前回の続き・・・
5Wの赤外線LEDとAMS1117-1.8を使ってP60互換赤外線ドロップインを自作した迄は良かったのですが、1W IR-LED と比べても暗く、熱が原因と思われるフリッカーも発生して 『ナンでやねん…』な状態。
・回路・配線が間違ってないか?
・5W IR-LED の不具合?
・AMS1117の不具合?
パーツが少ないので原因の特定は簡単だと思うのですが・・・(´Д` )
回路・配線
PCBに使ったのとは別の個体ですが、一応、本番前にAMS1117-1.8をブレッドボードで出力電圧のチェックと短時間(数十秒)の点灯テストは行いました。しかしICの発熱までは確認していなかったのでLEDを繋がずに数分駆動したら・・・メチャクチャ熱い!(ーー;)

電子回路が発熱すると出る独特な《かほり》も仄かに漂って来て、通電時間に比例して温度が上昇し電流量も下がって行きました。
この段階で原因は確定したも同然・・・(´・ω・`)
5W IR-LED
一応、IR-LEDもチェック。
別の目的で使用予定の 3W・2Ωの抵抗が有ったので、4.2VのLi-ion充電池を直結しIR-LEDの点灯テスト。
オームの法則 I=(Vin-Vf)/R により、Vf=1.8v として 2Ωの抵抗を使うと、 I =(4.2v-1.8v)/2Ω で、電流(I)は 1.2A程度になるハズです。

テール電流を測ると計算値より低いのが気になりますが、もしかしたらこの個体のVfは1.8Vより高いのかもしれません。

赤外線カメラで照射を撮影すると・・・
5W IRの方は相変わらず赤外線が拡散していますが、今回はAMS1117を噛ませていないのでフリッカーも発生せず、気のせいか少し明るくなった気もします。
『12Vならまだしも4.2Vを1.8Vに降圧するなら大した発熱は無いだろ』とタカを括っていましたが、それほど長時間点灯させていないにも関わらず、抵抗がかなり発熱しました。なのでAMS1117でも熱くなって当たり前ですね・・・。
AMS1117

ほぼ原因は確定していますが、可変型のAMS1117-ADJを使って回路を組んでみました。

120Ωと33Ωで1.6V程度の電圧が出力されるハズなのですが・・・ナゼか計算値よりも電圧が高い。
他の抵抗値と組み合わせても計算通りの電圧が出力されなくて『???』な状態・・・。
回路図と睨めっこしながら組み直しても、やはりオカシな電圧になり頭を抱えてしまいました。

ココで『部品に問題があるのかも?』と考えて、新たに別のAMS1117-ADJでテストしたら、あっさり計算通りの電圧が出ましたw


それでもAMS1117の発熱は凄く、放熱板が無ければとてもじゃないケド使えないですし、どうやったらSOT-223でMax:1.0Aの出力が得られるのか?
メーカーに教えて頂きたいですワ・・・(´・ω・`)
まとめ
結論:AMS1117 もしくは互換品をP60互換ドロップインの回路に使うのは無理。
発熱を抑える、若しくは効率よく放熱する方法があれば出来なくは無いのでしょうが、フラッシュライトの基板となると物理的に無理なので潔く諦めました。
『 基板がパァじゃん!(゚∀゚) 』 (by:マリ/CV:坂本真綾)
極端に効率を下げれば(少電流ならば)発熱しないかも?ですが、それではフラッシュライトとして成立しないので無意味。
もし、こんな簡単な方法で回路が組めるならパワフルな赤外線LEDとか赤色LEDを積んだ製品が安価に販売されてても良いハズですし、ソレが無いって事は、やっぱりそうなんでしょう…。
『じゃあ、既製品はどうなってるの?』って事で UltraFire-IR をバラして基板をチェックしてみました。


想像してたよりちゃんとした回路でした。(メインは、PT4105 というICで検索したらデータシートが見つかりました)
PT4105 は、eBay経由で入手も可能みたいですがVin=4.5~12V ってのが・・・。(でも UltraFire-IR は…?)
他に効率よく降圧する方法が無いか調べたら、どうやら新日本無線のNJM2360が使えそう。(入力電圧:2.5~40V/出力電圧:1.25~40V/最大電流:1.5A)
表面実装タイプのNJM2360Aも有りますし入手性も悪く無い。
現物も手元に有り、日本語の詳細な設計資料(PDF)も公開されているので色々テストしてみる事にします。
ただそれなりに部品点数が多いのでフラッシュライトのPCBサイズ(直径:17mm)に実装出来るか不安は残りますが、ダブルデッカーにすれば何とかなるかも?なので暫くNJM2360と格闘してみます。
何故に赤外線LEDを使ったライトは5mm(または3mm)砲弾型の多灯が多いのか・・・今回、自分で試してみて、その理由が何となく理解できました。