前回の OLIGHT S1 BATON レビューに続いて、今回は S1 BATON の姉妹機となる18650仕様の OLIGHT S2 BATON と、同社の18650 3200mAh Li-ion充電池 ORB-186P32 のレビューをお届けします。
こちらの両製品もamazon OLIGHT Direct さんからレビューの機会を頂きました。
大事なことを書き忘れていましたが、現行のSシリーズ製品は、主にEDC用途を想定したモデル系列で、電池仕様によって S10(CR123A)、S15(AA)、S20(18650)みたくモデルNo.に規則性があり、S1/S2のように数字が一桁になってもこれは変わりません。
※一部 S30Ti や S30R のように18650仕様の製品でも30番台のナンバーを持つ製品が存在します
また、OLIGHT製品の中でも【BATON】の名称が付けられたモデルは、基本的にサイドスイッチ仕様の順手持ちライトとなります。
S2 BATON は S1 BATON の18650バージョンとなりますが、やはり従来の S20 Baton よりも小型・軽量化が図られ、最大で950ルーメンもの大出力が可能な製品となっています。
S1と同じ【TIRレンズ】で Max:950ルーメン・・・
S2 BATON は、一体どんな製品なのか・・・?
私自身も未体験ゾーンに踏み込む事になるので、ちょっとワクワクです♪
■製品リンク
・OLIGHT Official WEB site
・OLIGHT S2 BATON – Every Day Carry – Specialty
・OLIGHT 18650 Lithium Ion Battery 3200mAh 2 pack
・OLIGHT S2 BATON – amazon.co.jp
・18650 3.6V 3200mAh 2本 – amazon.co.jp
■関連記事
・OLIGHT S1 BATON / CREE XM-L2 (CW) – roomx.jp
・OLIGHT S10 Baton – roomx.jp
・Olight S2 Baton (1x 18650/2x CR123A, XM-L2 U3) Review – CPF.
※製品仕様は改良の為に予告なく変更されることが有り、製品ロットによっては本記事の内容と異なる場合があります。
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INDEX
パッケージ
S1や他のOLIGHT製品パッケージと同じくペット素材のパッケージです。
【5年間保証】や製品諸元がプリントされ本体と同じシリアルNo.のシールも貼られています。
S2にはCR123A電池が付属しないためか台紙部分にマグネットはありません。
S2本体と台紙はS1と同様にOリングでヘッド部分が固定されていますが、S2はS1のようにヘッドとクリップの間に隙間がないので、固定用のOリングを外すには一旦クリップを外す必要が有りました。
付属品
S1の付属品は、本体以外にCR123A用のスリーブ、ストラップ、取扱説明書が付属してきます。(スリーブは本体に内蔵されています)
取扱説明書は日本語を含む13ヶ国語で記述されています。
(多ヶ国語のマニュアルを見る度に思うのですが、世界展開するってのは大変ですよね…)
サイズ
S2 BATON の全長は103mm。(※カタログ値)
数値や画像からではS2のコンパクトさがイメージ出来ないかもしれませんが、1AA仕様(単三×1本)でも全長が100mm程度の製品は珍しくないので、18650電池が使えて全長が103mmってのは驚異的ともいえるサイズです。
S10・S15・S20はヘッドパーツが共通化がされていたので、どれも同じ23mmのヘッド径でしたが、S1/S2についてはヘッド径が異なり、それぞれが21mmと23mmになっています。
使用電池によって装備重量に差がでますが、ORB-186P32 を使用した場合の重量は約104gでした。
本体重量そのものが50.5g(※カタログ値)と軽量なので装備重量も軽くなっています。
ボディ
素材は6061-T6アルミでHA3塗装が施されています。
塗装のキメの細かさは相変わらずで、スクエア状のローレットもピッチが均一に刻まれ、どの角度から見ても均整のとれた非常に美しいライトです。
ボディのグリップ径は約21.5mm(※実測値)
18650仕様の製品としてはかなり細身のグリップになります。
ヘッド
S2 BATON は S1 BATON よりヘッド径が2mm大きく、S2のベゼルリングはインナータイプとなっています。
S1と同じアクリル素材の【TIRレンズ】ですが、透明度が高く気泡の混入も見当たりません。
ちなみにベゼルリングもスイッチリングもS1と同じカラーステンレス製です。
スイッチ
スイッチパーツおよびデザインは、S1/S2共通に見えます。
故に操作性・操作感も同じで、スイッチ面積や突出部が小さい割りに操作しやすく、相当ぶ厚い手袋でなければ嵌めたままでも操作可能です。
スイッチブーツがシリコン素材なので金属製のスイッチと比べると耐久性の面で不安を感じますが、簡単にブーツがダメになることもなさそうです。
低電圧警告のインジケーターは電池電圧が3.0~3.2v程度まで下がると点灯します。(使用電池によって多少の誤差があります)
リア/テール
フラットなテール形状、内部にマグネットが仕込まれているのもS1と共通の仕様です。
※マグネットの取り外し方法は、S1のレビューを参照して下さい。
強力なマグネットなので油断するとアチコチに 『バチ~ン!』 と、結構な勢いでくっつきます(笑)
ジョイント部の角ネジ、ストラップが取り付けやすく工夫されているのも共通仕様となっています。
電池
S1 BATON でLi-ion充電池を使用する際にはプロテクト回路付き充電池が必須条件でしたが、S2 BATON に関してはプロテクト回路付き18650Li-ion充電池でなくとも大丈夫なようです。
ただ、S2 BATON に限らずIMR系の充電池を使用する場合は早めに電池交換するように心懸けて過放電にならないように留意すべきだと思います。また、放電性能の低い18650はS2の性能を充分に引き出せない(特にTurboモード)可能性があります。
S2の動作電圧に関してのアナウンスはありませんが、使用可能な電池は18650×1、もしくはCR123A×2となっており、RCR123(16340)×2は使用不可となるので注意して下さい。
CR123A×2で使用する場合には付属のスリーブを使用します。
スリーブが無くても使えますが、内部で電池が【く】の字になり電池同士の接点が確保されず動作が不安定になることも充分起こり得ます。(ほとんどの方が18650×1で使うとは思いますが・・・)
電池の挿入方向もS1と同じく【-】から挿入します。
もし間違えて【+】からセットしても逆極性保護回路があるので安心です。
(※S1/S2はボディの型番プリントがテール側からスタートしてるのに気付きました?)
後述する ORB-186P32 は余裕で入りましたが、極端に太い18650だと入らないかもしれません。
待機電流についてはS1と同じ10μAを消費するようです。
OLIGHT ORB-186P32
・主要諸元
- Over discharge current protection
- Over discharge voltage protection
- Short circuit protection
- Overcharge protection
- Up to 500 charge and discharge cycles
- Maximum 4A constant discharging current
- Nominal Capacity: 3180mAh
- Maximum Capacity: 3200mAh
- Nominal Voltage: 3.6V
- Maximum Discharge Current: 3200mA
- Charging Current: 1600mA (0.5C)
- Charging Cycle: 500 Times
- Weight: 50g
- Dimensions: Dial 18.5mm ±0.1mm
- Length: 68.7mm ±0.5mm
※OLIGHT社HPより転載
採用セルについては公開されていませんが、製品仕様から推測すると Panasonic 18650BE なんじゃないかなと・・・
最大:4Aの放電性能となっているので、10W級LEDをフル駆動させるには充分です。(18650BEのデータシートでは3.63A)
一般的なボタントップ形状の18650ですが、実測によるサイズは全長が約69mm、直径が約18.5mm となっており、公称値とほぼ一致していました。
英文&中文による注意書きは、高温や湿気に注意してお子様の手の届かない場所に保管して下さい…などといった、リチウムイオン充電池を安全に使用するための重要事項が記載されているので必ず目を通して下さい。
モード
S2のモード数は通常の5モード(実際はTurbo-Hi・Turbo-Low・Hi・Med・Low・Moonlightの6モード)に加えてストロボモードを搭載しています。
Turboモードの950ルーメンはLEDの加熱防止のため点灯開始から2分経過すると自動で500ルーメンに減光されます。
S1 BATON も S2 BATON も基本的なON/OFF操作やモード変更手順は同じで、やはり【消灯時】と【点灯時】で動作が異なります。
【消灯時】
・スイッチのワンクリックで、消灯時に記憶されたモードで通常点灯
・スイッチのダブルクリックでHi(Turbo)モードで点灯
・スイッチの長押しでMoonlightモードで点灯
【点灯時】
・スイッチの長押しでモード変更
・スイッチをダブルクリックするとタイマー設定(3分/9分で自動消灯設定)
・スイッチを素早く3回クリックするとストロボモード
・どのモードで点灯していてもワンクリックで消灯
モードの変更サイクルは《Low》→《Med》→《Hi》→《Turbo》→《Low》…のサイクルを繰り返し、S2もS10のようなモードの上り/下りの区別はありません。
Moonlightでスタートした場合は一旦スイッチから指を離し、再度スイッチを長押しすることで上記のモード移行が開始されます。
※モードループにはMoonlightモードは含まれず、Moonlightとストロボはメモリーされません。
S1 BATON に搭載された3分/9分で自動消灯可能なタイマー機能もS2に装備されています。
・点灯中にスイッチをダブルクリックすると1回点滅して3分のタイマーがセットされた状態になります。
・3分タイマーがセットされた状態で更にダブルクリックすると、今度は2回点滅して9分のタイマーがセットされます。
・点灯中にダブルクリックする度に3分/9分の設定が切り替えられ、消灯時にタイマー設定はリセットされ無効になります。
照射
Moonlight:0.5 Lumen
水平照射
配光/光色比較
S1 BATON と同じTIRレンズなので配光パターンもほぼ同じとなります。
光色については、S2 BATON の搭載LEDが XM-L2 U3 だからなのか、S1よりやや色温度が低い感じです。
Turboモードの950ルーメンも含めて、屋外照射でどんな感じになるのか・・・?
実際に試してみる必要がありそうです。
※屋外照射画像は後日アップします
《2016/04/27:追加》
屋外照射
白昼/軸線(立木まで67m)
OLIGHT S2 BATON
OLIGHT S1 BATON
OLIGHT S10 BATON
OLIGHT S10 / S1 / S2 BATON – All mode
※WB:太陽光
近距離ではスポットのみのような配光に見えますが、実際の使用時には拡散系の配光で足元から少し先までを照らすような実用的な配光です。中心部分の光量が多いためTurboモードでは20m~30m先でもかなりの明るさで照らせます。
まとめ
S1 BATON と S2 BATON ・・・
実際に両機を使ってみて、両製品を兄弟姉妹に例えるなら S1 BATON がアルテイシアだとすると S2 BATON はキャスバル兄さん的存在になるのかなと・・・。
いや、実際にS1からS2を見ると 『兄さん…!?』 って事になるだろうし、S2がS1の性能を知ったら 『アルテイシアにしては強すぎる…』 と、絶対に言うハズです。←※絶対に言いません
そんな関係の両機ですが、S2 BATON は、大いなる野望(性能)を秘めつつ従順なEDCライトのフリをして毎日疑うことなく使い続けてるウチに、気が付いたらより大出力製品への興味・欲求が高まっていた・・・そんな某大佐のような仮面を被った製品だと思います。
まぁ、例えが適切か否かは置いといて・・・(オイw)
S2 BATON が S1 BATON より更にパワフルなEDCライトなのは間違いないですし18650の大容量と放電性能を活かして、EDCとしてだけでなくアウトドア一般での長時間使用にも充分耐えうる製品だと言えます。
電池仕様の関係で S1 BATON よりサイズ的には大きくなりますが、限界近くまで小型・軽量化されているのでEDCとして携帯するのにも負担が少なくて済みます。
とにかくコンパクトな製品となると S1 BATON ですが、マルチユースでも・・・となると S2 BATON が有力候補になるかと思います。
どちらの機種もランニングコストを考えるとLi-ion充電池での運用がメインになると思いますが、最初の大光量製品として S1 or S2 を選ぶとなると、本体の他に充電池と充電器が必要となり、ある程度のイニシャルコストも必要となります。
S1/S2にもうチョイ予算を足すと、本体充電機能を持つ S10R BATON や S30R BATON も選択肢に含まれて、充電池と充電器のイニシャルコスト分を考えると総予算的に変わらないので非常に悩むトコロであります。
それだけ【悩む幸せ featuring 選ぶ楽しみ】が存分に味わえる(?)のですが、ご自身にとってのベストモデルが見つかることを願っております。