電子回路 Vol.15 【試験編:PIC + MOSFET + LED :其の弐】

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前回の続き・・・
 
 
実際に回路を組んで各部の電圧を計測。

PIC+MOSFET+LED

・18650の電圧:3.8V
・1N4007の電圧降下:0.5V
・VDDの電圧:3.3V(3.8-0.5=3.3V)

・PIC【Hi】の電圧降下:0.5V → MOSFETのゲート電圧:2.8V(3.3-0.5=2.8V)
・PIC【Low】の電圧:0.6V → MOSFETのゲート電圧:0.6V

 
◆PIC12F683 電気特性(※データシートより抜粋)

PIC12F683 電気特性

※PICは【Low】でも 0V ではなく、最低0.6Vを出力する(但しVDD=4.5V)
 
MOSFETはゲート(G)の電圧変化に応じて、ソース(S)~ドレイン(D)間の電流が変化(増減)する。
その変化(通常は遮断)が起こる電圧を【ゲートしきい値電圧】(Gate threshold voltage)と呼び、ゲートしきい値電圧をコントロールする事で負荷(今回はLED)に流れる電流の制御が可能となる。

 
◆各MOSFETのVGS(th)/ゲートしきい値電圧(※各データシートより抜粋)

MOSFETのVGS

※VGS(th)、Vthなどメーカーによって表記が異なる
※100%完全に電流が遮断されるワケでは無い

・P型(P-ch)MOSFETの場合
ゲートに加える電圧は負電圧
【ゲートしきい値電圧】より【G~S間電圧】が高い=スイッチ的に【ON】→【S~D間】に電流が流れる。
【ゲートしきい値電圧】より【G~S間電圧】が低い=スイッチ的に【OFF】→【S~D間】間の電流を遮断。
 
・N型(N-ch)MOSFETの場合
ゲートに加える電圧は正電圧
【ゲートしきい値電圧】より【G~S間電圧】が高い=スイッチ的に【OFF】→【S~D間】の電流を遮断。
【ゲートしきい値電圧】より【G~S間電圧】が低い=スイッチ的に【ON】→【S~D間】に電流が流れる。 
 
ココで一つ疑問が沸きました・・・

PICから出力される電圧は常にプラスの電圧(正電圧)なのに、なぜPチャネルのMOSFETがコントロールできるのか?
正電圧と負電圧がどういうモノか判っていれば悩む事は無いのでしょうが、初心者故の悲しさというか・・・

で、ゲートを水門に例え、ゲートを操作するチカラを電圧に置き換えてイメージしてみました。

PIC+MOSFET+LED
PIC+MOSFET+LED

※あくまでもイメージです。
 
 
色々調べると正電圧と負電圧というのは概念的、相対的なモノで電位(上の図で云うなら水位)が高いか低いかを表すだけだと…

ではゲートに加える負電圧とは?

これも上の図で、例えばゲートを上げ下げするのに5kgのチカラ(5Vの電圧)が必要だとして、ゲートを上げる場合は【+】、下げる場合は【-】として、水位(電位)に対してその方向を表しているだけなんじゃないかと・・・

ゲートを上げる場合でも下げる場合でも5kgのチカラ(5Vの電圧)は絶対必要(すなわち絶対値)なので、正負についてはそれほど深く考えなくても良いのかなと・・・(ホントか?)

※上の図はツッコミ処満載だと思いますが、あくまでもイメージです。
 
 
しかぁし!
ココでまた一つ疑問が沸きました・・・

DMG3415U は【ゲートしきい値電圧】が…

【最小値:-0.3V】
【標準値:-0.55V】
【最大値:-1.0V】

…なので、『PICが【Hi:2.8V 】だとVGS=1.0VでVGS(th)の最大値ギリだから消えないだろ?』と・・・しかし、実際にはPICが【Hi】ならLEDは消灯(遮断)します。

更にIRFU9024NPBF は【ゲートしきい値電圧】が…

【最小値:-2.0V】
【最大値:-4.0V】

…なので、『PICが【Low:0.6V】ではVGS=3.2VでVGS(th)を十分超えていないから点灯しないだろ?』と・・・しかし、これもちゃんとPICが【Low】ならLEDが点灯します。

 
 
なんで?( ̄▽ ̄;)
 
 
まぁ、答えはデータシートの中に有ったんですがネ・・・(ヒント:電圧)

当たり前ですがVGS(th)だけで無く、他のパラメータも含めてMOSFETの動作が決まり、更にPICや負荷(今回はLED)の電気的特性も絡んで来るからゴニョゴニョ・・・。

なので DMG3415U や FDS4935A はまだしも、IRFU9024NPBF は今回の様な低電圧で駆動させる場合に於いて、完全なミスチョイスであると・・・(実際、IRFU9024NPBFだと100%出力時でも暗い)

SSM6J214FEに関しても低電圧動作や小型な点以外は、ON抵抗も大きめなので微妙かもしれません。(その前にどうやって実装するつもりだ?w)
 
 
+++
 
 
ちなみにPIC12F683に書き込んだサンプルプログラムは、多モード式LEDフラッシュライトのプログラムと同様に【30%・50%・100%・点滅(Blink)】の4つのモードから任意のモードを選択して点灯する仕様になっています。

モードの選択は、最初に半押し状態で点灯し【2秒以内】に瞬断・再点灯して切替、任意のモードで2秒以上点灯させるとそのモードで固定され、メモリー機能も備わっているので消灯時のモードで再点灯します。

手持ちのフラッシュライトでは、パトリオ8やSOLARFORCEのP60互換ドロップ・インと同じ操作です。
なのでリバース式のように点灯中にスイッチ半押しでモードを切り替える事が出来ない為、実質フォワード式スイッチでの使用が前提となります。

個人的に気に入ったのが【点滅(Blink)】でして、ストロボの様に『ビカビカビカ・・・』と発光するのでは無く、0.5秒間隔でゆっくりと点滅を繰り返すので、ストロボより遥かに実用的です。(赤色LEDを使えば自転車のバックマーカーにも使えそうです)

ライトの調光はパルス制御による調光(PWM)が一般的ですが、このプログラムも30%・50%出力はPWMで制御しています。

・PWMの概念

PIC+MOSFET+LED PWMの概念

当たり前ですが、ココでもNチャネルとPチャネルの動作が逆になりますな・・・

後はフォワード式では無くリバース式スイッチを使って調光できる様にコードをイジれば・・・(*´▽`*)

 
あ、そうそう・・・内容についてはいつも通り無責任モードです!(`・ω・´) キリッ
 

カテゴリー: DIY, LED, 電子回路 タグ: , , , , , , , , , パーマリンク

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