少々、バタバタしておりまして、およそ二ヶ月ぶりの更新となります。
今回ご紹介するのは GENTOS TTR-06 ですが、発表から既に1年以上経過しており(え?そんなに経ってた?)今更感は否めないのですが、型番からして PATORIO 6(GP-6BK)直系の後継機…とも云える製品なのでスルーするワケには行かないかと思いまして…(^^;
同社からは TTR-06 よりも前に幾つかの1AA仕様の製品がリリースされており、実際に自分も購入しているのですが(レビュー未作成)パトリオ6の直系となると TTR-06 がお初になると思います。
パトリオ6は発売から10年が経過し、デザインや頑丈さ、シンプルな点が気に入って数本を購入したのですが、現在手元に残っているのは未開封の予備機も含めて2本だけとなっています。ただ、現在でもAmazon.co.jp 限定商品として新品が購入可能となっています。
LED懐中電灯としては2世代前(3世代前?)の製品となってしまった感のあるパトリオ6ですが、発売当初の仕様のままので、これだけ長きに渡って販売されているライトは世界的にみても珍しく、貴重な存在だと思います。(ジェントス社の中で最もロングセラーの製品だと思いますが間違ってたらゴメンなさい)
そんな『皆様に愛され続けて10年…』の記念碑的製品の後継となる TTR-06 はどんな製品なのか?…じっくりと見ていきたいと思います。
製品HP
- ジェントス株式会社 公式HP
- GENTOS フラッシュライト – gentos.jp
- GENTOS TTR-06 BK – gentos.jp
- GENTOS TTR-06 SV – gentos.jp
- GENTOS 公式ストア – gentos.jp
GENTOS Official SNS
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パッケージ
TTR-06 の本体色は、ブラックとシルバーの二色から選択できますが、今回はシルバー色を購入しました。
パッケージはブリスター形態ですが、パトリオ6や DM-031B のパッケージよりもPET素材成分が少なくなって台紙は紙ベースとなり、エコロジカルなパッケージになっています。
個人的にはパッケージのPET素材をフロスト加工して、自作の拡散フィルターを自作するのに利用していたので、ちょっと残念でもあります。
『コレ、○○作るのに使えるカモ?』…で、どんどん増える板状の素材や円筒形の物体、キャップ類等々なのですが、自分にとっては宝の山でも傍から見たらゴミの山にしか見えないのが寂しい今日この頃です…(´Д` )
台紙部分裏面には仕様の他に取扱いに関する注意事項が記載されています。
これがそのまま取扱説明書となるワケですが、同社の製品HPからパッケージ裏面のPDFがダウンロードできるのでパッケージを廃棄してしまった場合でも安心です。
製品内容は TTR-06本体とテスト用電池として単三形アルカリ乾電池が1本付属します。(※ストラップは付属しません)
パッケージ比較した未開封のパトリオ6は9年前、2012年製造のロットで液漏れ常習犯の悪名高き DURACELL電池が付属していますが、幸いな事にまだ液漏れが発生していません。
今回購入した TTR-06 や 2019年製のDM-031B には DURACELL よりも液漏れリスクが低いと思われる Panasonic製アルカリ乾電池が付属していますが、アルカリ乾電池である以上は未開封状態でも液漏れが発生する可能性があるので長期保管する場合には念の為注意してください。
仕様・サイズ
左が TTR-06、右が DM-031B の仕様ですが、DM-031Bの『最大45ルーメン、実用点灯10時間』から TTR-06は『最大90ルーメン、実用点灯7時間』となっています。
両機とも最大光束値(ルーメン値)が7時間、10時間と持続するワケではないのですが、倍の光束値となっても点灯時間が半減していないので、それだけTTR-06の効率が良くなった…とも言えるかもしれません。
TTR-06の本体サイズは(約):φ22.0×94.8mm、装備重量:59g(※いずれもカタログ値)
φ22mmはヘッドユニットのローレット部分の最大径で、ヘッド先端は実測で約φ21mm、グリップ径がφ19mmでした。
ブラック色のTTR-06では、シルバー色とは違った印象を受けるかもしれませんが、初見ではパトリオ6よりもかなりデカくなった印象を受けました。
ただ、各部を実測してみると案外そうでもなく、全体的に僅かにサイズアップしてはいますが、テールスイッチ仕様の1AAライトとしては平均的なサイズに収まっています。
使用電池によって装備重量は増減するので参考程度に留めてください。
ボディ
スリット状の溝が滑り止めとして刻まれています。
素手であればそれなりにグリップ感がありスイッチ操作も行いやすいのですが、布製手袋をしていると滑ってスイッチの操作がし辛くなります。
ヘッド、グリップ、スイッチの3ピース構成ですが、ヘッドユニットは本来簡単には外せないように軽く接着固定されています。(※分解すると保証の対象外となるのでやるなら自己責任でお願いします)
各部ジョイントのネジピッチはパトリオ6と同じです。
ただ、TTR-06のボディにパトリオ6のヘッドとテールを装着しても閉まりきらず、パトリオ6のボディにTTR-06のヘッドとスイッチを取り付けると電池室全体の寸法が長くなって電池が接点に接触せず点灯できません。(※スイッチのみの交換結果は後述)
ボディのフラット面は一面で、モデル名がプリントされています。
電着塗装は同社の閃シリーズと同等のように見えますが、皮膜は均一で綺麗に仕上げられていると思います。
ヘッド
光学はパトリオ6と同じくTIRレンズですが、レンズの外観は同じでも配光が異なる(※後述)のでパトリオ6とは異なるTIRが使われているかもしれません。
TIRとLEDのを確認したくてヘッドユニットの分解を試みたのですが、この個体のベゼルパーツ部分にはヘッドユニット以上にネジロックがゴッてりと塗布されているようで、渾身のチカラを込めて外そうとしたのですが、結局ベゼルは外せませんでした…orz
なので目視出来る範囲での判断となりますが、ヘッド部分のパーツ構成・構造ともパトリオ6のソレと同じか、かなり似た内容となっていると思います。
スイッチ
スイッチはフォワードクリック式で間欠点灯が可能です。
謎の目出し帽怪人!…的な絵面になっていますが、画像のようにストラップホールは2ヶ所の長穴となっています。製品本体にストラップは付属しませんが、やや太めのリード(コード)も通しやすいかと思います。
自分はパトリオ6よりもTTR-06のスイッチのほうが少し硬く感じましたが、数年間使いこんだパトリオ6との比較なのでアテにはならないかも?
ヘッド部分と同じくスイッチ部分のパーツ構成もパトリオ6とほぼ同じなので、操作感に大きな違いは無いかと思います。また、パトリオ6と同様に硬いスイッチではないので、高齢者でも自転車に乗れる方であれば問題無く片手で操作可能なスイッチです。
欲を言えばもう少しスイッチトップが高くスイッチ全体が露出しているような形状であれば、握力の弱い方でも机や壁にスイッチを押しつけて点灯/消灯できますし、滑りやすい布製の手袋をしていても操作がしやすくなると思います。
ストラップホールを設けるための形状なので廃止するのは難しいと思いますが、スイッチを完全に押し込む時に土手の部分が指に当たり、親指をやや不自然に曲げる必要があるのが気になりました。(逆にスイッチ周囲の立ち上がりのお陰で半押しの加減はしやすいデス)
普段からUシェイプを削り落とした TOOL AA や i5T EOS を使っているので、余計にそう感じるだけかもしれませんが、親指を不自然に曲げずに操作できればホールド感も向上すると思います。あとは個人的にスイッチブーツ内頂部に 1~2mm の空間が有るのが気になるので後で調整するつもりです。
TTR-06のテール部分のネジ山は絶縁塗装がされておらず、パトリオ6のようにリアを緩めてのロックアウトは不可となっています。
電池室内には電池の挿入方向と製造年月(2020/01)を示すシールが貼られています。
ヘッドユニットも入れ替えると点灯不可になりますが、スイッチ部分だけであれば点灯も可能となります。
両機ともフォワードクリック式スイッチであり、TTR-06のボディ径が若干太いので交換する意味はないと思うのですが参考までに…(^^;
電池
TTR-06 は1.5Vの単三形アルカリ乾電池の他にエネループ等の 1.2V Ni-MH充電池にも正式対応しています。
パッケージ裏面の使用方法にも記載がありますが、電池は【+】方向から本体に挿入します。
モード
TTR-06 はシングルモードのライトで、スイッチの半押しで間欠点灯、『カチッ』と音がするまで完全にスイッチ押し込むと常時点灯になります。
シングルモードのライトなので当然…とも云えるのですが、フリッカーの発生は認められませんでした。
照射
今回はこの5本で照射比較を行いました。
TTR-06と同系統のTIRが使われているパトリオ6との比較、i5T EOS の光学もTIRですが配光が異なるので加えてみました。ES10K と TOOL AA 2.0 はリフレクター仕様のライトですが周辺光量の比較対象としてご覧いただければと思います。
水平照射
配光/光色/演色
LED電球
GENTOS TTR-06SV
GENTOS PATORIO 6
LUMINTOP TOOL AA 2.0
OLIGHT i5T EOS
NITEFOX ES10 Knurl
パトリオ6がスポット気味の配光だとすると、TTR-06はフラットな配光と云えるでしょうか…。
TTR-06 はパトリオ6と同じ外観のTIRレンズを搭載しているので、配光もパトリオ6と同様の配光になるかと想像していたのですが、TTR-06 の配光パターンはズーム式フラッシュライトのワイドビームのような配光パターンとなっていたのは少々意外でした。
光源となるLEDとレンズとの間隔(焦点距離)で両機の配光パターンが変わって(変えて)いるのか、そもそも照射角度の異なるTIRレンズが採用されているのかもしれませんが、TTR-06 のヘッドユニットがバラせていないので実際のところは不明です。(バラして確認したい衝動MAX)
画像ではTTR-06の周辺光は皆無のように見えますが、肉眼だと僅かながらに周辺光の存在が確認できます。ただし、リフレクター仕様のライトのように周辺光も照射範囲の一部として認められるような光量ではなく、均一な光量で照射される範囲が実質的な照射範囲…となります。
光色は色温度高めのクールホワイト色ですが、青白いほどの白色光ではないので違和感は感じないと思います。
まとめ
久しぶりのGENTOS製品のレビューとなりましたが、TTR-06 は簡単・手軽に使えるシンプルな単三ライトだと思います。
もう少しボディのホールド感がしっかりとしていれば…とは思いますが、コストとの兼ね合いもあるので悩ましいトコロであります。
『90ルーメン』という明るさに関しては、用途にもよりますが、ナイトウォークや停電時の取り敢えずの照明としては十分かと思います。
実際に夜の『わんわんパトロール』として使ってみた感想としては、新品の電池を使って足元を照らすとやや眩しく感じ、2~3メートル先を照らすのに丁度良い明るさだと感じました。(光色が影響してるかも?)
TTR-06 は電池電圧の低下に伴って明るさが低下するタイプのライトなので、新品の電池とヘタった電池とでは明るさに違いが生じます。なので常に同じ使用感とはならないのですが、至近距離の照射がメインであれば少し電圧の下がった電池のほうが使い勝手が良いカモしれません。
入手性の良い単三形アルカリ乾電池が使えるので、バックアップのバックアップとしても1本あると重宝すると思います。
3.11からも10年が過ぎましたが、地震や台風など災害側や自然界には節目などというものは無いので、今一度、防災・減災にも備えておきたいです。
発売当初は『ちょっと高いかも…(ーー;)』というお値段で薦めづらかったのですが、発売から1年経過した現在は購入しやすい価格にまで降りて来ているので、気軽に購入・使用できるLEDライトとして検討してみては如何でしょうか。