前回の OLIGHT S10R BATON Ⅱ (以下S10RⅡ)のレビューに続いて、今回はS30R BATON のリビジョンアップ版となる OLIGHT S30R BATON Ⅱ (以下S30RⅡ)のレビューをお届けします。
S10RⅡと同じくS30RⅡも専用の充電ドックで充電を行うタイプの製品ですが、S10RⅡの16340充電池に対してS30RⅡは18650充電池仕様となり、18650電池の容量や放電性能を活かしたパワフルな製品となっています。
S10RⅡとS30RⅡの両機は S1 BATON と S2 BATON との関係によく似ていますが、同じフロントサイド・スイッチのEDCモデルでも30番のモデルNo.が付けられており、製品デザインがS20シリーズとは異なっています。
S30RⅡも Olight Direct さんからレビューの機会を頂いたので、S10RⅡとの互換製や相違点をチェックしたいと思います。
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■製品リンク
・OLIGHT Official WEB site – olightworld.com
・OLIGHT S30R BATON Ⅱ / CREE XM-L2 U3 3200mAh – amazon.co.jp
■関連記事
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・OLIGHT S10 Baton – roomx.jp
・Olight S30R Baton II (XM-L2 U3 1×18650, 2xCR123A) with Charging Dock Review – CPF
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INDEX
パッケージ
PET素材のパッケージで5年間保証や主要諸元などがプリントされていますが、パッケージサイズは意外と大きくて、本体を保護するための緩衝部がしっかりと確保されています。
付属品
パッケージング内容は、S30RⅡ本体、ストラップ、充電ドック、ドック固定用シール、USBケーブル、予備Oリング、取扱説明書(英文)となっています。
※18650 Li-ion充電池は予め本体にセットされています。
※製品マニュアルは製品ページからPDF形式でダウンロードできます
電池 & 充電機能
やはり今回もS30RⅡの肝となる充電機能からチェックしていくことにします。
使用可能な電池は3.7Vの18650 Li-ion充電池と3.0VのCR123Aで、18650はS30RⅡに付属するORB-186C32(3200mAh)か、プロテクト回路付きの18650となります。プロテクト回路無しのIMR系も使えなくはないのですが、過放電や過充電のリスクがプロテクト付き電池と比べて高くなるので使用を控えたほうが宜しいかと…。
一応、2×CR123A でも使用可能ですが、2×16340 は使用不可なので要注意です。
また、CR123A を挿入したままの充電は発火や破裂を引き起こすので厳禁です。事故を防ぐ上でも 2×CR123Aは緊急避難的な保険程度に考えて18650のみでの使用をオススメします。
付属する電池の品番は ORB-186C32 ですが、同じ3200mAhの ORB-186P32 と比較すると外装フィルムの色が薄いので容易に判別できます。具体的にどう違うのかは不明ですが、amazonレビューによれば【C】はcustomizeの頭文字で【P】は…ナンだっけ?(popularのPだったかな?)
※今回は、S30RⅡ-3200mAhモデルのレビューですが、電池容量の大きい3600mAhモデルもラインナップされています。
電池は【-】極から本体に挿入します。
S30RⅡ本体に電池方向のプリントが無いので、慣れるまでは挿入方向を間違えるかと思いますが、S30RⅡにも逆極性保護回路があるので逆挿ししても故障する事はありません。
充電ドックの外観・ポート類は、S10RⅡ付属の充電ドックとほぼ同じですが、出力電流値がS30RⅡのドックは最大で1,000mA(1A)となっています。(S10RⅡ付属のドックは750mA)
インジケーター、USB-A と USB-miocr のポートを備え、付属のUSBケーブルの端子も USB-A と USB-miocr のオス端子になっています。また、この充電ドックも【EXETENDED】表記のあるUSB-Aポートを使って、S30RⅡを充電中でも他の機器に給電が可能となっています。
S30RⅡとの接点になる部分の極性は、S10RⅡと同じで充電ドックの中央が【-】で銀色の外周部は【+】となります。
S30RⅡはセットする電池の極性に合わせて充電ドックの極性も反転するかと思ったのですが、テスターでチェックしたらS10RⅡのドックと同じ極性でした。
極性が同じなので双方のドックには一定の互換性があるとは思いますが、出力電流値が異なりますしメーカー保証外の使い方になるのでお勧めはできません。
S10RⅡと同様に充電ドック側、ライト側とも電極が露出しているので、ショートや電極の汚れについては注意する必要があります。(※特に充電ドックの接点)
外部電源(給電側)と充電ドックの【IN】の表記がある USB-microポートを付属のUSBケーブルで繋ぎます。
外部電源と充電ドックがオンライン状態になるとインジケーターが【緑】で常時点灯します。後はスイッチをOFFにした状態のS30RⅡを充電ドックにセットすれば充電が開始されます。
S30RⅡをセットし、インジケーターが【緑】から【赤】に変われば正常に充電が開始されていますが、ライトをセットした状態で何らかのエラーを検出するとインジケーターが【緑】のまま変化しません。その場合は電池の極性や外部電源との接続をチェックしリトライして下さい。
充電が完了するとインジケーターが【赤】から【緑】に変化します。
欲を言えば、充電中はインジケーターが点滅し充電完了後は常時点灯…とかにして貰えると、よりユーザーフレンドリーかなと…。
サイズ
同じSシリーズの中でも全長が一番長くなりますが、他の18650仕様の製品と比べてもかなり小型・軽量の製品です。
ボディ
ボディの基本形状、細部のデザインはS10シリーズやS20シリーズとは異なり全体的にストレートな形状になっています。
doorman的にはS30シリーズに共通するこのデザインも気に入っていて、アンチロール部分に他のSシリーズの面影(?)が見られますが、シンプルなだけに飽きが来ないですしOLIGHT製品に共通するスクエアグリッドのローレットもピッチが均一でHA3仕上げも美しく、どの角度から見ても美しい製品になっています。
ステンレス製のクリップは一般的な形で取り外しも可能ですがリバースさせることはできません。
ヘッド/LED
ARコートされたガラスフィルターとSMOリフ、S30シリーズにはヘッド先端のベゼルリングがありません。
先端の青いOリングは蓄光(GITD)となっていますが、やはり発光度合いは低めです。
薄緑の蓄光Oリングにすればもう少し強く発光するとは思いますが、青いほうが見た目に変化があるし、OLIGHT社のコーポレートカラーでもあるのでこのままで良いと思います。
S10・S20シリーズのヘッド径:23mmに対してS30RⅡのヘッド径は26mmと少し大きくなっています。
ヘッド長さの分だけリフレクターが深くなり、遠射系テイストがより強くなっていそうですが、実際には配光に大きな変化は無く、EDC用途に適した配光となっています。(最大輝度:9600 cd / 照射距離:196m)
ヘッド長の変化はMax:1020ルーメンの高出力に合わせた熱対策がメインと思われ、ヘッド部分には深めの放熱フィンが設けられています。
LEDは XM-L2 でランクは U3。
一般的な【U2】と【U3】の違いは、Cree社のデータシートを参照ってことで…(^^;
スイッチ
スイッチはシリコンゴム製で、電池電圧が低下した際にはスイッチが赤く点滅します。
(点滅撮影時の電池電圧は約3.4Vでした)
誤点灯防止のためスイッチトップが低く抑えられており、ストロークが浅くクリック感も控えめです。
レスポンスが良いので操作性は悪くないのですが、個人的にはもう少しクリック感がハッキリしているほうが好みです。
リア
ジョイントのネジ部も角ネジ加工されており、リアを緩めることでロックアウトが可能です。
※S10RⅡにあったスイッチの長押しによるロックアウト・モードはS30RⅡでは無くなっています。
充電ドックとの外部接点は中央が【-】で外周のリング部分が【+】となるのですが、電池の極性からもリアキャップの内部側は極性が逆転している事になります。(S30RⅡの萌えポイント♪)
テール部分には強力なマグネットを備えており、充電時にはドックにしっかりと固定され、使用時には鉄部などにライトが固定できます。
ちなみにS30RⅡにはストラップホールはありません。
ストラップやランヤードを取り付ける場合はクリップ部分に引っ掛けることになります。
モード
3200mAhモデルと3600mAhモデルの違いは、電池容量の違いによるランタイムのみとなります。
モードは【Moonlight】・【Low】・【Med】・【Hi】の4モードに加えて【Strobe】モードを備え、消灯時と点灯時で動作が異なります。
モードの変更・設定はマニュアルにも記載されているので、初めての人でもスグに使いこなせるハズです。
LEDの加熱防止として【Hi】の1020ルーメンは3分間の制限があり、3分経過すると600ルーメンに自動減光されます。
照射
Moonlight:1 Lm
水平照射比較
配光/光色比較
S10 BATON
S10R BATON-Ⅱ
OLIGHT S2 BATON
S30R BATON-Ⅱ
ヘッド径が26mmでもリフの深さに差が無いので、S10シリーズとよく似た配光になります。(ややS30RⅡのスポットが大きいかなぁ…)
光色は自然な白色で演色性も及第点を充分にクリアしていると思います。
※S10RⅡとS30RⅡの屋外照射(照タイム)は、別エントリーで後日アップしますしました。
まとめ
充電ドック方式を採っているのでS10RⅡと共通点も多く、メリットやデメリットも同じような感じです。
なのでS30RⅡについての所感については前回の【まとめ】を参照して頂ければと・・・(*´∇`*)(オイw)
S30シリーズには充電機能の無いチタンモデルのS30 Tiが存在しましたが、現行製品は充電機能を持つS30Rのみになっています。
S30Rは今回レビューをお届けしたS30RⅡ-3200mAhと3600mAhモデルの他に、LEDにXP-L Hiを搭載して配光を遠射系に振った S30R Javelot もラインナップされていますが、どのモデルもHiモードでの大出力や長時間のライタイムは18650仕様の製品ならではという感じのパワフルな製品です。
S10RⅡがEDC用途を主眼にデザインされたモデルだとすると、S30RⅡはEDCに留まらず本格的なアウトドアでの使用も想定してデザインされた製品かと思います。
より小型で軽量なモデルが良ければS2シリーズが選べますし、充電機能に拘らなければタクティカル感満載なM18やM1Xも選択できますが、OLIGHT S30R BATON II の洗練された都会的なデザインは他のモデルには無い萌えポイントです。
付属する充電池もクオリティの高いLi-ion充電池なので安心して長く使えますし、使う・使わないは別にして充電機能はイニシャルコストの抑制になるので、初めての18650仕様のライトとしてS30RⅡを選ぶのもアリかと思います。
ぶっちゃけ、どのOLIGHT製品を選んでも製品自体のクオリティが高いので後悔することはきっと無いと思いますョ♪(*´∇`*)
ヘッド径が26mmでもリフの深さに差が無いので、S10シリーズとよく似た配光になります。(ややS30RⅡのスポットが大きいかなぁ…)