ThruNite TN36 UT / CREE XHP70 (CW)

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ThruNite TN36 UT / CREE XHP70 (CW)

前回は、ThruNite TN36 UT の照射レビューをお届けしたので、今回は製品本体のレビューをお届けしたいと思います。

先述の通り外観等は、mini TN30、MK-R版TN36から殆ど変わっていません。
しかし、搭載LEDが Cree MK-R から XHP70 に変わっただけではなく、回路的に改良が加えられていて(※詳細後述)ThruNite社のフラッグシップモデルとして更に磨きが懸かっています。

■ThruNite Official
ThruNite TN36 UT (Cool White) 製品ページ
ThruNite TN36 UT (Neutral White) 製品ページ
 

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ThruNite MINI TN30

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パッケージ

ThruNite TN36UT / パッケージ
ThruNite TN36UT / パッケージ

mini TN30 や MK-R版TN36 と同じく紙箱パッケージでサイズも同じ大きさです。

付属品

ThruNite TN36UT / 内容物
TN36UT / 付属品

TN36UT本体の他に予備Oリング×2、予備のスイッチインナーブーツ、リストストラップ、ホルスター、英文マニュアルが付属してきます。

ThruNite TN36UT / ホルスター
TN36UT / ホルスター
TN36UT / ホルスターベルトループ

ホルスターですが、自分の所有する mini TN30 や MK-R版TN36 に付属してきたモノと比べると、機能や形状は同じですが衝撃を吸収するウレタンが厚くなってライト本体がしっかりと保護される感じです。表面素材は変わっていませんが、ホルスター全体の柔軟性も増して本体とのフィット感が更に良くなっています。

サイズ

  • 全長:135.4mm
  • ヘッド径:64mm
  • 本体重量:397g(※電池除く)

※全てカタログ値

ThruNite TN36UT / サイズ

mini TN30 はストラップホールの無い1stバッチ品なので全長が5mmほど短いのですが、基本的に mini TN30 や MK-R版TN36 と全く同じサイズです。

mini TN30 / TN36 / TN36 UT サイズ比較

実際に3兄弟(?)を比べてみてもLEDと型番プリントを見ないと区別がつきません。

ThruNite TN36UT / 装備重量

装備重量は使用する電池(18650×4本)により変動するので、あくまで参考値として下さい。

ボディ

ThruNite TN36UT / body
ThruNite TN36UT / body
ThruNite TN36UT / body
ThruNite TN36UT / body

お馴染みの3面フラットと水平ラインの ThruNite Design ボディ。

TN36 TN36UT / body

3兄弟ともグリップ径は太いのですが、深くて粗いローレット加工のお陰で手に持った時のホールド感は良好です。

ローレット自体は粗いのですが、素手で持ってみても全然違和感が無く手袋の繊維がまとわり付くこともありません
見た目や手触りを良くする為にグリップ感を犠牲にした製品が多い中で TN36UT は、それらを犠牲にすること無く、実用性を追求したボディを持つ製品だと思います。

個人的に、どんなに高性能なライトでも手に持った時に違和感があると、使わない…愛着が持てない…類の面倒臭いヒトなので重要なポイントだったりします

TN36UT / body

塗装ムラなどは一切無く、ローレットのピッチも均一で美しい仕上がりです。

TN36UT / 3 unit

ヘッドとボディの2ピース構成も3兄弟共通の仕様です。

ヘッド

ThruNite TN36UT / head

風防レンズはARコートされた強化ガラス製で、まさに“Ultra clear”そのものです。

LED等の拡大画像は前記事を参照願います。

ThruNite TN36UT / contact

ヘッド部の接点は、電池カートリッジの【+】/【-】ともにダイレクトに接触するタイプで、やはり3兄弟共通の仕様です。ヘッドを少し緩めることで完全に通電をカット(ロックアウト)可能な点も同じです。

スイッチ

ThruNite TN36UT / switch

スイッチ廻りのデザイン、感触も変更は無く、ON/OFF操作時の音も静かで感触も良好です。

ThruNite TN36UT / switch
ThruNite TN36UT / switch

Lowモード以上で点灯するブルーインジケーターや低電圧警告(LVI)のレッドランプもちゃんと装備されています。

テール

ThruNite TN36UT / tail
ThruNite TN36UT / tail

1stバッチの mini TN30 のテールデザインが少し異なりますがMK-R版TN36とは全く同じ形状です。やはり重心が低く接地面積も大きいのでテールスタンドも安定しており、屋内外を問わず、思う存分安心して立てられます。

電池

ThruNite TN36UT / battery
ThruNite TN36UT / battery

ウチの3兄弟(笑)は、電池カートリッジのサイズも全て同じなので使い廻しが効きました。

メーカーが保証している使い方ではないので自己責任の範囲ですが、サイズが同じなのはやはり便利で、先の屋外照射の撮影時に便利さを実感しました♪

ThruNite TN36UT / battery

TN36UT の動作電圧は 10.5 – 17.5v となっているので満充電状態の18650 Li-ion充電池を4本(16.8v)セットしても問題ありません。
 

+++

冒頭で 『回路が改良…』 と述べましたが、具体的には Moonlightモードから Turboモードまで、取り敢えず点灯させるだけであれば電池を選ばなくなった…という点です。

MK-R版TN36では放電性能の低い18650 Li-ion充電池を使った場合、Turboモードにした瞬間にシャットダウンしましたが、TN36UTでは同じ性能の低い電池を使っても取り敢えずはシャットダウンすることなく点灯し続けます。

ただし、取り敢えず点灯し続けますがTurboモードの大出力にするとスグに低電圧警告のLVIが作動してインジケーターが【青】から【赤】に変わります。

つまり、点灯させるだけであれば電池を選ばないのですが、電池性能によって照度も左右されるので実質的には大電流(ハイドレイン)に対応した電池でないと実用に耐えないですし、TN36UT本来の性能も引き出せない点は変わりありません。

ThruNite TN36UT / battery
ThruNite TN36UT / battery

実際に満充電状態のIMR系18650電池と旧型のICR系18650電池を各4本組(双方とも合計で約16.7v)使い、TN36UTのTurboモードで3分間点灯させた直後に電圧を計測してみましたが、放電性能の低い旧型のICR系18650電池の電圧降下速度が尋常ではありませんでした。

Li-ion充電池は、コバルト系(ICR)に比べてマンガン系(IMR)のほうが大電流に強く、高放電時でも電圧降下が起きにくいとされていますが、その特徴・特性を加味しても放電性能の低い安価な電池はTN36UTには向かないと言えます。

それでも緊急時等に於いて、例え数分間でも大光量で点灯させられれば TN36UT の存在・所有価値は確実に高まるハズなので【改良点】として評価して良いかと思います。

ちなみに、△マークの付いた電池は、どれも2~3年前の製品で放電性能が最大でも 1.0A ~ 1.2A 程度しかありません。コバルト系でも最近のメーカー製セルを採用した電池ならば10W級LEDを余裕でドライブできる 3.0~5.0A 程度の放電性能を有しているので特にマンガン系(IMR)のセルに拘る必要は無いと思います。

モード

搭載モードとルーメン値、ランタイムは下記の通りです。
※ThruNite 18650-3400mAh使用時

・Strobe (7300 lumens / 137 minutes)
・Turbo (7300 lumens / 95 minutes)
・Hi (2500 lumens / 194 minutes)
・Med (850 lumens / 587minutes )
・Low (130 lumens / 54 hrs)
・Moonlight(2 lumens / 33 days)

・Peak Beam Intensity: 20360cd.
・Max beam distance: 285m.

Moonlightモード / 2 Lumen

ThruNite TN36UT / Moonlight-mode

基本的なON/OFF操作・モード変更方法も、mini TN30 や MK-R版TN36 と全く同じで、スイッチのワンクリック、ダブルクリック、長押しを使い分けます。

◆◆◆ 消灯時 ◆◆◆

  • スイッチをワンクリックすると通常モードで点灯します。
    ※モードメモリ機能を備えているので消灯時のモードで再点灯します。(モードメモリはLow・Med・Hiの3モードのみ)
  • 消灯時からダブルクリックすると消灯時のモードで点灯した後、スグにTurboに切り替わります。
  • 消灯時から長押しで Moonlight で点灯します。

◇◇◇ 点灯時 ◇◇◇

  • 通常モード(Low・Med・Hi)で点灯している時にスイッチを長押しすると通常モード内で次のモードに移行します。
    ※モードの移行は単純に Low → Med → Hi → Low … のループを繰り返します。
  • Moonlightモードで点灯した際は一旦スイッチから指を離した後で長押しするとLowモードで点灯します。そのまま押し続けると上記のモードループを繰り返します。
  • どのモードで点灯していてもダブルクリックでTurboモードに切り替わります。
  • Turboモードから更にダブルクリックするとStrobeに切り替わります。
  • どのモードで点灯していてもスイッチをワンクリックすれば消灯します。

通常モード(Low・Med・Hi)で点灯している時に Turbo に切替え、そのままTurboモードで消灯すると、Turboモードの直前に使用していたモードが記憶され、そのモードで再点灯します。

Moonlight で点灯中に Turbo に切替え、そのままTurboモードで消灯すると、Moonlightモードの前に使用していたモードが記憶され、そのモードで再点灯します。

文章にすると操作が複雑そうですが実際に使ってみると誰にでもスグに使いこなせます。また、mini TN30 や MK-R版TN36、TN4A と同じ操作系なのでこれらの製品を使ったことがあれば混乱せずに使いこなせます。(操作系の継承は大切だと思います)

勿論、LEDの加熱保護機構(ITC)も搭載されているのでTurboモードも安心して使えます。

まとめ

ThruNite TN36UT は、mini TN30 や MK-R版TN36 と外観デザインや操作系が同じなので、あまり新鮮味が感じられないかもしれません。

正直に申しまして・・・
私自身もTN36UTの実機を手にするまでは、XHP70の演色性に期待はしていたものの 『うーん、LEDが変わっただけかぁ…』 と思っていました…(^^;

LEDに関しても冷静に考えてみれば XR-E から始まって XP-G や XT-E、XM-L2、XP-L 等々、次々と新しいLEDがリリースされ、それらのエミッタが搭載された製品を実際に使って来ましたが、『うん、確かに明るいな…』 ぐらいの感じで、CW・NW・WWの光色やリフ形状による配光の違いはあれど 『おぉっ!一味違うLEDだな!(゚∀゚)』 という領域にまでは達していなかったと感じます。

ところが、この TN36UT に搭載された XHP70 は、今までのCREE社の汎用LEDとは一味違うエミッタで、Vfが6V/12VのLEDではありますが、今後どういう風に、どこまでLEDが進化するか…LEDの更なる可能性を追求した次世代の上位製品であると言い切れます。

MK-R版TN36 から販売価格が上がってしまったのは残念ですが、価格が上がった分だけの価値と実力・性能を備えている製品だと断言します! (`・ω・´)

逆に言えば XHP70 の総合性能や高演色性に価値や必要性を感じなければ TN36UT ほどの高価格・高性能製品はお薦めしませんし、宝の持ち腐れになってしまう可能性さえあります。

他メーカーのXHP70搭載製品を使ったことがないので直接比較は出来ませんが、ThruNite TN36UT に関しては、ハンドライトとしては勿論ですが、高い演色性が要求される専門性の高い現場(医療現場や撮影現場など)で使えるポータブルな照明だと思います。

ただひとつ残念なのは、ココまで【照明】として活用できる製品であれば、簡単に三脚にマウントできるように1/4インチ規格のネジ穴を装備するか、専用のブラケットを別売りオプションででも用意して欲しかったなと…。工夫次第で簡単に三脚に載せられますが、最初から装備されていれば更にTN36UTの魅力・商品価値が高まると思います。

≪追記:2016/01/30≫
建築用金物【竪バンド50A】を使ったTN36、mini-TN30向けの三脚ブラケットの記事をアップしました。

+++

フラッシュライトの価値を何処に見いだすかは人それぞれですが、実用性や技術的要素を重視する方、或いはそうしたポイントに萌えてしまう方々には、ThruNite TN36UT は是非ともお薦めしたい1本です。

ThruNite TN36UT Cree XHP70

ちなみに、現在 ThruNite社のHPから Mini TN30 と MK-R版TN36 が消えています。
(やっぱ、前髪しか無いじゃん!w)

早くもお兄さん達(?)はディスコンになってしまったのか・・・
それとも一時的なモノなのかは不明ですが、flood系は TN36UT が有ればゴニョゴニョ…。

もしかして XP-L Hi を搭載した新たな爆光遠射系(TN32 UT)や XHP50 を積んだ爆光flood系が…いえ、ナンでもないです・・・( ̄ー ̄)ムフフッ
 

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ThruNite TN36 UT / CREE XHP70 (CW) への7件のフィードバック

  1. hato のコメント:

    ThruNite製品のレビュー いつも参考にしています。
    三脚のネジ規格ですが、正確にはJIS B7103 1/4-20UNCだそうです。(u3/8も有ります)
    ねじ込めないことが無いように交差が大きめです。
    昔、三脚メーカーで設計をしていましたが当時でも三脚用の規格を知らないメーカーも有った
    ので最近はどうなっているか正直わかりませんので参考までに。

    • hato のコメント:

      googleでレンズ 三脚座 汎用で検索するとスチルカメラ用のレンズを三脚で保持する
      商品が出ます。この辺、流用出来ないでしょうか。

      • doorman のコメント:

        hato 様

        コメントありがとうございます。

        三脚の設計に携わっておられた、謂わば本職の方から情報をいただけて感謝です。

        ウィットネジ規格にもちゃんとJIS規定はあるのですね…知りませんでした。

        大口径望遠レンズ用のリング式三脚座は現物を調達して既に試してみましたが、三脚座の径が大きく寸法合わせが難しそうなので TN30 や TN36 に於いてはお蔵入りとしました。

        ThruNite MINI TN30 & TN36 ・・・専用ブラケット製作計画 【リング式三脚座編】

        三脚メーカーさんが高出力用フラッシュライト向けの雲台を出して・・・くれないですよねぇ(^^;

        • hato のコメント:

          試しておられましたか、失礼しました。
          自分の手持ちだとビクターのロールバーマウント mt-rb001
          がTN4Aならぎりぎり保持できるのですが、ネジがオスなので
          何らかの工夫が必要そうです。
          また、何か思いついたら投稿させてください。
          今、TN36 系が一番気になっていて、doormanさんの記事がとてもわかりやすいです。
          これからもがんばってください。

        • doorman のコメント:

          ありがとうございます!
          私の拙いレビューでも参考にしていただけるとは…すごく励みになりますヽ(;▽;)ノ

          できるだけ正確で解りやすいレビューをお届け出来るようガンバリますので、これからも宜しくお願いします。

        • hato のコメント:

          何となく思いついたので検討してみて下さい。
          http://www.fastpic.jp/viewer.php?file=1770722856.jpg
          クリップ 60mmまで
          http://www.amazon.co.jp/dp/dp/B005DJIVMW/

        • doorman のコメント:

          ライトを保持するだけなら

          ・大型布団ばさみ:http://www.amazon.co.jp/dp/B015LYFRE8/
          ・洗濯ばさみ(洗濯ピンチ):http://www.amazon.co.jp/dp/B0144DIQZO/

          でもイケるかなと考えていましたが…
          ご紹介いただいたクリップなら保持力も強くて、耐荷重が約1kg、最初から雲台も付いていて何かと捗りそうですね。
          ¥600程度の小型のモノは持っているのですが、この大型クリップがあるのは知りませんでした。

          良い物を教えていただき、ありがとうございます!

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