
OLIGHT M2T WARRIOR は、今年のアメリカでの SHOT-SHOW で初披露され、doormanも初めてインスタで製品画像を見て『えっ?!えぇぇ!!』と驚いたモデルです。(まさかこういう隠し球が有るとは・・・)
正直、先のM2Rと同時に発表してくれていれば・・・と、いう思いが無きにしも非ずですが、実際にM2RとM2Tを比べてみると、M2RよりEDC的要素が減った分だけタクティカル度がアップしています。それでも劇的に変わったか?…と、問われれば 『そうでもないナ…』 というのが実際に使ってみての感想です。
詳細については追々紹介していきますが、末尾の【R】と【T】の違いが示すように、M2Tには充電機能が実装されず、リアスイッチ形状が他のタクティカル系の製品と同様に突出した形になっています。
その他にも細かな部分についても両機に違いが有りますが、今回はM2Rとの比較をメインに OLIGHT M2T のレビューをお届けします。
製品HP
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INDEX
パッケージ



OLIGHT製品のパッケージは外箱がPET素材か黒色をベースにした紙製化粧箱でしたが、M2Tは白色ベースの紙製化粧箱に入っています。
開封方法も、お菓子の箱によく使われている PULL-OPEN式となり、開封・未開封がひと目で判るようになりました。オクに流す方にとってはアレな開封方式なのかもしれませんが、無用なトラブルが防止できるかと思います。



内部トレイは二段重ねになっています。

M2T本体、ホルスター、ランヤード、多言語マニュアル(日本語対応)に READ ME が納められています。
ホルスター

ランヤードはホルスターの中に入っています。





面ファスナーのフラップ、サイドストレッチ式の一般的なホルスターですが、ベルトループの部分がモールシステムのベストなどに対応しています。モールシステムに限らず、一旦ベルトを外さなくてもホルスターが脱着できるので便利です。
仕様

各出力などは、後述するモードの項を参照してください。
M2Tの性能を最大限引き出すには、5A以上の放電能力を有した電池が必要になる旨の記述があります。
サイズ


M2Tのスイッチトップまでの全長がM2Rとほぼ同じとなっています。



装備重量は使用する電池によって差が出ます。
ボディ









グリップ部分のデザイン、寸法(※グリップ部分は1インチ)などに大きな変更はありませんが、パッと見はM2Tの方がズングリと見え、少しマッシブな感じです。
実際に試してはいませんが、M2Tはテールキャップ部分がボディより太くなっているので、クリップを逆付けにするとテールキャップと干渉しそうです。M2Rと同じく完全なZ型クリップなので無理に逆付けする必要は無いかも?
ヘッド/LED







Cree XHP35 にOPリフ、ヘッド径、ベゼル形状、リフレクターの深さなどもM2Rと同じです。
ただ、アンチロール部の放熱フィンやノーズ部分の長さ、ノーズ部分に刻まれたクサビ模様の本数がM2Rと異なり、これらの違いが先のマッシブ感につながっているのかもしれません。
スイッチ
サイドスイッチ



サイドスイッチ廻りについてもM2Rから大きな変更はありません。
M2Rと同じくサイドスイッチの素材はシリコン系の軟質素材で、中央部分はロックアウト時にインジケーターとして機能します。
M2Tはノーズ部分が短くなり、そのぶんスイッチが先端側に位置していますが、スイッチ自体の感触が同じなので、操作時に違いを意識することはありませんでした。
リアスイッチ





M2TとM2Rの違いが最も表れているのがテールスイッチで、両機を見分けるポイントでもあります。
M2Tのスイッチはスイッチ全体が突出しており、逆手持ちの状態では親指の腹全体で押すような形になります。対してM2Rはテールボトム全体がフラットで充電パッドが吸着しやすいようになっており、親指の先でスイッチを操作するような形になります。
M2Tのスイッチはスイッチブーツ全体が硬質素材でできており、スイッチトップ部分にだけ滑り止めのゴムが嵌め込まれています。なのでスイッチを操作する際は一般的なリアスイッチのように“クニョッ”と変形することはなく、押すとスイッチ全体が沈み込んでいきます。ただ、スイッチストローク自体は深くはなく、軽く押すだけで【Turbo】モードで間欠点灯します。
そのまま押し込んでいくと少し反発を感じ、僅かながら“クキッ”という感触がありますが、その時点で全押し状態となり【Turbo】モードでの常時点灯となります。
全押し状態のまま1秒間弱の間スイッチを押し続けると【Strobe】の間欠点灯となります。
M2T、M2Rともサイレント・スイッチであることに違いはなく、“カチッ”といった明確な操作音は発生しません。操作音だけでなくメカニカルなフォワードクリック・スイッチやリバースクリック・スイッチのようなラッチ感もないので最初は違和感があるかもしれませんが、操作に慣れてくると特段使いづらくも無いと感じるハズです。(もちろん個人差はあります)



リアジョイントの角ネジは両機とも共通ですが、充電機能付きのM2Rとはテールキャップの内側構造が異なります。
電池





電池は【+】極がリア側になるように【-】極から装填します。
M2Tには、最初からCR123A電池2本とスリーブが付属しますが、M2Rのように18650 Li-ion充電池は付属しません。
CR123A使用時には電池室内部でガタつかないようにスリーブが付属しますが、スリーブが無くても使えますし、スリーブ無しの状態でも特に電池のガタつきは感じませんでした。
先述の通り、M2Tの性能をフルに引き出すには、5A以上の放電能力を有する18650電池が必要となります。
フラットトップ型の18650も使用可能なので、IMRタイプの18650も使えます。(※IMR使用時は電池電圧の下限に要注意)
ランニングコストを抑えるために普段は18650を使い、予備としてCR123Aを使うパターンが多いかと思いますが、M2Tが初めての高出力ライトになる場合は、別途高性能な18650と充電器を用意する必要があるのでイニシャルコストが必要になります。
モード/操作


M2Rには Enhanced/Standard の2種類のモードグループが存在しましたが、M2Tにはモードグループ的な区分は存在しません。
その替わり(?)M2Tでは使用電池によってモード数や出力値に差があり、CR123Aでは5段階/Max:900 Lm、18650では6段階/Max:1200 Lmの違いがあります。
どちらの電池を使っても【Turbo】点灯時には約3分で過熱防止リミッターが発動し自動減光されます。



モードグループが無くなったことでオペレーションがシンプルになりましたが、基本操作および動作についてはM2Rと同じです。
消灯時
サイドスイッチのシングルクリックで点灯。(モードメモリー有り)
長押しすると【Moonlight】でスタート。
消灯時にリアスイッチを半押しすると【Turbo】の間欠点灯、短く全押しすると【Turbo】の連続点灯(※最大3分)、全押ししたままホールド(約1秒)すると【Strobe】発動となり、スイッチから指を離した時点で【Strobe】解除&消灯となります。
リアを全押し&長押しでストロボが発動するので、シュアの6Pなどに搭載されているモーメンタリースイッチに慣れていると使いづらいと感じるかもしれません。M2Tのストロボ発動のリアスイッチ操作のファンクションが良いか悪いかは別にして、タクティカル系製品に於ける【Strobe】モード発動の扱いは悩ましいモノがあります。
ただ、M2Tのリア操作のストロボ仕様は、“咄嗟の時には無意識にチカラが入る…” って事を考えると、護身・防犯的にはすごく合理的な発動仕様かと思います。
点灯時
サイドスイッチの長押しでモード移行。
【Moonlight】でスタートした場合は、【Moonlight】→【Low】→【Med2】→【Med1】→【Hi】→【Low】…となり、通常のモードループの中に【Moonlight】は含まれません。
CR123A使用時には、【Moonlight】→【Low】→【Med】→【Hi】→【Low】…となります。
どのモードで点灯していてもサイドスイッチのシングルクリックで消灯します。
点灯中にリアスイッチを操作すると、リアスイッチを押している間は【Turbo】もしくは【Strobe】で点灯しますが、指を離した時点で消灯します。動作ファンクションは消灯時と同じですが、【Turbo】・【Strobe】とも間欠点灯動作となります。
点灯/消灯に関係無く、サイドスイッチのダブルクリックで【Turbo】、トリプルクリックで【Strobe】の連続点灯になります。(どちらもサイドスイッチのワンクリックで消灯)
ロックアウトモード
リアキャップを緩める事で物理的に通電を完全にカットできますが、サイドスイッチを操作してロックアウトモードに設定することも可能です。
消灯時にサイドスイッチを長押しすると【Moonlight】で点灯しますが、そのままスイッチを押し続けると【Moonlight】が消灯、その時点でロックアウトモードに設定されます。
ロックアウトモード中は、サイドスイッチ、リアスイッチとも無効化され、スイッチ操作をするとサイドスイッチ中央のインジケーターが赤く発光、現在ロックアウト状態である事を通知してくれます。
ロックアウトを解除するには、設定時と同様にサイドスイッチを長押しします。【Moonlight】で点灯した時点でロックアウトモードは解除されます。(解除時は必ず【Moonlight】スタートになります)
OLIGHT M2T WARRIOR / CREE XHP35 (CW) – YouTube
照射
水平照射

配光/光色
蛍光灯


R20 JAVELOT


M2R WARRIOR


M2T WARRIOR


屋外照射
OLIGHT M2T WARRIOR : 2xCR123A / 18650


Low


Med2


Med1


Hi


Turbo


OLIGHT M2T – All mode


OLIGHT S2





OLIGHT R20



OLIGHT M2R







MAX照射比較

LEDやリフレクターなど、M2RとM2Tは光学系が同じなので配光は全く同じで拡散寄りの配光になっています。
若干、M2Tの方が色温度が高めですが、直接2つを比較してみないと違いが判らないので個体差レベルの違いと言って差し支えないかと思います。
使用電池の違いによるMax:900LmとMax:1200Lmについての感じ方は個々人によって違いがあると思いますが、実際に肉眼で見ても数値差ほどの違いは感じられません。逆に一次電池でもこの明るさであれば必要にして充分かと思います。
まとめ
超至近距離で効力を発揮する【Moonlight】モードを搭載し、R20のようなピンスポット配光ではないので日常用途でも使いやすく、M2Tでタクティカル指数は上がってもM2Rと同様に間口が広く、懐の深~いライトに仕上がっています。
M2RとM2T、どちらも似たような製品ならば、どちらを選んでも同じ・・・と、なりそうですが、実際の使用感は両機で随分と異なります。
個々の使用感の違いは、最大出力時の300ルーメン差よりも、リアスイッチ形状によるところが大きく、充電機能を重視するのであればM2R、リアスイッチの操作性を優先するのであればM2T・・・ということになりそうです。

doormanとしては、【Low】などの低出力スタートが可能なEDC製品と、デフォルトでMaxスタートな製品の2本持ちが常態化しているので、指掛かりが良く即時最大照射しやすいM2Tが使いやすいと感じるのですが、充電池や充電器などの付帯設備の有無によっても評価が違って来ると思います。
M2Tを運用する上でランニングコストを抑えるのであれば、高品質の18650 Li-ion充電池と充電器を用意する必要がありますが、そうなると価格的にM2Rの方がリーズナブル・・・ということになります。
初めて18650対応の高出力ライトとしてM2RやM2Tに興味を持ったならば(そうであればライトファンが増えて嬉しい♪)、既にこちらの世界に片足を踏み入れているのは確かなので、充電池や充電器を揃えるのもアリだと思います。また、M2Rを選んだとしてもM2Rに付属の ORB-186S35 充電池は後々まで他の18650対応機でも使えますし、取り敢えずM2Rを使ってみて本格的に沼にダイブするか否かを決めるのも良いと思います。
とどのつまりは『自分の好きな方を選ぶのがベスト…』って、身も蓋もない結論になってしまうのですが、M2Tにするか、それともM2Tにするか・・・迷っている方の参考になれば幸いです。