名は体を表す…とはよく申しますが、OLIGHT PL-2 VALKYRIE に続いてリリースされたこの PL-mini VALKYRIE は、その名の通りミニなウェポンライトで、コンパクト系に分類されるハンドガンと相性の良いサイズになっています。
ウェポンライトに限らずフラッシュライトを小型化する上でネックとなるのが電池の物理サイズで、乾電池形状の電池を電源とする限り、電池サイズよりも小型なライトにするのは不可能…という事になりますが、PL-mini は電池サイズの呪縛(?)をリチウムポリマー充電池を採用するという思い切った方法で解決しました。
小型化実現の障壁は電池サイズだけでなく、制御回路の小型化も必須となるのですが、これまでOLIGHT社が培ってきた小型化技術が PL-mini にも活かされています。
これはあくまで私見ですが、直近にリリースされた同社の小型ヘッドランプ製品 HS2 と PL-mini は、まったくジャンルの異なる製品でありながら、実は構造的二卵性双生児のような関係なのかもしれません。
今回は SIIS の USP COMPACT をメインに、PL-2 レビュー時に使用した東京マルイの Hi-CAPA 5.1 と装着時のサイズ比較をしつつ、PL-mini のレビューをお届けします。
製品HP
・OLIGHT Official WEB site – olightworld.com
・OLIGHT PL-MINI VALKYRIE – olightworld.com
・OLIGHT PL-MINI VALKYRIE – amazon.co.jp
・Olight® Direct JP – amazon.co.jp
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INDEX
パッケージ
PL-mini も PL-2 と同じ紙製の化粧箱にパッキングされています。
BOX裏面には PL-mini の主要諸元が記載されています。
最近のOLIGHT社製品は同様の化粧箱に入っていますが、PL-mini は上部のフラップが部分的に糊付けされ、一度開封すると開封痕が残るようになっています。
内部ペット素材のトレイは二重構造になっており、本体、充電パッド、マウント用のブリッジパーツ、六角キャップネジ、T5/T6-HEXレンチ、取扱説明書(日本語対応)が納められています。
付属の充電用パッドは、一見すると S-BATON の充電モデルに付属する充電パッド(型番:MCC-Sサイズ)と同一に見えますが互換製はありません。(※詳細後述)
ブリッジパーツは PL-2 と同じく MIL-STD-1913規格と GLOCK-Type の2種類が付属し、出荷時には GLOCK-Type がセットされています。
仕様/サイズ
仕様で目を惹くのは、XP-L Hi を搭載し最大400ルーメンでありながら 1400cd というカンデラ値です。
詳細については後述しますが、ミニ・ウェポンライトならではの面白い配光になっています。
PL-2 と比較すると PL-mini が如何に小型かがよく判ると思います。
小型化がなされていますが、マウントに関連する部分の寸法は PL-2 と同じで、PL-mini も実銃にマウントして使用することを前提に開発されています。
日本国内ではエアガンに装着してサバゲーでの使用が多いかと思いますが、選択肢が増えたことで装備や好みに合わせてセレクトしやすくなったのは嬉しい限りです。
ボディ
スイッチパーツを除き本体の大部分がアルミ合金製で、表面仕上げはHA3塗装となっています。
PL-2 は曲線を基調としたデザインでしたが、PL-mini は直線を基調とし、部分的な曲面と調和のとれた近代的な外観です。
超個人的主観ですが、USP、P30、VP9、GLOCK、FNS-9、P99 …などなど、近代的デザインのハンドガンと相性が良さげです。(※意訳:そっち系のハンドガンが大好きです♡)
ヘッド
CREE XP-L Hi にSMOリフの組み合わせで、タクティカルライトらしいスポット寄りの配光ですが、先述の通り最大カンデラ値は1400cdとあまり高くはありません。
これは、PL-miniのヘッド径(※実測で約13.5mm)が小さく、リフ深度が浅いので集光度合いも控えめになるのですが、逆に周辺光量もそれなりに豊富なので広い視界を確保できることになります。
スイッチ
テール部両サイドの突起部分がPL-miniのスイッチになります。
クリック感と呼べるものは無く、ON/OFFどちらの操作も無音で行えるスイッチです。
左右どちらのスイッチも同じ動作が割り当てられているので、右利き/左利きに関係無くスムーズに操作でき、右側スイッチで【ON】にして左側で【OFF】にすることも可能です。
PL-2 と同じ場所にスイッチがありますが、PL-2とはスイッチの操作方向がやや異なり、PL-mini は突起部分を下方向にさげるように操作します。
この操作方向に合わせてスイッチレバー上部に滑り止めの溝が刻まれています。
PL-2と操作方向が異なるのは、小型化に伴い全幅も狭くなったことで両スイッチの間隔(※実測で約15.5mm)も狭くなり、マウント時にトリガーガードとのクリアランスが充分に確保できないからかと思われます。
スイッチ部分だけを幅広にしてPL-2と同じ操作方法にすることも可能だったと思われますが、凹凸が生じることでホルスターの収納時など、使い勝手が大幅に低下したかと思います。(カッコ悪いというのは、そのまま使い勝手の悪さにつながる事が多いかと…)
充電
リチウムポリマー充電池の電池容量は260mAh。
5V・1A充電時には1時間以下で満充電にできます。
PL-mini底部にお馴染みの(?)充電接点があります。
本体、充電パッドの双方に強力マグネットが組み込まれているのも同じで、磁力で固定されます。
充電開始および充電中はパッド部分のインジケーターが【赤】で点灯し、100%充電時には【緑】に変化します。
充電パッドに通電中は、PL-miniにセットしなければインジケーターは【緑】で点灯します。
マウントした状態のままでも充電は可能です。
実銃に触れた事が無いので想像の域を出ないのですが、真鍮と鉛で構成された実弾は問題無いとしても、他の銃器の金属部分とPL-miniのマグネットの相性が良すぎて問題が出たりしないだろうか?…という疑問は持っていました。まあ、もし問題があれば製品化はしないでしょうし、検証した上で開発・発売されているでしょうから心配無用かなと…。
低電圧警告のインジケーターは左側面前方に配置されています。
低電圧時に【赤】で点灯し警告してくれますが、警告点灯後は割と短時間で点灯不能となるので早めに再充電を行うのが良いかと思います。
充電パッドの互換性について
同社の S1R などに付属するMCC充電器(Sサイズ)と見た目は同じですが、PL-miniに付属する充電パッドは、現時点ではPL-mini専用となっています。
パッドおよび本体に組み込まれているマグネットのS/N極性がMCC充電器と異なっているので双方に互換性はありません。
MCC充電器と互換性を持たせなかった理由は不明ですが、互換性を持たせた方がメーカー側もコスト的、商品管理的にもメリットが大きいハズです。そうしないで敢えて極性を反転させているのは PL-mini がウェポンライトであり、他のEDCライトとは異なる事をユーザーに強く意識させる意図があるのかもしれません。(※あくまで個人の妄想です)
ロック&リリース
20mmレールマウントに対応し、PL-2と同様にサイドレバーにてワンタッチで脱着できるのでHEXレンチは不要です。
先述の通り、ブリッジパーツは GLOCK-Type と MIL-STD-1913規格が付属し、出荷時には GLOCK-Type が装着されています。実銃にマウントするなら別ですが、レバー式でもちゃんとした20mmレールマウントであればガッチリと固定されるので、エアガンならば GLOCK-Type でOKですし、ブリッジの位置が合わなければブリッジパーツを外してしまっても問題無いかと思います。
SIIS USP COMPACT
Hi-CAPA 5.1 を購入する際、最後まで迷ったハンドガンの一つなのですが、エアーコッキングを使ってみたかったのと、お財布にも優しいので…(^^;
仕上げや性能的には価格なりという感じで残念な部分も多いのですが、エアコキもなかなか面白く、doorman的には結構気に入っています。
ただ、KSCやマルイのGBBモデルのように後付けのアンダーレールが付属しておらず、適当なCOMPACT対応の市販品も無かったのでアンダーレールは自作しました。時間があればもう少しちゃんと造ったのですが、なにぶん急造品なのでクオリティについてはご容赦ください…。
それでもアンダーレール自体はしっかりと固定されるように造ってあるので、PL-miniを装着してもガタつきなどはなく、そのうち時間ができたら塗装も含めてちゃんと造りたいと思っています。
※材料はアルミのL-12×12×0.8とカイダック板(板厚:1mmと2mm)、M2のネジが4本、M2の長ナット L=22mmを2本、M3のネジが2本、金属パテ少々、接着剤です。
PL-MINI VALKYRIE / USP-COMPACT
PL-MINI VALKYRIE / Hi-CAPA 5.1
PL-2 VALKYRIE / USP-COMPACT
USP-COMPACT / Hi-CAPA 5.1
USP-COMPACT と Hi-CAPA 5.1、それぞれに PL-mini を装着してみるとサイズの違い、バランスの違いがよく判ると思います。
バレル先端とPL-miniの先端が揃う事で一体感が増して後付け感が緩和される…ってのもありますが、やはり PL-mini のデザインそのものが秀逸なのだと思います。
モード
PL-mini は単モードで、点灯方法は常時点灯か間欠点灯の二通りになり、ストロボモードはありません。
スイッチを押し続けると押している間は点灯する間欠点灯となり、短く押して離すと連続点灯になります。連続点灯時は、再度スイッチを押すと消灯します。
前述の通り、左右どちら側のスイッチでも片側のスイッチだけで操作可能です。
バッテリー残量が充分な場合は、点灯開始時は400ルーメンで点灯し、約1分経過すると徐々に減光し、最終的に60ルーメンまで減光されます。
400から60に急激に減光しないのは、明順応・暗順応を考慮しての仕様かと思いますが、言うまでもなく長時間点灯する(させる)性格のライトではないですし、短くて数秒、長くとも数分で行動の成否が決するリアル用途での使用を想定しているが伝わって来ます。
照射
水平照射
白昼/光軸(中央立木まで約67m)
Max : 400 Lm
Min : 60 Lm
屋外照射画像を見ていただくと判りやすいのですが、配光や照射角度は強力な1AAAのEDCライトのようで、周辺光も豊富です。
タクティカル系のウェポンライトで搭載LEDが XP-L Hi なので、XP-Eのようなピンスポット配光を想像していましたが、全体の配光は PL-2とよく似ていて、やや広めの丸い中心光と周辺光の境界がハッキリとしています。
なので、中心光をレーザーポインタの代替として使うのは無理ですが、至近距離であれば中心光をエリア標的として捉える使い方が出来そうです。
OLIGHT PL-mini VALKYRIE / CREE XP-L Hi (CW) – YouTube
まとめ
最初にPL-miniを手にした時の印象は、とにかく小型でミニそのまま…というものでしたが、無駄に攻撃的でないデザインには従来のウェポンライトとは無縁と思われるインテリジェンスな雰囲気を PL-mini に感じました。
PL-2が『ドカンッ!』という感じの使用感なら、PL-miniは『ピシッ!』という感じのシャープな使用感でしょうか。。。
近年各メーカーから発売されているドミノ型のキーライトと同じく、リチウムポリマー充電池を採用したことで小型化を実現していますが、電池サイズの呪縛から解き放たれると、小型でありながら強光なウェポンライトも実現可能であることを示してくれました。
これまで実銃と組み合わせて使用するウェポンライトでは、耐衝撃や信頼性など運用面でリチウム充電池は不利であり、或る意味タブー視さえされていたかと思いますが、果敢に(?)リチウムポリマー充電池を採用した PL-mini は鶏口牛後的な製品であり、攻めてる製品は個人的に大好きです♪
しかし、果敢に挑戦しただけで内容が伴わなければ厳しい評価が下され、いずれは市場から消滅する運命にあるのですが、少なくともサバゲーや装飾的用途では何も問題は無いですし、現時点では唯一無二の貴重な存在かと思います。
組み合わせるウェポンのサイズや重量によって使用感は左右されると思いますが、PL-mini のコンパクトさ、機動性の高さは、サバゲー内で先手を取る際の大きなアドバンテージになるのではないでしょうか?
ボタン電池を使用するタイプの廉価なウェポンライトと比較するのもアレですが、性能・品質とも段違いなので間違い無く所有欲も満たしてくれます。
実用的なドレスアップパーツなので、20mmレールを備えたコンパクト系ハンドガンを所有している方すべてにお薦めしたいウェポンライトです。