今回レビューするのは水深:70mの水圧にも耐えるダイビングライトの TrustFire DF70 です。
コレでもdoormanはスキューバのライセンス持ちの【モグリのブロガー】なのですが、自分のナイトダイビングの経験を思い出しつつレビューしたいと思います。
『ダイビングしないから興味無い…(´・ω・`)』
・・・なんて言わないでください。
日常用途に於いて意図的にライトを水没させる事は希かとは思いますが、水没させてこそのダイビングライトとはどんなモノなのか、また陸の上とは異なる条件下で使用するだけに、陸上用フラッシュライトとは求められるモノも自ずと違って来るハズです。
ナイトダイビングの経験がそれほどあるワケではありませんが、頑張ってレビューしたいと思います。
ちなみに、本ブログでは今回の DF70 が TrustFire製のフラッシュライトの最初のレビューとなります。
え?意外ですか?…実は、当の本人も意外です(笑)
レビューはお初となりますが、これまでも幾つかのTrustFire製品(例えばSST-90搭載のX6やステンレスのMiniシリーズなど)を隠れてチェックしていましたが、大口径・高出力のライトを数多くリリースしている老舗ブランドで製品カテゴリーも多岐に渡っています。
過去には模造品が出回り、 UltraFire とロゴやブランド名が似ているのでネガティブな誤解や先入観を抱いている人も多いかと思いますが、UltraFire製品とは一線を画しているので、その辺りも含めてチェック&レポートしていきます。
製品HP
- TrustFire Flashlights – trustfire.com
- TrustFireDirect-JP – amazon.co.jp
- TrustFire DF70 – trustfire.com
- TrustFire DF70 / Cree XHP70搭載 3200LM ダイビングライト – amazon.co.jp
TrustFire Official SNS
- Facebook – TrustFire Japan
- Twitter – TrustFire Japan
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パッケージ
やや大振りで頑丈な紙製化粧箱にキット一式が詰まっています。
カバーは箱の側面にマグネットで固定されています。
内容物は、DF70本体、中英文マニュアル、予備Oリングx4、保証書、TR-006充電器、2x26650(5000mAh)となっています。
仕様/サイズ
サイズ的には MAGLITE 2D とほぼ同じですが、DF70の方がグリップが細く握りやすくなっています。
重量的にはこんな感じですが、XHP70搭載で2x26650仕様としては少々重めかな?
装備重量はフロート付きのコードで中性浮力を持たせる際の参考にしてください。
ボディ
グリップ全体には等ピッチで凹凸の加工が施されていますが、各溝も深いので素手でもグローブでも滑り止め効果はバッチリです。
ヘッド、グリップ、リアの3ピース構造で、真水での洗浄やグリスアップなど、使用後のメンテナンス性もよろしいかと思います。
塗装・加工とも丁寧に行われています。
皮膜の厚さ・強度とも充分で、爪で引っ掻いた程度で簡単に剥がれたりしません。(当たり前か…)
所々、ネジ切り部に塗装の剥げが見受けられますが、ネジ切り部の塗装のハゲはどのメーカー製品にも見られるので個人的には気になりません。
グリップ両端のOリングは二重となっています。
サイドスイッチ・オンリーのライトなのでテール部はランヤードホールのみとなっています。
一応、パラコードのランヤードが付属しますが、ランヤードホールが大きめに開けられているので更に頑丈なストラップにも交換しやすいかと思います。
高めの水圧にて浸水しそうな部位に重点的に放水してみましたが、浸水は認められませんでした。(※動画参照)
ヘッド
CREE XHP70 にOP(Orange peel)リフレクター、赤いベゼルが印象的です。
最近の大口径ライトと比較すると、DF70の口径:66mm(※カタログ値)を小さいと感じるかもしれません。
画像ではうまく伝わらないかもしれませんがリフレクターはかなり深くなっています。
グリップパーツ端部の無塗装部分と基板が直接接触して導通が確保される構造なので、ヘッドとリアキャップが緩んでいると点灯しません。
DF70は過熱防止のリミッター(60℃以上で作動)を備えていますが、水中であれば強制水冷状態となるので内部の制御基板付近まで冷却されれば、3200ルーメンでの連続照射も可能と思われます。
スイッチ
サイドスイッチはタクトタイプで、防水性を高めている関係なのか操作感は重めです。クリック感と呼べるほどのモノはないのですがダイビンググローブを着けている状態でも操作のヤマは充分に把握できます。
スイッチ面積は小さいのですが、スイッチブーツは金属製で突出部が大きいので操作し辛いほどではないですし、これぐらいの抵抗感がないとダイビングライトとしては、逆に使い勝手が悪くなりそうです。
スイッチ外周部は透明なシリコン素材でシールされ、電池残量のインジケーターとして機能します。
電池残量に応じて【緑】・【黄】・【赤】でインジケーターが点灯/点滅します。
電池
TrustFire純正の TF-26650 (3.7V・5000mAh)が2本付属。
正規品の証紙や【-】極のレーザー刻印など偽造品対策がなされています。
一時期よりも減ったとはいえUltraFireブランドの粗悪な模造品は未だに流通していますが、以前でもTrustFireの模造品はあまり見かけた事がありません。それでも模造品対策がなされているのは安心です。
ずっと以前からTrustFire のLi-ion充電池を複数所持・使用しており、14500 Li-ion充電池に至ってはTrustFireブランドの電池しか所有していません。
メジャーな大陸通販であれば粗悪品を掴まされるリスクが小さくコスパが良い…というのが主な購入理由ですが、長期使用による性能劣化についてもメジャーな製品と遜色ないと感じますし、多少の容量誤差(笑)であれば私的には気になりません。
実際に数年前に購入した3000mAhの TF-18650 も未だに現役で、ハイドレインを要求しないライトで問題なく使えています。
DF70では付属の TF-26650 での運用を推奨しています。(※メーカーの動作保証対象外ですが KEEPPOWER 26650 でも動作しました)
充電
本キットに付属する充電器は TrustFire TR-006
まだ現在のようにユニバーサル充電器の選択肢が少なかった頃、選択肢の一つとして購入するか否か随分と迷った思い出があります。(^^;
良く言えばロングセラー商品なのですが、最大出力:1A(1000mA)で2本の 5000mAh を充電するとなると、1本当たり10時間必要となるので仕様の古さは否めません。
ただ、基準電圧が 3.0V の 16340 Li-ion充電池(3.2VのLiFePO4でも3.7Vの16340でもない3.0Vの16340)にも対応しているので、CR123Aの代替として 3.0V-16340(RCR123) の使用頻度が高い人にとっては貴重な存在です。(※3.0V-16340 の最近の売価を調べたら数年前の2倍以上に高騰してて驚きましたワ…)
充電器の【-】接点は2箇所に凸部が設けられており、26650の他に18650の充電も可能です。
16340 や 14500 などの充電も可能でしたが(※メーカー保証外)、接点の位置からしてノーマルの状態では 10440 の充電は厳しいです。
モード
常時点灯が【Extreme Bright / Hi】→【High Bright / Med】→【Medium Bright / Low】の3モード、特殊モードとして【Strobe】を備えています。
スイッチの 1-click で【ON】
点灯中の 1-click でモードが移行し、最後の【Strobe】で 1-click すると【OFF】となります。
モードメモリはなく点灯時は必ず【Extreme Bright】でスタートします。
【Strobe】はバディに緊急事態を知らせるのに有効であり必須かと思いますが、通常モードのサイクルに組み込まれているのでモード変更時に気を使いそうです。
ただ、レンタル機材として貸与するケースでは、使用者がフラッシュライトに不慣れであることも充分に考えられるので【Strobe】の発動は、スイッチの長押しやダブルクリックよりも、通常サイクルに組み込まれていた方が戸惑わずに使えて良いのかもしれません。
TrustFire DF70 / CREE XHP70 – Diving flashlight : review – YouTube
照射
水平照射
屋外照射
白昼/軸線(立木まで67m)
TrustFire DF70
3AAA Diving-light
LUMINTOP SD75
水中と陸上では環境が全く異なり、海中のコンディション(主に透明度)によって見え方が全く変わって来るので照タイム画像は参考程度に留めてください。
DF70に限らず透明度が高ければ遠方まで照射できますし、悪ければ濃霧の中で爆光ライトを照射するような状態になります。
DF70の特徴としては、口径に対してリフレクターが深いので超広角照射とはならず、中心光の存在は視認出来つつも周辺光の光量もあるので照射範囲全体が明るくなっており、陸上での使用が前提の製品と比較するのもアレですがThrow系とFlood系の中間…という感じの配光です。
廉価な3AAAのダイビングライトとの光量差は圧倒的で、夜の海でのDF70の明るさは頼もしい限りです。(照明が無いと夜の海はマジで恐い…)
低出力時でもフリッカーは確認できず、色収差も見られない自然な白色光なので、固定方法さえ工夫すれば水中撮影時の補助照明としても使えそうです。
まとめ
搭載LEDは CREE XHP70 で耐水深:70m・・・
何だか【70】づくしなのですが、モデル名の DF70 もココから来ているんでしょうね…(^^;
ダイビング時には酸素の消費量を抑えるべくカラダの動きを必要最小限に留めますが、ハンドサインを送る際などは腕を動かす必要があり、水中で腕を振れば静止時の何倍もの水圧を受ける事になります。
IPX8仕様で水深:2mの防水性能を謳うフラッシュライトは珍しくありませんが、これらは水中でライトが静止している条件下での耐水圧であり、ダイビングに限らず数十センチの浅い深度でも水中でライトを動かすような使い方をすれば何倍もの水圧が掛かってきます。
耐水深:70mもの水密性能も陸上では無用に思えますが、浅瀬のスピアフィッシングであっても水中で激しくライトを振ればIPX8仕様でもアッサリと水が侵入、海水であれば即故障となります。
また、水中での【海流】も侮れず、普通にフィンキックしていても全く前進できないほどの強い海流に入ると更に水圧が上昇する事になります。
潜水深度にもよりますが、数十メートルの耐水圧を謳ったダイビングライトであっても決してオーバースペックなどではなく、ライトに限らず耐水圧に余裕をみて機材を選択しているはずです。(ダイバーズウオッチの耐水深:200Mってのが身近なトコロですが、先のように水中での【活動】を考慮すると大袈裟な耐水圧ではないのです)
2*26650でXHP70をドライブ、最大出力の3200ルーメンでのランタイムも1時間45分となっていて、このランタイムであればボンベ1本分の潜水時間も充分にカバーできることになります。
DF70の耐水圧性能は、ダイビングだけでなく、台風や豪雨時の防災・減災ライトとしても安心して使用できる大きなポイントではないでしょうか?
気になった点としては、やはり付属充電器の TR-006 で、同社の TR-020 とは言わないまでも TR-019 ぐらいが付属してくれると、更にお買い得感が増すかなぁと…。
あとはガラスフィルターの内側に汚れが残っているので、こうした細かいトコロまで品質管理がなされていれば、TrustFireブランドに対する信頼感や評価が変わって来ると思います。
それでもバンバン水を浴びせても何事もなく動作し続けるDF70には関心しましたし、ダイビングライトの看板に偽り無しなので、ナイトダイビングのお供に如何でしょうか?