ネットで Weltool T7 の画像を初めて見た時に、その外観意匠やサイズから18650仕様のライトだと勘違いしたのですが、T7 は AA/14500仕様のライトです。
Weltool社の存在は以前から知っていましたが、 『イイかも♪』 と、気になりだしたらもう止まらなくて(笑)
少し気になった部分もありましたが(※詳細後述)日本のamazonでもT7の販売が開始されたのでポチ…自分が購入した時はプライム対象ではなく中国からの直送で3週間ほどで手元に届きました♪ヽ(´ー`)ノ
T7の実物を手にして改めて感じたのは、その質感と造りの良さで、文章と画像でどこまでお伝えできるか判りませんが、今回は Weltool T7 のレビューをお届けしたいと思います。
製品情報
・Weltool Official HP – weltool.com
・Weltool T7 / Flower-necked Tiger – weltool.com
・Weltool T7 – amzon.co.jp
・Weltool : Amazon Japan 公式ストア
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パッケージ
Weltool社のコーポレート・カラーである、赤と黒でまとめられた化粧箱
箱の中は緩衝材で仕切られ、T7本体もしっかりと保護されています。
内容物は、T7本体、ランヤード、予備Oリングx2、中英仏マニュアル、保証書、Thank You Card となっています。
仕様
付属のマニュアルは英語・中国語・フランス語で書かれています。
本体サイズ、防水性能(IP67)、光束値、ランタイムなどの他に使用上の注意などが記載されています。
日本語での記載はありませんが、難しい英語ではないので一読する事をオススメします。
サイズ
CR123Ax2仕様の SUREFIRE G2 Xenon より少し短いのですが、AA/14500仕様の製品としては大型のライトです。
ヘッド径(32mm)がP60互換バルブを使用するライトと同サイズなので余計に大柄に見えますが、実際にAA/14500単セル仕様としては大きく、装備重量もそれなりの重さになります。
単三形電池の中でも eneloop などの Ni-MH充電池が一番重いので装備重量が150gを超えていますが、アルカリ乾電池や14500 Li-ion充電池だともう少し軽くなります。
ボディ
T7のボディは、アルミ無垢材からCNCで削り出されたモノボディで、分割できるのはリアキャップとベゼルのみで、他は全て一体成形となっています。
テール側のタクティカルリングもユニークな歯車形状ですが、この部分も一体成形で削り出されています。
加工は勿論ですがHA塗装も美しく、全体の質感はすごく良いです。
ヘッド
鏡面リフレクター(SMO)にプレーン形状のステンレスベゼル。
搭載LEDについてメーカーから正式なアナウンスはありませんが、【172 lm/W】の数値から SAMSUNG LH351B ではないかと思われます。
CREE XP-G/G2 より知名度は低いかもしれませんが、LH351Bも5WクラスのLEDですし、データシートを読む限りでは効率的にも遜色はないと思います。
実際、過去にLH351AのWW版を使ってP60互換バルブを自作したのですが、特に不満も不具合もなく未だに現役のバルブとして活躍しています。
なによりもCREE社製LED一色ではやはり面白みに欠けるので、極端な性能低下が発生しないのであれば、色々なメーカーのLEDを積極的に搭載して欲しいと思うのであります。
ヘッド部分にもアンチロール(転がり防止)が施され、ロゴとS/No.がプリントされています。
スイッチ
スイッチはフォワードクリック式で間欠点灯が可能です。
スイッチストロークは普通ですが、やや堅めのスイッチでハッキリとしたクリック感があります。
ただ、スイッチ廻りのガード(立ち上がり)がスイッチトップよりも低いので操作性はよくありません。恐らくストラップホールの確保やEDC用途を想定したテールエンドの形状かとは思いますが、T7の唯一の不満点です。
いわゆる『注射器持ち』ならばそれほど押し辛くはないのですが、普通に逆手で握って親指でスイッチ操作しようとすると、不自然に親指を曲げて指先で操作するようにしないと上手く操作できません。
T7のようなヘッドにボリュームのあるライトをテールスタンドさせると重心位置が高くなり不安定さも増すので、余計に中途半端な印象を受けます。
テールスタンドを完全否定するつもりは全くありませんが、製品全体のバランスを考えてデザインして欲しかったというのが本音です。
もし可能であればタクティカルライトらしいスイッチガードの無いリアユニットのオプション販売を希望します。(『EDC用途=テールスタンド可能』という固定観念から、そろそろ脱却しても良いのではないでしょうか?)
T7で唯一分離出来るリアのジョイント部のOリングは二重となっていて水密性能が高められています。
グリップ中央部は直径が約21.5mmと細くなっていますが、1インチ(25.4mm)のボデイ外径に単三形サイズのボア径なのでグリップ部分の肉厚は5mm近くになります。
肉厚なだけに重量は増加しますが、頑丈さについては疑う余地がなく、相当な衝撃や荷重が掛からないと破損することはまず無いと思います。
電池
1.5vの単三形のアルカリ乾電池、エネループなどの1.2v Ni-MH、3.6/3.7Vの14500 Li-ion充電池が使用可能です。
プロテクト回路の無いフラットトップ型のIMR系14500 Li-ion充電池も使用可能ですが、メーカー非推奨となっているので、14500 Li-ion充電池使用時にはプロテクト回路付きのものを使うようにしてください。
グリップ部分に+/-のマークがプリントされていますが、電池を装填する場合も極性に合わせてください。万が一電池を逆挿ししてもT7には逆極性保護回路が搭載されているので安心です。
モード
マニュアルによると単三乾電池を使用した場合には【Hi/Low】の2モード、14500使用時には【Hi】のみの1モードとなっていますが、14500使用時も光量差は小さいのですが【Hi/Low】の2モードとなります。
消灯時に半押しすることで【Hi】と【Low】が交互に入れ替わり、希望のモードでスイッチを全押しすると選択したモードで常時点灯となります。
モードメモリを搭載しているので消灯時のモードで再点灯が可能です。
スイッチがフォワードクリック式なので点灯中のモード変更は不可となります。モードを切り替えるには一旦消灯した直後(約1秒以内)に再点灯します。
Weltool T7 Flower-necked Tiger (CW) – YouTube
照射
水平照射
配光/光色
LED電球 5000K
Lumintop Tool AA 2.0
ThorFire TG06S
MANKER T01
BLF X5
P60 XP-L Hi
Weltool T7
屋外照射
白昼(立木まで67m)
Weltool T7 (AA)
Weltool T7 (14500)
ThorFire TG06S (AA)
ThorFire TG06S (14500)
MANKER T01 (AA)
MANKER T01 (14500)
BLF X5 (14500 ONLY)
KDLITKER P60 XP-L Hi (18650)
光色の色温度はかなり高く、間違い無く6500K以上の色温度です。
T7のヘッドサイズはP60互換機のそれとほぼ同じなので、照射角度や配光が非常によく似ていますが、AA/14500仕様である MANKER T01 や X5 の同等の出力同士で比較しても中心光重視の配光となっています。
搭載LEDのダイサイズもXP-G/G2と近く、SMOリフとの組み合わせでスポット強めの飛び系配光で、屋外照射では300Lmそこそこの出力でありながら立木までしっかりと照らせています。
今回は、T7のCool-White版なので余計に明るく感じますが、私見では300Lm以上出ているようにも感じます。
T7は飛び系に特化した製品ではありませんが、AA/14500仕様でここまで遠射できるのは痛快でもあります。
単に飛び系というだけでなく、周辺光も非常に綺麗なので照らしていて気持ちが良いです♪
まとめ
何となく XENO G5 や F7 にも似ていますが、こういうスタイルの製品全般は大好きです♪(*´ω`*)
ただ、G5やF7もそうですが、T7のテールエンドの形状も【タクティカル】のコンセプトにそぐわず、その所為で製品の全体像がぼやけてしまっている気がします。
なぜにこういう形状にしてしまうのか?
ストラップホールの確保、ベゼルダウンでホルスター等に収納してフラップを閉めた時の誤点灯を防止、或いはEDC用途の需要も狙ってテールスタンドを可能にしたのでしょうか・・・
どれも使い勝手に直結するとは思うのですが、誤点灯を防止するならリアを緩めておけば良いですし、フラップを相当キツく閉めないと誤点灯することはないと思います。テールスタンドについても逆さまにした時の重心バランス、スイッチを操作する回数とテールスタンドの頻度を考えれば、スイッチの操作性を犠牲にしてまでこの形状にする必要があるのか疑問です。
ナニよりもT7のようなスタイルの製品に萌えるユーザーは、既に複数本のライトの使用経験があり、フラッシュライトはTPOに応じて使い分けるツールであるということを理解、もしくは実践しているユーザーではないでしょうか?
…なんて、熱く語ってしまいましたが、テールエンドの形状以外はT7をかなり気に入っています。
加工や仕上げは丁寧ですし、『AA/14500機は小型で…』という概念をブチ壊してくれるユニークな存在です。
AA/14500仕様としては大きく、お世辞にも小型で軽量なEDCライトとは言い難いのですが、それがT7の強烈な個性であり魅力にもなっています。
T7の利点は入手性の良い単三乾電池も使えるという点であり、単三乾電池でもそれなりに明るく、14500を使えば飛距離も出るのでサイズと重量が許容できればEDCライトとして運用するのもアリかな…と思うのであります。
逆に、T7のサイズなら16340や18650仕様の製品を選ぶ…というユーザーも多いと思いますし、それはソレで全然OKだと思います。
実際にdoorman自身もAA/14500ではなく、CR123A仕様でも面白いかなぁ…とか考えていましたし…(^^;
そんな事を考えていたら、Weltool W3 mini という製品を企画しているとのことで、Facebook や instagram に掲載された画像を見る限りでは、W3 mini も相当振り切った製品のようで、こちらも楽しそうなライトです。
Weltool社のフラッシュライト製品ラインナップはまだまだ少ないのですが、これからもユニークな製品をリリースしてくれるメーカーとして期待していますし、今後も注目していきたいと思います。
実用性よりも趣味性が強いライトではありますが、ピンスポットで高い遠射性能を持っているので用途によっては便利に使えますし、価格に見合うだけの質感を充分満たしていてるので、尖った性能の単三ライトをお探しであれば候補に入れてみては如何でしょう?