OLIGHT S1R Baton の【R】は Rechargeable の【R】だと思うのですが、小型・軽量の OLIGHT S1 Baton に充電機能が追加されたモデルです。
単純に S10R Baton Ⅱ と S1 を足して2で割った製品…ではなく、更に塩と胡椒を少々加えた感じのパンチのある製品に仕上がっています。
今回も amazon Olight® Direct JP さんからレビュー用にS1Rの実機を提供して頂きましたので、主にS1Rの充電機能についてレビューしたいと思います。
■製品HP
・OLIGHT Official WEB site – olightworld.com
・OLIGHT S1R Baton – olightworld.com
・OLIGHT S1R Baton – amzon.co.jp
・Olight® Direct JP – amzon.co.jp
■関連記事
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・OLIGHT S1・S1A・S2・S2A BATON / TIR-Lens model ・・・照タイム – roomX.jp
森のなかまさんのブログでも OLIGHT S1R Baton について詳しく紹介されています。
つい口元が緩んでしまう綺麗な写真とともに、S1Rの率直な使用感をレポートされていてとても参考になります。(*´∇`*)
INDEX
パッケージ
むふふ…出たな、OLIGHT社のNewパッケージ!(゚∀゚)
これまでのように本体を予備Oリングで台紙に固定する方式は採られていません。
予備Oリングとは知らずリングをカット…
後から予備Oリングと知って阿鼻叫喚の地獄絵図が世界中で繰り広げられた…
か、どうかは知りませんがS1RとS2Rではお馴染みのWクリップを活かして台紙に固定する方法に変更されています。
①台紙ごとPET素材の箱から取り出します。
※付属のマニュアルと巾着袋だけ先に取り出しても構いません。
②台紙下部の箱には充電ケーブルやストラップが収納されています。
③この箱も台紙から外しておきます。
④Wクリップのヘッド側から挿し込む方が台紙に挟まっていると思います。
⑤台紙に対して本体を下方向に下げます。
⑥そのまま台紙の【表】からライトを引き出します。
⑦無事(?)S1Rが取り出せました。
先述のとおり小箱には充電ケーブルやストラップが納められています。
え、予備Oリングですか?
S1Rからは付属しなくなったみたいです...(^^;
でもこの固定方法にした事により、始めてWクリップを見た人に『Wクリップは、こんな風に逆挿しする使い方もできるんだよ♪』という最良のプレゼンテーションになるかと思います。
サイズ
他の単セル仕様のSシリーズと比較すると丁度 S1(L=61mm) と S10(L=70.5mm) の中間のサイズ(L=66mm) で見事に高さのグラデーションが出来上がりました。
S1Rのヘッド径はS1、S1Aと同じ21mmですがヘッド部分の長さは、充電機能が追加された為か僅かにS1Rが長くなっています。それでも同じTIRレンズを搭載しているので配光は殆ど変わりません。
・S10RⅡ / S1 / S1R /S1A 本体重量比較
S1とS1Aのリアマグネットを外した状態での重量です。
ノーマルの状態であればS1とS1Rの重量差は殆ど無いと考えて良いと思います。
ボディ
ボディデザインやWクリップなど、従来のデザインをそのまま受け継いでいます。
新鮮味はありませんが、スイッチの位置など手が覚えている感覚で使えるのは大事なんじゃないかなぁ...と
次から次へと新製品が出る中で1つのスタイルを貫くのも、それはそれで結構すごいことなんじゃないかなぁ...と。
ヘッド
PVDで着色されたステンレス製ベゼルにTIRレンズもお馴染みかと思います。
スイッチ
スイッチ形状、材質、クリック感もS1から変わっていません。
低電圧警告のインジケーターは、3.7vや3.6v の16340(RCR123)Li-ion充電池において電池電圧が3.0~3.2v程度まで下がると点灯します。(使用電池によって多少の誤差があります)
CR123Aの一次電池では電池電圧が低下してもインジケーターの点灯は確認できませんでした。
リア
S1と比較して最も大きく変わったのリアのボトム部分です。
(充電機能が追加されたので当然かもしれませんが…)
S10RⅡのように電極が設けられ付属の充電ケーブルで充電が可能になっています。(※詳細後述)
リアキャップのジョイント部分は角ネジです。
S1Rにはスイッチ操作によるロックアウト(誤点灯防止)も可能になっていますが、リアを緩めてのロックアウトも可能です。
ストラップを通すための細い針金が最初から付けられているのもシリーズ共通です。
電池
マニュアルにも書いてありますがLi-ion充電池は本体にセットして出荷されます。
※使用時に絶縁フィルムを取り除く必要があります。
付属の16340(RCR123A)は 3.7v-550mAhの ORB-163C05 です。
他の充電機能付きSシリーズに付属する16340/18650Li-ion充電池と同様に、電池の【+】側にも【-】接点が存在する特殊な16340電池です。充電ドックや充電パッドを使って充電するにはこの専用電池が必須となります。
メーカー推奨の充電方法ではないので自己責任になりますが一般的なLi-ion充電器での充電も可能です。また、これも自己責任になりますが一般的な16340対応ライトでこの電池を使って点灯させることも一応可能です。(※接点形状によっては電池がショートする危険があるので、なるべく他メーカーのライトでは使わないのが吉)
これはあくまでdoormanの推測ですが、容量が550mAと16340としては控え目で、放電能力が【5C】とも書いてあるので多分IMR系のセルが使われているんじゃないかなと…(゚ー゚*)。oO
Max:900ルーメンの高出力を実現するためには電池の種類も重要で、やはり付属の ORB-163C05 を使うのがベストだと思います。
通常の16340や一次電池のCR123Aも使えますが、【+】極がフラットになっている電池はリアキャップとの【+】接点の関係で使用できません。
バッテリー残量が少なくなるとスイッチが赤く発光するらしいのですが、電圧が2.8vや3.0vのCR123Aをセットしても発光しないので一次電池を挿入したまま充電しないように注意してください。
充電
S1Rの肝とも言える充電機能ですが、S10RⅡの充電ドックをそのままギュッと小さくしてテールにアタッチするだけになりました。(テスターでチェックしたらセンター【-】でした)
名古屋迷物の【きしめん】を連想させるフラットなケーブルで見た目より頑丈ですが、強い力で引っ張ると中で断線する恐れがあるので要注意です。
S1R本体側、充電ケーブルのアタッチ部の両方に強力マグネットが仕込まれていてチカラを加えないと簡単には外れないようになっています。
本体にmicro-USBポートを備えケーブル1本で充電可能な製品は珍しくありませんが、何らかの方法でUSBポートをカバーする必要が出て来ます。
S1RやS10RⅡの方法でも電極が露出したりマグネットが外せないなどの制約はありますが、デザイン的にスッキリとしていますし、USBポートのカバーをめくってコネクタの向きを確認して・・・という手間が必要ありません。
充電中のインジケーターは充電ケーブルのアタッチ部に仕込まれていて充電開始、充電中は【赤】、充電終了時には【緑】で点灯します。
給電側の機器によって充電時間は変化しますが、空の状態から1.5~2時間ほどで充電が完了すると思います。
汎用USBケーブルではないので何処でも購入できるというワケにはいきませんが、この充電ケーブルとモバイルバッテリーを持ち出せばいつでもどこでも、それこそカバンの中に入れたままでもS1Rの充電が可能なのはやはり便利です。
ただし、強力なマグネットが本体テール部だけでなく充電ケーブルのアタッチ部にも内蔵されているので、携行時には磁気カードの情報を吹っ飛ばさないように注意して下さい。
モード
搭載モードは通常点灯が5モード、他にストロボモードを備えています。
スイッチをワンクリックすると点灯。
点灯状態で長押しするとモード変更、3回以上の連続クリックで【Strobe】発動、どのモードで点灯していてもスイッチのワンクリックで消灯する素直な操作系です。
消灯状態からスイッチの長押しで【Moonlight】スタート、そのまま【Moonlight】で消灯すると次回の再点灯時は長押ししなくとも【Moonlight】で点灯開始となります。
【Moonlight】で点灯開始してスイッチを長押しすると【Moonlight】-【Low】-【Med】-【Hi】-【Turbo】-【Low】…のサイクルでモードが移行しますが、再度【Moonlight】には入らないのと【Turbo】もモード変更サイクルに組み込まれ【Turbo】もモードメモリされます。
モードを変更するときに小気味よく 『パッパッ…』 という感じでモードが切り替わるのでストレスを感じません。
【Turbo】モードのショートカットは、消灯時には素早く2回タップで【Turbo】点灯、点灯時も2回タップしますが実質的に点灯時は1.5回のタップという感じで2回目のタップの時にスイッチを長押しすると【Turbo】で点灯します。
【Turbo】の連続点灯時間は僅か30秒に制限されていますが、私の個体では20秒程度で自動減光されます。
ビームショット撮影時に【Turbo】にしてカメラの場所に行って振り返るまでの僅かな時間で自動減光されてしまうので撮影が大変でした(笑)
ただ、30秒が20秒になったところで全く不便は感じませんし支障も無いので不具合だとは思いません。
むしろ早めに減光してくれた方がLEDの寿命を縮めなくて精神衛生的にも良いとさえ思っています。
ちなみに【Turbo】での点灯・消灯時には 『ジワッ』 っという感じで点灯・消灯しますが、これは故障や不具合ではなく瞬間的に流れる大電流を制御している関係かと思います。
ロックアウト機能
消灯時にスイッチを長押しすると【Moonlight】で点灯しますが、そのまま押し続けると【Moonlight】の消灯後に誤点灯防止のロックアウトモードにセットされます。
※ロックアウト状態でスイッチを押すとスイッチが赤く発光しますがメインライトは点灯はしません。
※ロックアウトモードを解除するには再度スイッチを長押しします。
タイマー機能
S1/S1A/S2と同様にS1Rにもタイマー機能が搭載されています。
設定方法も同じで点灯中にスイッチをダブルクリックすると1回点滅して3分のタイマーがセットされます。
3分タイマーがセットされた状態で更にダブルクリックすると、今度は2回点滅して9分のタイマーがセットされます。
点灯中にダブルクリックする度に3分/9分の設定が切り替わり、消灯時にタイマー設定はリセットされ無効になります。
照射
水平照射
屋外照射
白昼(中央立木まで67m)
OLIGHT S1R BATON
OLIGHT S1R – All mode
OLIGHT S1 BATON
OLIGHT S1A BATON
OLIGHT S10R-II BATON
S1 / S1A / S10R-Ⅱ / S1R 比較
Moonlight 比較
Low 比較
Med 比較
Hi 比較
Turbo 比較
※WB=太陽光
え?過去のビームショット画像を使い廻しているだろう?…て?
いえいえ、決してそのような事は致しておりません(笑)
S1/S1A/S1R/S10RⅡ とも全て同じ日に撮影したのですが、途中で三脚を動かしてしまったようでポイントがずれています。(見苦しいので後日リテイクした画像をアップし直しますネ)
※2016/11/13:ビームショット画像差し替えました
リフレクタータイプの S10RⅡ を除いた3機種は配光や光色に殆ど違いが見られません。
中心光が緩やかに拡散していくTIRレンズらしい配光です。
各中間モードに於いて微妙にルーメン値に差がありますが、使用電池や機能、ユーザーの使用目的がハッキリとしていればセレクトしやすいかと思います。
まとめ
既にTIRレンズ仕様の製品を使った事があると配光や光色に新鮮味が感じられないかもしれません。
しかし、【山椒は小粒でピリリと辛い】 の例えがありますが、OLIGHT S1R Baton は正にそんな感じです。
実用性はともかくS1Rのこのサイズで最大:900ルーメンというのは驚異的と言わざるを得ず、アタッチ式の簡便な充電方法を採用したことにより、EDCライトとしてだけではなく活用範囲が一気に広がったのは間違い有りません。
Town use は勿論ですが Field use に於いてもS1Rのコンパクトサイズが武器になりそうな気がします。
ほんの数年前まで16340で900ルーメンが可能になるとは想像もしませんでしたし、以前の自分なら【無駄な機能】と一蹴していたかもしれません。
少し電子工作を囓って生意気にも自分でも回路や基板を自作するようになってから、メーカーやエンジニアの方々の執念とも呼べるような拘りが少し理解できるようになり、ましてや【製品】として世に送り出すとなると、それがいかに大変なのかが少しだけ分かるようになりました。
長時間使えない機能に価値や意味を見いだすのは難しいかもしれませんが、LEDフラッシュライトの【明るい未来】を予見させてくれる…そんなワクワク感をS1Rに感じます。
充電機能が不要ならば従来のS1を選択できますし、ユーザーの使用スタイルに応じて製品が選択できるのは歓迎すべきことだと思います。