1AAAのタスクライトといえば、TRUE UTILITY Angle Lite Mini(廃番)を思い浮かべる方も多いと思いますが、OLIGHT H1/H1R・H2R などに触れてみて、このスタイルのライトが持つ魅力や利便性がより具体的に見えて来たので、1AAA仕様の MANKER E02 の発売が楽しみでありました。
・TRUE UTILITY Angle Lite Mini
この MANKER E02 は、HKequipment さんから購入しました。(US $19.95 ≒ ¥2,300弱)
実際には6月下旬に手元に届いていたのですが、ナンだかんだで今頃記事を書いております。
同社のMK34と同じ超多モード仕様で、Moonlightの照度レベル設定機能やロックアウトまで備えている、或る意味1AAAらしからぬライトであります。(1AAAのクセに生意気だぞォ! by:ジャイアン)
・・・が、1AAAでココまで多機能になると、タスクライトとして、はたまたEDCライトとしての実際の使い勝手はどうなのか?・・・って事で、遅くなりましたがE02のレビューなどしたいと思います。
※こういうスタイルのライトはアングルライトとかベンディングライトとか色々な名前で呼ばれていますが、doorman的にはタスクライトという呼称で統一しています。
■製品HP
・Manker Flashlight Official HP
・Manker E02 Flashlight – mankerlight.com
・Manker E02 220lm LED Magnetic Tail Cap Flashlight – HKequipment.net
■関連記事
・MANKER MK34 / CREE XP-G3 x12 / IMR 2600mAh kit – roomX.jp
・MANKER LAD [Red] / Nichia 219C – roomX.jp
・MANKER E01 / Nichia 219C (NW) – roomX.jp
INDEX
パッケージ
紙箱の化粧箱にE02本体、クリップ、予備Oリング、ランヤード、中英マニュアルがパッキングされています。
サイズ
公称全長が72mmと1AAAらしいサイズです。
ボディ側面に照射口が配置されていながら TOOL AAA などのリアスイッチ式より短くなっています。
MANKER社に限らず、メーカー各社の小型化に対する努力は執念に近いモノを感じますが、それが仇となる事も起こり得るワケでして...。(※後述)
電池込みの装備重量が約48g。
1AAAとしては平均的な重量でEDCするにも負担にはならないでしょう。
ボディ
LADとお揃いの【RED】にしようか迷ったのですが、今回は【グレー】をオーダー。
個体差があるかもしれませんが、E01のグレーより少し濃くてMK34と同色の落ち着いた感じのグレーカラーです。
菱目ローレットは浅めでエッジも立っていないのでシルキーな感じです。
塗装ダマなどは見当たらず塗膜も均一で綺麗です。
ポケットクリップは嵌め込み式になっています。
結構がっちりと嵌るのでクリップだけを残して本体を落とした・・・と、いう悲劇も起きにくいかと思います。
クリップの保持力も強く、紙一枚でもしっかりと留まるので、よほど薄手の生地でなければポケットに挿しても大丈夫です。
各部の面取り処理は他のMANKER製品と同程度ですが、やはりストラップホール廻りはエッジが立ったままになっています。
ヘッド/LED
リフはOPリフで浅め、外観からは同社のE01と同じパーツのようにも見えます。
ステンレスと思われるベゼルの反射で、照射時の最外周にスピルが発生しますが、屋外で使用する時は気にならないハズです。
E02には XP-G3版と Nichia 219C版が存在しますが、今回は219C版を選択。
内部に埃の残留も無く、LEDのセンターもきっちり出ています。
ヘッド部分には浅いながらも放熱フィンが刻まれています。
スイッチ
スイッチは頭頂部に配置されていますが、スイッチ面積は小さめです。
スイッチトップがわずかに盛り上がっていて、感触からして内部のスイッチはロック無しのタクトスイッチだと思います。よって、電源のON/OFFからモード変更まで全てIC制御されているので間欠点灯は不可となっています。
スイッチの操作感は、スイッチストロークも一応存在し、クリック感もあるのでスイッチ面積は小さめでも操作はしやすいです。機械式スイッチのようなハッキリとしたクリック感ではありませんが、手袋をしたままでも充分操作可能です。
具体的には、同社のE14よりE11の操作感に近く、OLIGHT S1/S1R より少しだけストロークが長くクリック感が強いかな・・・という感じでしょうか。
ただ、個人的にはこの操作感が、後述するモード変更との相性がイマイチな感じで、ユーザーによってE02への評価が変わる分岐点になる気がします。
リア/テール
リアボトムの外部には強力マグネットを装備。
このマグネットは接着されているようです。
頑張れば取り外せそうな気もしますが基本的に脱着不可となっています。
リアキャップのネジは角ネジになっています。
テール内部には電池の【-】接点となるスプリング基盤のみになっています。
磁気カード情報はもちろんですが、最近はUSBメモリーをEDCする方も増えているので、データが飛ばないように携行時には留意する必要があります。多少売価がアップしても構わないので、マグネット無しのテールキャップを同梱して貰えると有難いです。
このE02だけでなく、全てのタスクライトに言える事ですが、テール部分の強力マグネットとEDCの関係は、実に悩ましいモノが有ります。。。
+++
個体差かもしれませんが、実はこのE02は問題を抱えていまして・・・
このE02は、電池の有無により明らかにリアキャップの締まり具合に差が生じるのですが、電池を装填して点灯中にリアキャップを締め込んでいくと不意に消灯したり、勝手にモードが変わったりして動作が不安定になります。
何が原因かは大体想像がつくと思いますが、電池室の長さに余裕が無く、リアを締めると電池でヘッド側の基盤が押される、もしくはリア部分の【-】接点が下がるなどして【GND】の通電がカットされてしまうようです。
MK34もそうですが、E02も小型化に拘るあまりに、全く余裕の無い設計になっているようです。
ヘッド側基盤がガッチリと固定されていればリアを締め込んでも問題無いのですが、いずれにしろ電池室に余裕がなければ上下両基盤にストレスが掛かるので故障率も上がりそうです。
個人的には 2~3mm の小型化に拘るよりも、販売店さんのクレーム処理の負担やユーザーからの信頼を得るには、安定した動作を最優先に製品開発を行って欲しいと思うのであります。(`・ω・´) キリッ
電池
単四形電池を1本使用。
1.5Vのアルカリ乾電池やリチウム電池、1.2VのNi-MH充電池に対応しています。
※3.7Vの10440は使用不可
電池はリアキャップを外し【+】方向から挿入します。
モード
常時点灯の基本モードは
・Moonlight : 0.6 lumens / 84hrs
・Low : 16 lumens / 10hrs
・High : 70 lumens / 2hrs
・Turbo : 220-70 lumens / 3min-1.8hrs
他に特殊モードとして
・Strobe / SOS / Beacon : 220 lumens
を備えています。
他にはユーザーによる【Moonlight】の照度レベル設定とスイッチ操作によるロックアウト操作が可能になっています。
常時点灯モードがMK34より少なくなっていますが1AAA仕様のライトとしては妥当なモード数かと思います。
各モード変更と【Turbo】や特殊モードへの変更、および照度レベル設定、ロックアウト操作のUIはMK34とほぼ同じです。
MANKER MK34 / CREE XP-G3 x12 / Operating Instructions – YouTube
MK34では【Moonlight】の照度レベル設定時に完全に消灯してしまうフェーズが存在しましたが、E02では完全消灯ではなく点灯するように変更されました。これは当然とも言える仕様変更で 『Moonlightで点灯できなくなった!』 というクレームが激減するでしょう…。
問題は、レベル設定やロックアウト設定に移行する為のスイッチ操作で、やはり連続4回クリックとか 1-2-3回クリックとかの操作は難しいです。馴れの問題なのかもしれませんが、少なくとも個人的に何度も行いたいとは思いません・・・(´Д` )
また、E02にはMK34のようなインジケーターの類が無いのでレベル設定への突入に成功したのか否かは、実際にレベル設定操作をしてみないと判断がつかず、ロックアウト操作でも 『スイッチを押しても反応しなければロックアウトに成功…』 という状態になります。(※ロックアウトはリアを緩めて行うのが現実的)
スイッチストロークが短いだけに連続4回クリックとか 1-2-3回クリックがMK34よりは操作がしやすくなった感はありますが、ON/OFF操作やモード変更、各種設定時など、独特なUIに馴染めるか否かが最近のMANKER製品全般に対する評価になるような気もします。
照射
Moonlight – 0.6 Lm
水平照射
演色比較
拡散配光でスポット広めの至近距離照射に適した配光で、光色はNW(Neutral White)と言って差し支えないかと思います。
219C同士は勿論ですが、219Bと比較しても演色性に大きな差は感じられません。
カメラのホワイトバランス設定を【太陽光】で撮影しているのでやや暖色寄りになっていますが、肉眼だともう少し色温度が高めです。
まとめ
うーん…微妙だなぁ…(ーー;)
・・・と、いうのが MANKER E02 に対する現時点での印象です。
通常モードを3モードに絞っているのは正解だと思います。
テールキャップを締め込むと動作が不安定になるのはEDCライトとして携行するには不安があり、アウトドア用途では尚のこと不安で使えない・・・って事も微妙の要因ではありますが、MK34では感じ無かった多モードであるが故の不便さをE02には感じました。
インジケーターの有無が不便さにも繋がっているのか…とも考えましたが、根本的に1AAAライトの用途と多彩なモード・機能がミスマッチなのかなと…。
モード変更などのUIについては、ユーザー各位による馴れで評価が変わると思いますし、搭載機能を使う使わないの選択はユーザーに委ねられているのでデメリットでは無いハズなのですが、E02のスイッチがMK34よりセンシティブで、意図せずに特殊モードに突入してしまうのがdoormanがE02を微妙と感じる理由なのかもしれません。
まぁ、これは使い込んでいくうちに指先が覚えて、違和感も自然に解消されるでしょう。。。多分
動作の不安定さの原因と思われる制御基盤の固定の甘さは個体差の可能性もあり、発売直後の初期ロット特有の不具合かもしれません。後者であればロットを重ねることで不安定性さは解消されるかと思いますが、品質の安定度がロットで異なるとすると、それはそれで手を出し辛い製品・・・とも言えます。
不具合が解消されれば豊富なモードを武器にして各フィールドで活用できる製品だと思うので、リアのマグネットが気にならず多モード式のライトが好きな方にはお薦めです。
タスクライト全般に言えることですが、ボディ側面にガラスフィルターが存在する関係でラフにポケット入れたりしてると、他のガジェットの金属部分とかでフィルターが傷つきやすいかも・・・?
《追記:2017/08/19》
電池室の長さに余裕が無いならリアスプリングをカットして調整するのが早道。
リア基盤を外して作業できれば簡単なのですが、ピンセットでもニードルプライヤーでもビクともしませんでした。
仕方がないので勘を頼りにカットしたのですが、景気よく4巻き近くカットしてしまいました・・・(´Д` )
電池をセットしてもリアが完全に締まるようになったのですが、今度は電池がしっかり固定されなくなり、ちょっとした衝撃で消灯するようになってしまうプレイに突入。。。
カットしたスプリングを中心方向に曲げ、さらに上に持ち上げて調整。
(カットするのは2巻き程度でよかったかも?)
動作の不安定さが解消されて普通にE02が使えるようになりました♪