P60互換ドロップイン製作 【IR・赤外線LED編:其の壱】

  • Twitter
  • Facebook
  • Pinterest
  • Hatena
  • instagram
  • YouTube
P60互換・赤外線自作ドロップイン

紫外線(UV)LEDと来れば、次は赤外線(IR)LEDとなるのが謂わば自然な流れ・・・。

流れに身を任せてP60互換の赤外線(IR)ドロップインを自作してみました。

◆関連記事
電子回路 Vol.9 【試験編:AMS1117-1.8V】
電子回路 Vol.17 【試験編:AMS1117-ADJ】
電子回路 Vol.19 【失敗編:AMS1117-1.8 / ADJ】

LED

5W IR LED
5W IR LED
5W IR LED

紫外線と同じく赤外線でも数種類の波長のLEDが販売されており、チップ型、砲弾型とも波長が850nmと940nmのLEDを多く見かけます。

可視光線を発する赤外線LED(通電すると仄かに赤色光を発する)は850nmタイプが多く、砲弾型LEDを多灯(50灯とか)にして暗視カメラの光源などに使われる例をよく見かけます。940nmタイプのLEDは可視光線を発しないモノが多く、身近な処ではリモコンの発光部に使われています。

波長が長くなるほど大気中で光(電磁波)が拡散し難くなる、つまり指向性が高くなるのでリモコンには長波長の940nmタイプが適しているというワケです。

同じ目玉焼タイプの5W・赤外線LEDで 850nm と 940nm 両方を調達しましたが、今回は850nmタイプの方でP60互換ドロップインを造ってみました。

一応、暗視カメラ用の補助光源として使う予定で自作したのですが・・・(´・ω・`)

仕様

・Power:5W
・Vf:1.6~1.8V
・If:Max 2.0A
・Wave Length:850nm/940nm

…と、中華通販の仕様では5Wとなっていたのですが、5Wの根拠が未だに良く判りません。

全く同じLEDでは無いと思うのですが eBay の5W・850nmの赤外線LEDの仕様は…

・Wave Length: 850nm
・Viewing Angle: 120 degrees
・DC Forward Voltage (VF): 1.5-1.7V
・DC Forward Current (IF): 1400mA

…と、なっていました。

中華通販の販売店による製品情報(仕様)が信頼できるのであれば記載の情報を元に設計すれば良いのですが、そうでない場合は(経験上殆どは後者w)複数の情報を参照し、安全側に振って回路を考えた方が吉な事を学習・・・したハズ。

基板

5W IR LED - 自作基板

基板は自作基板で、紫外線(UV)LED用と同じ方法で造ったモノです。

回路

今回の赤外線LEDは、先の紫外線LEDより低いVf(1.6~1.8V)なので、電源に3.7Vのリチウムイオン充電池を使うとなると降圧する必要が出て来ます。なので例の AMS1117-1.8 を使って回路を構成する事にしました。(これも回路と呼ぶ程のモノでは無いですが…)

データシートによれば、AMS1117-1.8の最大電圧は12Vなので、満充電状態のLi-ion電池(4.2V)を2本直列(8.4V)にしても仕様上は大丈夫なハズです。入力電圧が3.7Vであろうが8.4Vであろうが、出力電圧は常に1.8Vに固定されているので過電圧になる事は無いハズです。

電流に関しては、入力電圧が 3.3V<Vin<12V の場合に Max=1.0A なので、今回使うの赤外線LEDの If:2.0A を信じるならば電流に関しても大丈夫なハズです。

よってAMS1117が仕様通りに動作すれば高価な赤外線LEDが“リアル目玉焼き”になることは無いと思います。

組立

AMS1117-1.8V
AMS1117-1.8V

組立手順は、先の紫外線(UV)ドロップインと基本的に同じなので省略。(※単純に写真の取り忘れ)

何か凄くハンダがアレですが、例のAMS1117の4番ピンの問題で1.8Vが出力されず、何度も部品の付け直しをしたからです。(いや、少しはハンダ付けも上手くなったんですよ…ホントに…)

AMS1117-1.8の4番ピン下にポリイミドを貼ってGNDと絶縁しました。

AMS1117-1.8V 自作基板 電圧計測

1.8V出てるのを確認したらLEDと繋ぎ、【+】のスプリングを付けて完成。

P60互換・自作赤外線ドロップイン
P60互換・自作赤外線ドロップイン
P60互換・自作赤外線ドロップイン

点灯

どれぐらいの性能なのか?
仕様通りに動作しているか?

比較するモノが無いと判断が付かないので、今は無き MANAFONT から2年ほど前に購入したUltraFireブランドの赤外線LEDのドロップ・インと比較してみます。(単にUltraFireのシールを貼って販売されていたモノだと思いますが、今となっては確認のしようが有りません)

UltraFire IR
UltraFire IR
UltraFire IR

UltraFire-IRドロップインの仕様は、波長が850nmタイプで対応電圧は 3.7~8.4V。

UltraFire IR

エミッタのダイの数から、多分1WのIR-LEDだと思います。(0.5Wの可能性もアリ)

両ドロップインをソラフォのシェルにセットしました。

5W IR vs UltraFire IR
5W IR vs UltraFire IR
5W IR vs UltraFire IR

赤い可視光線のみを撮影したいところですが、普通のデジカメだと上手く撮れません。
これはローパスフィルターがウンたらカンたら・・・詳しくは検索して下さい。

普通のデジカメで撮影すると今回自作した5W・IRドロップインの方が明るく見えますが、一般のデジカメでは赤外線のみを捉えて比較するのは困難です。なので赤外線対応ビデオカメラ(カメラ本体にマウントされているIR-LEDは940nmタイプ)で撮影し、今回作成したIRドロップインとUltraFireのIRドロップイン、両製品の赤外線光線の強さを比較しました。

通常照明

テスト撮影@通常照明

デジカメ画像

テスト撮影@赤外線・デジカメ画像

ビデオカメラのIRのみ

テスト撮影@IR-CAM. ONLY

ビデオカメラのIR + 5W IR & UltraFire IR

テスト撮影@IR-Flashlight

まとめ

撮影テストの画像を見る限り、自作の赤外線LEDドロップインも取り敢えず点灯しているのですが、OPリフの所為か赤外線が拡散してしまっています。例え赤外線で有っても、普通の白色目玉焼LEDと同じリフを使えば照射パターンはソレと似るのは当たり前ですな・・・。

5Wなのに暗い(?)のは照射パターンの違いも有りますが、それにしても・・・

AMS1117-1.8の仕様で最大電流が1.0A(実際の電流量はもっと少ないと思います)に制限されてしまうからか?と、思い実際にテール電流を測ってみました。

UltraFire IR

UltraFire IR/テール電流

5W-IR

5W-IR/テール電流1

まぁ、5Wの方もそこそこ流れてるな・・・と思いきや、みるみるウチに電流量が減って行く・・・( ̄▽ ̄;)

5W-IR – 1分後

5W-IR/テール電流2

5W-IR – 2分後

5W-IR/テール電流3

 
なんぞコレ?・・・(ーー;)

それに5W-IRの方は数十秒間連続点灯するとフリッカーが発生し、デジカメで見なくても点滅が確認出来てしまう有様。(静止画にノイズが走っているのはフリッカーの所為)

5W-IR/フリッカー

赤外線の拡散と電流量の関係で5Wなのに暗く感じるのは致し方無いのですが・・・何かオカシイ。

点灯後、一定時間を過ぎると点滅が始まる、電流量が減少するって事は、原因として一番疑わしいのは熱なのですが、LEDの発熱によって起こるのかAMS1117の熱暴走なのか・・・(両方かも?)

パスコンは10uFで二次は22uF。
AMS1117-1.8のデータシートに電圧固定タイプの回路図が無く、最適な二次コン容量が不明なので回路に問題が有るのかも・・・(´Д` )

続く・・・

カテゴリー: DIY, LED, フラッシュライト, 改造/修理, 電子回路 タグ: , , , , , , , パーマリンク

コメント投稿