今回レビューするのは、ストレート形状のハンドライトとしても、L型のアングルライトとしても使える NICRON N7 です。
昨年の11月、Aliexpress の11.11セールの時に購入したのですが、なんやかんやで半年過ぎてしまいました…(^^;
こういうトランスフォームするライトでは、ROFIS が有名処かと思いますが、この N7 は約$10とリーズナブルなお値段で気軽に買うことができました。
ハンドライトとアングルライトの両方で使えるので、何かと便利そうなのですが、果たして一粒で二度美味しい製品なのか…?
軽めのレビューをお届けしたいと思います。
《2020/09/07:追記》
製品ロット、もしくは製品個体差の可能性がありますが、このN7は、テール部分を緩めても完全に通電がカットできず、電池を消耗し続ける事が判明しました。アルカリ乾電池の場合は電池残量がゼロになるだけですが、eneloopなどのNi-MH充電池や、プロテクト回路の無い14500では、過放電により電池が故障してしまいます。イザ使おうとしたら電池切れ…という事態に陥る可能性もあるので要注意です。
製品HP
- NICRON Official HP
- NICRON N7 – aliexpress.com
参考リンク
- SAMSUNG LH351B – SAMSUNG
パッケージ
パッケージ自体は簡素です。
N7 の電池仕様が AA/14500 なのでパッケージも小型です。
内容物は、N7本体、予備Oリング、取扱説明書となっています。
仕様/サイズ
基本的に AA/14500仕様のライトなのでそれほど大型な製品ではありませんが、ヘッド部分が可変機構を持つだけに全長が長くなっています。
それでもヘッドをL型に曲げると全長が100mm程度になり、1AAライトらしいサイズになります。
重量についてもやや重くなっていますが、これも可変仕様の影響かと思います。
ボディ
可変にも惹かれましたが、N7の外観デザインやグレー色も気に入っています。
ヘッド部分の分解を試みましたが、接着されている為か分解出来ませんでした。
電池をセットしない状態ではヘッド側に重心がありますが、使用時にはスイッチ付近に重心が来るので使い辛くはないです。
価格が価格なので塗膜の強度は期待できませんが、塗装自体は均一で綺麗です。各部の面取り処理も丁寧になされていると思います。
クリップは一般的なハメ込み式で脱着が可能ですが、ストラップホールが無いのでランヤードを着ける際にはクリップに引っ掛ける事になります。
ヘッド
SMO(ミラー)リフに SAMSUNG LH351Bの組み合わせ。
LEDについては、SAMSUNGとしかアナウンスされていませんが、LEDの放熱基板から LH351B で間違いないと思います。
ヘッドが分解できなかったので推測になりますが、ボトムホール廻りの処理からして、リフレクターはプラスチック製かもしれません。
ヘッド部分は自由に可動するワケではなく、一方向へ、最大90度だけ曲がります。
動かす時にはさほどチカラは必要なく、抵抗感もあるので 0~90度の範囲であれば任意の角度でヘッドを止める事が可能です。
ただし、止める角度に関係無く、構造的に防水・防塵性能などは期待しないほうが良いでしょう。
また、可動部の面同士が擦れる関係で、この部分の塗装は傷みやすくなります。
スイッチ
スイッチはタクトタイプのスイッチで、僅かながら疑似クリック感もあります。
スイッチ面積も大きく、しっかりと出っ張っているので操作はしやすいスイッチです。
ただ、サイドスイッチなのでラフにポケットに入れると誤点灯する可能性も大きく、携行する際にはリアを緩めて物理的にロックアウトした方が安心です。
テール
テール部分にはマグネットが仕込まれていますが、ハメ込み&接着されているので簡単に脱着する事はできません。
鉄部に貼り付けて、N7を簡易照明として使用するには便利ですが、簡単にマグネットが脱着できたりマグネット無しのリアキャップが用意されていれば、更に色々と捗るかと思います。
モード
通常モードが Hi/Low の2モード。
特殊モードは、Strobe/SOS の2モードになります。
消灯からワンクリックで【Hi】、点灯中にクリックする度に【Hi】→【Low】→【OFF】となり、常に【Hi】でスタートします。
特殊モードはON/OFF状態に関係なく、スイッチの2秒の長押しで【Strobe】で点灯開始、クリックする度に【Strobe】→【SOS】→【OFF】になります。
Strobe/SOS にて、スイッチを2秒長押しすると、通常モードの【Hi】で点灯します。
ワンクリックで消灯できない仕様とは知らずに買ったのですが、正直使い辛いです…(^^;
通常モードのサイクルに【Strobe】や【SOS】が含まれていないのが救いです。
N7には過熱防止リミッター的な機能は実装されておらず、どちらの電池を使っても【Hi】での点灯は、それなりの発熱を伴うので連続使用時には注意する必要があります。ちなみに【Low】では僅かですがフリッカーが発生します。(価格が価格なので仕方ないですが…)
使用する電池によって出力値やランタイムが変化しますが、14500の他に市販の単三乾電池でも使えるのでレクリエーションだけでなく、防災・減災でも活用できそうです。
NICRON N7 / SAMSUNG LH351B (CW) – Operating & mode cycle – YouTube
照射
配光/光色/演色
LED電球
NICRON N7
LUMINTOP TOOL AA 2.0
ThorFire TG06S
屋外照射
白昼/軸線(立木まで67m)
NICRON N7
14500
eneloop
LUMINTOP TOOL AA 2.0
14500
eneloop
ThorFire TG06S
14500
eneloop
N7のLEDは SAMSUNG LH351B ですが、CREE XP-L HD よりも XP-G3 に近い配光パターンかと思います。
若干、中心光が強いかなぁ…という感じですが、可変機構があっても1AAサイズのライトなので、リフレクターのサイズにより他のAAモデルと配光に大差はありません。
14500使用時のMax:600 Lm については、大体それぐらいかな?…と、いう感じで大袈裟に誇張はされていないと思います。
屋外照射だと、TOOL AA や TG06S と比べて中心光寄りの配光というのがよく分かると思います。
まとめ
約$10という価格を考えれば、良く出来ていると思います。
ボール盤や電動工具を使った作業をする際にピンポイント照明として使うつもりで購入しましたが、可動部分に切粉や粉塵が入り込むと面倒なので、結局当初の目的では使っていません。
アウトドアでの使用も同じく可動部に泥や砂が入り込むと面倒な事になりそうですし、防水性にも一抹の不安があります。
・・・となると、こうしたトランスフォームするライトの用途、存在意義は如何に?…と疑問が沸いてくるのですが、屋内限定のルームライト、あるいは非常灯として使うには良いかもしれません。
光の方向をある程度コントロールできるのは良いのですが、本格的なアウトドアでの使用となると、可変機構を持たないアングルライトやタスクライトの方が安心して使えそうです。
結論としては、一粒で二度美味しいケド、美味しさを味わうには場所が限定される…って感じでしょうか?
ただ、操作方法にひと癖有るものの価格が安い割りにはしっかりと造られていますし、変わり種ライトとして一本持っていても損はないと思います。
明日、6月22日の夏至を境に日毎に日が短くなるので N7 に限らずライトの出番が多くなりますね♪