ThruNite TN30

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ThruNite TN30

明けましておめでとうございます。
今年が皆様にとって“明るい年”で有りますように・・・

の、願いも込めて今年最初のレビューとなるライトは CREE XM-L2 を3発搭載し、最高出力が公称でMAX:3338ルーメンを誇るThruNite TN30です。

実際には昨年末に届いたのですが、これまで入手したライトの中で最も驚き、そして感動したライトになりました。

■参考・・・CPF/Thrunite TN30 Review (3xXM-L, 3×18650)

パッケージ

ThruNite TN30 / Box
TN30 / Box
TN30 / Box
ThruNite TN30 / Packcage
TN30 / Pack.
TN30 / Pack.

コンパクトなサイズの紙箱に本体・付属品一式が納められ、ライト本体は精密機器と同じ様に緩衝材に守られています。(本体がビニールで丁寧にラッピングされていますが、こういう細かい気配りが嬉しいです♪)

本体以外の付属品は、ホルスター、ランヤード、Oリング、取扱説明書、ワランティーカードとなっています。

サイズ

ThruNite TN30 / Size
ThruNite TN30 / Head Size

流石に18650Li-ion電池を3本使うだけあって、サイズは大きく重いです。
(C8が小型ライトに見えるし18650電池が単三電池に見えますw)

ThruNite TN30 / Weight with 3*18650 battery
ThruNite TN30 with coffee-CAN
ThruNite TN30 with coffee-CAN

それでもボディ(グリップ)の太さは強度を確保しつつ、缶コーヒーよりも少し細くなっています。

18650Li-ion充電池x3本を含めた装備重量は602g。

6P互換ライト電池装備状態の約4本分の重さですが、3000ルーメンを超える明るさで連続点灯可能なライトなので放熱機構を考えると重量の増加は当然と言えますし、リアル30WのLEDフラッシュライトをこの大きさ(重さ)に納めたなと感心してしまいます。

明るさとランタイムを得る代わりにサイズが大きくなってしまいますが、ライトを【道具】として捉えれば用途に応じて使い別けるのは必然であり、TN30が必要な状況に於いてこのサイズがデメリットにはならないと思います。

ヘッド

ThruNite TN30 / Heat dissipation fin
ThruNite TN30 / OP-reflector
ThruNite TN30 / 3*CREE XM-L2
ThruNite TN30 / LED

OPリフにARコートガラスの風防、CREE XM-L2 を3発搭載し、熱源となる部分に効果的に放熱フィンが施されています。

ThruNite TN30 / Level.1

※Level.1点灯時

ThruNite TN30 / Joint

電池をヘッド側からセットしますが、ヘッドとボディのジョイント部は角ネジではありません。
コストとの兼ね合いだと思うのですが、電池ホルダーをセットする際にリアスプリングの反発も有ってヘッドが締め辛く、危うくネジ山を潰しかけました。ネジ山処理はなされていますが安っぽさは否めませんし、多少価格に上乗せしてもこの部分だけは改良して欲しいと思います。

ThruNite TN30 / Contact

ヘッド側には電池ホルダーとの接点スプリングのみが露出しています。
安価な多セルライトはプリント(銅箔部分)やベーク板が露出していて安心して使えないのですが、TN30に関してはその心配が有りません。

調光リング

ThruNite TN30 / Dimming Control ring

調光リングはV10Aのような無段階では無く、各レベルで『カチッ』と止まる段階式になっています。

どちらかと言えば軽目の操作感ですが、個人的にはもう少し抵抗感が有った方が高級感が出る気がします。
しかしながらこのライトの用途を考えると、これぐらい軽い方が素早く切り替えられて良いのかとも・・・(後述)

ThruNite TN30 / Dimming Control : standby mode

パッケージのステッカーにもある【Level.1 ~ Level.6】までの6段階調光に加えて【Strobe】モードを備え、【Stand by】の左右両隣がそれぞれ【Level 6(Max)】と【Strobe】になっています。

最初はこの調光配置に違和感がありましたが、やはり用途をよく考えると『あぁ、そうか・・・』と納得しました。(これも後述)

が・・・、スタンバイ状態か否かを示すパイロットランプ(インジケータ)が無いので、メインスイッチが【ON】の状態でうっかり【Max】に入れて至近距離の反射光に『うっ・・・』となったり、【Strobe】に入れて慌てる事が多いのも事実でして・・・。

自分は常に最少の【Level.1】にセットしてON/OFF操作するように心懸けています。
(冗談抜きで【Max】に入った瞬間に『バルス!』って声が聞こえるから・・・いやホントにw)

コストとの兼ね合いもあると思いますが、スタンバイ状態では待機電力も消費するのでメインスイッチの切り忘れ防止の為にもパイロットランプを搭載するか、【Stand by】と【Strobe】の間に【Becon】的なモードが有ると、ヘッドを手で塞ぐ事無くメインスイッチの状態が確認し易い気がします。

【Strobe】は、単純にビカビカ光るだけでなく、一定の周期で『ピカッ、ピカッ』と変調するタイプです。(アメリカのパトカーみたいな感じ?)

後はやはり【Level.2】と【Level.3】の間に120ルーメン前後のモードが有ると運用し易いと思います。
(45LMでは暗過ぎるし、422LMでは明る過ぎてバッテリーの消耗が気になる)

後、細かい所ですが光量を示すマーク(?)が【Level.3】と【Level.4】の中間まで描かれているのですが、どうせ光量を示すならば【Stand by】の手前までマークが伸びていた方が、より直感的に操作出来ると思います。

私だけかもしれませんが、マークが無い位置での点灯にやや戸惑いました。
一度操作すれば馴れてしまうのですが、誰が最初に使っても違和感なく使える事は大切だと思います。

ボディ

ThruNite TN30 / Body

ThruNite社製品の代名詞とも呼べる全身ローレットにHA3塗装が施され、美しいライトに仕上がっています。

ThruNite TN30 / Body
TN30 / Body : Main parts
TN30 / Body

ThruNite社の製品は『全体的に控えめで都会的なデザイン』という印象があり、個人的にもそこが好きなのですが、このTN30も控えめで飽きの来ないデザインになっています。

ただし、TN30も控えめな外観とは裏腹に【凶暴】とも呼べる光を放つ製品なので、見た目で判断しない方が・・・( ̄ー ̄)ニヤリッ

リア/スイッチ

ThruNite TN30 / Main switch
TN30 / Main switch
TN30 / Main switch

スイッチはフォワード式で間欠点灯が可能です。
調光は全て調光リングで行うので【Stand by】以外の位置でセットされたレベルで点灯します。

本体サイズからしてお世辞にも押しやすいとは言えませんが、基本的に調光リングでの操作がメインになるので不便は感じません。

電池交換はヘッド側から行うのでリア側を外す必要は無く、基板には電池ホルダーの極性に関係無く、正常に点灯させる為の回路が実装されています。

電池

ThruNite TN30 / 18650 Battery
TN30 / Battery carrier

電池は3本の18650Li-ion充電池をバッテリーホルダーにセットし、ヘッド側からホルダーを挿入するようになっています。

ThruNite TN30 / Battery carrier
TN30 / Battery carrier
TN30 / Battery carrier

ホルダーは見た目ほどヤワではなく、手で捻ったぐらいでは変形しない頑丈で剛性の高い構造です。

ThruNite TN30 / Battery carrier
TN30 / Battery carrier
TN30 / Battery carrier

複数セル仕様の場合、NITECORE EA4 の様にホルダーレスの形が理想なのですが、18650Li-ion充電池を使い400ルーメン以上でも公称10時間のランタイムを実現している事から、通常使用時に於いて屋外で電池交換する機会は少ないと思います。なのでTN30に関しては、ホルダー式がマイナス要因にはならないと思います。

最悪、夜間に屋外で電池交換する場合でも電池ホルダー自体の極性に注意する必要は無く、ホルダーにセットする電池の極性さえ間違わなければホルダーを逆差ししても問題が無い様に設計されています。

直列か、並列か…

TN30の電池は直列にセットするので、電池1本の電圧を3.7Vと仮定すると合計11.1Vの電圧を供給可能な事になります。充分な電圧を確保出来るので3発のXM-L2 LEDも直列に実装されていると考えられます。

$40~60の安価な多灯・多セル仕様のライトは、高電圧を謳っていながら電池が並列で、多セルでありながら実は電池1本分の電圧しか供給できない製品が多く、こうした製品はLEDも並列に実装されている為に【玉切れ】が発生しやすくなります。(電池本数分の容量を確保できるメリットが並列には有ります)
安価な製品はその価格から考えても高効率の昇圧回路を搭載しているとは思えナイので、5発、6発の10W級LEDが安全かつ確実にドライブ出来る製品か否か、よく考えてから手を出した方が後々後悔しないで済むと思います。

ただ、直列電池仕様も複数セルの内1本がダメになると使用不能に陥るというデメリットが有り、それはこのTN30も同じです。

安価な多灯・多セル仕様のライトは、電池が並列で有るが故に1本がダメになっても全体の蓄電容量が下がるだけでLEDに問題が発生していなければ何とか点灯させる事が出来ます。(回路にもよりますが・・・)

直列か並列か・・・
どちらも一長一短があるので『コレで決まり!』と安直に言えませんが、TN30が出動する場合は他の18650仕様のライトもバックアップとして出動するので、予備バッテリーBOXと考えれば問題は無いのかなと・・・。(やや強引かナ?w)

照射

ThruNite TN30 / Lighting

今回はCWバージョンをオーダーしたのですが、色温度はCool White と Neutral White の中間ぐらいに感じます。

用途を考えるともう少し色温度が高くても良い気もしますが、色温度が高くなると対象物の色の再現性が低下するので、一般人が使うライトとしてはこれぐらいの色温度が妥当なのかもしれません。(CWバージョン以外にWWバージョンも発売されています)

ThruNite TN30 / Lighting

独立したリフを持つ多灯ライトは、周辺光が重なり合って独特な照射パターンになります。

屋外照射

白昼(立木まで67m)

daylight

Lev.1 – 1.2Lm

ThruNite TN30 / lev.1

Lev.2 – 45Lm

ThruNite TN30 / lev.2

Lev.3 – 422Lm

ThruNite TN30 / lev.3

Lev.4 – 1118Lm

ThruNite TN30 / lev.4

Lev.5 – 1896Lm

ThruNite TN30 / lev.5

Lev.6 – 3338Lm

ThruNite TN30 / lev.6
ThruNite TN30 – All mode
ThruNite TN30 / All mode

※WB=太陽光

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追加記事:ThruNite TN30 / UPグレードVer.屋外照射画像
ThruNite : Over 1000 Lumen models beam-shot.
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まとめ

このライトには大きな欠点が有ります!(`・ω・´) キリッ

それは、一度 TN30 の【MAX】を体験すると、他のどの明るいライトを観ても暗く感じてしまう事です。(コレは冗談抜きで誰もが一度でも TN30 のMAX:3338ルーメンを体験すると、きっとそう感じると思います)

自分のこれまでの短いライト人生(?)の中で、初めて天井照射の反射光を『眩しい!』と感じましたし、これまで『おぉ、明るい!』と感じていた800ルーメン以上(推定)のライトを『やっぱり暗いナ・・・』と思ってしまいました。

 
『そんなに明るいライトが必要か?』

自分なりにTN30の用途を考えてみましたが、調光リングの軽い操作感や配列、ストロボの仕様からして、やはりセキュリティ用途がメインなのかなと・・・。

個人で所有するのも勿論アリですが、自治会などの防犯パトロールで使うのにピッタリの製品だと思います。

サーチ&レスキューにも使えそうですが、調光リングという可動部分を考えるとSUNWAYMAN V10A と同じく悪条件下での使用には一抹の不安が残ります。しかし、それは本格的な活動を前提とした場合であり、一個人が『もしも・・・』の時に備えて所有するライトとしては、必要にして充分な性能を備えており、『備えあれば憂いなし』を具現化した製品だと思います。

その大きさと重量故にアウトドアでの使用形態はある程度制限されると思いますが、レジャー用途でもオートキャンプならば運搬に関しての問題はクリアできますし、長時間使用可能な照明として活用できる場面も多そうです。

特にこの季節、車で雪道を走行する機会も増えると思いますが、TN30が有れば照明の無い場所でのチェーン装着も難なくこなせ、徒歩でも道路の凍結箇所、雪の固まりや段差をいち早く視認するのにもTN30の照度や遠射性能は重宝すると思います。

フラッシュライトというよりサーチライトと呼ぶ方がしっくりと来ますが、MAX:3338LMだけでなく一段、二段下の1118LMや1896LMでも強烈な明るさなのでMAXを使う機会は逆に少ないかもしれません。

明るさだけがフラッシュライトの優劣を決める訳では有りませんが、『もしも・・・』の時を考えると、やはり高ルーメン値のライトの有用性が高いと思いますし、それは状況の深刻度に比例して益々高くなると思います。(そうした状況下での出番が無いのが一番ですケド・・・)

フラッシュライトの価格としては高価な部類ですし、18650Li-ion充電池を使う仕様なので万人にお薦めできる製品ではありませんが『もしも・・・』に備えるならば、充分価格に見合った性能を持つ製品だと思います。

この価格を実現する為に削った部分も見受けられますが、性能に関しては一切妥協しなかったメーカーの苦労が伺えます。

18650などのLi-ion充電池に抵抗を感じる方も多いと思いますが、スマホや携帯電話、タブレットやノートPC、デジカメなど殆どがリチウム系充電池ですし、専用の充電池や充電器も合わせて揃えているハズです。なのでフラッシュライトのLi-ion充電池だけが特別なワケでは有りませんし、妙な先入観を持たない方がきっと幸せになれると思います。

AmazonのThruNiteショップでも TN30 + Li-ion充電池のセット品が購入できますし、同店で販売されている充電器はPSEマーク対応品なので、中途半端な製品を複数購入して多重投資するよりイニシャルコストが低く抑えられたりします。(※コレは自戒)
 
昨年はEDCライトに嵌っていましたが、今年はハイパワーライトに嵌りそうな悪寒・・・(´・ω・`)
EDC系ライトと爆光ライト・・・どうやら自分はどちらかに興味を持つ一定の周期(?)が有る様です。
 
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TN30だけに限らず、TN30と同様の大型サイズのライトには、何故かヘッド側にストラップ孔(スルーホール)が無い製品ばかりなのが不思議です。

テール側にストラップ孔が有るのですが、このサイズのライトをずっと首からぶら下げて、若しくは手に握ったまま使うのは無理が有るんじゃ無いかなと・・・

スリング(ショルダーベルト)で肩から袈裟懸けにして使うのが疲れないと思うし、点灯したまま両手もフリーになるので便利だと思うのです。特にTN30は調光リングが有るので本体を地面に置くのは抵抗がありますし・・・

放熱フィンとの関係で孔加工が難しいのならば、ランヤードリングの様に後付けでも構わないからヘッド側にもストラップが通せるように工夫して欲しいです。

ThruNite TN30 / Holster
TN30 / Holster

ホルスターにもテール側から収納するのでヘッド側にもストラップ孔が有った方が取り出す際に便利だと思うのです。

ThruNite TN30

で、細くて(3mm)丈夫なコードで輪を造りパラコードで作ったスリングを脱着出来る様にしてみましたが、やはり後付け感は否めませんね・・・。 

カテゴリー: ThruNite, フラッシュライト タグ: , , , , パーマリンク

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