書籍《LED電子工作の素》のサンプルプログラムを PICkit3 + 自作ROMライタにて、8ピンのPIC12F683に書き込み、実際に回路を組んで動かしてみました。
※書籍に掲載されている回路図をそのまま載せるワケには行かないので、PIC廻りのコンデンサや抵抗は省略しています。また書籍では8個の砲弾型5mmLEDを並列に繋いでいます。
PICのプログラムは後でゆっくりイジるとして、この回路でもう一つの肝になる部品がMOSFET。
電界効果トランジスタ(Field-Effect Transistor)の略でFET。それのMOS型だからMOSFET。
(モスバーガーは関係無い)
で、どんな働きをする部品かと言えば電圧で電流を制御する部品なのですが、検索すると【電流を制御】ではなく【電流を増幅】という風に解説されています。
自分はこの【増幅】の2文字に惑わされてFETの働きがイマイチ理解出来ませんでした・・・(´・ω・`)
でも、自分なりにいろいろ調べ、実際に回路を組んでみたら、なんとなくMOSFET君が解って来たので忘れないうちにメモ。
【増幅】と聞くと
『10万円振り込むと20万円の還付が受けられます!(゚∀゚)』
『一口100万円で年20%の高配当を保証!(゚∀゚)』
的な、夢のような美味しい話を想像するのですが、魔法でも使わない限りこの世の中にそんなウマイ話があるハズも無く・・・
誰が【増幅】なんて言い出したかは知りませんが、《ゲート(G): ソース(S)》間の電圧に応じて、別経路《ソース(S): ドレイン(D)》間の電流量を増減するなら【増幅】より【制御】の方がしっくり来ると思うのですが・・・
なのでココでは【増幅】という言葉は使わず【制御】で通します。(`・ω・´) キリッ
電子の通り道が拡がるから【増幅】って事なんですかね?
でも主語が【電流】だから日本語的にゴニョゴニョ・・・
ゲート電流を基準に考え、ソレが最終的にドレインで増えるから【増幅】なんですかね?
それだとソースの立つ瀬が無いし、実際は他から引っ張ってくるのに、魔法でも使ったかの様に『増えるw』ってのは『10万円云々・・・』と同じニオイがしませんか?(私だけ?)
Intel : トランジスターの仕組み – MOSFET がスイッチとして動作する仕組み
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実際に組んだ回路は↓コレ
そのままLEDフラッシュライトに応用出来る様、電源に3.7Vの18650Li-ion充電池を1本使い、LEDをCREE XP-G R5 (CW)に変更しています。
※クドい様ですが回路図ではPIC廻りの一部の部品を省略しています。
試したMOSFETは
- SSM6J214FE
- DMG3415U
- FDS4935A
- IRFU9024NPBF
の4種類で、すべてP-chのMOSFETです。
SSM6J214FE
DMG3415U
FDS4935A
IRFU9024NPBF
サイズ比較
※実はSSM6J214FEが小さすぎて実装出来ず、まだ試せていません…(^^;
主要諸元比較
SSM6J214FE | DMG3415U | FDS4935A | IRFU9024NPBF | |||||||||
VDSS (V) | -30 | -20 | -30 | -55 | ||||||||
VGSS (V) | ±12 | ±8 | ±20 | ±20 | ||||||||
ID (A) *DC | -3.6 | -3.5 | -7 | -11 | ||||||||
PD (W) | 0.5 | 0.9 | 0.9 | 38 | ||||||||
VGS(th) (V) *Min/Typ/Max |
-0.5 | – | -1.2 | -0.3 | -0.55 | -1.0 | -1.0 | -1.6 | -3.0 | -2.0 | – | -4.0 |
RDS (mΩ) *Min/Typ/Max |
– | 82.1 | 149.6 | – | 51 | 71 | – | 26 | 34 | – | – | 175 |
駆動電圧 (V) | 1.8 | 1.8? | 4.5? | ? |
※各数値の測定条件はデータシートで確認の事
達人からすると『はぁ?』っていう部品選定かも?ですが、自分で試して納得しないと次に進めない、メンドクサイ部類のヒトなので、そこは一つ生暖かい目で見てやって下さい・・・。
それと、MOSFETを使った回路図では
や
みたいに赤色部分の抵抗(Rx)が組み込まれている場合が有るのですが、今回は元ネタの回路図に従って両方無しとしました。
理論的にも接地抵抗を組み込んだ方が安定動作すると解っていますが、先ずはPICとMOSFETの関係を頭に叩き込もうかと・・・(´・ω・`)
続く・・・