あけましておめでとうございます。
昨年はブログ記事の投稿数がチョット少なかったのですが、今年はジャンルを問わず、元のペースで更新するように頑張りますので、本年もよろしくお願いします♪(*´ω`*)
・・・で、今年最初のエントリーは、昨年末に購入した OLIGHT S1-MINI HCRI のレビューをお届けします。
S1-MINI には XP-G3 (CW) を搭載した【HCRI】バージョンと XM-L2 (CW) を搭載したバージョンが存在します。
XM-L2 Ver. のCRI値は70となっていますが、HCRIの最大出力:450ルーメンに対して、XM-L2 Ver.の最大出力は600ルメーンとなっています。
発売から1ヶ月以上経過したので、既に入手された方も多いと思いますが、Olight社初の高演色を謳った製品でもあり、事実上 S-mini のアルミボディ・バージョンでもあるのですが、S1-mini はどんな製品なのか…詳しくお伝えしたいと思います。
ちなみに、記事中の S1-mini の表記は、特記なき限り全て XP-G3 HCRI版の事を指しています。
■製品HP
・OLIGHT Official WEB site – olightworld.com
・OLIGHT S1 Mini – olightworld.com
・OLIGHT S1-MINI HCRI – amazon.co.jp
・Olight® Direct JP – amazon.co.jp
■関連記事
・OLIGHT S10R BATON III / LUMINUS SST-40 (CW) – roomX.jp
・OLIGHT H1 NOVA / CREE XM-L2 (CW) – roomX.jp
・OLIGHT S mini BATON / Stainless Steel – roomX.jp
・OLIGHT S1R BATON / CREE XM-L2 (CW) – roomX.jp
・JAXMAN E2 / Nichia 219B (CW:5700K) – roomX.jp
INDEX
パッケージ
紙製の化粧箱入り。
少し変形していますが、海外から送られてくる場合には、よくある事ですし、中身にダメージが無ければOKです♪
裏面
パッケージ裏面には主要諸元が記載されています。
開封
パッケージを開けて中身を台紙ごと引き出します。
台紙にWクリップが嵌め込んでありますが、本体をリア側にズラすと簡単に外れます。
S1-mini本体、ランヤード、USBケーブル、取扱説明書(日本語対応)、ミニカタログが同梱されています。
※製品マニュアルはOLIGHT社のHPからPDF形式でダウンロード可能です。
S1-miniにはランヤードホールが無いので、ランヤードはクリップに取り付ける事になります。
クリップは簡単には外れませんが、絶対に外れない保証は無いので、クリップだけを残して本体が旅に出た・・・なんて事も有り得る点に留意した方が良いでしょう。
仕様
AL6061-T6のアルミ合金にHA3塗装、クリップはステンレス製。
HCRI版とXM-L2版、どちらもボディの仕様には違いがありません。
サイズ
S1 と S-mini を足して S1-mini … と、なったかどうかまでは知りませんが、ある意味とっても判りやすいです。
S-mini と比較するとベゼルの厚みだけ全長が小さく(短く)なっていますが、これにより現行のS-BATONシリーズでは S1-mini が最小の製品・・・という事になります。(小さいと言ってもベゼルの厚みだけですが…)
ボディ素材が銅やステンボディの限定版 S-mini は重いのが当たり前なので比較にはならないのですが、サイズを変えずにそのままアルミ化されたS1-miniは非常に軽量です。(※計測重量はすべてボディのみの重量)
ボディ
ボディのローレットが正方形のスクエアグリッドでは無いのですが、これは S1-miniだけでなく、最近のOLIGHT社の新製品に見られる特徴です。
ローレットの意匠が変わると製品自体の印象が随分と変わります。
doorman的には、あまりの変わり様に最初は違和感がありましたが、ユーザーによって感じ方は様々かと思います。
ただ、見慣れてくると、この野生的(?)なローレットパターンも案外良いな・・・と思うようになりました。
Wクリップも先行リリースされたM2Rと同様のスタイルになりました。
完全なZ型になった事で、どちらの方向に引っ掛けても“掛かり代”が大きくなるので外れにくくなっています。
ヘッド
S1-miniのTIRレンズは従来のクリアタイプのレンズではなく、スモークタイプのレンズになりました。
ベゼルもインナータイプのベゼルになり、側面からはベゼルの縁が見えないようになっています。
ベゼル部分にはXP-G3版、XM-L2版、それぞれにLEDの色温度、CRI値、ルーメン値がレーザーマーキングされています。
スイッチ
スイッチのサイズ・素材・操作感は従来の S-BATON から変わっていませんが、スイッチ中央にインジケーターが設けられています。
このインジケーターはロックアウトモード時の通知や低電圧警告として点灯します。
リア/テール
テールデザインは他のS-BATONと同じく完全にフラットな形状です。
HCRI版にはHCRIのプリントがあります。
S-mini には無かったマグネットが S1-mini には装備されています。
マグネットの組み込み方は H1 NOVA と同じみたいなので簡単に脱着はできないかと思います。
マグネットの磁力が強くない所為か、吸着力はそれほど強くありません。
これぐらいの磁力なら、いっそのことマグネットは無くてもイイんじゃないかなぁ…と思うのですが、マーケティング的にアレなのかもしれませんね・・・。
電池
付属の 3.7V・16340以外にも 3.0V・CR123Aが使用可能です。(フラットトップ型は使用不可)
但し、マニュアルの記載の通り、3.0V・CR123Aを使用した場合は【Turbo】点灯が不可だったり低電圧警告が作動しないなどの制限があります。
また、放電能力の低い16340充電池も【Hi】や【Turbo】にて動作が不安定になるので要注意です。
充電
付属の充電池は micro-USB ポート付きで、PCのUSBポートやDC5V出力のモバイルバッテリーなどから充電できます。
R付きの充電モデルに付属する充電池は、+側にも-極性が存在する特殊な充電池でしたが、この充電池の極性仕様は一般的な電池と同じです。
モード
各モードの出力値が XM-L2版と XP-G3版で異なりますが、操作方法などは両モデルとも共通化されています。
スイッチのシングルクリックでON/OFF、消灯から長押しで【Moonlight】、点灯中の長押しでモード変更になります。
モードメモリを備えていますが、【Hi】および【Turbo】で消灯した場合は、消灯後約10分間記憶されます。消灯から10分経過すると次回点灯時には【Med】でスタートします。
点灯時にスイッチを1.5クリック(シングルクリックと長押しの合わせ技)するとタイマーモード(自動消灯)になります。
タイマーは3分と9分が設定可能で、1.5クリックする度に交互に3分/9分が切り替わります。
照射
Moonlight – 0.5 Lm
水平照射
配光/演色比較
蛍光灯
OLIGHT S1 MINI BATON – HCRI / CREE XP-G3 (CW)
JAXMAN E2 – Nichia 219B (5700K)
OLIGHT H1R NOVA / CREE XM-L2 (NW)
OLIGHT S MINI BATON / CREE XM-L2 (CW)
OLIGHT S1 BATON / CREE XM-L2 (CW)
OLIGHT S1R BATON / CREE XM-L2 (CW)
OLIGHT S10R BATON-III / Luminus SST-40 (CW)
屋外照射
白昼(立木まで67m)
OLIGHT S1 MINI BATON – HCRI
All mode
OLIGHT S1 BATON
OLIGHT S MINI BATON
配光パターンを比較すると、S1-mini(HCRI)の配光は、他のTIRレンズ仕様の製品とは明らかに異なり、拡散度合いが増して照射範囲が広くなっています。
これまでは、S1とS1Rのように光色に多少の差異があっても、中心光と周辺光の光色に大きな違いはなく、これはTIRレンズでもリフレクター仕様の製品でも同じでした。
対してS1-miniは中心光が白く、周辺光は徐々に黄色くなっています。
屋外照射でも中心光エリアの白色度が強く、少し青被り気味になっているのが判ります。
※照タイム画像のWB設定は《太陽光》で撮影
色々と情報を集めてみると、XP-G3 や XP-L2 などLEDダイが載っているセラミック基板の表面が黄色く着色されている最近のCREE社製のLEDを使った製品はこうした配光になるようです。
HCRI版のスモークレンズが配光バランスに関係している可能性もありますが、スモークレンズにより拡散度合いが増すならば、逆に光色差は小さくなるような気がします。
■参考
Olight S1 Mini Baton CW+HCRI review with measurements (XM-L2/XP-G3, 16340) – CPF
対象を照射する時に中心光で照らすか周辺光で照らすかで印象が変わり、演色性にも影響が出るかもしれませんが、CRI値は計測機器を使わないとチェックできませんし、実際に今回撮影した画像を見る限りでは、シアン要素がやや強いものの極端に青被りはしていません。
色分離・色収差が集配光によって顕著になるのか、それとも同類のLED特有の特徴なのかはまだ検証できていませんが、NWのXP-G3エミッターが入手出来次第、再検証したいと思います。
OLIGHT S1 MINI BATON – HCRI / CREE XP-G3 (CW) – YouTube
まとめ
明るさか、それとも高演色か・・・
どちらを重視するかはユーザー次第ですが、選択肢が用意されているのは嬉しく、また非常に悩ましい処であります。
折角のHCRI版ですが、中心光と周辺光に光色差があるので物撮りの補助照明として使うにはやや無理がありそうです。
この配光を個性と捉えるか否かでHCRI版のS1-miniに対する評価や価値が変わるかと思いますし、S1-miniに限らず XP-G3 や XP-L2搭載機は、色んな意味でフラッシュライトの歴史に名を残す製品になるかもしれません。
ボディデザインは従来のS-BATONと大差ありませんが、ローレットの仕様が変わった事で製品全体のカジュアル指数が高くなったと感じます。
CR123A/16340(RCR123)単セルのS-BATONはEDCライトとして実績のある製品だけに、ローレットの変更についてはOLIGHT社内でも賛否が有ったのでは?・・・と勝手に想像しています。
【We Make A Difference】のポリシーを掲げ、新しい試みにチャレンジするOLIGHT社の姿勢が伺えますし、一人のライトファンとして、2018年にはどんな仕様・デザインの製品が出て来るのか非常に楽しみであります♪