
以前に UltraFire C8 (…のクローン機)を購入した事があったのですが、面白い製品ではあったもののクオリティが低くてガッカリした過去がありまして…。
それがトラウマになっているのか、この Sofirn C8F に限らず【C8】の2文字がモデル名に入っていると右手の人差し指がフリーズしてしまい、最終的にはスルー…という状態が何年も続いておりました。
Sofirn製ライトは SF36(※レビュー未作成)に次いで2本目となりますが、SF36はパーツ毎の電着仕上げ(艶度合い)の違いを除けば全体的に丁寧な造りで悪い印象はありませんでしたし、【C8】クラスのヘッドサイズで複眼仕様のライトは一本も持っておらず、21700と充電器が付属、なによりも配光がどんな感じになるのか?…この目で確かめてみたい誘惑に負けてポチ♪
プチ爆光ライトとも呼べるC8Fはどんな製品なのか?…レビューしたいと思います。
製品HP
- Shenzhen King Technology Co., Ltd. – sofirnlight.com
- Sofirn C8F – 21700 Version – sofirnlight.com
- Sofirnlight – amazon.co.jp
- Sofirn C8F – amazon.co.jp
Sofirn Official SNS
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INDEX
パッケージ






3000ルーメン超の製品にしては意外とパッケージサイズが小さくて、製品を間違えてオーダーしたかと焦りましたが、中身はちゃんとC8Fでした。
コストダウンの一環と思われる簡素なパッケージですが、製品がしっかりと保護されていれば問題ありません。
内容物は、C8F本体、マニュアル、18650用電池スリーブ、USB充電器、USBケーブル、ランヤード、予備Oリングx2 となっています。
21700 Li-ion充電池は本体に内蔵されるので、使用前に必ず絶縁シートを除去してください。
仕様



本体素材やサイズなどの他に、電池残量インジケーターや過熱防止機構(ATR)についての記述があります。
特に難しい英語ではないので一読することをお薦めします。
サイズ


グリップ径以外は単眼仕様のC8とサイズ的に大きな差はなく、21700(またはIMR18650)のLi-ion充電池1本で…とか、26650とXHP70の組み合わせ(R50 Pro)で 3-cell仕様のTN30と同等の出力…ってのは、日進月歩と頭で判っていてもやっぱりスゴいなと思います。
C8Fの名前の通り、元祖(?)C8とヘッド廻りの意匠が良く似ていますが、似ているのはソコだけで、サイドスイッチ廻りや放熱フィンの形状やボリュームは大きく異なっています。
3眼と単眼とではリフレクターの形状が違うので当然なのですが、C8Fの方が遙かに高出力であり、それだけ放熱についても考慮されているのがよく判ります。


電池込みの重量が約260gと重めですが、やはり熱対策による内部キャニスターの重量増加が関係していると考えられます。
21700 Li-ion充電池単体の重量は約70gですが、18650の重量が45~50g程度なので21700が重量的に不利とは言えないかと思います。
ボディ







マクロモードで撮影すると所々にCNC加工の際に出来た傷が散見されますが、UltraFireのパチモンよりは遙かに綺麗ですし、塗装の剥がれ等もありません。


ローレットは浅めですが、全身ローレットとしなかったことでグリップ性能が向上しています。
グリップ径は約27.5mm(※実測値)と、18650機に比べて少し太めですが女性でも楽に握れる太さに収まっています。
3ピース構成ですが、グリップパーツは前後(左右?)対象なので逆に組み立てても問題ありません。
ジョイント部のネジは角ネジになっています。
ヘッド




3灯の CREE XP-L (CW) にミラーリフの組み合わせ。
LEDはきっちりと三叉に配置されており、内部に埃の残留も無く非常に綺麗です。
1個(1区画?)ずつのリフレクターは狭角で口径も小さいのでスポット光は太くなり、それを3つ束ねているので、中心光と周辺光にの境界は緩やかな配光になっています。照射角度や配光パターンは後半の照タイム画像を参照してください。

ベゼル形状は控えめなストライク形状(波形)。
取説の仕様によるとガラスフィルターはARコートされているとの事。


簡単に基板にアクセスできますが、ベゼル部分が接着されているのか簡単に外せないのでMODするには気合いが要りそうです。


ヘッド部分の大きなクビレにはアンチロール(転がり防止)として機能します。
放熱フィンはスイッチ部を除いて全周に刻まれていますが、高出力で照射するとフィンの先端側に熱を感じるので、ある程度の放熱効果が有るものと考えられます。
リア/メインスイッチ







リアのメインスイッチはフォワードクリック式で間欠点灯が可能です。
但し、点灯中にサイドスイッチで消灯(スタンバイ)して、その上で更にメインスイッチを【OFF】にした場合は間欠点灯は不可となります。
リアスイッチによる間欠点灯を行う場合は、点灯中にそのままリアスイッチで【OFF】にする必要があります。
Uシェイプ形状ですがリブの立ち上がりが低く、エッジの面取り処理もしっかりされているのでスイッチの操作はしやすいです。
グリップ端部のみ無塗装なのでリアを緩めて完全に通電をカット(物理的ロックアウト)が可能です。
サイドスイッチ




サイドスイッチは一般的なタクトタイプのスイッチで疑似クリック感もあります。
スイッチブーツは半透明のシリコン製でインジケーターとしても機能します。
電池






付属の21700Li-ion充電池は、基準電圧が3.7Vで容量が4000mAh。
40A(10C)での放電が可能な事からIMR系と推測できます。


付属の電池スリーブと組み合わせて18650電池も使用可能です。
ただし、プロテクト回路付きのICR系よりもハイドレインに対応したIMR系の方が安定した動作が期待できます。


18650は21700よりも電池全長が短いのですが、C8Fは前後の基板にスプリングを取り付ける事で全長差を吸収しています。


左が21700装填時、右はIMR18650装填時ですが、電池の突出量に5mmほど差が有っても問題無く点灯出来て、電池室内部で電池がガタつくこともありません。
予備の21700が無い時に18650でも点灯出来るのは大きなメリットであり、C8Fを検討・導入する際の大きなポイントにもなると思います。
ちなみに電池スリーブが無くても18650で点灯させる事は可能でしたが、内部で電池が斜めになるのは好ましくないので、スリーブを忘れた、紛失した…って時は、18650電池の中央部分に紙などの絶縁材を巻いて太さを調節する事をお薦めします。
充電器


付属の充電器は、PCやモバイルバッテリーなど5V出力のUSBに接続するタイプの充電器です。






USBポートとインジケーター(赤・緑)のみを備えたシンプルな充電器ですが、21700の他に 10440~26650規格のLi-ion充電池に対応しています。
最大出力が0.75Aとやや低めなので、容量:4000mAhの21700を空の状態から満充電にすると5~6時間程度必要になります。
それでもこの充電器のお陰で、21700仕様ライト導入のハードルが一気に下がるのではないでしょうか?
ただ、C8F付属の21700でギリギリなので、プロテクト回路付きのチョイ長の21700だとセット出来ない可能性がある点に留意してください。
最近はライト本体に充電機構を備えた製品も多いので、21700以外の規格に対応した充電器を別途導入しなくても乗り切れる(笑)のですが、本格的な充電器を導入してもバックアップとして使えるので無駄にはならいかと思います。
モード





C8Fに実装されているモードは、
◆5種類の通常モード
・Eco : 10 Lm
・Low : 100 Lm
・Med-1 : 500 Lm
・Med-2 : 700 Lm
・High : 1800 Lm
◆3種類の特殊モード
・Moonlight : 1 Lm
・Turbo : 3200 Lm
・Strobe : 3200 Lm
になります。
上記計8種類のモードの中から複数のモードを4つのグループに割り当て、ユーザーの用途や使用形態に合わせてグループを選択、使い分けられるように工夫されています。
グループの変更・選択操作は、通常モードの点灯中に素早く4回連続でクリックするだけなので簡単です。
【Moonlight】・【Turbo】・【Strobe】の3つは全グループ共通で操作方法(発動方法)も統一されています。
全てを文章で解説するのは難しいので、詳しくは動画を参照してください。
Sofirn C8F / 3x CREE XP-L (CW) / How to operation & Mode group change. – YouTube
照射
Moonlight


水平照射

配光/光色
LED電球


Sofirn C8F


UltraFire C8 clone


Sofirn SF36


OLIGHT R50 Pro


ThruNite TN30


屋外照射
白昼/軸線(立木まで67m)


Sofirn C8F






UltraFire C8



Sofirn SF36




OLIGHT R50 Pro




ThruNite TN30






単眼の元祖C8クローンとSF36以外の3機種は3000Lm超になります。
C8クローン機はLEDが特殊(XP-E)なので参考になりませんが、C8Fとの照射角度の違いが判るかと思います。
C8Fと同じ10W級のLEDを3灯備えたTN30とも配光が異なり、TN30は飛び系寄りでC8Fは拡散系の配光です。
また、TN30では照射面に綺麗な幾何図形が表れますが、C8Fは超至近距離で照らさないと幾何図形は視認出来ません。この違いは屋外照射時にも表れていてTN30は部分的に光輪が確認できます。
同じ複眼でリフレクター仕様のライトであっても、口径やLEDの配置間隔、リフレクターの形状で全然違ってくるから面白いですね。(コレだからヤメられない…w)
まとめ
ん?C8のトラウマから脱却できたか?…って?
いやぁ、C8のクローン と Sofirn C8F では、両機の性能やクオリティ、コンセプトが全くの別物なので、お薬にはなりませんでした(笑)
ただ、C8クローン機の配光パターンは何度見ても笑えますが、ホスト(シェル)のクオリティが残念なだけで、幾つかの飛び系製品を経験した今では、当時の飛び系の中ではかなりイイ線を行っており、飛び系配光のお手本的かつ理想的な配光なんだなと冷静に見られるようにはなりました。
話をC8Fに戻して、C8Fのパッケージングや加工にコストカットの痕が感じられますが、doorman的には、性能に直接関係する部分については妥協せずに丁寧に造られている印象を受けました。
多機能で有るが故の操作の難しさが多少はありますが、多くのモードを使いやすいように4つのグルーピングに振り分けて整理し、短時間で混乱せずに使えるように考えられているのが伝わって来ます。
リアルで3000ルーメン超えの製品が欲しいけど価格がねぇ…と、迷っている方には、21700や充電器も付属するので、C8Fは最初のプチ爆光ライトとして魅力的な存在かと思います。
為替や輸送費、出店料のコストも絡むとは思いますが、できれば日本の密林でも本国オフィシャルと同程度のお値段まで頑張って貰えると嬉しいですし、お買い得感が加速度的にアップして爆売れ必至・・・になるとイイな♪(オイ
しかし、冗談を抜きにして全体的に扱いやすい製品に仕上がっているのは確かなので、検討してみては如何でしょうか?