21700仕様のフラッシュライトもすっかりお馴染みになった感がありますが、今回はリリースされて間もない WUBEN C2 のレビューをお届けします。
WUBEN C2 の詳細については追々ご紹介するとして、各社から21700仕様のライトがリリースされるようになった経緯をお浚いしてみます。
LEDの進歩と共にフラッシュライトも高出力化し消費電力が増大、出力とランタイムを維持するための大容量電池の必要性…という流れの中で、暫くは26650充電池がその需要に応えていました。
…が、26650の物理的サイズ(直径:26mm、全長:65mm)により製品本体も大型化してしまい、26650仕様のライトは18650仕様のライトとは用途的にもカテゴリー的にも全くの別物…という扱いで、我々ユーザーもソレを甘受せざるを得ない状況が長らく続いていました。
そんなこんなで18650仕様と26650仕様との間には『目に見えてる大きな壁』が存在していたのですが、26650充電池と同等の容量を保つ21700充電池によって『電池サイズ』の呪縛から開放、各メーカーが積極的に21700仕様のフラッシュライトをリリースして今日に至る…と、勝手に分析しています。
また、リリースされる製品が増加すれば、製品の差別化、多様化が進むのは当然ですが、21700仕様のライトもベーシックな製品のリリースが一巡して、徐々にユニークな製品が増えて来ており、今回レビューする WUBEN C2 も容量の優位性を活かした機能が実装されています。
例によって(?)WUBEN専門店さんよりC2の実機を提供いただいておりますので、基本的にはプロモーションレビューとなりますが、いつもどおり doorman の感想や気付いた事をそのまま書いてOK牧場!…という事ですので、張り切って(?)いきたいと思います。
WUBEN社日本公式サイトの『海外ショップで購入した場合は弊社の保証対象外…』の記述についてですが、これは『海外ショップで購入した場合は、販売店のサポート窓口にお問い合せ下さい。』という意味です。どの店舗で購入してもWUBEN社による【5年保証】は有効であり、安心して【amazon】や【楽天】内のショップでWUBEN製品を購入して欲しいとの事です。(※初期不良品の交換なども販売店、購入店の保証規定が適用されます)
製品HP
- Wuben® Outdoor LED Tactical Flashlight – wubenlight.com
- WUBEN JAPAN Official HP – wuben.co.jp
- WUBEN C2 (Global) – wubenlight.com
- WUBEN C2 – amazon.co.jp
WUBEN Official SNS
- Facebook – WUBEN Light Worldwide
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INDEX
パッケージ
外箱は紙製化粧箱で裏面には主要諸元が記載されています。アクセントカラーはWUBEN社のコーポレートカラーである紫色が使われています。
内部のフレームも紙ベースでパッケージの補強およびC2本体の保護も兼ねていますが、全体的にエコロジカルなパッケージになっており、小箱の中には付属品がまとめて収納されています。
C2の製品内容は、C2本体、21700充電池、予備Oリング×2、USB充電ケーブル、ランヤード、多言語マニュアル(日本語サポート)となっています。
21700 Li-ion充電池は本体にセットされて出荷されるので使用前に絶縁シートを除去してください。
付属のランヤード(ストラップ)は、必要に応じてテールエンドのストラップホールに装着できます。ループストッパーも備えているので使用者の手首廻りに合わせて調整可能です。
仕様/サイズ
あくまで私見ですが、21700仕様ライトは、従来の18650機のサイズに寄せた製品と、小型化には拘らず26650機ほどではないケドそれなりに大きなサイズ…の二つに分かれる傾向があるように感じます。
C2に関しては、どちらかと言えば後者のグループに属する製品で、21700充電池のサイズに合わせて各部に余裕を持たせたサイズになっています。
18650 Li-ion充電池1本の重さが50グラム前後、21700充電池はそれより30グラムほど重くなるので必然的に装備重量も増加するのですが、C2は21700仕様のライトとしてはやや重めです。
重量の増加は、電池重量だけでなく大出力に対応する放熱や、C2が備え持つ放電(給電)機能に関係していると推測しますが、ちょっと重い…ぐらいの差で、26650機に比べたらコンパクトで軽くできています。
ボディ
C3のスッキリとした意匠とは真逆とも言えるデザインですが、実際に握ってみると見た目ほどゴツゴツとした感触はなくて握りやすいグリップです。
WUBEN社のライトデザインは、スッキリ系とマッシブ系に分かれていて、C3は前者、C2は後者に属するデザインかと思います。
見た目が男性的なので女性にはあまりウケがよろしく無いかもしれませんが『彫り』を深くするには、それなりに材の厚みも必要となるので、グリップ径の28mmにも納得ですし、女性でも充分に握れる太さに収まっています。
幾つもの工程が必要そうなCNC加工も細部に渡って丁寧に加工されていて、電解着色の仕上げも均一に仕上げられています。
クリップはハメ込み式で着脱可能です。
クリップ全体の懐は深いのですが、ベルト等にラフに挿すとハメ込み部分の出っ張りが引っ掛かり、しっかりと奥まで挿せないことがありました。
ヘッド
鏡面リフレクターに LUMINUS SST-40 の組み合わせ。
5mm角(5050)サイズのエミッタですが最大で6Aもの電流が流せる高出力のLEDです。
・ LUMINUS SST-40-W データシート(PDF)
C2のヘッド径は極端に大きくはなく、リフレクターもそれほど深くはないのですが、配光は中心光クッキリの飛び系テイストになっています。(※後半の照タイム画像参照)
ベゼルの先端には細かなセレーションが施されていますが、エッジが立っていないので素手で触っても痛くはありません。
放熱フィンのCNC加工も丁寧に行われています。
スイッチ
スイッチの内部機構はタクトスイッチです。
スイッチトップの突出量が多めなので、手探りでもスイッチの位置がスグに判ります。
スイッチ面積は大きすぎず、小さすぎずで丁度良いサイズです。また、サイドスイッチの割りにはスイッチストーロークが深く、疑似クリック感もハッキリしているので操作しやすいスイッチになっています。
スイッチ中央の『W』マークは、電池残量や充電/放電時にインジケーターとして機能します。(※後述)
テール
テールエンドは完全にフラットでテールスタンドも難なく行えます。
底部にはWUBEN社のURLやシリアルNo.がプリントされています。
マグネットの類も装備していないので素でポケットキャリーする際でも安心です。
ネジ部は普通の山ネジですが、強度的な不安はなく、ネジ山も処理されています。
電池
付属の21700 Li-ion充電池の型番は ABD4800。
プロテクト回路付きで容量:4800mAh、【+】極側はボタントップ形状になります。
電池のサイズを実測したところ、電極を含む全長が 76.3mm、直径:21.6mmでした。
電池の装填はテールキャップを外し、【+】方向からライトにセットします。
充電
電池残量を示すインジケーターは…
① 残量:90%以上は、点灯開始時に5秒間【青】で点灯
② 残量:90%~40%では、点灯開始時に5秒間【青】で点滅
③ 残量:40%~15%になると点灯開始時に5秒間【赤】で点灯
④ 残量が15%を下回ると常時【赤】で点滅
…となりますが、電池の充電が完了した状態でそのまま使い続けると、残量が90%以下になっても ② の点滅が発生せず『???』という事になります。
残量インジケーターを正常に動作させるには、充電完了直後に一旦テールキャップを緩めて完全に通電をカットし、電池残量を検知する回路をリセットする必要があります。(※通電カット操作は1回だけでOKデス)
付属の充電ケーブルの長さは約65cmで大電流(最大:10ワット)にも耐えられるように太めのケーブルが使われています。
充電ポートはスイッチの反対側に配置され、防塵カバーを開けると充電/給電ポートが露出します。
防塵カバーは、本体との段差が極力小さくなるように、更にカバーが開けやすいように考えられています。
充電ポートの規格は USB Type-C規格です。
充電ポートと平行に配置されている USB-A ポートは、C2をモバイルバッテリーとして使用する場合の出力用(給電用)のポートになります。
充電方法
充電は付属のUSBケーブルを使ってDC・5V出力のモバイルバッテリーやPCと、C2側のType-Cポートを接続します。
給電側がオンライン状態であれば、接続後するだけで充電が開始されますが、テールキャップを緩めて『物理的ロックアウト』している状態では正常に充電が開始されないので注意してください。
給電側が5V・2Aでの出力性能を満たしていれば、空の状態からおよそ4時間で充電が完了するようです。
充電中はインジケーターが【赤】で点灯、充電完了後には【青】で点灯します。
充電完了後はケーブルを外し、防塵カバーをしっかりと閉めます。
給電機能
C2は、給電機能(放電機能)を備えており、モバイルバッテリー(パワーバンク)として使う事が可能です。
前述の通り、USB-Aポートが出力用のポートになっているので、付属ケーブルのUSB-Aコネクタを接続します。
給電(放電)する為の特別な操作は必要ありません。給電先の機器にもよりますが接続するとスグに給電が開始されます。
給電時も充電時と同様に、給電開始から5秒間は電池残量に応じて『W』マークのインジケーターが動作します。
給電機能の互換性については、C2に付属の充電ケーブルを使ってType-Cポートを持つ機器やフラッシュライトへ充電しましたが、doormanが試した限りでは全ての機器に問題無く正常に充電(給電)できました。
但し、給電対象の機器によっては、Type-Cの互換性問題が起こる可能性もあるので、C2をパワーバンクとして活用する予定ならば、充電ケーブルも含めて対象機器に正常に充電可能かどうかを事前に確認しておくことをオススメします。
C2に付属する充電ケーブルは、片側が Type-C なので Type-C ポートを有する機器にしか使えないのですが、micro-USB 仕様などのUSB充電ケーブルを別途用意すればType-C以外の機器に充電することも可能です。
モード
C2は、通常モードが【Eco】→【Low】→【Med】→【Hi】の4モード。
特殊モードが【Turbo】→【Strobe】→【SOS】の3モードで、搭載モードは計7モードとなっています。
モードメモリを備えているので、特殊モード以外は消灯時のモードで再点灯します。
通常モード
消灯時にスイッチをシングルクリックすると記憶された通常モードで点灯を開始します。
消灯時からのロングプレスで【Eco】で点灯を開始します。
点灯中にスイッチをロングプレス(長押し)すると【Eco】→【Low】→【Med】→【Hi】→【Eco】…のサイクルでモードが移行します。
通常モードではどのモードで点灯していてもシングルクリックで消灯します。
Turboモード
通常モードで点灯中にスイッチをダブルクリックすると無条件で【Turbo】で点灯、【Turbo】で点灯中にシングルクリックすると消灯します。
【Turbo】で点灯中にロングプレスすると【Eco】に移行、ダブルクリックすると【Strobe】、更にダブルクリックすると【SOS】に切り替わります。
Strobe/SOSモード
特殊モードはモードサイクルが少々変則的で【Turbo】からのダブルクリックによるモード変更サイクルは【Turbo】→【Strobe】→【SOS】→【Strobe】→【SOS】…となり、二巡目以降は【Strobe】と【SOS】の繰り返しになり【Turbo】には移行しません。
【Strobe】と【SOS】の点灯中にシングルクリックすると直前に使用していた通常モードのレベルに復帰します。
消灯状態からの特殊モード
消灯時にスイッチをダブルクリックすると【Strobe】が発動、更にダブルクリックすると【SOS】に移行します。
消灯時からの特殊モードでは【Turbo】で点灯する事はなく、ダブルクリックする度に【Strobe】と【SOS】が交互に切り替わり、シングルクリックすると消灯します。
また【Strobe】で点灯を開始した場合は、通常モード群への移行は不可となっており、一旦消灯してからシングルクリックで点灯を開始します。
+++
文章にするとややこしいのですが、操作ダイアグラムを見ながら操作すると意外と簡単に操作できます。【Turbo】と【Strobe】と【SOS】に絡む部分が少々変則的ですが特殊モードの基本操作はダブルクリックだけなので混乱することもないでしょう。
スイッチのブレス発光
消灯状態でスイッチを素早く3回クリックすると、インジケーター部分の『W』マークがゆっくりと明滅するブレス発光モードになります。ブレス発光は点灯時、消灯時、後述するロックアウトモード時も継続されます。消灯時でも僅かながら電力を消費するので長期保管する際には注意してください。
ブレス発光の解除は設定時と同じくスイッチを3回クリックします。
ロックアウト設定
消灯状態でスイッチを素早く4回クリックすると、メインライトが3回点滅した後にロックアウトモードに入ります。
ロックアウトモード中にスイッチを操作すると『W』のインジケーターが点滅して現在ロックアウト中であることを通知してくれます。
ロックアウトの解除は、設定時と同じくスイッチを4回クリックします。解除後は【Eco】で点灯を開始します。
過熱防止リミッター
C2は過熱防止のリミッターを搭載しており【Turbo】の連続点灯時間は1分、【Hi】では3分に限定されています。照タイム撮影時に減光具合をチェックしてみましたが、設定時間に達しても『ガクッ』と減光されるワケではなく、徐々に減光される…といった感じでした。
WUBEN C2 / Luminus SST-40 (CW) : 21700 Flashlight(日本語版)
照射
今回はこの5機種で照射比較を行ってみました。
C2と同じSST-40を搭載しているのは MH12S のみになります。
弟分(?)になる C3 は18650仕様になりますが、比較対象として加えてみました。
U12 と FW1A Pro は XHP50.2 で、SST-40のコンセプトに近い高出力タイプのLEDですが、SST-40と同じ5050サイズのエミッタでもダイサイズが異なるので、配光も大きく変化します。
製品コンセプトもカテゴリーも異なる製品ばかりですが、配光や拡散度合い、光色差の参考になれば幸いです。
水平照射
配光/光色
LED電球
WUBEN C2
WUBEN C3
MANKER U12
NITECORE MH12S
LUMINTOP FW1A Pro
屋外照射
白昼(立木まで67m)
WUBEN C2
WUBEN C3
MANKER U12
NITECORE MH12S
LUMINTOP FW1A Pro
WUBEN C2 の光色は Cool-white(CW)でも色温度がやや低く、5500K~6000Kぐらいに感じます。
特に大口径でもなく、5050サイズのエミッタなので拡散系の配光になると予想していたのですが、観ての通りのスポット強めで飛び系テイストの配光でした。
広角配光により広域を照らすことが可能で、過熱防止リミッター発動後の700ルーメンに落ちても充分な飛び具合です。
同じSST-40のMH12Sとも配光は異なり、中心光の絞り具合に差が出ています。(…ってヘッド径が異なるので当然ではありますが…)
常用域は【Med】の400ルーメンまで、たまに【Hi】という感じでしょうか?用途にもよりますが【Turbo】の出番は少なそうです。
【Turbo】での点灯時にはヘッドが徐々に熱くなりますが、ヘッドサイズが大きく放熱(蓄熱)効率が良いからなのか急激な温度上昇は感じられませんでした。
撮影時の気温が2℃だったので温度上昇が抑制されたのかもしれませんが、減光後しばらくしても『持てないほど熱い!』とはなりませんでした。
気温の高い季節にはリミッターが発動する前にアツアツになるかもしれませんが、その場合はリミッターの発動前に自分でコントロールしたほうが良さそうです。
ちなみにモードの全域でフリッカーの発生はありません。
まとめ
WUBEN C2 は、見た目はゴツイのですが素直で扱いやすい製品…というのが正直な感想です。
操作体系(UI)もスッキリしていますし、スポット強めの配光も実に好みであります。
C2の本体サイズに余裕があるので飛び系テイストになった…とも云えるのですが、このサイズで充分な飛距離が得られるのは魅力です。
21700仕様のライトも従来の18650仕様のライトと同様に出力値とボディサイズのバランス等々のバリエーションが増えてライト好きとしては嬉しい限りです。各社各様、製品毎にコンセプトが異なれば、ユーザーの選択肢も増えて大歓迎であります。
21700ライトの小型化については賛否両論がありそうですが、個人的には小型化よりも安定性や使いやすさを優先して、26650と18650の間を補完する存在として進化して行って欲しいです。
また、21700仕様のライトには必ずと言って良いほど充電機能を備えていますが、21700充電池を充電可能な充電器の普及率を考慮しての事かと思います。
C2に関して気になった点は、電池残量インジケーターの挙動で、充電完了後、一旦電池を取り出すか、リアを緩めて物理的に通電をカットする必要がある事ぐらいでしょうか…。(残量インジケーターの仕様がマニュアルに記述してあれば、2日も時間を掛けずに済んだのに…と)
パワーバンク機能の汎用性・互換性については前述の通りなのですが、C2に限らず Type-Cコネクタ/ポートの互換性については、事前にテストしておくのが得策のようです。
EDCするには少々厳しいサイズかもしれませんが、パワーバンク機能も備えたC2はアウトドアでは心強い一本になると思います。
こんにちは。
このライトですがAmazonレビューとビックカメラレビューで書いてますが生産時期によって説明書のバージョンが違いクリップ形状と電池のセルが違うみたいです。
この辺、国内流通を考えてパッケージ画像も説明書も変えていますね。
ただLuminus SST40て随分と色味が黄色いのでクリーLEDとの違いを知っておかないといけないのかな。
ああ、ちなみにヨドバシ秋葉原店ではこのメーカーの販促をレッドレーサーと同規模で展示品も使いメーカーと組んでやってます。