連動しているワケではなく、『良心的だなぁ…』『頑張ってくれているなぁ…』と、個人的には感じています。(国内某店にも見習って欲しいですナ)
CNCの加工技術も日々進化しているのでしょうが、緩やかな曲線が出るように削って両端をヘッドとリア、両パーツの直径にドンピシャで合わせるってのは、部分的に細く同径で削って凹凸を設けるより大変なんじゃないかと想像してみたりする今日この頃・・・(※個人の想像です)
+++
日本のamazonで販売されているペンライト製品全般のレビューの中で医療関係の方のレビューを読んだ印象ですが、操作性や光色、光量、耐久性、価格など、総合的にバランスの取れた医療現場で使えるペンライト製品が意外と少ない印象を受けました。
医療現場で使われるメディカルペンライトは、光源がLEDでは明る過ぎるので未だに電球を光源したライトが主流のようですが、ThruNite Ti4 のFireflyモードや自然な光色はメディカルペンライトとしても十分使えそうな気がします。(※これも個人の想像です)
光源の寿命や落下時の故障率などから安価な製品が好まれているようですが2本、3本と買い換えれば結局は同じですし、光源寿命が20年以上で耐落下衝撃性能は高さ:2m、IPX-8の防水性能などなどメリットを考えると医療現場でも使用に耐えうるのではないかと・・・(゚ー゚*)。oO
+++

Ti4のデザインは人によって好き・嫌いが有ると思いますが、シンプルなだけに飽きが来ず長く使えると思いますし、スーツのポケットに入れても違和感が有りません。
ん?47 の Preon P2 に似てる?・・・それも気のせいです!(`・ω・´) キリッ
気になった点は、THRUNITEのLogoと型番の印刷が”間延び”して見えるのがイマイチかも・・・(向きも逆かな?)
性能とは無関係な部分ですが高級感のある綺麗なフォルムなので少し勿体無い気がします。

しかしながら使い込む程に手に馴染みそうな製品ですし個人的に夜間撮影時に多用すると思います♪