今回レビューをお届けする OLIGHT SR52-UT INTIMIDATOR(以下SR52-UT) は【JAVELOT】の名称が無いものの基本的にThrow系(遠射系)のフラッシュライトになります。
【INTIMIDATOR】を直訳すると《威嚇者、脅す人》となるようですが、同社の現行製品の中で【INTIMIDATOR】の名称を持つ製品をチェックしてみると 3*XM-L2の SRmini と 3*MK-R の SR96 が存在します。SR52-UTも含めたこれら3製品の共通点は、どれも Over:1,000 Lumen の照射性能を有し、複数セルを束ねて(※“並べて”ではない)使用するグリップが太めの爆光系ライトとなります。
その中でもSR52-UTは、【ULTRA THROWER】というだけに遠射を主眼にデザインされた製品ですが、単眼の XP-L Hi でどれくらいの遠射性を実現しているのか…?
今回も OLIGHT Direct さんから実機を提供していただいたので、SR52-UTの照射能力やUSB充電機能などをじっくりとチェックしたいと思います。
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■製品リンク
・OLIGHT Official WEB site – olightworld.com
・OLIGHT SR52-UT INTIMIDATOR / CREE XP-L HI / 1100 Lm – amazon.co.jp
■関連記事
・OLIGHT R20 JAVELOT / CREE XP-L HI
・OLIGHT S10R BATON II & S30R BATON II ・・・照タイム
・LUMINTOP SD4A / CREE XP-L HI
・LUMINTOP SD75 / CREE XHP70 : PART 2/3 (照タイム)
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で・・・、いつもなら製品本体のレビューから始めるのですが【百聞は一見にしかず】の例えもあるので、今回は SR52-UT の屋外照射画像から見て頂くことにします。
INDEX
照射
屋外照射
白昼/軸線(立木まで67m)
OLIGHT SR52-UT
SR52-UT : All mode
OLIGHT R20 JAVELOT
LUMINTOP SD4A
SR52-UT/R20 JAVELOT/SD4A 比較
Low 比較
Med 比較
Hi 比較
長距離照射
(※高圧鉄塔まで約250m)
Low – 80 Lm
Med – 550 Lm
Hi – 1100 Lm
SR52-UT : All mode @ Long range
R20 JAVELOT/SD4A/SR52-UT : Hi比較 @ Long range
仕様比較
OLIGHT SR52-UT | OLIGHT R20 JAVELOT | LUMINTOP SD4A | |
---|---|---|---|
LED | XP-L HI | XP-L HI | XP-L HI |
全長 | 161.5 mm | 132 mm | 112 mm |
ヘッド径 | 63 mm | 31.5 mm | 41 mm |
本体重量 | 405 g | 87 g | 178 g |
最大光束 | 1,100 lumen | 900 lumen | 920 lumen |
最大光度 | 160,000 cd | 24,700 cd | 40,000 cd |
最大照射距離 | 800 m | 314 m | 400 m |
SR52-UTは、その仕様からして徹底的に【遠射】を追求した製品であり、各ビームショット画像からもそれが伝わってきます。(※《Low》の80ルーメンでも70m先まで照らるほど集光されています)
SR52-UTの最高ルーメン値からも10W級LEDの XP-L HI を限界ギリギリでドライブしていると推測できますが、それを更に大型のリフレクターで集光し、カンデラ値を高めて最大照射距離を伸ばしています。
その代償(?)としてLEDの消費電力が大きくなり、必然的にランタイムは短くなるのですが、SR52-UTは実用的なランタイムを実現するために3本の18650を並列にして充分な電池容量を確保しています。(※詳細後述)
わざわざ 3-cell にしなくても同等の遠射能力は実現可能と思われますが、ヘッドとボディのバランス、実用的なランタイムを確保しつつ実際に使える製品(※ココ重要!)とするのに複数セル・並列仕様としたのは大正解だと思います。
蛇足ですが、同じ XP-L HI を積んでいるのに R20 JAVELOT や SD4A は飛ばないからダメ…と評価するのは大きな誤りで、同じ飛び系でも各製品の製品コンセプト、ターゲットユーザーが全く異なるので、カンデラ値や飛距離差のみで製品の優劣を論じるのは意味が無く【適灯適所】で判断することが重要だと思います。
比較画像はあくまでも仕様の違いで照射がどう変わるかを比較したものであり、実際の用途によって製品を選ばないと 『うーむ・・・(ーー;)』 って事になるので要注意です。(※経験談w)
では、ココからはいつもの構成で…
パッケージ
SR52-UTのパッケージは樹脂製ハードケースで、セット一式がこれに納められています。
表面シールには主要諸元がプリントされ、画像では判り辛いのですが内部はベルベット調の内張り(?)が施されています。
今回はバッテリー無しのキットモデルのレビューですが、3本のOLIGHT純正18650-3400mAh がセットになったキットモデルも用意されているので、3本1組で販売されている18650が殆ど無いことを考えると、組織単位や部署単位で導入する場合はキットモデルのほうがコストや手間が省けると思います。
キット内容はSR52-UT本体、専用ホルスター、予備Oリング×2、USBケーブル、シガーソケットアダプター、英文マニュアル、保証書、カタログとなっています。※マニュアルは製品HPからPDF形式でダウンロードできます
付属する専用ホルスターは、必要な機能のみを備えたシンプルなものですが、各部が丁寧に縫製され丈夫な造りとなっています。
サイズ
サイズは大型の部類に入るでしょうか…?
個人的には遠射能力が高い割りにコンパクトサイズに収まっていると思います。
それでもヘッド径を比較するとSR52-UTのヘッド径(63mm)が大きいことがよく判ります。
ボディ
HA-3表面処理されたボディのグリップ部分全体に大きめのスクエアグリッドが刻まれています。
グリップ径は実測で約45.5mm。
3-cell仕様なのに細身のグリップで、成人男性なら持て余すことは無いと思います。女性でもグリップ部分のグリッドにより一定のホールド感が得られハンドリングに苦労する事はないと思われます。
USBポート(micro-USB)はグリップ部分に設けられ、スライド式のシャッターでポートを保護するようになっています。
シャッター部分には防水用のOリングやパッキンが有るようには見えないのですが、IPX-8を謳っているので水密性には問題無いハズです。
ホルスターから普通に取り出す時にシャッターが開いてしまうことはありませんが、抜く時にホルスター開口部のエッジにシャッター部分が触れると開いてしまうことがありました。また、握り方によっては使用中に親指が触れてシャッターが開いてしまう事があるので、慣れるまでは雨天時の使用には注意を払ったほうが良さそうです。
構造やコストの関係で難しいかもしれませんが、可能であれば R20 JAVELOT のような保護リングタイプをSR52-UTにも採用して欲しいところです。
ヘッド/LED
大口径のミラーリフ(SMOリフ)に Cree XP-L HI の“定石”ともいえる組み合わせで、最大:800mの照射能力を実現しています。
先端ベゼルはステンレス製で OLIGHT Color のOリングは蓄光仕様(GITD)となっています。
スイッチ
SR52-UTのスイッチは1ボタンのクリック式サイドスイッチですが、ボタン操作でも誤点灯防止が可能となっています。
スイッチトップを高くしてある関係なのか、スイッチの接点がやや深い位置にある感じです。
それでもレスポンスが良くて疑似クリック感もあるので操作性は悪くありません。私見ですが可能な限り誤点灯を防止するように調整された感があるスイッチだと思います。
テール/リア
テール部分はフラットでテール・スタンドが可能になっています。
平らな場所であれば、天井に照射して間接照明のように使う事ができます。
ランヤードホールがテール部分に2ヶ所設けられているのが珍しいです。
穴径も大きくφ2.5mm~3mm程度のコードでも通せそうです。大型のライトなので丈夫なコードが通せるのは安心です。
電池
SR52-UT本来の性能を引き出すには3本とも同じ仕様(電圧・容量)の18650を使う必要があります。
3本1組を並列にしているので、例えば 3.7V・3400mAh を3本使用した場合は 3.7V × 10,200mAh=37.74W もの電力を確保できる計算になります。Hiモードの1,100ルーメンで4時間もの長時間点灯が可能なのは電池の並列使用により充分な電力を確保できるからです。
・・・で、並列ならば18650×1本でも総電池容量が1/3に減るだけで点灯するんじゃないか?…と、普通は考えますよね?(え、私だけ?)
残念ながら(?)SR52-UTは、18650電池を装填する時は3本の電池をセットしないとリアキャップが上手く閉まらない構造になっていて電池の装填漏れを防ぐように考えられています。
それでも粘着質なdoormanは 18650×1や18650×2で、18650型のダミーセルの組み合わせで果敢に挑戦するのでありました…( ̄ー ̄)ムフフ
ンで結果は・・・ハイ、点灯しませんでした…(´・ω・`)
もしかしたら充電機能の関係で電池3本分の内部抵抗をチェックし、抵抗値に異常があると通電しない(または充電しない)ような安全回路が組み込まれているのかもしれません。(※素直に3本の18650電池を使うことにしませう)
ちなみにマニュアルの動作電圧表記は 3V~9V となっていますが、充電機能を備えているので3*18650専用機として運用することをお薦めします。
ジョイントのネジ部は角ネジ加工されており絶縁塗装が施されています。
リアキャップを少し緩めると物理的に通電がカットされて誤点灯防止(ロックアウト)状態にできます。
USB充電
充電は付属のUSBケーブルを使って充電します。
シガーソケットアダプターは、表記は有りませんがアダプターが軽いのでDC・12V車用だと思います。(※未確認です)
ソース電源側(給電側)がDC・5V出力のUSB-Aポートでオンライン状態であればケーブルで繋ぐだけで充電が開始されます。
5V・1A充電ですがマニュアルにも表記があるように容量:3400mAhの3本の18650を空の状態から充電すると10時間以上かかります。
正常に充電が開始されるとインジケーターが【赤】で点灯し、充電が完了すると【緑】に変化します。
インジケーターは弾力のある半透明なシリコン製なので万が一衝撃が加わっても割れることはありません。
このインジケーターは低電圧警告機能も兼ねており、電池残量が低下すると点灯開始から1分間【赤】で点滅して充電や電池交換のタイミングを知らせてくれます。
モード
SR52-UTの搭載モードは計4モード。
スイッチのワンクリックでON/OFF、点灯中は長押しでモード変更を行います。
モードは《Low》-《Med》-《Hi》-《Low》…のサイクルで移行し、消灯時のモードを記憶します。
ON/OFFどちらの状態でもスイッチをダブルクリックすると《Strobe》になります。
《Strobe》で長押しするとストロボが解除され記憶されたモードで通常点灯します。
消灯時にスイッチを長押し(2秒)するとソフトウェア的にロックされ誤点灯防止モードになります。
解除するには再度スイッチを長押し(1秒)します。
リアキャップでの物理的ロックアウトも可能ですが、使用頻度が比較的高い場合では、全て手元のスイッチで操作できるのは便利です。
SR52-UTは過熱防止のリミッターがありませんが、ヘッドサイズと放熱フィンにより温度上昇の度合いは緩やかです。4時間近く連続で《Hi》点灯するとどうなるかは試していませんが、《Med》でもそれなりの遠射能力があるので状況に応じて使い別けるのがベターかと思います。
まとめ
最初に OLIGHT SR52-UT のレビューのお話を頂いた時点で改めてSR52-UTの仕様を見直したのですが、正直な話、SR52-UT の実力をどう伝えれば良いのか判らずビームショットを何処で撮影しようか…と悩みました。(^^;
だって…製品仕様を見ただけでSR52-UTが真性の飛び系ライトだってのが判りますし、最大で800mもの照射能力を正確に画像で伝えるには1,000m(1km)近く見通せる場所が無いと・・・しかも、伊勢・志摩サミット開催直前で巡回&職質・絶賛増量中!というグッドなタイミングで闇を切り裂かねばならぬという・・・(笑)
幸いなことに同じXP-L HIを搭載したR20 JAVELOTとSD4Aが手元に有り、これで照射比較できると考えて、結局いつもの場所で撮影しました。
※明るいと鉄塔まで250mはこんな感じです…(※レタッチで露出を無理矢理上げてマス)
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OLIGHT社のThrow系ライトといえば、M3XS-UT Javelot を思い浮かべる方も多いと思いますが、同じThrow系でも過熱防止リミッターの無いSR52-UTは長時間、大光量で長距離を照らす用途に適した製品だと言えます。
M3XS-UT Javelot の 1,200Lmで1,000mの遠射能力も魅力的ではありますが1,200Lmでの照射は5分間という制限があります。リミッター発動後の700Lmでもそれなりの飛距離が期待できますが、SR52-UTと比較すると電池仕様の関係でランタイムは短くなっています。
同じ飛び系でありながら異なる性格の両製品ですが、ライト好きにとって間違い無く言えることは
『飛び系は楽しい♪(*´∇`*)』
ということです。
『1000m先を照射できても肉眼で確認できないじゃんw』…という意見も散見されますが、小難しい理屈は抜きにして 『スコオォォォーン!(゚∀゚)』 と光が飛んで行く様は、ライト好きならずとも見ていてワクワクする光景(光系?)ではないでしょうか?
OLIGHT SR52-UT は、そんなワクワク感が体感できるのに加え、実用性をも兼ね備えた製品だと思います。
6月12日にオーライトSR52-UTがとどきました・最初は取り扱いがわからないので苦労しました取り扱い説明書がないのでケースのバーコードをスマトホーンで
読み取ってみましたが日本語に翻訳してもすべて日本語でないのでわかりにくいです、箱に入っている本体に電池3本ほ入れて充電するのに車から充電できるのは
車のエンジンかかっているときだけ、USBケーブルから充電できるのは、パソコン
に電源が入っているときだけしか充電ができない、コンセントから充電できると便利なのですが。パソコンから充電し夜試してみましたが、想像以上にすごく明るいです、明るいです満足しています。
充電がむつかしいです、コンセントから充電できませんか。
中野様
ご覧いただき、ありがとうございます。
先ず最初に申し上げますが、当サイトはOLIGHT社の代理店でもサポート窓口でもありませんので、その点は誤解なきようお願いします。私でも回答できるご質問には極力お答えしたいと思いますが、基本的には購入店のサポート窓口にお問い合せ願います。
それと、住所を名前欄に記載する必要はないので書かないで下さい。(中野様の住所を公開しても良いなら別ですが…)
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SR52-UTの家庭用コンセントからの充電ですが、ご質問の通り、基本セットだけではコンセントから直接充電できません。
SR52-UTに付属のUSBケーブルを使って直接充電するには、複数のUSBポートを備え家庭用のAC・100VをDC・5Vに変換するアダプター等を別途用意する必要があります。
・過去記事:TININ USB急速充電器
https://roomx.jp/roomb/?p=1116
どういう製品か具体的にお知りになりたいのであれば、上記の過去記事を参照して下さい。この製品に限らずamazonで検索すると多くのUSB充電器が発売されています。
SR52-UTの入力仕様(5V・1A)であれば、どのAC/DC・USB充電器でも対応できますしスマホやタブレットに限らずUSB充電可能な機器にもPCが不要となるので1台あると便利ですよ。
SR52-UTのキットが必要最小限のオプションで構成されているのは、中野様とは逆に 『PCから充電出来ればOK』 というユーザーも居るでしょうし、もしくは先のAC/DC・USB充電器や18650充電器を既に所有しているユーザーをも想定し、敢えてミニマムな構成にしているのだと思います。
付属品が増えれば増えるほど販売価格が上がり競合他社製品との競争力が低下しますし、既にUSB以外の充電手段を得ているユーザーにとってもメリットが無く、言葉は悪いのですが不要な付属品は有り難迷惑…にもなり得るわけです。
また、日本に限らず家庭用コンセントに接続して利用する機器は国際的かつ各国の定める安全基準・規格をパスする必要があり、メーカーにとってはサポートも含めた総合的なコストの計算も必要になります。
ライト製品に限らず更なる利便性を求めるのであればユーザー自身による必要最低限の追加出費は避けられないので、あとは各ユーザーの価値観次第・・・って事ですね♪