初めてのNITECORE製フラッシュライトのレビューです。
正確には、i4とi2充電器を過去に使っていたのですが、“フラッシュライト”としてのNITECORE製品はTIP2が初めてになります。
某所でも呟いたのですが、NITECORE製品は一時期を境にデザインが大きく変わってしまい、i4充電器は短命に終わり、i2充電器は動作が不安定だったのでNITECORE製を意識的に避けていたフシがあります。
根拠は無いけれど自分との相性の悪さ…みたいな霊的なモノ(笑)ってありません?
例えば、身近なところではPCのパーツとか周辺機器とか、特定のメーカーの製品ばかりが直ぐにオシャカになる…的な。
doormanの場合は、NITECORE製品にソレを感じていたのですが、TIP2の仕様、デザイン、リアマグネットのギミック、手頃な価格に惹かれ、第二次ドミノ型ライト・マイブームと重なり、辛抱堪らん的にポチ…。
結論から言ってTIP2は良く考えられて造られたEDCライトであり、前々から気になっていた同じNITECOREの《Tシリーズ》となるTUPもオーダーしてしまったほどです。(TUPのレビューも後日お届けします)
NITECORE製品全般に対して抱いている “個人的な印象” も含めて、TIP2のレビューをしたいと思います。
ちなみに、個人的に初めてのNITECORE製品ライトで、i4 や i2 がアレだった事もあり、万が一のケースも想定して(笑)国内の店舗、先のKLARUS製品を購入した Amazon内の Jiayan E-commerce というショップから購入しました。(購入時点でamazon内で最安だったし…)
製品HP
- NITECORE Official HP (Flashlight)
- NITECORE TIP2 – nitecore.com
- NITECORE TIP2 – amazon.co.jp
NITECORE Official SNS
- Facebook – Nitecore Flashlight / @nitecoreflashlight
- instagram – NITECORE Flashlight / nitecoreflashlight
- Twitter – Nitecore Flashlight / @nitecorelight
- Twitter – Jiayan E-commerce Japan
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パッケージ
黒色をベースにした紙製化粧箱入り。
NITECORE のコーポレートカラーは黄色と黒なのですが、パッケージも統一されています。
裏面には製品の特徴や主要諸元が記載されていますが、他メーカーの多くの製品が英語で書かれているのに対して中国語で書かれています。全てのパッケージがそうなのか、それともアジア圏や欧米諸国などの販売先に合わせて変えられているのかどうかは分かりませんが、中国メーカーとしてのプライドみたいなものが感じられて面白いと思いました。(i4 や i2 の頃は英語表記でした…)
パッケージ内容は TIP2本体、多言語マニュアル(日本語対応)、保証カードとなっています。樹脂製の脱着式クリップとキーリングは本体に装着されて出荷されるようです。
充電用のUSBケーブルは付属しないので別途用意する必要があります。
仕様/サイズ
これまでの多機能キーライトと比較するとやや大柄で厚みも増していますが、そのぶん電池容量も増えて出力・ランタイムとも大幅に向上しています。
リアにマグネットを装備している関係で重量も若干重めになっています。
ボディ
スッキリとした直方体デザインのボディです。
TIP2の筐体はアルミ鋳物ではなくCNC加工です。
ロゴプリントは一面のみでスイッチは小口面に配置されています。
各辺のエッジは全て面取り処理されており、テール部分のみアール形状となっていてデザイン上のアクセントにもなっています。
脱着式のクリップは比較的軽いチカラで外せます。
挟み込むチカラも樹脂製ゆえに超強力とは言い難いので、クリップを使ってウェラブルライトとして身に着ける場合には、脱落に留意した方が良さそうです。
右利き・左利きに関係無く取り付けられるようにクリップは左右対称形状になっています。
ヘッド
光源となるLEDは CREE XP-G3 で ランクは S3 です。
光学は二眼ともTIRレンズでどちらも同じ仕様のレンズです。
二眼タイプのライトの中には、片側がクリアレンズでもう片方がフロストタイプ、或いは拡散レンズと集光レンズを組み合わせ、片方ずつ点灯させることで配光を選択・変化可能な製品も存在しますが、TIP2は常に両眼が点灯するので配光が大きく変化することはありません。
レンズの外側、表面部分はフラットになっていますが、一体成形された二眼ユニットと思われます。
スイッチ
スイッチ表面の素材は金属製のようにも見えますが、もしかしたら樹脂素材かもしれません。
【MODE】スイッチと【POWER】スイッチの2スイッチ構成で両アイコンともエンボス状に加工されています。
スイッチトップは、周囲より0.3mmほど突出しており、クリップを装着するとクリップのフレーム部分とスイッチトップがほぼ同面になります。
一見するとクリップ無しの方が操作しやすそうに見えますが、自分はクリップの有無でスイッチの操作感に違いは感じませんでした。
TIP2を握った時にはクリップの有無で握りやすさ、手の中での納まり感に差が出ますが、これはユーザーによって感じ方に差が出るかもしれません。
誤点灯防止の観点からはクリップを装着した方が良さげですが、クリップ無しの状態で一週間ポケットキャリーしても誤点灯したことは一度もありませんでした。ただ、TIP2単独でのキャリーだったので、鍵束など他の小物と一緒にキャリーすると誤点灯の可能性が高くなるかもしれません。
2つのスイッチの間に有る【・・・】は、電池残量と充電状態を示すインジケーターになっています。
テール/マグネット
テール部分がキャップですが強力なマグネットで固定されているので簡単には外れません。(※メーカー公称値では2.5Kg)
そんな大した磁力ではないだろう…と思っていましたが、Wリング(スプリットリング)が無い状態ではキャップを外すのに苦労するほど強力な磁石で、キャップを装着しても完全に磁力は遮断されず、鉄製の物は簡単にくっつきます。
充電
電池残量は、消灯時に【MODE】ボタンを1クリックする事で確認でき、電池残量に応じてインジケーターの点滅回数が変化します。
銀色の四角い磁石の間に充電用の micro-USB ポートが配置されています。
給電側(DC・5V出力のPCやモバイルバッテリーなど)がオンライン状態であれば、ケーブルを接続するだけで充電が開始されます。
充電中はインジケーターがゆっくりと点滅、充電完了時には常時点灯に変わるのでケーブルを外してキャップを元に戻します。
充電中の点灯に関しては特に言及されていませんが、充電中でも点灯できました。
電池容量が500mAh、満充電に必要な時間は『およそ1時間45分』とマニュアルに記載されていますが、充電時間はあくまで目安と考えてください。
モード
TIP2の基本操作は、長押しで《ON》、1クリックで《OFF》になります。
モードメモリ機能を備えているので最後に使用したモードで再点灯します。
点灯中に【MODE】スイッチをクリックする度にモードが変わります。
通常モードのサイクルは、【Low】→【Mid】→【Hi】→【Low】…のサイクルで【Turbo】は間欠点灯のみが可能です。
【Turbo】は点灯・消灯に関係無く【MODE】スイッチの長押しで点灯します。スイッチを離すと消灯、もしくは直前に点灯していたモードに復帰します。
他にもデモ・モード/デイリー・モードなど面白い機能を備えていますが、NITECORE TIP2 の製品HPから日本語にも対応した多言語マニュアル(PDF形式)がダウンロードできるので、詳細はマニュアルを参照してください。(購入前にマニュアルで仕様が確認できるのは好感度大ですね)
NITECORE TIP2 / 2x CREE XP-G3 S3 (CW) : review – YouTube
照射
水平照射
配光/光色/演色
LED電球
NITECORE TIP2
MecArmy SGN3
MANKER LAD
屋外照射
白昼/軸線(立木まで67m)
NITECORE TIP2
MANKER LAD
MecArmy SGN3
ヘッド先端が四角なので、どの様な配光になるか?…凄く楽しみだったのですが、照射対象と20cmも離れると普通のライトと変わりありませんでした。(笑)
二眼でヘッドが四角だと判るのは対象と1~10cmくらい離れた場合で、それ以上は普通の拡散系ライトの配光に見えます。
TIRレンズとXP-G3の組み合わせなので色収差の発生を心配しましたが、壁面照射、屋外照射とも自然な配光に見えます。
【Turbo】の 720lm は間欠点灯のみ可能ですが、電池容量や発熱を考えると用途に合った仕様かと思います。
まとめ
白状すると、NITECOREは製品リリースのサイクルが早く、言葉は悪いのですが細部を煮詰めずに『数撃ちゃ当たる…』的に新製品を出している印象を未だに持っています。
市場に製品を送り出し、ユーザーからのフィードバックを受けて製品を改良、また新製品をリリース…というルーティンを繰り返しているイメージなのですが、同時にフィードバックを確実に製品に反映、修正している事が伺えるのも事実で、それがユーザーの支持を得ている秘密なのかも?…と勝手に考えています。
初期バージョンを購入したユーザーが人柱になるのには抵抗がありますが、実用に耐えないほど中途半端な製品をリリースしてはいませんし、これまでのNITECORE製品を客観的に観ていても新バージョンでは細部の修正がキッチリ行われていると思います。
今回ご紹介したTIP2も、TIPで蓄積されたノウハウを活かしつつ、更に従来のTIPとは全く異なる試みが盛り込まれていると思います。
まぁ、そうした個人的なNITECOREに対する印象を抜きにして、純粋にTIP2の評価をするとなると製品のキャッチフレーズでもある “Dual-Core Magnetic Keychain Light” の “Keychain Light” という部分については、声を大にして異を唱えたいです。(笑)
個人的には、従来のEDCライトとは一線を画すEDCライト…という感じで、キーライトとしては大型ですしオーバースペックのような気がします。
勿論、EDCライトをどう使うかはユーザー次第ですし、キーライトも広義に於いてはEDCライトなので間違ってはいないのですが、キーライトの括りでは納まり切らない製品だと思います。
そういう視点で改めてTIP2を観ると、ポケットキャリーするにも誤点灯がしづらいスイッチとUI、30秒で自動消灯する DEMO-mode の搭載、出力区分、過熱防止機構などなど、普段使いのEDCライトとして使いやすい製品ではないでしょうか?
強いて気になった点を挙げるとすると、些細な事なのですがリアキャップに直に取り付けられているループ部分がやや小さく、付属のWリングを介さないと装着するストラップが限られてしまうのが気になりました。
それとキャップを外すときに少しコツがいるのですが、上手く外さないとキャップ側のエッジ部分の塗装を傷めてしまうので要注意です。(Wリングを掴んでキャップを回すようにして引っ張ると楽に外せる…ような気がします)
外観を見た限りではビス止め箇所が2箇所だけですが、2箇所のビスを外しただけで簡単に分解できるとは考えにくいので自力での電池交換は難しそうです。そうなると電池寿命=製品寿命となるのが少々残念ではありますが、自力での電池交換がしやすそうな(出来るとは言ってない…)従来のTIPを選ぶ手もありますネ…。