
NITECORE Tシリーズの新製品、NITECORE T4K(以下、T4K) のレビューです。
前回の記事ではパッケージ画像を表示テスト用の画像としてフライング気味に掲載していましたが、今回はT4Kを隅々までご紹介いたします。
今更言うまでもなく NITECORE の Tシリーズに属するモデルの頭文字は、TUBE、TINI、TUP など、必ず『T』で始まる命名規則(?)が存在するのですが、Tシリーズで最大出力が4,000(4K)ルーメン…、だから『T4K』と、実に直球で潔いネーミングです。
T4Kは、同社のTシリーズ『TUP』の高出力バージョンとなりますが、小型EDCライトの製品群である『Tシリーズ』の中でも大型の製品で『キーチェーンライト』を謳ってはいますが、実際に鍵束に着けると少々持て余すサイズです。鍵束にT4Kを装着する…というよりも、T4Kに鍵束を着ける…という感じになります。
まぁ、最終的にはユーザーが好きに使えばイイだけの話なので(オイw)カテゴリーとかに拘る必要は全然ないのですが、T4Kを『TMシリーズ』ではなく敢えて『Tシリーズ』とした裏には NITECORE社の戦略が隠されているような…いないような…(゚ー゚*)。oO
そうしたオトナの事情は別にして『このサイズのフラッシュライトで4,000ルーメンってのはどうなのよ?』…というのが気になるポイントだと思いますので、4,000ルーメン点灯時の制限や発熱度合いなど、また、TUPとの使用感の違いなどをレポートしたいと思います。
ちなみにこのT4Kは、昨年末にNITECORE社より『レビューしてみる?』とのお誘いを受け、実機も提供して戴きましたので基本的にはプロモーションレビューとなります。
短い使用期間ではありますが、自分の感じたままを書き連ねていきますので、どうか最後までお付き合いください。
製品HP
- NITECORE Official HP (Flashlight)
- NITECORE T-series – nitecore.com
- NITECORE T4K – nitecore.com
- NITECORE Store – nitecorestore.com
- NITECORE T4K – nitecorestore.com
NITECORE Official SNS
- Facebook – Nitecore Flashlight / @nitecoreflashlight
- instagram – NITECORE Flashlight / nitecoreflashlight
- YouTube – Nitecore Lights
- Twitter – Nitecore Flashlight / @nitecorelight
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INDEX
パッケージ





T4KはTシリーズのフラッグシップモデルとなるだけに、パッケージの外箱もハードボックスのデラックス仕様となっています。
裏面にはT4Kの特徴が記載されています。


箱の横にマグネットが仕込まれていて箱の横から『ガバッ!』と開く構造です。蓋の部分にはT4Kの口上(?)が記されています。
最初にパッケージを見た時に「珍しく黄色成分が少ないパッケージだな…」と思ったのですが、箱を開けると黄色一色で「なるほど、そう来たか!(゚∀゚)」と…。個人的には、こういう粋な演出(?)は大好きだったりします♪




ウレタン製の緩衝材は外せるようになっていて、T4K本体が収納されている底の部分に充電ケーブルなど他の付属品が納められています。


マニュアルなどのペーパー類は紙製の黄色いパックにひとまとめにされています。


『WARNING!』には、T4Kは出荷時に【Lock-out】されているので解除してから使用するように書かれています。(※ロックアウトの解除方法は後半「モード」の項を参照)
もう一枚は NITECORE Tシリーズのカタログになっていて現行のTシリーズ製品が列記されています。

製品内容は、T4K本体、充電用USBケーブル、キーチェーン、多言語マニュアル(日本語対応)、保証書、ロックアウトに関する注意書き、Tシリーズ一覧です。


レンズ表面とOLED画面部分に傷防止の保護フィルムが貼られているので使用前に必ず剥がしてください。
仕様/サイズ

T4Kの特徴として…
- LED:4x CREE XP-L2 V6
- 最大輝度:10,900cd
- 照射距離:209m
- OLED搭載
- 電池容量:1,000mAh
- USB:Type-C
- DEMO/DAILY の2モードグループ
- 過熱防止機構 ATR搭載
- 金属製クイックリリース機構(耐荷重:30kg)
- 陽極酸化皮膜:HA-Ⅲ
- 耐落下性能:1m
- 防水性能:IP54(※別項に記載)
…などがマニュアルにも列記されていますが、TUPとの違いは、LEDの仕様・輝度・距離、電池容量、USB Type-C、クイックリリース機構の有無で、これらがTUPか、それともT4Kかを選ぶポイントになりそうです。



・サイズ:82.3mm×30mm×29.2mm
・重量:77g
T4KはTUPよりも約24g重量が増加していますが、本体サイズの大型化に伴う重量増加だけでなく、最大出力時に於ける4発のLEDの熱を受け止める為の内部放熱機構の違いによるトコロが大きいのかもしれません。
NITECORE T4K / TUP サイズ比較





TUPよりも12mm全長が長くなり、0.5mmほど太くなっていますが、握り比べてみるとTUPとのサイズ差以上にT4Kが太く感じられます。T4KもTUPも同じ直方体形状のボディですが、T4Kのほうが四隅の角が残って(残して?)いるので太く感じるのだと思います。
分解して確認してはいないのですが、TUPよりも電池容量が少なくなっていても本体内部のスペースは1,000mAhのリポ充電池がかなりのスペースを占有していて、空いたスペースはLEDのMCPCBや断熱や配線のための空間になっているんじゃないかと…(゚ー゚*)。oO
ボディ

T4K各部名称と充電ポートについてのイラスト。








T4Kの外殻はTUPと同じく、上下二つのパーツを組み合わせた最中(もなか)構造です。やはり外殻パーツはCNC加工ではなく鋳物成形されています。
合わせ目に存在する樹脂パーツは組み立て時のガイドおよび防水パッキン的な役割を果たしているものと考えられますが、TUPでは割と簡単に表面部分だけが割れた(と言うより表面だけ剥がれる感じ…)のでT4Kがどんな具合になるのか気になるトコロであります。


クリップ取り付け部分には、浅いながらも放熱フィンが刻まれています。
クリップの懐(折り返し)は結構深く、38mm幅のベルトでもまだ余裕があります。
ヘッド




4基のCREE XP-L2 でランクは V6。
光学は専用TIRレンズで、レンズ表面はフラットに見えます。
キズ防止の保護フィルムを貼ったまま、あるいは後からでもフィルムを貼りたいトコロなのですが、最大照射した時の熱でフィルムが変形、溶融してTIRにも悪影響を及ぼすことも考えられるので、ヘタに貼らないほうが安全かなと…。
XP-L2を4個で最大:4,000ルーメン…って事は、1基あたりをフルドライブに近い状態で点灯させている事になります。
TUPと比較すると単純計算で熱量も4倍になるのですが、実際に【Turbo】点灯状態で手をかざすと光と同時に相当な熱も放出されているのがハッキリと判りますし、先端から3cmほどの距離では3秒程度で手に火傷のような痛みが残るほどです。
故に【Turbo】の誤点灯による事故を防ぐ為に、T4Kを携行する際には、その携行形態・方法に関わらず、レベル2の完全ロックアウトした状態でキャリーする事を強くお薦めします。
所有するEDCライトの中でもTUPは使用頻度が高く、ココ1年ほどは主に御キャット様や御ワン子様の夜の散歩ライトとして常用しておりました。それだけでなく、セカンドライトとしてTUP単体をポケットキャリーすることも多かったので、一時期はTIR表面に液晶保護フィルムを貼っていたのですが、TUPのTIR表面は僅かにスリ鉢状になっているので保護フィルムが密着せず簡単に剥がれてしまいました。

単体キャリーと云えど素のままではレンズ表面の傷は回避できず、細かな傷が残ってしまいましたが、結構ラフにキャリーしても照射に影響が出るほどの深い傷は付かなかったのでT4Kも保護フィルムを貼らないで使うつもりです。(OLED部分にはTUPと同様に保護フィルムを貼るつもりです)
OLED




OLEDディスプレイのサイズや表示項目については TUP と同じで、各情報が表示されるタイミングも変わっていません。
OLEDに表示される情報でライトの状態が一目瞭然ってのは、フラッシュライトを扱い慣れたユーザーにとっても有難く、特に電池残量が具体的に数値で表示されるので安心して使い続けられます。
T4KとTUP、それに新機種のTINI2に搭載されているOLEDですが、TUPのレビューでも書いたように、このOLEDの存在が利便性を飛躍的に向上させライトマニア以外の人にもフラッシュライトを身近な存在にしていると思います。
しかしながら、T4Kほどの高出力ライトとなると発熱も伴うので取扱いには注意が必要ですし、個人的には高出力フラッシュライト未経験者や初心者には出力控え目のTUPやTINI2をお薦めしたいです。
テール/リア



テール部分には充電用の USB Type-C ポート(※詳細後述)が配置されキーリング等を取り付けられるようになっています。




TUPのキーリング装着部は単純なループ形状でしたが、T4Kはワンタッチで着脱可能なクイックリリース機構を備え、丸いボタンを押すとT4Kとアタッチメント側が切り離されます。
アタッチメント側の素材はアルミ製で、アタッチメント側の一文字の溝とT4K側のループが合致し、ボタンと連動する内部のシリンダーによってロックされる仕組みです。


不用意に外れる事はなさそうですがクイックリリースが必要無いのであればアタッチメントを着けない状態でもキーリングは取り付け可能なのでユーザーの好みで使い分けられます。
実際、リリースボタンが小さく、内部のバネも強い(堅い)ので相当意識してボタンを押さないとパージできないのですが、厚手の手袋をしているとリリースに手間取るので、使い方によってはクイックリリース無しの方が快適に使用できるかもしれません。
TUPのレビューで『TUP2ではループを大きくして欲しい…』的な事を書きましたが、T4KでもWリングを介して使ってネ♪…って事なんだと思います。(^^;

ちなみにTUPは↑のようにベルトクリップ&コイルコードと組み合わせて使用しています。
スイッチ


TUPと同じく《POWER》と《MODE》の2スイッチで構成され、スイッチ表面の素材は樹脂製でアイコン部分が半透明になっているのもTUPと同じです。
TUPはスイッチを取り囲むように土手が設けられていましたが、T4Kでは土手が無くなってボタンの突出量が増えて各ボタンの中央にも新たに窪みが設けられています。スイッチ廻りがスッキリとしてTUPよりもスイッチ操作がしやすくなっています。

充電時にはスイッチ内部に仕込まれた青色LEDが点滅する仕様もTUPと同じです。(※T4KもTUPも点灯中にスイッチは発光しません)
スイッチの操作感もTUPと変わりなく、スイッチの配置場所からも誤点灯しやすいスイッチだと云えますが、T4Kも誤点灯対策として二段階のロックアウト機構を備えています。
充電


電池残量は、消灯時であれば《MODE》ボタンを1回クリックすると現在の電池電圧がOLEDに表示されます。
マニュアルに記載の通り、電池電圧が3.4Vを下回ると青色LEDが2秒毎に点滅するので直ちに充電を行ってください。


充電ポートは USB Type-C 規格。
付属の充電ケーブルの全長は約50cmで、Type A および Type-C のコネクタになっています。


T4K本体のテール部分に充電ポートが配置されていますが、ポート部分には防塵カバーの類は無く、充電ポートが露出しています。
スマートフォンの充電ポートも露出した状態のまま使用するので『ソレと同じ…』とも考えられるのですが、自分はフラッシュライトをスマートフォンよりもラフに扱う事が多いので USB Type-C 用の汎用ポートカバーを装着するつもりです。(自分の場合は防水目的よりも、砂や金属粉が入り込むのを出来る限り回避したい)
使用頻度(充電頻度)にもよりますが、防塵カバーが有ったらあったで、防塵カバーを外して充電、充電完了後にカバーを戻して…ってのもそれなりに手間が必要ですし、専用のポートカバーを破損・紛失したりすると厄介なので難しいトコロなのですが、USB Type-Cに限らずポートカバーの入手性も悪くはないので『ユーザーの判断で…』ってのもアリなのかな…と、思う今日この頃です。

給電側(DC・5V出力のPCやモバイルバッテリーなど)がオンライン状態であれば、T4Kと電源をUSBケーブルで接続するだけで充電が開始されます。


充電中も 1~200lm の各レベルで点灯が可能で、別売りのフレキシブル・スタンド・ケーブルと組み合わせることで、T4KやTUPを簡易デスクライトのように使用することもできます。

充電中はアイコン部分が青く、ゆっくりと点滅、充電が完了すると(約4.2V)ボタン部分の青色バックライトが常時点灯となります。
充電直後は4.2Vの表示となりますが、点灯していなくとも2~3時間もすると4.0V付近まで電圧が低下します。これは故障ではなくT4K仕様…というより、リポ充電池の特性なので安心してください。また、4.0V付近まで電圧が下がっていても性能や出力には影響がないので再充電する必要もありません。
充電開始から10秒間はLCDに充電中を示すアイコンが表示されますが、LCDが消灯しても青の点滅は継続します。また、充電中に《MODE》ボタンを1回押すと現在の充電状態がLCDに表示されるので、いつでも充電状態(電池電圧)が確認出来ます。
モード

T4Kの搭載モード(出力レベル)は、通常レベルが【Ultra Low】→【Low】→【Mid】→【Hi】の4段階で、コレに加えて最大出力点灯の【Turbo】を備えています。



【DEMO】と【DAILY】の2つモードグループの違いは、【DEMO】モードでは、どのモード(レベル)で点灯していても点灯開始から30秒後に自動消灯します。【DAILY】モードでは《POWER》ボタンを押して消灯操作するまで点灯し続けます。
【DEMO】モードで点灯を開始して30秒のカウントダウン中にレベルを変更すると、変更したレベルで再度30秒のカウントダウンがスタートします。
【DEMO】モードで自動消灯しても消灯後3秒以内に《POWER》ボタンを押すと、一時的に【DAILY】モードに切り替わり《POWER》ボタンを押して消灯すると【DEMO】モードにリセットされます。(この機能が非常に有難く常に【DEMO】モードで運用しても不都合はまったく感じません)
【DEMO】と【DAILY】の切り替えは、点灯時・消灯時に関係無く《POWER》と《MODE》ボタンを同時に長押しして行いますが、切り替え時に【DEMO】では1回点滅、【DAILY】だと2回点滅します。
操作方法は《POWER》ボタンのワンクリックでON/OFF。
モードメモリ機能を備えているので最後に使用したレベルで再点灯します。【DEMO】モードにて30秒経過して自動消灯しても消灯時のレベルが記憶されます。
点灯中に《MODE》ボタンを押すと上記4段階の順でレベルが切り替わります。
点灯中のモード変更は《MODE》ボタンを1回クリックする事で行いますが、ボタンを操作してから10秒後にLCDが消灯し、それ以降は1クリックで現在の状態が表示され、更に1クリックでレベルの変更操作となります。
【Turbo】は点灯・消灯状態に関係無く《MODE》ボタンを長押しすると、ボタンを押している間だけ【Turbo】で点灯します。
【Turbo】のランタイムは本体温度、正確には過熱防止機構のATRが検知した温度によって制御されるので、季節や使用状況によって左右されます。



注意書きにもある通り、携行時には必ずロックアウトしてください。
ロックアウトの設定・解除は消灯時に《POWER》を『ポチッ、ポチイィィィ…』という感じで、ワンクリックと長押しを組み合わせて操作します。
レベル1・レベル2の選択は、長押し時間の長短で決まり『ポチイィィィ…』の状態を維持するとレベル1の後にレベル2のロックアウトになります。
解除操作を行うと長押し操作の間はOLEDにロック解除のアニメーションが表示されます。(ロックアウト解除時には記憶されたレベルで点灯を再開します)
OLED
NITECORE ロゴ / 電圧


DEMO / DAILY


LEVEL / Runtime
Level 1. : 1 lumen (Ultra-Low)


Level 2. : 15 lumen (Low)


Level 3. : 65 lumen (Mid)


Level 4. : 200 lumen (Hi)


Turbo : 4,000 lumen (Turbo)


LOCK 1 / LOCK 2 / Unlock



OLEDに表示される情報は↑のような感じで、30秒のカウントダウンは【DEMO】モードでの点灯時のみに表示されます。(※上の画像は【DAILY】モードで撮影)
各出力レベルに於けるランタイムは、電池残量によって増減するので上記画像の数値は参考程度に留めてください。
OLEDに表示される情報を自動表示する機能として、デモンストレーションモードがありますが、デモモードによってOLEDに表示される出力値や電圧は、現在のT4Kの状態を指し示すモノではないので注意してください。
照射

今回はこの6機種で照射比較してみました。
単眼のTUPを除いてすべて複眼の製品ですが、ACEBEAM TK18 を加えるのをすっかり忘れていました…(´Д` )
LED数とヘッド径に差はありますが、SEEKER 2 Pro が 3,200ルーメンの製品なので、屋外照射でどれぐらいの違いがあるかは確認できると思います。
また、T4Kの正方形ヘッドやLEDの配置などが配光パターンにどれぐらい影響を及ぼすのか?…などをご覧頂ければと思います。
水平照射

配光/光色/演色
LED電球


NITECORE T4K


NITECORE TUP


NITECORE TIP2


MANKER E14


LUMINTOP FW3A


OLIGHT Seeker2 Pro


屋外照射
白昼/軸線(立木まで67m)


NITECORE T4K





NITECORE TUP





NITECORE TIP2




MANKER E14







LUMINTOP FW3A







OLIGHT Seeker2 Pro





MAX比較

T4Kの正方形ヘッドによる配光への影響は殆どなく、2~3cmくらいの超至近距離では四角い照射パターンが視認できますが、対象と15cm以上離れるだけで一般的な円形の照射パターンとなります。
配光は TIP2 とよく似た広角の拡散配光で、広範囲を万遍なく照らすのに適した配光です。
遠距離照射が得意な配光ではありませんがTUPの4倍の光束値を持つだけに、約70m先のフェンスまでしっかりと照らされています。
光色は、Cool-white でも少し色温度が低く 5700K ぐらいの色温度のように見えますが、比較対象が無ければ自然な白色光に感じられるハズです。
T4Kの搭載LEDは XP-L2 ですが、光学がTIRレンズに加えて多灯の為か、リフレクター仕様の製品のような極端な色分離は発生していません。
T4Kと配光パターンが異なるのですが、最大:3,200ルーメンのSEEKER 2 Pro との比較では 800ルーメンの差がそのまま周辺光量差に現れています。
+++
T4Kの【Turbo】は《MODE》ボタンを押している間だけ点灯しますが、本体温度の上昇度合いによっても点灯時間が左右されます。
撮影時の外気温は約2℃で、T4Kの本体がキンキンに冷えるように外気に晒した後、最後の最後に撮影しましたが、10~13秒ほどで【Turbo】モードが強制終了してしまうので数回のリテイクが必要でした。(養生テープでボタンを固定してカメラまでダッシュ!…というプレイの繰り返しです)
気温が低かったのですが、3回連続で【Turbo】点灯した後、4回目に【Turbo】点灯させるとタイムバーが80%ぐらいの位置からスタートするようになり、さらにインターバル無しで繰り返し【Turbo】で点灯させると、どんどん点灯可能時間が短くなりました。
外気温が低かったのでT4Kの表面温度は、ほんのりと暖かいぐらいまでしか上昇しなかったのですが、直接外気に触れていない本体内部の温度は短時間では下がらず、ATRによって点灯時間がコントロールされたと考えられます。
外気温の高い夏期では【Turbo】の点灯可能時間は更に短くなると予想され、本体表面の温度もかなり上昇するはずなので、ライト本体、特にLEDへの負荷を考えると【Turbo】の点灯は必要最小限に留めたほうが良さそうです。
まとめ
当たり前ですが、やはり4,000ルーメンともなると1,000や2,000ルーメンクラスとは次元が違う明るさ…ってのが率直な感想です。
普段からTUPを常用していても【Turbo】の1,000ルーメンで点灯することは希で、たまに内蔵充電池に喝を入れるようにMAX点灯するか、御キャット様が草むらを見つめて毛を逆立てている時ぐらいしか【Turbo】の出番はありません。(恐らくハクビシンかアライグマ、もしくはタヌキだと思いますが、最近、ヌートリアのつがいを目撃!)
なので、自分のTUPの使い方を基準に考えてみると、T4Kの4,000ルーメンの恩恵(?)を受ける機会も少ないと予想されるのですが、防犯を主目的にするのであれば、例え10秒程度であっても4,000ルーメンで直射されると、しばらくの間は視力が回復しないので護身用としては有用なライトになると思います。
ただ、【Turbo】点灯は本体温度の上昇を招くだけではなく光と一緒に熱も放出されるので、立場的には高出力フラッシュライトに不慣れな女性や初心者にT4Kはお薦めし辛いのですが、自己責任の範囲で自分の欲しい製品を購入して使うのが一番だと思います。
いくら文章で『熱くなる』と書いても、ライトで紙を燃やす動画を観ても、実際にどれぐらい熱いかは正確に伝わらないし、伝えられないので、その身を以て体験してみるのが一番…かもしれません。
なんて、意地悪な書き方をしてしまいましたが、T4Kは4,000ルーメンでの誤点灯も起こり得ますし、火傷や火災の危険もあるので、携行時は必ずロックアウト操作を行ってください。
+++
普段使いであれば通常の4段階のモードで事足りて、具体的な数値としてOLEDに表示されるランタイムや電池電圧は電池切れの不安からユーザーを解放してくれます。
OLEDを搭載した T4K、TUP、TINI2 のどれを選んでも同等の『安心感』は得られるので、後は最大出力値やサイズ、Type-C か micro-USB か…が製品選択のポイントになると思います。
USB充電のポート規格は今後 Type-C か主流になると予想されますが、他のガジェットの充電ポートが micro-USB規格だった場合、異なる規格のケーブルを複数本持つか、複数の規格がひとつになったユニバーサルタイプのケーブルを用意する必要が出てきます。
最終的には将来性を重視するか?それとも運用する上での汎用性を重視するかの判断になりそうですが、同じType-C 充電ケーブルを使って異なる製品に充電しようとしても、製品によって充電できたり、出来なかったりする場合があるので『互換性』については一抹の不安があります。(USB規格に限らずデファクトスタンダードとなる規格の移行時、移行期間中には必ず起こる問題&ジレンマですな…)
T4Kで他に気になった点としては、使用している間にレンズ表面や合わせ目の樹脂パーツがどれぐらいダメージを受けるか?と、USB Type-C の充電ポートが露出している事ぐらいでしょうか…。
TIRレンズ表面の傷については、ガラス製のフィルターを採用した製品でフィルターが割れて使用不能になる事に比べれば多少の傷は許容できますし、充電ポートも汎用カバーで解決出来そうです。
問題は合わせ目の樹脂パーツで、TUPと同様に表面だけが剥がれてしまいそうなのでラフに扱わないように注意しますが、できれば樹脂パーツが露出しない構造にして欲しいです。
ターボの点灯時間は限定的で発熱にも注意が必要なT4Kですが、ライトの使用中に電池切れで困った経験をお持ちであれば、間違いなくOLEDを便利と感じるハズなので是非検討してみてください。