電子回路 Vol.5 【製作編:塩化第二鉄溶液でエッチング】

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前回の続き。
先ずは材料やツールから…

片面生基板

片面生基板

国内でも調達できますが、結構なお値段なので例によって中華通販で調達。
サイズ:70mm*100mm*1.4mm、10枚入りで$7.78(約¥780)のモノを購入しました。

片面生基板

銅箔面に細かい傷や汚れが有るので、品質チェックで弾かれたB級品ですかね…
それでも銅箔が剥がれていたり、地板が露出するような傷は無いので充分だと思います。

一応、基板の仕様は FR-4 って事ですが、銅箔の厚みとかは全く不明です。

超透明梱包用ポリプロピレンテープ

超透明梱包用ポリプロピレンテープ

広い面積のマスキング用に使用。
ホムセンで1巻・¥60ぐらいでした。

エッチング液の寿命を延ばすために、エッチング液に接する銅箔部分を必要最小限にします。
ちなみに今回作る基板はφ8mm程度の大きさなので予め生基板を小さくカットして使いますが、それでもエッチング対象の面積は少ないに越した事はないですから…

同じPPテープでも粘着剤の種類が色々有るようですが、アクリル系の粘着剤ならエッチング液にも余裕(?)で耐えられるらしいので今回はアクリル系粘着剤のテープを用意しました。(ただ、粘着力が少し強すぎる様な気が…)

ちなみに≪超透明≫にしたのは特別な理由があった訳では無く、たまたま安売りしていたのが≪超透明≫だったからです。

メンディングテープ

メンディングテープ

小さい面積のマスキング用に、手元に有ったスコッチ製(3M)の幅18mmを使用。
↓の皮ポンチでPPテープを打ち抜こうとしましたが上手く行かなかったので、試しにメンディングテープを打ち抜いたら綺麗にできました。\(^o^)/

問題は粘着力がそれほど強く無いので、エッチング液に耐えられるか否か…

皮ポンチ

【+】のコンタクトと基板外周の【GND】部分のマスクを作成する為に使用。(今回は【+】のコンタクトのみ)
ホムセンで¥160~(直径が大きくなるほど価格が上がる)

手持ちの円カッター(NP-1500)では小さな直径(6mm)のマスクが切り抜けないので考えた末の苦肉の策。
100均の皮ポンチでも充分だと思いますが、必要な6mmサイズが店頭に無く、100均のは実際に使っていないので何とも言えません…
同じく100均のコンパスカッターは試してみましたが…(´・ω・`)

円形テンプレート

円形テンプレート

基板の罫書き、パターンの下書きに使用。
大昔に買った内田洋行の製図用テンプレートを使っていますが、針やデザインカッターを使って罫書くとテンプレートを傷めるので100均製品で充分でしょう。

パターン孔

孔位置は普通のシャーペンで下書きした後、軽くドリルで銅箔だけを削って孔位置が判る様にしておきました。

ピンバイス/ドリル刃

TAMIYA CRAFT TOOLS ピンバイス 74050
TAMIYA CRAFT TOOLS ドリル刃セット74044

基板の孔開けに使用。
AmazonでTAMIYAのクラフトツール・ピンバイス(74050)とドリル刃セット(74044)をポチ。

TAMIYA CRAFT TOOLS ピンバイス 74050
TAMIYA CRAFT TOOLS ピンバイス 74050
TAMIYA CRAFT TOOLS ピンバイス 74050

チャック(ドレメルで云う処のコレット)が2本付属していて、ドリル径に合わせて使い別ける様になっています。(未使用時は本体に収納)

TAMIYA CRAFT TOOLS ドリル刃セット74044
TAMIYA CRAFT TOOLS ドリル刃セット74044

ドリル刃セットはドリル径のステッカーが付属して整理・保管はし易いのですがピンセットを使わないとケースから取り出すのが辛いです。

普段φ10mmとかφ12mmのドリル刃を見慣れているせいか一番細い0.3mmなどドリルに見えないのですが、切れ味が鋭くてちゃんと孔が開けられるからスゴイ…でも慎重に作業しないと簡単に折れてしまいそうです。

油性マジック

油性マジック

高価なレジストペンなど使わなくてもマッキーで充分との事なのですが、手持ちのマッキー【極細】が使用不能になっていたので買いに行ったら、単品では【ノック式】しか店頭に無く…(´・ω・`)

インクが同じなら【ノック式】でも構わないのですが、《キャップが無い≫→≪乾燥しやすい≫→≪インク成分が違うかも?≫という考えが頭をよぎり、バックアップ(?)として【マジックインキ】も一緒に購入。

帰ってから以前に100均で買った【なまえペン】が有った事に気付き…orz

メイン部分のマスクは、インクの載りが一番良さげな【マジックインキ】で行いましたが、基板の端で油性ペン3種類のマスク性能を試してみました。

無水エタノール

無水エタノール

基板の脱脂、洗浄と油性インクの除去に使用。
Amazonでポチ。

燃料用アルコール

『ドラッグストアで手に入る』との事なので、近所のドラッグストアに行ったら500mlが¥2,000近くするし…(ーー;)
無駄足になるのもアレなんで、今回は使用しませんが無水エタノールよりかなり安いアルコールランプ用に燃料用アルコールを買いました。

+++

今回はフラッシュライト用の基板なので電動ルーターを使って基板を丸くカットしたり整形する必要がありますが、ソコは長くなるので省略しますw

+++
 
エッチング液を湯煎しないで、そのまま割り箸でつまんでストックバッグの中でチャプチャプと…(推定気温:約28℃)

10秒ほどで色が変わり始め、更に10秒でほぼ銅箔が溶けてベーク板が露出、念の為、更に10秒間…そして真水で洗浄。

基板エッチング直後

なんだかんだでエッチング完了!(途中端折り過ぎw)

最初、塩化第二鉄の濃度が30%では『薄いか?』と思いましたが、気温が高めとはいえ、液を温めなくても一気にエッチングが進行したので、もしかしたら30%でも濃すぎるかもしれません。

インクを無水エタノールで拭き取ると…

エッチング基板

パターン・エッジのシャープさはイマイチですが、何とか基板らしきモノが出来ました。
 
+++
 

油性マジックのテスト
油性マジックのテスト

※目盛り=0.5mm

油性マジックのテストは各線を重ね書きしないで軽く1回線を引きいただけですが【マジックインキ】が一番パターンがしっかり残り、次に100均の【なまえペン】が良く、【ノック式マッキー】は…全然ダメですなw

写真を撮るのを忘れていましたが、見た目でも【マジックインキ】が一番インクがしっかり乗り、【ノック式マッキー】は銅箔が透ける程インクの着きが薄く、或る意味予想通りの結果でした。
【ノック式マッキー】でも重ね書きすれば結果が違ってくるかもしれませんが、手書きで細いパターンを何度も上書きするのは厳しい気がします。

粘着力が強いだけあってPPテープのマスキングは完璧でしたが、剥がす時に力加減を誤ると基板に粘着剤が残ったり、銅箔まで一緒に剥がしてしまいそうです。

メンディングテープでのマスキング結果

メンディングテープのマスキングが予想以上に良くて、強酸性のエッチング液を完全にブロックし、粘着力も弱いので後処理が非常に楽でした。価格を考えるとPPテープほど贅沢に使えませんが、台紙の上でカットしたパターンの移し替えなどはPPテープよりも楽に出来そうです。
 
 
これでマグソリのLED化が上手くいく…ハズ
 

カテゴリー: DIY, LED, MAGLITE, 工具/ツール, 改造/修理, 海外通販, 電子回路 タグ: , , , , , , パーマリンク

電子回路 Vol.5 【製作編:塩化第二鉄溶液でエッチング】 への1件のコメント

  1. 匿名 のコメント:

    はじめまして。
    今までマッキーを使用していたのですが、よく溶けてしまうので調べてみたらこの記事にたどり着きました。
    普通のマッキーでも同じようになるので、もしかしたらマッキー自体エッチングには向いていないのかもしれませんね。

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