MAGLITE 2D : LED化計画・・・いきなり完結編

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ChipLink CL0118B

この MAGLITE 2D は【2D】の表記のとおり、単一乾電池(Dセル)を2本使うモデルですがぁ、これから新たにマグライトのミドルサイズやフルサイズ電球モデルを買うなら、個人的には単二電池(Cセル)を3個以上使うミドルサイズモデルがお薦めです。

しかし、私のようにマグライト 2D/2Cの電球モデルを、つい、うっかりとポチってしまった…もしくはムシャクシャして買った…って場合には、LED化をあきらめて電球を使い続けるしかない・・・なぁんてことはありません。

乾電池2本(3.0V)に対応した市販のLED化パーツも使えますし、昇圧回路さえ組めれば2セル仕様のデカマグでも自分でLED化することも可能です。

なんでLED化するのか?…と、問われれば 『そこに電球があるから!』 と、即答するのですがLEDは電球に比べて消費電力あたりの効率(明るさ)が良くて光源の寿命も長いからお財布にも優しいのです。

■参考:TDK・・・どんどん普及しているLED電球の「明るさ」について知る

で・・・LED化ユニットを自作しようと色々と調べた結果、入力が3.0Vに対応していて入手性も良く、部品点数が少なくて回路を組むのも簡単な ChipLink社の CL0118B を使うことにしました。

CL0118Bは、1.5Vの電池1本で白色LEDを点灯させるLEDドライバ CL0117 の姉妹品(?)で、CL0117と同じく他に必要なパーツはコイルだけなので回路を小型できます。

1個数百円もする高価な昇圧用ICを使えば3WのLEDを一定の電圧でフルドライブ可能な電流量が得られますが、IC以外のパーツも多数必要となり回路も大きく複雑になっていきます

前回みたく2セル仕様の2C/2D マグライトにもLED電球ユニットを組み込んでゴニョゴニョすれば大きな基板を使うコトも可能ですが、今回はもっと手軽に安価に昇圧回路を組むためにCL0118Bを選択しました。

CL0118Bは電源となる電池電圧により出力電圧が変動するし大出力も期待できませんが、限られたスペースに回路を組む場合には便利で素敵なICです(*´∇`*)

※この昇圧回路は乾電池を2本使用するマグライト 2C/2D専用となります。乾電池を3本以上使用するモデルでは使用不可なのでご注意ください。

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LEDのVf

乾電池2本の電圧(3.0V)で白色LEDを【使える明るさ】で点灯させるには、3.0Vを3.3Vぐらいまで昇圧する昇圧回路が必要です。

昇圧回路を自作する前に、先ずは白色LEDを点灯させる条件についてのおさらい…

一般に販売されている白色光のLEDを点灯させる為には、LEDに3.0~3.6Vの電圧(Vf)をかける必要があります。Vfが3.0~3.6Vと幅があるのはLEDは半導体であり製造時に性能にバラつきが生じる為です。
※白色光のLEDなら光色(CW・NW・WW)に関わらず、大体Vfは3.0~3.6Vの範囲です
 
 
『下が3.0Vなら、1.5Vの乾電池を2本直列にすれば点くんじゃね?』
 
 
えぇ、確かに…Vfが3.0VのLEDが手に入れば1.5Vの乾電池2本で点灯させるコトは可能です。

しかし、『Vfが3.0VのLEDをください!(`・ω・´) 』 と言ってオーダーしても大抵は 『無理www』 と返されます。理由は前述の通り製造時に性能にバラつきが出るからで、何千個も製造されるLEDの中からメーカーがVf=3.0VのLEDだけを選別するのは、ほぼ不可能だからです。

それと、例えばVfが3.3VのLEDでも満充電状態のエネループを2本直列(2.6~2.8V)にして繋げば弱い光で点灯できちゃったりします。
ただし、例え点灯できたとしても連続点灯させているウチに電池電圧はどんどん降下するので Vf=3.0V のLEDを電池電圧が3.0V以下の状態で点灯できる時間は、さらに短くなってしまいます。

なので、ライトとして考えた場合は【点灯している = 使える】ではないので、乾電池2本を使うなら【使える明るさ】を維持するための昇圧回路が必要になってくるのです。

※たまに【選別品】として高値で販売されているLEDもありますが、個人的にはあまりお薦めしません。何が何でもLEDのVfを揃える必要が有れば別ですが、割高な【選別品】を使わなくてもフツーのLEDとLEDドライバがあればそれなりの明るさでLEDを点灯させることが可能なので【選別品】に拘る必要は無いと思います。

パーツ

CL0118B

ChipLink CL0118B

昇圧回路に必要なパーツは、このCL0118Bと47uHのインダクタ(コイル)だけです。

I-06280 ¥100(@¥20)
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-06280/
※秋月電子の他にも取り扱っている店舗は多いので入手性は悪く無いと思います。

YX8115Sのような表面実装型があればもっと小型化できるのですが・・・

インダクタ(コイル)

マイクロインダクタ 47uH

インダクタンスが47uHであれば良いのですが、とにかく小型化してP13.5s口金の中に回路を収める必要があるのでマイクロインダクタを使います。

インダクタンスの他に注意したいのは最大許容電流で、今回は余裕をみて最大:1.4Aのモノを使います。

P-04924 ¥100(@¥10)
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-04924/
※これでもサイズ的に大きいです…

LED

φ4.8mm 帽子型 WW LED

どうせLED化するなら爆光に…ってのが人情ですがぁ、CL0118Bを使う限り得られる電流量も限られているので、手元に有った4.8mmの3チップ並列のウォームホワイト(WW)砲弾型(帽子型)LEDを使うことにします。

I-06399 ¥300(@¥30)
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-06399/
※φ4.8mmのLEDを使うので、今回のクリプトン球モデルだけでなく、キセノン球の2C/2Dモデルでも使用可能

ユニバーサル基板

基板
基板
基板

立体配線してショートしないようにP13.5s内に回路を格納できれば基板は必要無いのですが、今回は紙エポキシのユニバーサル基板を使いました。(ホントは基板が無い方が小型化できて格納しやすいです)

LED用に円形基板を切り出しましたが、最終的には不要となりました・・・(´Д` )

基板は必須ではありませんが、余ったCL0118BやコイルやLEDを使って簡単なLEDライトを自作することも出来るので、送料節約のためにも単四・単三の2本用の電池ボックスと一緒に安価な基板をオーダーするのもアリだと思います。

P-00181 ¥120
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-00181/

P13.5s 口金

MAGLITE 2D Krypton / DIY LED mod. P13.5s
P13.5s 口金

口金の中に自作した回路を格納し、クリプトン球と丸ごと交換可能な構造にします。

秋月電子で扱っていれば全てのパーツを一括でオーダーできて送料が節約できるのですが、残念ながら秋月ではP13.5s 口金の取扱がありません…(´Д` )

検索すれば何店かで取り扱っていますし、amazonや家電量販店でP13.5sのクリプトン電球が2個一組で販売されているので、少々もったいないのですが1個潰して口金だけを使うという手もあります。

パーツ一式

パーツ一式
  • CL0118B — ¥100 (@¥20)
  • インダクタ — ¥100 (@¥10)
  • LED — ¥300 (@¥30)
  • ユニバーサル基板 — ¥120
  • P13.5s 口金 — ¥30

------------------------------
パーツ代 計:¥650(@¥210)
※( )内は単価
※送料含まず

海外通販を利用してφ8mmやφ10mmの放熱基板に載ったXP-GやXP-Eを使えば、もう少し明るいLEDライトにすることも可能です。ただ、今回はマニアックな改造ではなくハンダごてさえあれば誰でも自作可能な方向で進めたいと思います。

ちなみに個人的に大好きな目玉焼LEDは、マグライトのバルブリテーナーの開口部径が小さいモデル(キセノン球モデル)では使えないので対象から外しました。

腕に覚えがあるならば、表面実装型のHT7733Aを使って3.3Vの定電圧回路を組み、250mAぐらいの電流で3WのXP-Eをドライブするって手もあります。

昇圧回路

CL0118B

昇圧回路のパーツはCL0118Bとコイルだけですが、先ずはCL0118Bを基板に取り付けます。

MAGLITE 2D Krypton / DIY LED mod.
CL0118B 実装

データシートにはマーキング面を基準にピンアサインが記されています。基板に実装する際はマーキング面が下(?)に隠れるのでピン配列に要注意です!(`・ω・´) キリッ

TO-92のピンは折れやすく2、3回曲げたり戻したりするだけで折れてしまうので慎重に曲げて下さい。

次に47uHのマイクロインダクタを、基板を挟んでCL0118Bの反対側に実装します。

MAGLITE 2D Krypton / DIY LED mod.

コイルのリードを繋ぐのは CL0118B の 《VIN》 と 《LX》 のピンで、コイルが基板に密着するように実装します。

インダクタ 47uH 実装
インダクタ 47uH 実装
インダクタ 47uH 実装

元々、表面実装型の部品ではないのでコイルのリードを面付けできるように曲げる必要があります。ICのピンよりリードが太いので折れにくいのですが何度も曲げているとやはり折れてしまいます。

MAGLITE 2D Krypton / DIY LED mod.
LED

φ13.5mmの円形にカットした基板にLEDを実装しますが、この円形基板は余分でした。(※後述)

MAGLITE 2D Krypton / DIY LED mod.

LEDのカソード(K/-)からハンダを引いてP13.5s(GND)との接点を確保します。
※結局ココもあとで改修が必要

MAGLITE 2D Krypton / DIY LED mod.
点灯チェック

CL0118BとLEDの基板をブレッドボード上で接続して仮点灯させてみます。
この段階で点灯しなければ、基板に実装したCL0118Bとインダクタの配線に問題があると思われます。

仮点灯にて配線に問題がなければ2つの基板を繋ぎます。

LED【+】

LEDのアノード(A/+)を CL0118B の《LX》と繋ぎます。

LED【-】

LEDのカソード(K/-)を CL0118B の《GND》と繋ぎます。

GND

P13.5sがマグライトの【-】極と接触することでGNDが確保されるので CL0118B の《GND》とP13.5sとの導通を確保せねばなりません。CL0118B の《GND》から直接配線しても良いのですが、P13.5s内に組んだ回路を格納する際にリードが外れる恐れがあります。

GND

LED基板にハンダ引いたのは、LEDの【-】線を通してCL0118Bの《GND》を安全に確保するためでした。

点灯チェック

配線に不具合が無いか確認して再度点灯チェック!

点灯チェックをパスしたので実際にLED化ユニットをマグライトにセットしようとしたのですがぁ…、円形基板の厚みが原因でバルブリテーナーが取り付けられませんでした…(´Д` )

MAGLITE 2D Krypton / DIY LED mod.

せっかく作った円形基板ですが、ユニットが取り付けられなければ意味がないので円形基板を取り除きLEDのカソード【-】にリード線(LEDの足をカットした端材でOK)をP13.5sのフランジ部分の切り込みに合わせて繋ぎ、余分なリードはP13.5sの胴に巻き付けて確実に《GND》との導通を確保しました。

P13.5sの中空部には、接着剤やホットメルト(グルーガン)を詰めておけば良いかとも思いましたが、ICやコイルの放熱を考慮して何も詰めないでおきました。

点灯

MAGLITE 2D Krypton / DIY LED mod.

普通に電球バルブをセットするのと同様に自作LED化ユニットをセット。

MAGLITE 2D Krypton / DIY LED mod.
マグライト 2D 自作LED化ユニット
マグライト 2D 自作LED化ユニット

明るさはノーマルのクリプトン球と・・・あんま変わんないネ(´・ω・`)

マグライト 2D 自作LED化ユニット

↑は皆既日食の画像…ではなく、ビームをワイド側にした時に中心部にできるダークスポットです。(これは使いにくいw)

LEDとリフの位置関係でこんな風になってしまうのですが、市販のLED化ユニットでもこうなるのかな?

MAGLITE 2D Krypton-model beam
マグライト 2D / クリプトン球
マグライト 2D / クリプトン球

ノーマルのクリプトン球でもダークスポットは出来るのですが、電球は全体的に光るのでLEDほど酷いダークスポットはできません。電球使用時のダークスポットは、集光された周辺光に対しての中心部の光量不足って感じです。

LED化したことで、取り敢えず光源の耐久性は確保できたので、今回はコレで良しとしましょう。

まとめ

今回は簡単な回路なので【いきなり完結編】でした。

LED化云々よりもDセル仕様マグライトの装備重量がナンとかならないかなと…

マグライト 2D:装備重量

アルカリ単一乾電池を2本使った場合の装備重量が約640g。
これは ThruNite TN36 (4*18650)の装備重量より約30gも重いことになります…(´Д` )

アルカリ単一乾電池:重量

アルカリ単一乾電池:2本の重量が約260gなので1本当たり約130gの重さです。

マグライト 2D:本体重量

マグライト 2D の本体重量実測値は、カタログ値(402g)より軽い375gでした。

装備重量のうち単一乾電池が占める割合が尋常ではないので、軽量化するには単三→単一の変換アダプタを上手く使って軽量化するのが一番簡単で現実的です。

単三サイズのエネループが1本当たり約27gなので(エネループ・プロは約32g)、変換アダプタを介して単三サイズのエネループを計4本(約108g)使ったとしても単一乾電池1本分より軽いことになります。

D-cellシリーズのマグライトに合うバッテリーチューブを自作するのは、ちょっと面倒臭そうなのでやりませんが(笑)市販の単一乾電池のサイズを備忘録としてメモ。(※製品によって寸法差アリ)

・長さ:約61mm

アルカリ単一乾電池:長さ

・直径:約33mm

アルカリ単一乾電池:直径

・マグライト 2D/リア・エンド端から電池【-】までの深さ:約26.5mm

リア・エンド端
リア・エンド端

・2D > 2*18650 シミュレーション

2D>18650:シミュレーション

リアの接点をイジれば2*18650(7.4V)でもイケるな・・・(オイw)
 

カテゴリー: DIY, LED, MAGLITE, フラッシュライト, 改造/修理, 電子回路 タグ: , , , , , , , , , , , パーマリンク

MAGLITE 2D : LED化計画・・・いきなり完結編 への1件のコメント

  1. 匿名 のコメント:

    CR123Aのリチウム電池3つガイド込みで押し込みマイナスバネの頭に
    金属コマの下駄を履かせLED化すればお手軽に軽量9V化出来るんだがねえ

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