Sunny-side up ・・・日本語にすると『片面だけ焼いた目玉焼き』の事らしいのですが、自分はこの手のLEDを勝手に《目玉焼きLED》と呼んでいます。
特に目玉焼きに見えるのは中の蛍光体が黄色い白色LEDだけですが、白色以外のタイプも表面に薄皮の付いた目玉焼きに見えなくも無いかなと・・・
5Wの赤外線(IR:850nm)と3Wの紫外線(UV:400~410nm)LED
ちなみに薄皮の付いた目玉焼きを作るには、焼いてる途中でフライパンに水を注してフタを…(ry
OptoSupply、Epistar、Bridgelux 等、外観は同じなのにメーカー名が異なるのはナゼでしょう?
その辺りの事情は全く判りませんがCREE社のLEDに比べると単価が安いので、安価な中華ライトの光源に使われる事も多い様です。
短所としてはLEDパッケージのサイズが大きいので小型のフラッシュライトには使用できない点と、データシート上では効率と最大定格電流でCREE社のLEDに劣る点でしょうか…
しかし《目玉焼きLED》でも3Wクラスの白色LEDは If=700~800mA で 180~200ルーメンと、CREE社のXP-E等の3Wクラスで同じ700mA辺りで比較するとメチャクチャ効率が悪い訳でもなく、白色LEDにはCW、NW、WWのバリエーションが有り、赤・青・黄・緑などの光色や、赤外線(IR)・紫外線(UV)LEDも揃っているし、何よりLED自体の単価が安いので砲弾型LEDの光量では物足りない場合などの代替品として使えると思います。(5WクラスはVfが5~6Vと大きいのが残念)
LED単体売り以外では、20mmのスター基板に実装されて販売されている事が多いのですが、例のNB10の1W-LEDは16mm基板に載っているので(ライトの形態は限られるでしょうが)フラッシュライトのLEDとしても充分使えると思います。
手持ちのパーツの有効利用も兼ねて《目玉焼きLED》を使い、安価で手軽に使えるドロップインの製作にトライしてみました。
φ16mm放熱基板
16mmの放熱基板さえ入手出来たら《目玉焼きLED》でも利用範囲が拡がり、P60互換ドロップインなら問題無く自作出来るだろうとフラッシュライトのパーツで捜したのですが、20mmのスター基板は有るのに16mmが見つからない・・・(AliExpressに有ったのですが決済がクレカというが…)
《目玉焼きLED》がLighting(照明)のカテゴリーに分類されている事が多いので捜索範囲(?)を拡げたら…ビンゴ!
DXでも$5.8で販売されていましたが・・・【65pcs】って・・・( ̄▽ ̄;)
流石に65個も必要無く『20mmのスター基板ならバラ売りしてるのになあ…』と思いつつも、1個当たり10円以下だし、他に選択肢が無いのでポチ…
余ったら(間違い無く余る)更に安い0.5Wや1Wクラスの《目玉焼きLED》を大量に仕入れて自作のLED照明でも造る時に使う事にします。(基板に載っければLED配置の自由度も上がりますし…)
放熱基板をゲートから切り離すと、基板のエッジと基板のランドが短絡しそうですが、基板にLEDを実装する前にテスターでチェックした所、ぎりぎりショートはしていないみたいです。
それでもLED実装時にハンダが多すぎるとショートする危険は高そうです。
LED
肝心の《目玉焼きLED》は5個で$4.49の Epistar 3W 4200-4500K をオーダーしました。
CREE XP-G R5 16mmとの比較。
ドロップイン
『今回はいかに安価にP60互換ドロップイン・モジュールを造るか?』をテーマ(?)にしているので生ドロップ・イン自体も安価なモノを捜しますが…大体$2.5~$3.0
『うーん、コレはどれも同じかなぁ…』と諦めてましたが、MiniInTheBox で $1.99 で販売されている生ドロップ・インを発見!
が…、初めて利用する中華通販だしクオリティが低すぎるとアレなので、取り敢えず1個だけポチ…
2週間ほどで手元に届き現物をチェック・・・
コレが大正解で、どうやら《目玉焼きLED》向けに製造されているようなドロップインみたいでして、リフのホールが《目玉焼きLED》に合わせて穴が大きく、キャニスターのボトムからリフ底までの空間(高さ)も《目玉焼きLED》の高さに合わせて確保されてました。
CREE社LED(中央はXM-L用と謳っているが多分XR-E用)仕様とのリフ底の比較
※XM-L用は UltraFire XM-L T6 WW ドロップインのリフ
リフのボトムホール廻りのエッジが無いので《目玉焼きLED》のドームがリフレクター内に全て露出し、無駄なく綺麗に光が拡散します。
残念ながらCREEのLED(XR-EやXM-L)とは相性が悪い様で、周辺光が激しくムラになります…(´・ω・`)
サーキットボード
《目玉焼きLED》も白色LEDならば Vf=3.2~3.8V なので、16340や18650などのLi-ion充電池ならばダイレクト・ドライブが可能ですが、ダイレクト・ドライブはリスクも大きいので、せめて抵抗ぐらいは噛ませたい・・・
が・・・、1/4W抵抗ならパラレル(並列)接続で最低12個必要・・・(´Д` )
3Wや5Wの抵抗は大きすぎて物理的にキャニスターに納まらない…
考え中…
調査中…
『 抵抗が無くても常時700mAを安定供給出来ればイイんじゃね? 』
って事で、AMC7135チップ(互換品含む)を2個使って700mAを造り出す事にしました。
しかし、既製品はCREE向けLEDに7135チップが3個、または4個載ったモノばかりで700mA出力仕様の製品が無い・・・。
調べてみると既製品を買って700mA出力になるように余分なチップを剥がせば良さそうでしたが新品をバラすのは少々勿体無い。
EDI-T T6 を改造する時にダメにしたKDのサーキットボードが手元に有り、これには7135チップが8個も載っていますし、更に別のジャンクと化したボードには7135が3個有り、計11個の7135チップが既に手元に有るのでこれらを再利用する事にしました。
1050mA仕様のボードから7135チップを剥がして…
基本回路図を参考にリード線を付け、事前にブレッドボードでテスト(画像では点灯していませんが、ちゃんと点灯しましたw)
余りにもアッサリと点灯したので少々拍子抜けでしたが、問題は7135チップの実装。
NB10から持って来たプレーン(?)なPCBに空中配線して接着剤で固める…って事も考えましたが、チップの熱やら衝撃やら、色々考えるとやはり危険だろうなと・・・
で、考えた末に秋月通商で表面実装部品用のユニバーサル基板(0.3mm厚)を購入。
オーダーする前に寸法の確認はしていましたが、届いた現物を見て目眩が・・・
試しに7135をユニバーサル基板に並べてみる・・・(あまりの小ささに、ちょっと涙目w)
SOT-89パッケージの7135をココに2個並列でハンダ付け・・・
またしても老眼キラーなイベントが発生の悪寒・・・(´Д` )
既製品の7135使用のPCBにはコンデンサ(ショットキー・バリア・ダイオードなら判るが…?)らしき部品が実装されていて、本来は安定動作の為にも実装すべきなのでしょうが、回路図にもそれらしき部品の記述が無いし、素人が思い付きで造る即席基板上にスペースの確保は無理。
LEDの逆耐圧は5Vだと思うのでLi-ion充電池1本で使う分には省略しても大丈夫でしょう・・・
この7135互換品は、また少し違うのですね…(゚ー゚*)。oO
パーツ代(1個当たり)
・3W目玉焼きLED(NW)…約$0.9
・LED16mm基板…約$0.1
・ドロップイン…$1.99
・ユニバーサル基板…¥100(送料¥500は除く)
合計:約$4.0(¥400)
※最初から1モードの7135×3個仕様のPCB(約$2.2)を買ってチップを1個剥がして使えばユニバーサル基板は必要無いのですが1個当たり¥100円ほどコストがUP
これがCREEのLEDだと
・3W 基板付き XP-E (NW)…$4.0
・XP-E用ドロップイン…$2.8
・7135*3(1050mA) PCB…$2.2
合計:約$9.0(¥900)
P60互換ドロップインを1個だけ作るならCREE社のLEDを使う方が安いかな?
でも、既に赤外線とか紫外線LEDがスタンバイしてるしw
ちなみに私は《目玉焼き》には醤油派です!(`・ω・´) キリッ
続く…