ThruNite社製のヘッドランプといえばTH10が有りますが、1×18650仕様のパワフルな製品ゆえにボリュームがあり、カジュアルな用途ではややオーバースペック気味な感じもありました。
これまでは他メーカーのヘッドランプ製品も本格仕様の製品が多く 『もっと軽量でコンパクトなヘッドランプを…』 というユーザーの声が多いのか、各メーカーから軽量なヘッドランプが発売され、ThruNite社からもこの小型軽量なヘッドランプとして、このTH20がリリースされました。
ThruNite TH20 は、単三形乾電池×1本(もしくは 1×14500 Li-ion充電池)で使えるため、非常に軽量でコンパクトな製品に仕上がっています。ただ、軽量・コンパクトさと引き換えに出力やランタイム面では控えめなスペックとなり、その辺りがヘッドランプとして使用感にどう影響して来るのか・・・?
今回も amazon ThruNite@DirectさんよりTH10 CWバージョンの実機を提供していただきましたので、TH10との比較などを交えながらレビューしたいと思います。
■製品HP
・THRUNITE Official HP
・THRUNITE TH20 high output and light weight AA battery LED headlamp – THRUNITE.com
・THRUNITE TH20 (CW) – amazon.co.jp
・THRUNITE TH20 (NW) – amazon.co.jp
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INDEX
パッケージ
ThruNite製品共通のナチュラルな質感のクラフト紙BOXにパッケージングされていますが、TH20本体がコンパクトな為か、パッケージも非常に小さくまとまっています。
内容物はTH20本体の他に、ヘッドバンド&ライトホルダー、予備ライトホルダー、予備Oリング、多言語マニュアル(日本語の記述アリ)、Thank You Card、乾燥剤となっています。
サイズ
TH10と比較するとTH20はかなり小型になっているのが分かると思います。
【T字型】のTH10に対してTH20は【I字型】形状となりました。
ヘッド部分(?)がほぼ無くなり、その分だけTH20はリフレクターも小さく浅くなっています。その関係で配光もTH10から大きく変化し、TH20ではスポット光の拡散度合いが強くなっています。(※詳細後述)
【手の平サイズ】より小さく、装備重量も軽いので長時間装着しても疲れが軽減されそうです。
※実際にはカタログ値の本体重量:96gより20gほど軽くなっています。
ボディ
T6061-T6素材のフルアルミ合金の外殻は全てHA3処理が施されています。
完全なシンメトリー形状となっている為、スイッチや電池キャップの位置は、ヘッドバンドの装着方法、もしくはホルダーへのセットの仕方次第でユーザーの好み、利き手に応じて左右どちら側にでもする事ができます。
ヘッドバンド
ライトホルダーは全てシリコン系のゴム素材で出来ています。
何度もTH20本体を脱着してみましたが、丈夫で簡単に切れる感じはしません。
それでも簡単に自作できる物ではないので予備のライトホルダーが付属して来るのは安心ですし、25mm幅のウィビングを用いてベルトを自作すれば、頭部以外の場所にも装着できそうでTH20の用途が広がりそうです。
ヘッドバンドは1インチ幅(約25mm)で全て伸縮素材で出来ています。
TH10と比べてTH20の本体が軽量なためヘッドバンドはシンプルな鉢巻タイプの物になっています。
ヘッド
ヘッドと呼べるほど明確に光源部分が突出してはいませんが、TH20はリフレクター(OPリフ)を備えています。
市販のLEDを使ってライトなり照明なりを自作した経験をお持ちの方なら分かると思いますが、LED単体で点灯させると想像以上に光が拡散してしまい照明としての体を成さない事があります。
TH20のリフレクターも直径が小さく浅いのですが、このサイズのリフレクターでも有るか無いかで使い勝手が大きく左右されます。
光をコントロールする方法はリフレクターやレンズが一般的ですが、どちらの場合も更に光を拡散させるにはディフューザーなどを用いれば簡単ですが、最初から拡散している光を集光するとなると非常に難しいので(※個人的主観に基づいた持論)、TH20の光学仕様は大歓迎です。
LED
搭載LEDは Cree XP-L で BINは V6。
Cool-wite版とNeutral-white版が選択できます。
1AAならXP-G2やXP-E2でも良さそうですが、スポット弱めの拡散配光とするならLEDのダイサイズは大きい方が都合が良く、TH20は14500 3.7v Li-ion充電池にて最大:520ルーメンでも運用できるので、アンバランスなLEDとも言えないかなと・・・。
スイッチ
TH20のスイッチは、パっと見は機械式のスイッチに見えますが、リバース式ともフォワード式とも異なり、サイドスイッチと同じ様な圧電式のタイプのスイッチとなっています。
メカニカルスイッチではないのでストロークが短いのですが応答性に優れ、TH20の両端を親指と人差し指で挟んで操作する時にも操作し辛いとは感じません。後述する【Infinite】モードとの相性も良く、疑似クリック感もあるので圧電式に慣れていなくても全然問題無いと思います。
ちなみにスイッチ側にLEDを駆動する回路基板があり、スイッチ部分は手動では外せませんでした。
電池
TH20の動作電圧は 0.9 – 4.2v
1.5vの単三形乾電池(アルカリ、リチウム、マンガン)、1.2VのNi-MH充電池、3.7vの14500 Li-ion充電池が使用出来ます。
TH20のようなI型のヘッドライトは、光源部分のスペースを稼ぐためにボディに対して電池室が偏芯している物が殆どです。TH20は内部に樹脂製のスペーサーが組み込まれています。
電池室には余裕があり、チョイ太のeneloop proも余裕で入ります。
電池は【+】極から装填しますが、スイッチ側の【+】接点はフラットトップの電池には対応していないように見えます。市販の使い切り単三形乾電池を使うぶんには問題有りませんが、フラットトップ型の14500充電池は使えないかもしれません。
キャップのネジ部は角ネジではありませんが、ネジ山も処理されており強度的にも不安はありません。ただ、Oリングがしっかりと効いている所為か最後までしっかりとキャップを締めないと点灯しないことがあるので要注意です。
逆にキャップを少し緩めれば誤点灯防止のロックアウト状態にすることができます。
モード
TH20における明確なモードは《Firefly》・《Low》・《Hi》・《Turbo》・《SOS》となります。
スイッチの1クリックでON/OFF。
消灯時からの長押しで《Firefly》スタートとなります。
点灯中のモードに関係無く、スイッチを長押しすることで【Infinite】モードとなり、長押し中は《Low》→《Hi》→《Low》…の間で無段階調光(ディマー)を繰り返します。
調光中は《Low》と《Hi》に入った時点でライトが2回点滅します。
好みの明るさになった時点でスイッチから指を離すとその明るさで常時点灯します。
モードメモリを備えているので消灯時の明るさで再点灯します。(※TurboとSOSを除く)
どの明るさで点灯していても点灯中にWクリックすると《Turbo》で点灯し、《Turbo》モードでWクリックすると《SOS》で点灯します。
どの明るさで点灯していてもスイッチを1回クリックすると消灯します。
■動画サンプル(YouTube)
照射
Firefly – 0.3Lm
水平照射
演色比較
蛍光灯 18W
THRUNITE TH10
OLIGHT H05S
THRUNITE TH20
屋外照射
白昼(※中央立木まで67m)
Firefly: 0.3Lm
Low: (Min.)
Middle
Turbo: 250 Lm
THRUNITE TH20 – All mode
※ThruNite TH10 の屋外ビームショットはコチラ
水平照射画像を見るとTH10との違いが一目瞭然ですが、TH20は中心光が太くリフレクターサイズの違いより配光パターンが変化することがよく判ります。
光色についてはCWですが色温度がやや低めの印象です。(個体差があるかもしれません)
あくまで個人的な印象ですが、これまでいくつかのXP-L搭載ライトを見ても、XP-LのCWはやや暖色寄りの傾向が強いように感じます。
TH20は拡散配光なこともあって画像ではあまり明るく見えませんが、Turboモードの250Lmなら足元から20~30m先まで充分な明るさで照らせます。これ以上の距離を照らしたい場合にはTH10か、ヘッドランプとは別にパワフルなハンドライトを併用するのが良いと思います。
まとめ
ThruNite TH20 の【Infinite】モードをどう評価するか?
一般的なフラッシュライトと同様に、予めプリセットされたモードに素早く移行した方が良いのか、それとも状況に応じて細かく調光できた方が良いかは、ユーザーや用途によって評価が別れると思います。
個人的にはTH20が1AA仕様のヘッドライトである事を考えると、無段階に調光できた方が無駄に明るかったり、逆に暗すぎたりという事が避けられ、電池の節約にも繋がると思います。
一定時間同じ明るさで点灯している時より電池残量が掴みづらいというデメリットがありますが、何度か使っている間にランタイムも感覚的に判るようになるハズです。(※V10Aによる経験談)
何より1AA仕様ライトの軽量・コンパクトさはカジュアル用途にピッタリですし、IPX8の防水性能は予備のヘッドライトとしての役割も果たしてくれそうです。
予備ライトホルダーも嬉しいのですが、希望としては何処にでも引っ掛けられるように脱着式のWクリップも同梱して貰えるとEDCライトとしても使えて嬉しいかも・・・(*´∇`*)