えーっと...久しぶり(ほぼ3ヶ月ぶり)のブログ更新です。
記事も書かずに何をしていたかと言うと、去年の台風で外壁が小破して修理をしたのですが、その延長で水回りなど、あちこちの修理&改修工事をしておりました。
まぁ、一応DIYって事になるのですが、工事業者に間違われるくらいの作業を一人でやっているので、夜になると疲れ果てて照タイム撮影はおろか、文章を書く気力も体力もなくなってしまいまして...(^^;
それで3ヶ月もの間ブログの更新をサボってしまったのですが、なんとか工事のヤマを超えたので、フラッシュライトの他にDIYに関する工事ネタ、ツール関連の記事も交えつつ、いつものペースで投稿を再開したいと思います。
・・・で、再開一発目のレビューは、M20 から始まり、M21、M22 と続いていたOLIGHT社のタクティカル系ライトの新製品、OLIGHT WARRIOR X のレビューをお届けしたいと思います。
WARRIOR X より以前のモデルについては、諸事情(主に個人的嗜好)により未購入なのでシリーズ旧モデルとの具体的な比較はできないのですが、従来モデルに搭載されていた10WクラスのLEDが XHP35-Hi に変わって出力・飛距離とも大幅にパワーアップ、更にMCC充電機能、サイレントスイッチなど、OLIGHT社のお家芸的機能が組み込まれています。
『 Simple is Best 』 が是とされるタクティカルライトですが、WARRIOR X はモードグループの選択、バイブレーションによる電池残量警告など、利便性を向上させるための電子技術も積極的に取り入れられています。
そんな近代的タクティカルライトとも呼べる WARRIOR X ですが、実際の使い勝手はどうなのか?
じっくりとチェックしていきたいと思います。
製品HP
- OLIGHT Official WEB site – olightworld.com
- Olight WARRIOR X – olightworld.com
- OLIGHT WARRIOR X – olightstore.jp
- OLIGHT WARRIOR X – amazon.co.jp
- Olight® Direct JP – amazon.co.jp
OLIGHT Official SNS
- Facebook – Olight World / @olightworld
- instagram – Official Olight Page / olightworld
- instagram – OLIGHT JAPAN / olight_japan
- Twitter – Olight Japan / @JapanOlight
- YouTube – Olight World
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INDEX
パッケージ
他のOLIGHT製品と同じく白色ベースの紙製化粧箱ですが、製品サイズに合わせて箱のサイズ、特に箱の高さが高くなっています。
ボックス全体はシュリンク包装されており、裏面には主要諸元が記載されています。
パッケージは箱の横から『ガバッ!』と開くようになっています。フタ(フラップ)は、箱の内部に仕込まれたマグネットで固定されます。
箱を開けると最初にプラ製の仕切りがありますが、絶縁材の除去、2つのモードグループの切り替え方法が記載されています。モードグループの切り替え操作は簡単ですし、付属のマニュアルにも同じ記述はありますが、開封直後でも出来るだけユーザーが迷わず使えるように配慮されているなと感じました。
製品内容は、WARRIOR X 本体、専用ホルスター、充電器(MCC)、タクティカル・グリップ・リング(TGR)、多言語マニュアル、パンフレットとなっています。
OLIGHT純正18650充電池は本体に内蔵、MCCとTGRは小箱に入っています。
ホルスター
付属のホルスターは、セミハードタイプです。
頑丈に出来ているので型崩れすることもなく WARRIOR X をベゼルダウンで収納可能です。
ベルトループの配置により、このホルスターを腰のベルトに装着すると、通常のホルスターのようにベルトに対して垂直ではなく水平に装備することになります。
ボトムスルーなのでホルスターに収納したまま点灯・照射が可能ですが、収納状態で長時間点灯させる際には本体の排熱に注意してください。
ちなみにホルスターに収納したままMCCでの充電が可能です。
仕様/サイズ
全長:142mm、ヘッド径:41mm、電池込みの装備重量が218g
リアスイッチ仕様の18650単セル機としては少しだけ大きめのサイズですが、 Max:2,000ルーメンの出力と照射距離、MCC充電機能やバイブレーション電池残量通知などを備えつつも小型なサイズに納まっています。
ボディ
WARRIOR X の外観形状は先代のM22を継承していますが、ヘッド部分の放熱フィンのピッチが大きくなり、グリップ部分の意匠はH2Rと同じスタイルになりました。
先代よりも全体的にスッキリと整理されてバランスが良くなり、個人的には好印象を持ちましたが先代のコッテリしたデザインのほうが好み…という方もいらっしゃるかもしれません。
どんな工業製品にも言えることですが、製品の“デザイン”についてはユーザーの好みや価値観で評価が別れるので、万人が納得するデザインの製品を送り出す…ってのは難しいですね。
クリップはハメ込み式ではなく、タクティカルライトらしくグリップ端からセットするようになっています。
グリップ側の欠き込みとクリップの位置を合わせ、更にリング部分の切り欠きとクリップの突起を合わせる事でクリップとタクティカルリングが同時に固定される仕組みです。
出荷時に装着されるタクティカルリングも後述するTGRもリング自体にネジ山は無く、本体側のOリングがライナー(ガタつき防止)の役割を果たしています。
ちなみに WARRIOR X のロゴの【X】部分は剣をクロスさせていますが、製品の性格(?)をさりげなく主張しているかと思います。
TGR (Tactical Geip Ring)
グリップリングの交換は簡単で、リアキャップを外し、リア端からグリップリングを引き抜くようにして外します。(※Oリングは外す必要はありません)
TGRとクリップは排他でTGR装着時はクリップは取付不可となり、アンチロール効果も期待できなくなりますが、クリップ部分の凹凸なくなるのでホルスターの出し入れがスムーズになります。
ヘッド
CREE XHP35-Hi(NW)に鏡面リフレクター(SMO)の組み合わせ。
ストライク形状のステンレスベゼルですが、各部の面取り処理がしっかりとなされ、PVD着色されている事で攻撃的な印象が和らいでいます。
“タクティカル”という製品コンセプトを体現しつつ上品さを保つ・・・ってのは難しいと思うのですが、上手く両立させて人前でも抵抗なく使えるライトに仕上げているかと思います。
先端Oリングは蓄光(GITD)仕様。
バッキバキに光るワケではありませんが、暗闇の中ならば消灯後でもそれなりに視認できます。
ヘッド部分とグリップはガッチリ固定(…てか、CNCによる一体成形かな?)されているので分割できません。
一般的に放熱フィンは細かく刻まれていればいるほど放熱効果が高くなりますが、最近は WARRIOR X のようにフィンのピッチが大きい製品が増えている気がします。これにはデザイン的・コスト的な理由もあると思いますが、LEDのエネルギー効率が上がり、過熱防止センサーの性能が以前よりも向上して物理的な制約がなくなって来ているからかもしれません。
リア/スイッチ
WARRIOR X のスイッチは、同社の M2R と同じ形状・機構のサイレントスイッチを採用し、MCC充電にも対応しています。
他のサイレントスイッチ機種と同様に、最後までスイッチを押し込むと僅かにクリック感が感じられますが、一般的なメカニカルスイッチのように『カチッ…』っというような感触はありません。
操作音については“サイレント”と銘打っているだけに非常に静かです。
ただ、完全に『無音』ではなく、静かな場所で耳を澄ませば『ペコッ…』って感じの音が聞こえます。
映画やドラマの中で銃のセーフティを解除する音で気付く…ってのがありますが、フラッシュライトの場合は、ドア越しや壁越しの場合を除き、点灯させれば否応なく自分の存在を知らしめる事になるので、無音操作が役に立つ場面、例えば深夜とか、突入直前に事前点灯する場合とかに限られるかと思います。
スイッチを押し続ける時間で常時点灯/間欠点灯の使い分けが可能で、更に後述する【Standard Mode】を【Enhanced Tactical Mode】に切り替える事で間欠点灯のみのライトとなります。
クドいようですが、個人的にはスイッチ面がフラットの WARRIOR X や M2R よりも M2T のような凸形状のスイッチが好みで、WARRIOR X もMCC充電を削った WARRIOR XT とか出るかなぁ…なんて(笑)
ボディが二重構造になっていますが、これによりMCC充電に対応しつつ、一般的な電極構成の18650 Li-ion充電池を使用可能としています。
リアのジョイント部は角ネジ。
Oリングが2重になっていますが、一方はタクティカルリングのライナーとして機能がメインです。
電池
WARRIOR X は、18650 Li-ion充電池にのみ対応しています。
電池は WARRIOR X に内蔵された状態で出荷されますが使用前に絶縁シートを除去してください。
付属の充電池は 3.6V/3000mAh の ORB-186S30。
WARRIOR X に付属の18650は【ORB-186S30】で容量は3000mAh、基準電圧は3.6Vです。
先述の二重構造により電極構造は通常の18650と同じものが使えるようになっていますが、MAX点灯時には、XHP35-Hi をフル駆動させるので放電性能の高い18650でないと安定動作させられません。
※正常動作が保証がされているのは付属の【ORB-186S30】であり、他の18650の使用は自己責任となります。
充電
フル充電状態では出荷されないので開封直後の点灯時に“ブルブル…”と震えますが、これはバイブレーションによる電池残量警告機能が動作するからで故障ではありません。
バイブレーションのパターン(頻度)は電池残量に応じて変化します。
・電池残量 30%以下 — 5分毎に1回
・電池残量 10%以下 — 1分毎に1回
・電池残量 5%以下 — 1分毎に6回(10秒に1回)
振動の強さはスマホや携帯のバイブレーションよりも弱く短く振動しますが、実際に体感してみるとライトを握っている分だけインジケーターによる視覚よりも、触覚による残量警告の方が判りやすく感じると思います。
充電は付属のMCC充電器を5V出力が可能なPCやモバイルバッテリーのUSBに接続しパッドを WARRIOR X にアタッチするだけです。
ソース電源側が出力状態であれば充電中でなくともMCCのインジケーターが【緑】で点灯します。
ライトにパッドを装着して充電を開始すると、充電中は【赤】、充電完了時は【緑】で点灯します。
モード
WARRIOR X は、【Hi】/【Low】/【Strobe】の3モードを搭載。
【Standard Mode】と【Enhanced Tactical Mode】の2つのモードグループが存在します。
各モードグループの動作は下記の通りです。
Standard Mode
常時点灯と間欠点灯が可能なモードです。
スイッチを弱く(浅く)押すと【Low】、強く(深く)押すと【Hi】で点灯します。最初から強く押しても、機構的に一瞬【Low】で点灯しますが注意してよく見ないと判らないレベルです。
更にスイッチを押す時間により常時点灯/間欠点灯となり、これは【Low】/【Hi】の両モードとも共通です。
・弱く短く押すと【Low】で常時点灯
・強く短く押すと【Hi】 で常時点灯
・弱く長く押すと、押している間だけ【Low】で点灯
・強く長く押すと、押している間だけ【Hi】 で点灯
【Standard Mode】時には【Strobe】で点灯しません。
常時点灯状態での【Low】→【Hi】の移行も可能で【Low】で点灯時にスイッチを強く短く押すと【Hi】になります。
スイッチ操作で【Hi】→【Low】にダウンさせることは不可。
【Hi】の常時点灯状態でスイッチを操作すると【OFF】となります。
【Hi】でのMAX点灯(2,000ルーメン)は、約1分30秒に限定され、以降は600ルーメンに自動減光されます。
Enhanced Tactical Mode
間欠点灯のみが可能なモードです。
・弱く押すと、押している間だけ【Hi】で点灯
・強く押すと、押している間だけ【Strobe】で点灯
両モードグループの切り替えは、消灯状態で一旦リアを緩め、その状態でスイッチを押したままリアを締めていきます。
通電状態になると【Standard Mode】時にはライトが【Hi】で点灯、【Enhanced Tactical Mode】時には【Strobe】で点灯して、どちらのモードに設定されたかが簡単に判るようになっています。
OLIGHT WARRIOR X / CREE XHP35-Hi (NW) : review – YouTube
照射
水平照射
配光/光色
LED電球
OLIGHT WARRIOR X
OLIGHT M2R WARRIOR
SKILHUNT X0
ThorFire VG10S
SOLARFORCE L2N (P60 bulb)
屋外照射
白昼/軸線(立木まで67m)
OLIGHT WARRIOR X
OLIGHT M2R WARRIOR
SKILHUNT X0
ThorFire VG10S
SOLARFORCE L2N (P60 bulb)
タクティカルライトらしいスポット重視の配光で、約70m先でもスポット光の存在がハッキリと確認できます。
WARRIOR X のヘッドサイズとXHP35-Hiの相性がとても良い感じで、Max:2000ルーメンは勿論ですが、600ルーメンや300ルーメン時でも良く飛ぶ印象を受けました。
飛び系ライトではヘッド径が大きくなり、それに伴って携帯性が低下してしまうのですが、WARRIOR X のサイズでこれだけ飛べばアウトドア全般で活用できそうです。
ニュートラル・ホワイトの光色は至近距離の照射において目に優しく、悪天候にも対応できて汎用性も高いかと思います。
周辺光も均一で綺麗、フリッカーの発生も確認できません。
まとめ
OLIGHT WARRIOR X は、ワンアクションでMAX点灯、或いはストロボ点灯が可能で、タクティカルライトに求められる機能・操作性を二段スイッチで実現しています。加えてMCC充電、バイブレーション残量通知など電子技術を融合させる事で、ユーザーフレンドリーな製品になっています。
【Low】でも300ルーメンなので、手元など超至近距離を照らす用途には不向きですが、【Moonlight】モードなどの微光モードを持つEDC向けライトと併用することで、 WARRIOR X の存在感というか便利さが実感できるかと思います。
スイッチ形状や操作感については“馴れ”の要素が大きく、最初は戸惑うかもしれません。しかし、スイッチの廻りにクラウンが無いので押し辛くはないですし、スイッチ表面が金属なのでプッシュ時の強弱もつけやすいです。
モードグループの切り替えなど、操作体系もシンプルで判りやすく『あれ?どうヤルんだっけか…?』と迷う事がないのも好感度大です。
機能や性能を絞り込んで、限りなくシンプルな製品にするのは故障リスクを低減させるのに簡単かつ確実な手法なのですが、マーケティングまで考えると・・・。
必ずしも多機能な製品が“訴求力のある製品”とはならないのですが、高出力化の波や需要に合わせて製品を開発、リリースしなければならないのでバランスを取るのも大変だと思います。
あ、自分はシンプルな製品も大歓迎ですよ♪
実際、多モードのライトをシングルモードに改造したりとかしてますし…(^^;
とことん攻撃的なタクティカル系ライトが好みの方には物足りないかもしれませんが、18650単セル仕様でありながら、しっかりと照らせるのは心強い限りです。
気になった点…という程ではないのですが、Oリングでグリップリングを支えている関係で、グリップリングを指で押すと少し動きます。ただ、グリップリングをネジ式にすると、今度はライフルマウントする時に面倒臭かったりするので、どちらが良いかは一概に言えないですね…。
それと WARRIOR X と同じリア形状・スイッチ構造を持つ M2R WARRIOR を海水に浸けたら、動作が不安定になったとの情報を小耳に挟んだのですが、電極が剥き出しになっているのが原因?、表面ではなくスイッチ内部に塩水が侵入して誤作動の原因?WARRIOR X でも同じ事が起きるのか?・・・何れ検証したいと思います。
しかしながらトータルで WARRIOR X 見ると、やっぱり使いやすいタクティカル系ライトで、実に良く出来ていると思います♪