先日、令和三年度の予算が成立したとの報道がなされましたが『国家予算でダイソーの耐水メモ帳が何冊買えるんだろう?』…と、しょーもない事を考えつつ、新年度が始まるのに合わせて普段から常用している耐水メモ帳も新調しました。
ただ、これまで既に数冊の耐水メモ帳を使い切っているワケですが、メモカバー無しの状態で1年も使うと表紙やメモの小端が汚れて傷んで全体的に残念な状態になってしまいます…(´Д` )
できるだけキレイに使い続けられるようにと、ココ2年程は市販されているメモ帳のカバーに収まるように耐水メモ帳側の綴じ部を改造し、半ば無理矢理に学研メモ帳のカバーを着けてダメージを回避・軽減していたのですが、この方法ではリングメモならではの利点である『180度見開き』の状態が保てず、また綴じ部の幅プラスアルファの分だけ筆記面が狭くなるのが気になっていました。(使い切った後の保存も…)
ロディア No.11用として販売されているメモカバーも使えなくはないのですが、製品寸法が曖昧だったり、酷いモノは寸法の記述がまったく無く、そうしたメモカバーを購入してイザ使おうとしたら耐水メモ帳のリング径の分(正確には半径約6.5mmの分)だけ寸法が足らず使えない…という事態に陥りそうで…。
耐水メモ帳をスッキリと収める為に、結局今までのように耐水メモ帳の背綴じ部を改造するのでは意味が無いですし、カバーに造り付けのペン挿しの位置が合わないと悲しさ2倍増しとなってしまいます。(更に精神的&経済的なダメージが加味されてしまいますな…)
また、ロディア No.11用のメモカバーは、カバーの幅が 85~90mm と大きい物が多いのも購入を躊躇う要因でした。(※後述)
そんなこんなで『ダイソー 耐水メモ帳の表紙の自作・補強計画』を実行に移し、既に実戦投入(※常用)しているので制作記録と使用感に加えて『市販されていたメモカバー』と耐水メモ帳を組み合わせてみたので、そのレポートをお届けします。(新年度に合わせているかの如くの前フリですが、昨年末の書きかけの記事とか…ゲフンゲフン)
INDEX
材料・工具
『ハードカバー』というよりも『硬質表紙』と表現したほうが適切でしょうか?
今回の表紙の材料は、同じくダイソーで販売されている『ダイソー PP厚板シート 1.0mm』を使いました。
ダイソーで販売されている1.0mm厚のPPシートは、今回使用する【白色半透明】の他に【黒色半透明】が販売されていますが、少し薄い0.75mm版は有彩色のシートも販売されています。
セリアなど他の100均でも同じPP素材のシートが販売されているので、特にダイソー製品に拘る必要もなく自分の気に入った板を使えば良いと思います。
個人的にはタンカラーの1.5mm厚・カイダック板(カイデックス)を使いたいのですが、板厚が増すと耐水メモ帳のページを間引いてページ数を減らす必要があるので現在保留としています。
他に『ペン挿し』用の素材としてA4のクリアファイル(クリアフォルダ)を1枚、加工用の三角定規とカッター、他に穴開け用のドリルがあると作業が捗ります。
寸法
上図は耐水メモ帳の各寸法の実測値ですが、製品の個体差や保存状態により 0.1~0.2mm 程度の誤差が出るかもしれません。
実測値を元にして加工寸法を決定しましたが、穴のピッチ(8.6mm)以外の寸法は、自分の好みでアレンジしてください。
ノーマルの80ページを維持したままの状態で、新たに作成したPP表紙を装着すると、上の画像のようにリングの綴じ部分が若干窮屈になるので、ページ数を10ページほど減らしたほうがスッキリするかもしれません。
加工図を元にPPシートを2枚切り出して穴を開けますが、切り出す際にカッターや定規が滑りやすいのでケガには充分注意してください。安全の為にも防刃手袋を嵌めて作業する事をお薦めします。
穴開け作業はφ4mmのドリルを使ってボール盤で穴を開けましたがピンバイスでも穴開け加工は可能です。
装着方法
綴じ部のリングを拡げる
耐水メモ帳の最後のページを開くとリング綴じ金具の合わせ目が見えるハズなので、合わせ目部分を1ミリ程度開いてスキ間を作ります。スキ間の間隔は広い方が後々の作業はしやすいのですが、過剰に拡げると元の綺麗な円形に戻せなくなるので注意してください。
指で簡単に拡げられますが硬くて拡げにくい場合は、細身のペンなどを使うとラクに拡げられます。
既存の背面表紙を外す
綴じリングのスキ間を拡げると既存の背面表紙が簡単に取り外せます。
裏表紙だけでなく中身のメモ用紙も簡単に取り外せるので、ページ数を少なくする場合は、この段階でページを間引いておくと良いです。
取り外した裏表紙は後でペン挿しを取り付けるのに必要となるので捨てないでください。
作成した2枚のPP表紙を装着
背面の表紙を外し終えたら、新たにPPシートで作成した表紙を取り付けます。
1枚目のPPシートが新たな前面の表紙となり、2枚目に取り付けたPPシートが背面の表紙になります。
既存の背面表紙を戻す
新たに作成した2枚の表紙を取り付けた後に、最後に既存の背面表紙を元に戻します。
リングを元の状態に戻して完成
リング綴じ金具の両側面を指で挟んで押さえ、拡げた合わせ目のスキ間を無くして元の円環に戻します。
これでPP製表紙の取り付けは完了です。
使用するPPシートの厚みにもよりますが1.0mm厚のPPシートで表紙を作成した場合、ノーマルの80ページのままだとメモ帳を閉じた状態にて表紙が少し浮いた状態になると思います。
表紙が浮いた状態ではポケットに収納する場合に引っ掛かったりするので、完全にフラットにしたい場合は既存の裏表紙を外す段階でページ数を10ページ程度減らしておくと良い塩梅になります。
後から切り離してページ数を減らしても良いのですが、リング穴を残した状態の原型を保ったままの用紙であればルーズリーフの要領で使用済みページと入れ替える事も可能なので無駄になりません。
ペン挿し対応版
市販されているリング式のメモ帳の中でペン挿しを標準装備しているモノを見た事が無いのですが、ペン挿しを備えていないのはコストの問題だけでなく、ペン挿しを着けるとリング式メモ帳ならではの手軽さや利便性が損なわれるから…ってのも理由かと思います。
逆にペン挿しが無いからリング式メモ帳を敬遠、有ったらあったで邪魔になるし…と、いう方も多いようで、自分もその一人でした(笑)
…で、自分の好きなサイズで表紙を後付けできるなら、ペン挿しがハミ出る分だけ表紙を大きくしてやればイイんじゃない?…という事で考えたのがこのカタチです。
前述とのPP表紙との違いは、右上の円内の寸法だけで、メモ帳の横の部分にペンやペン挿し部分がハミ出る分だけ表紙の幅を5ミリほど大きくしています。
片側だけ表紙の幅を大きくしてやる事でメモを閉じた状態でもペン差しが邪魔になる事なくスッキリと収納された状態になります。
上の例は『右利き用』ですが、ひっくり返せば『左利き用』に早変わりするので、『右利き用のペン挿しばかりで…』とお嘆きのレフティの方にもオススメです。
ペン挿し作成
今回のペン差しは、10枚110円(税込)で販売されているクリアファイルを材料にしていますが、薄くて丈夫なシート状の素材であればナンでもOKです。
加工する寸法や貼り付ける位置はご自身が使用している筆記具や好みに合わせて決定すれば良いのですが、今回はdoormanがいつも使っている『ゼブラ フォルティアef』を基準に話を進めていきます。
単純な長方形でも良いのですが、凹の字を上下逆さまにしているような形にしているのは、ペン先を少し露出させてペンを抜きやすくするためです。
上の寸法図の中で円内の寸法は、貼り付ける位置や使用する筆記具によって変わる可能性のある部位の寸法ですが、特に5ミリ欠き込んである部分の幅:30ミリはペンの直径に合わせて調整してください。
単純計算でペンの直径×3.14 で算出できますが『フォルティア ef』では、クリップ根元付近の最も軸径の太い部分が約8.5mmで、8.5×3.14=26.7mmとなります。ソレに材料の厚みや余裕を見て30mmとしましたが、納得できるまで何度でも造り直せば良いので、それほどナーバスになる必要もありません。
画像のようにペン挿しの部分は丸くループ状にして、他の部分は後から元の背面表紙に両面テープで貼り付ける部分になります。
貼り付け面を敢えて広く採っているのは、部分的に貼り付けると材の厚みの分だけ段差が出来てしまい筆記する際に支障が出るからで、ソレを回避する為に全面に貼り付けるようにしています。(最初の頃は良いのですがページ数が少なくなってくると段差にペン先が引っ掛かってイライラMAXに…)
硬めの素材では綺麗なループが保てないかもしれませんが、ペンの軸径寸法に近い丸い割り箸や棒に巻いた状態で軽く(本当に軽く)ライターで炙ってやると丸いクセが付けられます。
仮合わせしてみてペン差しパーツの各部寸法や貼付位置を確認。
特にノック部分やペン先の突出具合を確認して必要に応じて調整してください。
耐水メモ帳の元の裏表紙をサンドイッチする形でペン挿しパーツを両面テープで貼り付けます。
画像では『手作り感 & 後付け感』が満載ですが、使用中に見える部分でも無いので気にはならないハズです(笑)
最初にペン挿しのループ部分に一番近い位置を貼付固定すると後の部分が貼りやすいです。
ペン挿し付き・耐水メモ帳の完成です。
ペン挿しをもっと柔らかくて丈夫な素材、例えばビニール製のテーブルクロスの端材や厚手のビニール製パッケージを使いたかったのですが、厚さに関してはシビアで、可能な限り薄い素材を使わないと調整の為に減らすページ数がドンドン増えていく事になるので痛し痒し…という感じです。
貼り付けをしくじったり、後から違うペンを使いたいとなった場合には、新たに背面表紙(実際には中表紙)とペン挿しの2つを造り直して全交換する必要はありますが、自分の好みにアレンジできるのが最大のメリットだと思います。
無印良品 メモ帳カバー
古い文房具を整理していて発掘したのですが、消費税がまだ5%だった頃の大昔に購入した『無印良品 メモ帳カバー』です。
記憶が曖昧なのですが、過去にA7サイズのメモ帳を常用しようと考え購入したような…。
しかし、ハードな環境で紙製のメモ帳を使うと汗などでフニャフニャになり、最終的に常用するには至らなかった…と記憶しています。
ロディア No.11 も収まるサイズです。
ダイソーの耐水メモ帳を合わせてみたらピッタリだったので、差し込み用の背面表紙を追加し、ペン挿し改造を施してメモ帳カバーにセット。
表側にはナニも加えず、そのままメモカバーのポケットに挿し込みました。
想像したよりも良い感じに耐水メモ帳が納まりました♪
付録
PPシートは表紙だけでなくルーズリーフ式ノートの中仕切りを好きなだけ自作する材料としても利用できます。
市販の中仕切りは、高価な割りにスグにボロボロになってしまうのでコスパが良くないのですが、PPシートだと材自体にも粘りがあり頑丈です(笑)
A6バイブルサイズのシステム手帳用とA5/20穴用の寸法図ですが、リフィルよりも少し大きめのサイズとしています。
20穴ともなると穴開け加工が少し面倒ですが、見出し形状にしたり、ハトメでペン挿しやポケットを付け足したりと自由自在にアレンジできます。
注意点として、切断面のエッジが残っているとページをめくった拍子に指をカットして出血する事になるので、エッジの面取りだけはしっかりと行ってください。
まとめ
…とか言っておりますが、最近では分厚いシステム手帳や大きなA5ノートは机上専用帳面と化しており、一緒にお出掛けするのは耐水メモ帳や一般的なA6サイズのノートになっています…(^^;
自分の運用スタイルが変わったのは耐久性に優れた耐水メモ帳の存在が大きく、自分にとって手放せないアイテムのひとつになっています。
今回は、そんな耐水メモ帳をより快適に使えるようにと、自分なりに工夫してみたのですが、問題点やデメリットが全く無いワケではありません。
まず、PPシートの表紙の欠点ですが、実際に加工してみると切断面が荒れてガタガタになったり、毛羽だったりして切断面を滑らかにするのが意外と難しいと感じると思います。
800番や1000番のサンドペーパーで小口を処理、更に加熱処理して滑らかにしても、暫く使っているウチに毛羽立ちが発生してしまい、小口が荒れた状態のままではスムーズに洋服のポケットに入らなかったり布地を傷めてしまいそうなのが悩みのタネです。
なので、PP表紙化した耐水メモ帳は、バリスティックナイロンなどの丈夫な生地のカバンやベストなどのポケット専用、撮影メモ専用としています。
一方、無印良品のメモ帳カバーは幅が約85mmもあるので収納できるポケットが限られるのと、比較的耐久性の高い『麻』の生地で出来ていても布地なので経年によるダメージは避けられず、既に販売終了となっているので同じモノが入手しづらくなっています。
無印良品のメモ帳カバーが使用に耐えないほど傷んだら、製品寸法を参考にしてもう少しスリムな革製のメモ帳カバーを自作するつもりですが、それまではしっかりと使っていこうと思います。
100均商品ではありますが、少し手を加えるだけで更に便利に、快適に使えるようになるので、既成品の表紙の耐久性や使用中の汚れが気になる方は是非お試しください。