マクロリングライトの自作 【1】・・・ パーツ編

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このブログのひとつのエントリーに掲載する画像は大体20~30枚で殆どPENTAX WG-1で撮影したものです。掲載するのは20~30枚程度ですが実際には60カット以上撮影して、その中から使えそうな画を選別するのが恒例行事(?)となっています。

色々なアングルで引いたり寄ったりしながら撮るので基本的に三脚は使わず、いつも手持ち撮影なのですが光量不足でシャッタースピードが遅くなり、カメラの手ぶれ補正機能が追いつかずブレまくった画を量産していました。

この歩留まりの悪さをなんとかするには 『撮影時の照明を明るくするしかない!』 って事で、家庭用照明器具を追加するよりもデジイチのマクロレンズにマクロリングライトを付けた方が何かと捗るのではないかと考えました。(ナンでそうなるw)

が・・・、海外通販から国内通販まで適当な既製品のマクロリングライトを捜したのですが、安価な製品は光量がイマイチだったり、例の如くメーカー品は趣味で使うにはご無体なお値段なので・・・(´・ω・`)

それほど使用頻度が高い機材でも無いし、【マクロリングライト 自作】で検索したら既に自作されていらっしゃる方も多く、フラッシュライトの改造やLED工作などで培って来た貧弱な知識や残念な経験を活かせるし、オマケにパーツの在庫も消化出来そうなのでマクロリング照明の自作に挑戦してみる事にします。

仕様

  • LED:表面実装型LED
  • 全光束値:500~600ルメーン程度
  • 光量調整機能
  • 色温度:5500K~6000K
  • バッテリー駆動
  • LED部・コントロール部の2ユニット構成
  • アクセサリー・シュー対応

等々、実際に自作可能な範囲で仕様を決めてみました。(※自らハードルを下げるのはお約束w)

レンズ

Canon EF-S 60mm Macro

色々なレンズで使えるリングライトが理想ですが、ブツ撮りがメインですし使用するのはこの60mmのマクロレンズだけなので、このレンズ専用のマクロリングライトを自作します。(※予算を掛ければ77mm径対応のライトも製作可)

焦点距離:60mmなのでケラレる事は無いと思いますが出来るだけLED部を薄くするように頑張ってみます。

60mm Macro + レンズアダプター
52mm レンズアダプター
52mm レンズアダプター
52mm レンズアダプター

マクロリングライトをレンズにマウントするのにはフィルター径:52mm用のアルミ製レンズアダプターを使います。(1枚:$1.10)

52mm レンズアダプター
52mm レンズアダプター
52mm レンズアダプター
52mm レンズアダプター
52mm - 77mm ステップアップコンバーター

元は角型フィルターをレンズにセットする為のアダプターで、ステップアップコンバーターとは違い外周部分が完全にフラットになっています。

LED

5050 表面実装型LED 3チップ並列型
5050 表面実装型LED 3チップ並列型
5050 表面実装型LED 3チップ並列型

LED部を薄くしつつ多灯にして光量を得るのには表面実装型のLEDが適していると考え、eBayから 5050 表面実装型LED – 3チップ並列型(PLCC-6)の白色LEDを調達しました。(50個:$3.07)

36LED マクロリングライト - 配置図

今回は、左右各18灯づつを並列接続するので計36灯のマクロリングライトになります。
※片側18灯としたのは、後述するコントロール部基板の仕様による

Vf=3.1~3.3/If=60mAの時に1チップで 20ルーメン程度の能力が有るので36個並列にすれば、仕様上は720ルーメン程度の明るさを得る事が出来るハズです。

5050 表面実装型LED テスト点灯
5050 表面実装型LED テスト点灯
5050 表面実装型LED テスト点灯

eBayの商品説明で色温度は6000Kとなっていましたが、6500Kぐらいの高さなので撮影画像をRGB補正する必要が出てくるかもしれません。(計測画像はパルス駆動なので120mA程度流れてます)

LED基板

家庭照明用や車載用のLEDリングは直列にLEDが配置されているモノが多く、高い電圧(DC:12Vなど)が必要になるので並列配置用の基板をイチからトナー転写で自作する事にしました。

生基板は以前に調達した70mm×100mmの在庫を2枚使います。(10枚:$7.78)

36LED マクロリングライト - 自作LED基板
36LED マクロリングライト - 自作LED基板

基板1枚のサイズが70mm×100mmなので2枚使えば最大直径:100mmのLEDリングライト用基板が作れるハズです。(1mmづつマージンを採って出来寸は直径:98mmとしました)

既製のLEDリングはアルミベースで放熱性もそれなりに期待出来ますが、自作となると母材がベーク板なので 『 放熱的にどうよ? 』 ってのが気になりますが、レンズアダプタがアルミ製ですし、可能な限り基板の面積を大きくして熱対策する事にします。

回路

PICとMOSFETを使って光量調節機能付き回路を組む事も出来るのですが、今回はお手軽にフラッシュライト用の多モード型サーキットボード(PCB)をそのまま使う事にします。

AMC7135*3 Flashlight Driver 17mm

以前、MXDLをMODした際に使ったPCBと同じ物でDXで調達しました。(SKU:7426/2個:$2.89)

AMC7135*3 Flashlight Driver 17mm

AMC7135が3個載っているので最大出力が1050mA、モードは《Low》-《Med》-《Hi》の3段階調光で、意味も無く《Strobe》や《SOS》も使えるマクロリングライトになります。(3モード仕様にする事も可)

AMC7135*3 Flashlight Driver 17mm

36個のLEDを左右18個づつに別け、右半分と左半分を各1個のPCBでコントロールするので左右独立した光量調節が可能になります。

シャッター・シンクロのストロボフラッシュはこの回路では無理ですが、自分はあまりストロボを使わないので問題有りません。

3個のAMC7135をそのまま使うか、それとも1個減らして2個にするか・・・
18個のLEDのIfは、60mA×18個で 1080mA、PCBの仕様上の最大出力が1050mAなので過電流になる事は無いハズですが、安全にドライブするならAMC7135は2個(700mA)の方が良いかもしれません。

後は実際に5050LEDを18個並列・点灯した際の発熱次第では、レンズに悪影響を与える事も有り得るので、その場合はAMC7135を2個にするかもしれません。(※700mA / 18 ≒ 39mA だとかなり暗くなりそうです)

スイッチ

独立した2つのPCBを個別に操作する必要があるのでスイッチも2個必要です。

リバースクリック式スイッチ
リバースクリック式スイッチ

今回はFastTechでオーダーしたリバースクリック式スイッチ1.5A・250Vを使います。(2個:$1.17)

スイッチブーツは余り物のフラッシュライト用・14mm(12個:$1.39)のオレンジで、ライナーにも余り物のM10用・φ16mm・厚さ1.5mmのアルミワッシャーを使います。

もう少しスイッチ部分を小さくしたかったのですが、その為に新たにパーツをオーダーすると時間もお金も掛かるので手持ちのパーツで妥協します・・・(´・ω・`)

電池

PCBの駆動電圧が3.6Vなので、単三のエネループを使うとすればPCB1個当たりに3本、計6本の電池が必要になります。

単三電池6本となるとカメラのアクセサリー・シューにマウントするには電池のボリュームが有り過ぎるので、16340-3.7VのLi-ion充電池を2本使って電源&コントロールユニットを小型化します。

CR123A用電池ボックス
CR123A用電池ボックス

その為にCR123A用の電池ボックスをDXで調達しましたが、実際に使うかどうかはコントロール部のケース次第・・・って感じです。(SKU:300054/2個:$2.96)

Max点灯だと計算では約1時間程度しか電池が持ちませんが、至近距離でHiモードを使い続ける事は少ないと思うので実用的な撮影時間は確保出来ると思います。

コネクタ/ケーブル

今回の回路ではLED部とコントロール部を繋ぐのにはVDD【+】とGND【-】が2組、計4本の線が必要になります。

入手性の良い端子と4芯のケーブルで、どちらもそれなりに大電力(今回は7ワット弱)にも対応出来るとなれば、やはりUSBかなと・・・

LED部とコントロール部にはUSB-A・メス端子を取り付けて両ユニットをUSBケーブルで接続する事にしました。

USB-A・メス端子はFastTechで調達しました。(20個:$1.43)
定格が判らないので危険な香りが漂うのですが、価格の割りに貧弱な作りでは無いので30V・1A(30W)程度の定格は有しているのでは無いかと・・・

メス端子をLED部の基板に直付けしても良いのですが、LED部はスペース的に難しく、コネクタを抜き差しする際にチカラが加わる部分でも有るのでUSB端子用の基板も自作してLED基板&レンズアダプタにビス止めする方法を採りました。

問題はUSBケーブルの方で、市販の細いUSBケーブルは大電流に対応しておらず火災の危険が伴うので大電流(今回は1組で最大:1050mAを想定)に耐えられるUSBケーブルを自作する事にしました。

一応USBの規格は5V・500mAで2.5Wとなっているのですが、これはPCでUSB機器を使う場合の規格で有って、最近ではモバイルバッテリーからタブレットに充電するのに5V・2.4A(12W!)などという仕様のUSBケーブルも有りますし、車のシガーソケットからUSBで12V→5V変換とか恐ろしい仕様もあるのでケーブルさえちゃんとしていれば大丈夫・・・なのか?

今回の回路の消費電力は、計算では(1050mA×2)× 3.2V = 6.72W なのですが果たして・・・。

自作USBケーブル&端子

USBケーブルは、取り回しを考えると柔軟性が必要なので共立エレショップの【スーパーフレックスVVC 4C】(¥165/m)を1メートル購入し、両端はUSB-A・オス(¥170/個)を2個使います。(実際に必要なケーブル長は30cmくらいですが最小販売単位が1mなので…)

1芯当たり 0.18mm x 7、約0.18sqですが、今回は電圧も低いし(最大:3.2Vを想定)1050mAぐらいならばイケると判断しました。

ケース/ディフューザー

箱物(?)の電子工作に於いて、いつも困るのが筐体(ケース)です。

『いや、別に剥き出しでも無問題w』 って場合もありますが、筐体の出来次第で手間と時間とお金を懸けて造った甲斐があったかどうか?っていうのが大きく左右される気がします。

バッテリーや回路基板、スイッチを1つのケースに収めるのですが、3×18650の電池ホルダー(直列用を改造)を使うか、中破して余っている2×18650の電池ケースを改造するか・・・まだ検討中です。

ケースとカメラのアクセサリー・シューとの連結は、例の1/4二重ネジを使います。(3×18650電池ホルダー:$1.62/二重ネジ:$1.39)

1/4二重ネジ

問題は外装(化粧)を何で造るか?って、トコロですが100均の小物入れを改造するのもアレですし、LED部のUSBコネクタも剥き出しのままではアレなんでココも処理する必要がありますな・・・

外装は最後の仕上げなのでコレは保留ということで・・・(´・ω・`)

ディフューザーは100均まな板を丸くカットして土手(?)の部分は薄い(細い)ゴムかEVA系ウレタンを使う予定ですが、土手の部分の構造次第で変更も有り得るので、実際はこの部分もまだ検討中です。

まとめ

  • リングアダプター:1個/$1.10
  • LED:表面実装型5050LED:36個/$2.21
  • 基板70×100mm:2枚/$1.56
  • ——————————————————
    ライト部 小計:$4.87 ≒ ¥585(1ドル≒¥120換算)

  • 回路基板:2個/$2.89
  • スイッチ:2個/$1.17
  • スイッチキャップ:2個/$0.23
  • 16340電池BOX:2個/$2.96
  • 18650電池BOX:1個/$1.62
  • 1/4二重ネジ:1個/$1.39
  • USB-A・メス:2個/$0.14
  • ——————————————————
    コントロール部 小計:$10.4 ≒ ¥1248

  • USB-A・オス:2個/¥340
  • ケーブル:1m/¥165
  • ——————————————————
    小計:¥405

——————————————————
合計:¥2,238
※作る楽しみ・・・プライスレス!(`・ω・´)

送料、エッチング液、ネジ、ディフューザーとして使う100均まな板、保留中のケースや外装・塗装など、細かいパーツのコストも含めると、実際には材料費だけで¥3,000以上になるかと思います。

中国製の既成品マクロリングライトならLED:48灯以下で¥3,000を切る価格で販売されているので、円安の最中に自作するってのも微妙ですな・・・(´・ω・`)

USBケーブル・USB端子を4芯のフラットケーブルに変えて、16340電池BOXを使わなければもっと安くなりますが、そこは自作の世界・・・

完全に自分好みに気軽にアレンジ、カスタマイズ出来るのが自作の良い所ですし、このマクロリングライトもLEDの色温度が高過ぎて青かぶりが酷い様なら先のUSBリングライトみたく一部の白色LEDをWarm WhiteカラーのLEDに換装するつもりでいます。

なによりUSBケーブルとコントロールユニットは別の自作・撮影用照明プロジェクトでも使う予定なのです。
 
 
さぁ、先ずは基板から作るゾい!(`・ω・´)
 

カテゴリー: DIY, LED, カメラアクセサリー, 海外通販, 電子回路 タグ: , , , , パーマリンク

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