
最初はリアスイッチでリフレクター、16340 や CR123A の単セル仕様のライトを探していたのですが、別売りのショートボディと組み合わせれば当初の目的であるコンパクトライトにもなり、オペレーションが BLF X5 とよく似ているのにも惹かれました。
ブラックではなく銀ピカにしたのは単に個人的な趣味でありますが、リアのUシェイプが邪魔だった場合にサクッとカットしても目立たないので…(^^;
CONVOY S2+ でもショートボディが別売りで用意されてはいますが、S2+をショートにするとヘッド、グリップ、リアの3箇所に刻まれているローレットの帯(?)が接近して目立ち過ぎるように感じたので今回は見送りました。
外殻(シェル)の仕上げと【BLF】の名を冠する点が Astrolux S1 と異なるだけで中身は A6 も S1 も同じです。
結論から言って予想よりも使い辛く、全体的にイマイチ感が拭えない製品だったのですが、最近の【BLF】ブランドに対する個人的な所感も含めて備忘録的に BLF A6 の軽めのレビューをしたいと思います。
参考
- BLF A6 – Non-anodized – Banggood.com
関連記事
- BLF X5 / CREE XP-L HI (NW・3B) – roomX.jp
- LUMINTOP Prince [Copper] / CREE XM-L2 U2 (CW) – roomX.jp
- JAXMAN E2 / Nichia 219B (CW:5700K) – roomX.jp
パッケージ


【BLF SPECIAL EDITION】がドーン!とプリントされたシンプルなデザインのパッケージ。
箱側面にバリエーションを示すステッカーが貼られています。


内容物は A6本体、予備Oリング、予備スイッチブーツ、ランヤードでマニュアルは同梱されていません。

別売りのショートボディとビス止め式のクリップは Aliexpress から調達しました。
仕様

※画像は Banggood より転載
サイズ




標準、ショートの各サイズはこんな感じ…。
特に大きくもなく、小さくもなく、太くも細くもないポピュラーなサイズです。




各サイズのボディ重量と適合電池を組み合わせた装備重量。
これもアルミ製ライトとしては平均的な重量です。
ボディ















3ピース構造でグリップパーツを組み替えるとショートサイズになります。
標準、ショートともローレットのエッジが立っているのでしっかりとしたグリップ感があります。布の手袋をしていると繊維が絡みつくほどですが、使い込んでいくと触感も変化すると思います。
細かな傷により表面のツヤも消えてしまうと思いますが、そうと判ってはいてもやっぱり好きです。
塗装がなされていないので各部の加工状態がよく判ります。
クリップ



ハメ込み式クリップの納まりがイマイチなのは、BLF系列(?)の製品全般に見られる特徴かもしれません。
ハメ込み口の返しが大きくて握った時に違和感があり、脱着する度にボディ側の溝に傷が着くのが残念です。

ちなみにA6/S1用として販売されていた別売りのクリップは、微妙にビス穴が合わず使用不可でした…(´Д` )







外形:24mmのA6に1インチボディ用のクリップを嵌めているのでリング部分が少し出っ張ってしまいますが、ソラフォのクリップを試したら嵌ったので、標準ボディはこのスタイルで使おうかと思います。
ショートボディだとバランスが悪いので、ショートはクリップ無しで使おうかなと…。
互換性



これはよく知られていると思いますが、MANKER E14 や Astrolux S41 とは互換性があり、CONVOY S2等とは互換性がありません。
ヘッド









OPリフ に XP-L HD の組み合わせ。
LED違いで複数のバリエーションが存在するだけに簡単にヘッドが分解できます。
LEDの載せ替えもDCコンの交換も簡単なので、好みのライトに改造する楽しみがあります。
リア/スイッチ





スイッチはリバースクリック式で間欠点灯は不可。
Uシェイプ形状のエッジにより操作性はあまり良くありません。面取り処理も甘いので指が当たると少し痛いです。
ビス止めクリップが使えなくなったので、心置きなくリブ部分をカットできそうです(笑)
モード

工場出荷状態では【Group:1】、モードメモリは無効となっています。
具体的な操作方法、モードグループの切替は動画を参照して頂きたいのですが、BLF X5 では有効だった素早い全押しのダブルクリックが出来なくなりました。(ゆっくりとダブルクリックすればOK)
モードグループとメモリー機能の有効・無効の切替操作が少々面倒で判り辛いです。
Config-mode に突入すると2回の点滅が2回発生しますが、最初の点滅と点滅の合間に半押し、もしくは全押しすると【Group:1】と【Group:2】が入れ替わります。
2回目の点滅の合間に同じく半押しか全押しの操作を行うとモードメモリの有効・無効が入れ替わります。
※図中の Blink の波線部分は点滅1回を表しています。
BLF A6 / Astrolux S1 [A17DD-L Driver] How to operation & Mode group change. – YouTube
照射
水平照射

配光/光色
LED電球


BLF A6


WUBEN L50


FENIX UC30


屋外照射
白昼/軸線(立木まで67m)


BLF A6








WUBEN L50




FENIX UC30





先ず、5000Kにしては色温度が低いナァ…ってのが、このA6に対する第一印象で、実際の色温度は4500K程度かと思います。
LEDの色温度には個体差が有りますし、色温度が低くても特に不都合は無いのですが、想像とかけ離れていたので残念です。
何よりLEDのBINや色温度で販売価格が異なるのであれば、もう少しナントカならんかったものかと…(´・ω・`)
約1インチのヘッドに浅いOPリフ、XP-L HD の組み合わせなので拡散系の配光となっています。
それと通常モード群の【Turbo】と特殊モード群の【Turbo】とで明るさが微妙に異なるのが不思議です。
※照タイム画像では、前者を【Turbo:1】、後者を【Turbo:2】としていますが、1600ルーメン出ているとしたら明るい【Turbo:2】の方かと思います。
まとめ

うーん…
BLF X5 とUIが殆ど変わらないハズなのですが、この A6 は微妙に使い辛いです。
X5では素早い全押しのダブルクリックで【Turbo】に移行できましたがA6ではNGとなっています。
【Moon】から一気に【Turbo】に切り替える時の半長押し(0.5~1.5秒)のタイミングが掴みにくく、体感で【1秒近く半押し状態を保つ】、もしくは【ゆっくりと2回全押し】という操作が必要になります。
自分の要求する明るさに『スパッ!』って感じで入らない(入れられない)ので【Group:1】のモード数の多さが鬱陶しくさえ思え、結局【Group:2】の4モード仕様で使う事にしたのですが、『それなら A6 じゃなくても良くね?』 ってのが率直な感想です。
また、【Group:2】でも【Strobe】や【Beacon】などの特殊モード群は有効となったままなので、【Turbo】からの操作を誤るとビカビカと【Strobe】が発動してしまいます。
このA6はクリアーなシルバーですが、他のストレートボディの製品と異なるとすればソコだけで、外観デザインの差異(ヘッド部分のローレット…)が気にならなければ Convoy S2+ の方をオススメしたいです。
BLF の名を冠した製品を幾つか使ってみて思うのは、モード数とかオペレーションは確かにマニアックなんだけど、Uシェイプの面取り処理やハメ込み式のポケットクリップの仕様などに詰めの甘さが見え隠れして、製品トータルで見ると大雑把というかナンというか、『BLFメンバーの拘りはモードだけかいっ!』 と、ツッコミを入れたくなります。
BLF A6 に搭載されている制御基板(DCコン)は A17DD-L という型式のようですが、このDCコンだけ単体で販売されています。
少々乱暴な意見ですが、造りの甘い BLF A6 や Astrolux S1 を選択しなくとも、同じスタイルで超多モードのライトが欲しいならば、このDCコンとクオリティの高い Convoy のホストを組み合わせた方が幸せになれるような気がします。
内部事情までは知りませんが、想像するにBLFシリーズは、全て同じ工場(会社?)で企画・製造されていて MANKER や Astrolux、MATEMINCO や一部のLumintop製品などへOEM供給されているのかなと…。
『こういうの企画したけど…乗る?』みたいな感じで製品がリリースされ、故に製品全体のクオリティも近似してくるのかと…。
最初に BLF X5 を手にした時は驚きましたし、BLF GT にも感動しましたが、少しデザインが変わって同様の製品が別のブランド、メーカーから発売されると、【BLF SPECIAL EDITION】と謳っていても、当初のように【BLF】のプレミア感が薄まってしまったようで複雑な気分になります。
まぁ、そういうモンだと割り切ればナンてことないのですが、ちょっと寂しい気がしまして…(´・ω・`)
フラッシュライト業界も競争が激しく、企画・設計・製造を一貫してできるメーカーが限られて来ていて、色々と厳しいのかもしれませんネ…。