こういうデザインのライト好きそうだよネw
・・・って、声が何処からともなく聞こえて来ますが・・・もしかして幻聴?
今回レビューをお届けする OLIGHT R20 JAVELOT は、LEDにXM-L2を搭載した R20 SEEKER の後継機となりますが、両モデルのデザインは個人的に【ド直球のストライク!】でした。
OLIGHT製品で【JAVELOT】の名称を持つモデルは、基本的にThrow系(遠射系)テイストの製品となるようです。
その【JAVELOT】を辞書で調べると英語の【JAVELIN = 投げ槍、槍投げ】のフランス語表記らしいのですが、飛び系製品にピッタリのネーミングだと思いませんか?
USBポートの実装方法(※詳細後述)や使いやすそうなモード区分など、ずっと以前から気になっていたフラッシュライトだったので、今回も OLIGHT Direct さんに無理を言ってレビューの機会を設けて頂きました。
CREE XP-L Hiを採用し、ベーシックな外観とは対照的ともいえる性能を持つ OLIGHT R20 JAVELOT ですが、実際の使い勝手はどうなのか・・・?
なげやりなレビューにならぬよう、シッカリとR20 JAVELOTを見ていきたいと思います。
(゚ー゚*)。oO(あ、ウマイこと言ったかも…)
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■製品リンク
・OLIGHT Official WEB site – olightworld.com
・OLIGHT R20 Javelot – Law Enforcement/Tactical – Specialty – olightworld.com
・OLIGHT R20 JAVELOT / CREE XP-L HI – amazon.co.jp
■関連記事
・OLIGHT S10R BATON II & S30R BATON II ・・・照タイム
・LUMINTOP SD4A / CREE XP-L HI
・LUMINTOP SD75 / CREE XHP70 : PART 2/3 (照タイム)
・Olight R20 Javelot (XP-L HI, 1x 18650 (custom), Rechargeable) Review – CPF.
パッケージ
お馴染みのPET素材のパッケージですが、S30R BATON Ⅱと同様に予め本体に18650がセットされた状態で出荷されるので緩衝スペースが大きめに採られ、本体サイズの割りに大きなパッケージになっています。
内容物はR20 JAVELOT本体、ストラップ、USBケーブル、英文マニュアル、OLIGHT製品カタログとなっています。
※マニュアルは製品HPからPDF形式でダウンロードできます
サイズ
全長は132mmでヘッド径は1.24インチ(31.5mm)。※カタログ値
グリップ径は実測で約24mmでした。
1×18650仕様の製品としては標準的なサイズですが、ヘッドサイズがコンパクトなので単体だと小型の印象を受けます。
電池込みの装備重量は実測で約137g。
実測値とマニュアルの重量表記に差がありますがマニュアル側の誤植(without batteries が正しい?)だと思われます。
ボディ
R20 JAVELOTは、どちらかと言えばオーソドックスなデザインで見た目の派手さは有りませんが、逆にそれが高級感を損なわず威圧感を無くして人前でも使いやすい製品になっていると感じます。
充電用のUSBポートが同素材の保護リングでカバーされるので完全に本体と一体化し、一見しただけでは充電機能を持つライトには見えず、デザイン面や運用面、機能面で多くのメリットをもたらしてくれます。(※R20 JAVELOTの萌えポイント)
表面仕上げが HA-II で塗膜の厚さが薄い所為でしょうか…?
指先で触ると細かな加工痕が残っているのが感じられます。
ただ、微細なピッチの加工痕の触感が新鮮で、確実に滑り止め効果を高めているので、R20 JAVELOTに関しては一概に加工痕がマイナス要素だとは言えないほど良い仕上がりです。
HA-IIIと比較しても遜色の無い質感で安物感は微塵も感じられず、ピッチの細かさからしても相当の時間をかけて少しずつ丁寧に加工されているのが伝わってきます。(Solarforce L2P より遙かに浅く細かい加工痕です)
ヘッド/LED
XP-L HI の光学特性と相性の良いSMOリフ(鏡面リフ)となっています。
前モデルのR20 SEEKERはベゼルがブラックで【Tactical】な印象が強かったのですが、R20 JAVELOTの鏡面加工されたステンレスベゼルは全体的にフォーマルな印象を与えて戦闘服よりもビジネススーツが似合う感じです。
ヘッド先端のOリングは蓄光 (GITD)になっており、消灯後に暗闇でも見失うことがありません。
アンチロール効果の為に楔状の彫り込みが設けられています。
リア/スイッチ
スイッチはリバースクリック式で間欠点灯はできません。
R20 JAVELOT の基本デザインは、前モデルのR20 SEEKERを踏襲していますがスイッチ形状が変更されています。R20 SEEKERはフォワード・クリック式でスイッチトップがリアから突出していましたが、R20 JAVELOTはリア端より少し面落ちしたフラットタイプになりました。
過去の経験からしてR20 JAVELOTのようなタイプのスイッチは、リアの外周部が操作の際に邪魔になるので好きではなく、実機を手にするまでは 『このスイッチは改悪だよなぁ…(´Д` ) 』 と思っていたのですが、実機を見たらスイッチ面積を外周ギリギリまで大きくして操作性を向上させていました。
実際にON/OFF操作やモード変更する際も、不自然に親指を曲げることなくスイッチに触れられるので自然に操作できます。やや軽めのタッチとの相乗効果でON/OFF操作は勿論ですが、モード変更時においてもミスクリックすることはまず起きないと思います。
スイッチ面積が大きくなるだけでココまで操作しやすくなるなら全部そうして欲しい気もしますが、スイッチブーツが特殊なサイズ(実測でφ18mm)になり、必然的にブーツのフランジ部分は小さくなるので加工精度が低いと即防水性の低下に繋がるので難しいのかと思ってみたり・・・(^^;
誤点灯を防ぎつつ確実に連続点灯させる必要がある場合はリバースクリック式の方が都合が良く、フォワード・クリック式ではなくリバース・クリック式を採用したのも【Law Enforcement】の製品コンセプトに合わせたのかもしれません。
リアジョイント部は角ネジ加工されており、エッジ部分を除いて絶縁塗装されているのでリアを緩めることで物理的にロックアウトできます。
電池
R20 JAVELOTの動作電圧は 2.8 – 4.2V。
2*CR123A や 2*16340 では過電圧となり使えません。
充電機能を備えているので実質的に18650専用機となります。
R20 JAVELOTに付属する18650は 3.7v/2600mAh のモノで型番は【ORB-186C26】となっています。
挿入方向は一般的な製品と同様に【+】極から挿入します。
電池室のボア径にも余裕が有るので、相当オーバーサイズの電池で無い限り問題無く使える筈です。
USB充電機能
充電仕様は5V・1A
付属の2600mAhなら残量ゼロの状態から3時間弱で充電が完了する計算です。
USBポートは USB-micro で付属のケーブルを使って供給側(USB-A)と接続するだけで直ちに充電が開始されます。(※当然、給電側とオンラインになっている必要アリ)
正常に充電が開始されるとインジケーターが【赤】で点灯し、充電が完了するとインジケーターが【緑】に変わります。(※インジケーターは弾力のある半透明なシリコン製で衝撃が加わっても割れることはありません)
充電が完了したらUSBケーブルを外して保護リングをしっかりと閉めます。(※ココ重要!)
保護リングを閉め忘れると水や埃が侵入して故障の原因になるので要注意です。
R20の充電機能を使用するには、付属する18650と同じく充電池の【+】極側に【-】極も存在するOLIGHT社の独自仕様の電池を使う必要があります。一般的な18650でも使用は可能ですが、メーカー保証外となりますし、ショートなどの危険を伴う点に注意してください。
モード
搭載モードは3モードでSOSやストロボなどの特殊モードはありません。
《Hi》の900ルーメンは過熱防止のリミッターにより連続点灯可能時間は3分間に制限され、3分経過すると450ルーメンに自動減光されます。なので実質的には4モードになるかと思います。
点灯中のモードの変更はスイッチの半押しで行い、《Hi》-《Med》-《Low》-《Hi》… のサイクルでモードが変わります。(※モード変更の閾値は0.5秒ぐらい)
モードメモリ機能は無く、再点灯時には常に《Hi》モードからのスタートになりますが、これもスイッチ仕様と同じく製品コンセプトに合わせているものと思われます。
また、常に 『Hiモード・スタート』 と判っていれば状況に応じて仮点灯(調光)するだけなので、モードメモリ機能が無くても個人的にはデメリットだと思いません。
ちなみにPWM調光では無いのでMedやLowでもフリッカーは発生しません。
照射
至近距離照射ではベゼルの欠き込みが投影されますが、少し離れるだけで視認できなくなるので実用上問題はありません。
水平照射
屋外照射
白昼(立木まで67m)
OLIGHT R20 JAVELOT
OLIGHT R20 JAVELOT – All mode
OLIGHT i6 Paladin
SKILHUNT X0
SOLARFORCE L2T P60 bulb
LUMINTOP SD4A
※WB=太陽光
R20 JAVELOTはスポット重視の配光でありながら各照射画像を比較すると極端なピンスポットでないことが判ります。(私見では中心光が XP-E と XP-G の中間程度に感じます)光色も青白さが感じられない純白に近い色温度で違和感もありません。
※R20単独と比較画像では光色が異なって見えますが、カメラのホワイトバランス設定の違いによるものです。単独照射はWB設定を太陽光、比較照射はWBをオートにして撮影しています。
長距離照射
(※高圧鉄塔まで約250m)
Hi – 900 Lm
Med – 100 Lm
Low – 10 Lm
All mode @ Long range
R20 JAVELOT/SD4A :Hi比較 @ Long range
同じXP-L Hi を搭載しているSD4Aと比較するとヘッド径の差が集光率の差(=カンデラ値の差)、すなわち飛距離の差となっていますが、R20 JAVELOTのヘッドサイズでもココまで光が飛ぶのなら充分満足です。
まとめ
最近の製品としては少ないモード数でモード・メモリ機能もストロボも無し…
タクティカル過ぎず、EDC過ぎず…
R20 JAVELOT に物足りなさや中途半端な印象を持つ方も多いと思いますが、【確実に照らして確実に消灯する】というフラッシュライトの最も基本的かつ重要な部分をしっかりと抑えてあり非常に使いやすい製品に仕上がっています。
多機能・多モード・高性能な製品を求める方には、R20 JAVELOTのようなシンプルな製品は魅力を感じないかもしれませんが、既に病が重症化している方ほど外観デザインも含めて原点回帰的な安心感と満足感を覚える製品だと思います。
1,000ルーメン超の製品が多い中で R20 JAVELOTの900ルーメンは数値的に見劣りしますが、実際の遠射能力は先の照射画像の通り【看板に偽りなし】の性能を有しています。
XP-L Hiを搭載していてもヘッド径が31.5mmなので集光能力に限界がありますが、携帯性を損なわないサイズにより持ち出すのに気合いを入れる必要の無いThrow系ライトだと思います。
また、集光率が低いお陰(?)でピンスポット過ぎない配光となり、周辺光もそれなりに存在するので《Hi》モードでは近距離と遠距離を同時に照射して広い視界を確保できる実用的な配光となっています。
USB充電機能というトレンドもしっかりと抑えながら、USBポートを保護する非金属素材のキャップが無く、紛失や不用意な開栓の心配から開放されるのも、R20 JAVELOTの大きなポイントです。この構造にする事で製造コスト(加工コスト)が上がってしまいそうですが、質感も落とさずに他の製品と同価格帯に抑えられています。
USBケーブルさえあれば充電可能な仕様なので活用範囲も広く、R20 JAVELOT の 『タクティカル過ぎず、EDC過ぎず…』 というのが、逆に使いやすさに繋がっていると感じます。
強いて要望を挙げるとすれば…
充電状態を表すインジケーターがあるので低電圧警告機能も欲しかったのと、R20 JAVELOTの仕様とは無関係ですが付属の18650 Li-ion充電池は、S30R BATON Ⅱと同じ 3200mAh や 3600mAh の18650充電池だと容量の統一が出来て管理・運用が捗るかなと…。
同じ仕様の充電池ならば、将来的に複数セル使用のOLIGHT製品を購入した時に流用しやすいかなと…(^^;
それでも OLIGHT R20 JAVELOT を一言で表すとしたら、
オーソドックスな最新鋭ライト
・・・この一言に尽きるので、マニアから初心者までお薦めできる製品です。
ナニよりもR20 JAVELOTのように扱いやすく汎用性の高いベーシックな製品が1本あると安心して多機能製品にも触手を伸ばせるかと思います♪(*´∇`*) ←※オイw
※次回はR20 JAVELOTと同じくXP-L HI を搭載した同社の飛び系ライト OLIGHT SR52-UT のレビューを予定しております。