最初にこの ThruNite Ti titanium の仕様を見た時、仕様欄を3度見しました。
『 うーん、62ルメーンかぁ、1st Ti に戻った様な・・・えっ?Max:162ルーメン!? 』
『 へ、へぇ… XP-E2 でも1AAAで162ルーメン出る・・・はぁ? XP-L !? 』
『 このスペックでこの価格ならステン・・・おぉ、チタニウムとな… 』
いわゆる《3段オチ》ってヤツです。 ←※違います
まさか1AAAライトにまで XP-L を載せて来るとは考えてもいませんでしたし、しかもチタン製でこの価格設定とは・・・コレまでの1AAAライトの常識(?)を覆す仕様にすっかり目を(心を)奪われてしまいました。
これまでヘッドツイスト式ライトを数本使ったのですが、どうも自分とは相性が良くない様で、どのメーカーのヘッドツイスト式ライトも購入するのを躊躇っておりました。(※後述)
しかし、この ThruNite Ti XP-L Titanium は、実際に自分で使ってみてライトマニア以外の方にもEDCライトとして自信を持ってお薦めできるライトです。(自分で言うのもナンですが、私がココまで言い切るのは珍しいんですョ)
■ThruNite Official – ThruNite Ti titanium 製品ページ
パッケージ
今回入手した Ti titanium は Limited Christmas Edition (LCE)と呼ばれる限定品で、クリスマスシーズン向けの特別パッケージです。
Ti本体、ステンレス製クリップ、予備Oリング*1、キーリング&チェーン、英文マニュアル、乾燥剤がスチール製缶ボックスに丁寧に納められています。
※この Ti titanium LCE が SOLD OUT になった後、製品本体の仕様変更が行われるのか、はたまたチタンボディが継続販売されるか否かは未確認です。
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《追記:2015/01/19》
【朗報】Ti-LCE の販売終了後も XP-L搭載のチタンモデルは継続販売されるとの事です♪
また、Tiシリーズのステンレスモデル(こちらはXP-G2搭載)も近日発売予定との事なので乞うご期待♪(*´∇`*)
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サイズ
全長:70mm/ヘッド径:14mm/本体重量:16g ※何れもカタログ値
電池込みの装備重量:28g ※実測値
とにかく小さく、チタン製なので非常に軽くて 『 ポケットに入れているのを忘れてしまう… 』 というのも決して大袈裟な表現では無く、実際どのポケットに入れたか捜してしまうほどです。
ボディ
ヘッドとボディの2分割式。
表面は鏡面(バフ)加工されていますが、ボディ全体にローレット(ナーリング)が施されているので滑りにくく、ON/OFF操作もスムーズに行えます。
付属のクリップは、どちらの方向にも取付可能です。
ヘッドとボディのジョイント部も高精度で加工されており、ゴリゴリ感やジャリジャリ感などは一切有りません。
ジョイント部分のネジ長さも充分に確保されており、スイッチOFFの状態(ヘッドを緩めた状態)でも緩め過ぎ無ければ簡単に脱落しないと思います。
テール(リア)部分にストラップホールが設けられ、付属のキーリングが取付可能です。
テールエンドも鏡の様に平滑でローソク立ても安定しています。
ボディ内部に電池の【-】接点となるスプリングが内蔵されており、ヘッドを緩めた状態でもスプリングの反発力とOリングの摩擦力でヘッドが脱落しにくくなっています。
ヘッド/LED
ガラス風防にOPリフ。
XP-Eよりダイサイズの大きいXP-Lを採用した事で、EDCライトとして使い勝手の良い超拡散系の配光となっています。
ヘッド部分に製品型番の Ti と THRUNITE のロゴがレーザー刻印されています。
XP-LのランクはV4。
高出力モデルのNew ArcherシリーズやTN4Aに搭載されたV6より高出力時(大電流)に於いての効率面で若干劣りますが、小電力でドライブした場合にはその差異は殆ど無く、無駄に高ランク品を搭載するとコストアップに繋がるだけなのでV4で正解だと思います。
マーケティング的には【V6】の方が良いのかもしれませんが、ちゃんと【V4】とアナウンスする事からもこの製品に対するThruNiteの自信とポリシーを感じてしまいます。(深読みし過ぎかなぁ?)
モード
チタンボディなのでサーキットボードとボディがダイレクトに接触して通電します。
搭載モードは計4モード。
・Firefly: 0.5 Lm / 115時間
・Low: 12 Lm / 6.3時間
・Hi: 162 Lm / 30分
・Strobe: 162 Lm / 1時間
さすがに162LMのランタイムは短いのですが、個人的には【30分も】という印象です。
ヘッドを【締めて ON/緩めて OFF】で操作を行います。
・モードの変更は、点灯時にON/OFF操作を2秒以内に完了する事で次のモードに移行します。
・任意のモードで2秒以上連続点灯すると現在のモードが記憶され、消灯後2~10秒以内であれば記憶されたモードで再点灯します。
・消灯後10秒以上経過すると、モードメモリがリセットされ Firefly から点灯します。
個人的には Firefly モードでの使用頻度が高く、この Ti Limited も基本的に Firefly スタートなので、どのモードで消灯したか(点灯するか)意識する必要が無いので非常に使い易いです。(Lumintop TOOL AAA はMedスタートなのですが、Medでスタートしても結局スグにLowモードに落として使う事が多い)
使用状況によっては Low の12ルーメンでスタートした方が良い、という方も居るかと思いますが・・・屋内ではLowでも明るすぎる場合が有り、ヘッドを手の平で覆って点灯する事になるので Ti Limited がヘッドツイスト式で有ることも考えると最大公約数的な Firefly スタートが正解だと思います。(Hiスタートじゃなきゃダメ!って人は選ぶライトを間違えていると思います)
感心したのはストロボモードで、モード変更を6回繰り返すと、7回目にONにした時にストロボモードになります。(ストロボはメモリーされません)
『 なるほど!この手があったか!(゚∀゚) 』と、目からウロコ状態です。
ストロボモードを搭載したヘッドツイスト式ライトを敬遠していた理由のひとつは、モード変更を繰り返す際にストロボを通過しなきゃダメな製品ばかりだったからです。
通常使用時に於いては6回連続してモード変更操作を行う事は希で、この Ti Limited は、意図して操作しない限りストロボに入る事が無いので非常に有難いです。
電池
動作電圧は 0.9 – 3.0V。
単4乾電池か、エネループ等のNi-MH充電池を使います。(3.7V の 10440 Li-ion充電池は使用不可)
電池室内径にも若干余裕があるので、単4サイズのエネループ・プロでも使えると思います。
(Max:3.0Vって事は…もしかして2AAAのペンライトとか…?)
《追記:2015/05/22》
やはりと言うか 2AAA仕様のペン型ライト【Ti4】がリリースされ日本のAmazonでも販売が開始されました♪
Firefly / Low / Hi / Strobe の 4-mode で 至近距離から遠距離まで幅広くカバーしてくれそうな製品です。
照射
・Firefly/Low/Hi
・Firefly/Low/Hi
EDCとして使い易い超拡散系の配光です。
光色はCWでもやや色温度の低い白色で、近距離でHiにしても違和感の無い白さです。
Hiの連続点灯ではヘッドがそれなりに熱くなりますが、季節柄か危険を感じる程ではありません。
が・・・、もしかしたらXP-Lだけの発熱ではなく、昇圧回路から出る熱も影響しているのかも・・・うーん、回路が観たい!(笑)
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162ルーメンが暗い?
amazonのレビューに投稿されている意見として、Hiの162ルーメンが Ti3 と比べて暗いとありますが、これは別のレビューアさんが書かれている通り、同じルーメン値、もしくは高いルーメン値のライトであっても配光や光色によって全く印象が変わるからだと思います。
LEDに於けるルーメン値とは、LEDから出る全光束量を示すモノですが光束を荷重に置き換えるとイメージし易いと思います。
例えば、同じ100gの荷重を針の様に点で受けるのと、面で受けるのとでは作用(応力)が全く違ってきます。光束についても同じ事が言えて、光を絞ってスポットにすれば明るく(重く)感じますし、光を拡散すれば暗く(軽く)感じます。
下の画像は Ti Limited(Hi:162LM)と Lumintop TOOL AAA(Hi:70LM)とのビームショット比較画像です。
拡散系だと思い込んでいた TOOL AAA が、Tiと比べたらスポット強めな遠射系になり、両者の中心光だけを見ればルーメン値が低いハズの TOOL AAA の方が明るく見えます。またデジカメの自動露出は、明るい(強い)光の方に露出を合わせてしまうので、暗い(弱い)光は、より暗く写ってしまう傾向がある点にも留意して下さい。
次の画像は、ワイド/スポットの切替機能を持つ、TK737の同じモード(推定値:350LMに改訂)でのワイド/スポット照射比較です。(Av/Tv 固定)
同じルーメン値でもワイドにした場合とスポットの場合では、体感的な明るさが全く異なり、光の到達距離も大きく変化する事が良く判るかと思います。
配光パターンにも好みが有りますし、感覚を分かち合うのは難しいのですが Ti Limited が暗く感じるのはリフレクタータイプのライトでも超拡散系であるからで、162ルーメンという数値が決してデタラメな値では無い事を付け加えておきます。
まとめ
過去に使った主なヘッドツイスト式ライトは
・ThruNite T21 ← ヘッドを締めすぎて中破
・MXDL 3W ← MODし過ぎて大破
・MAGLITE SOLITAIRE ← 同じくMODし過ぎて中破
あぁ、全部自分が悪いのか・・・(ノ∀`)
これを全て『相性が悪い』としてみたり、緩めてOFFだとポケットに入れた時にヘッドが脱落するんじゃないか・・・と、ちゃんとした1AAAのヘッドツイスト式ライトを実際に使わないウチからネガティブに捉えていたんだと、今回思い知りました。
よくよく考えてみればヘッドツイスト式ライトにデメリットしかなければ、各メーカーともヘッドツイスト式の新製品や既存モデルの販売を継続する事は無いハズですし、やはり『 食わず嫌い 』だったんだなと・・・。
単純な構造で有るが故にジョイント部のネジ加工や電池サイズとリアスプリングの強度、Oリングのサイズなど、もしかしたらリアスイッチ式ライトよりもヘッドツイスト式の方が各パーツの精度にシビアなモノが要求されるのかもしれません。
ThruNite Ti シリーズは
・Ti
・Tis
・Ti2
・Ti3
と、バージョンアップを重ねてきましたが《 Ti 》の2文字を冠しながら全てアルミボディの製品でした。
今回、名実ともに Titanium となったワケですが、他のメーカーのヘッドツイスト式の1AAAはアルミボディの次にステンレスボディをリリースし、更に上位バージョンとしてチタンボディを発売・・・というパターンが多いと記憶しています。
『 Tiシリーズのステンレスボディが無いのは何故だろう… 』と思っていた矢先に、いきなりチタンモデルが登場して驚きました。
バージョンアップを重ねて蓄積されたノウハウや技術が惜しげもなく投入され、1AAAでも決して手を抜かないThruNiteの【本気】を具現化した製品であり、Limited Christmas Edition と銘打ったのも、特別なクリスマスプレゼントとして誰に送っても満足して貰える ThruNite社の自信作だからだと思います。
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ThruNite Ti titanium の特徴をまとめると
・シンプルなデザイン
・小型で軽量、堅牢なチタン製ボディ
・単四電池駆動
・基本的にFirefly から点灯
・不用意なストロボモードの防止
・超拡散系配光
・Max:162ルーメン
といった感じですが、これはそのまま私がEDCライトとしてお薦めする理由でもあります。
男性に限らず、女性がEDCとして使っても全然違和感が有りませんし、彼氏や意中の人にプレゼントしてもきっと喜ばれると思います。
えっ?クリスマスはもう終わった?
でも大丈夫!これから国民的行事で泣く子も黙って女性にヨイショする【必殺!バレンタインデー】が有るじゃぁナイですか!(゚∀゚)
『 こ、コレ・・・本当はクリスマスに渡したかったんだけど、勇気が無くて・・・ 』
とか言われたら、もう・・・(*´∇`*) ←※個人の妄想です
冗談はさておき、Limited Christmas Edition となっていても中身(本体)は正真正銘 Ti titanium なので、【SOLD OUT】になって悔しい思いをする前に入手されることをお薦めします。(最近 amazon の ThruNite製品がアッと言う間に売れ切れるんですぅ…)