ちっこいキーライトの新顔となる ACEBEAM M50 OSRAM版のレビューです。
光学周りの仕様が先のTK16-ALと良く似ていますが、単眼+TIRの仕様により TK16-AL よりも配光特性がより判りやすくなっています。
また、拡散配光の製品が圧倒的に多かったこのカテゴリーに於いて、TrustFire Mini2 も、この ACEBEAM M50 OSRAM も『EDCライト=拡散配光』というセオリーや既成概念を打破してくれる(くれた)製品になっています。(…って、自分も固定概念に縛られてたクチですが…)
のっけから【まとめ】みたいになってしまいましたが、M50の実際の使用感などを交えてご紹介したいと思います。
製品HP
- AceBeam®-Official Site – acebeam.com
- ACEBEAM M50 – acebeam.com
- ACEBEAM M50 / OSRAM KW (Jiayan E-commerce) – amazon.co.jp
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パッケージ
オール紙製のパッケージで引き出し式の中箱も紙製です。
製品内容はM50本体、充電用ケーブル、予備Oリング*2、英中文マニュアル、保証カード、乾燥剤。
ヘッド側に絶縁材がセットされた状態で出荷されるので使用前に絶縁材を除去してください。
※10150 Li-ion電池は内蔵式でユーザー自身の手で脱着するのは難しいです。
仕様/サイズ
サイズ的には同カテゴリーの製品と比較してもほぼ同じであり小型・軽量の製品です。
鍵束に着けてキーライトとして使うのが一般的な仕様形態かと思いますが、ネックレスとして身に着けたり、ジッパープルとして使うのも有りだと思います。
ボディ
HA-Ⅲ仕上げのブラックボディに赤いOリングが印象的な外観です。
ヘッドを緩めた状態で消灯(OFF)となるライトでは、構造的にヘッドとボディの継ぎ目に僅かなスキ間が出来ますが、M50の赤いOリングはスキ間隠しとアクセントを兼ねているかと思います。
赤いOリングは常に剥き出し状態なので耐久性に一抹の不安がありますが、アイデアとしては面白いと思います。
このOリングはヘッドを緩めた状態(OFFの状態)ではフリーとなりますが、ズルズルと動いたりはしません。ヘッドを締めて点灯させる時にはパッキンとして機能します。
ボディ側のローレット加工は同心円ではなくスパイラル(螺旋)状に加工されています。
テール部分はキーリングが取付られるようになっていますが、同類の中では最も凝った形状で芸の細かい加工がなされています。
ヘッド
TIR表面は凹凸がなくフラットになっています。
M50の光学はTIRですが、LEDが異なっていてもTIRなのは共通仕様です。
他の2種類の現物が無いので比較はできませんが、LEDの光学特性に合わせて異なるTIRが使われているかもしれません。
OSRAM版のLEDは OSRAM KW CSLNM1.TG で、正面から覗くとLEDダイが確認できます。
OSRAM KW の他に、NICHIA 219C、SAMSUNG LH351D 搭載の3種類があり、好みや用途に合わせてセレクトできます。
LED別についてザックリと解説すると、スポット光重視ならOSRAM、演色性重視なら219C、光量優先ならLH351D という具合で、海外のレビューを見る限りではOSRAM版以外の2機種はOSRAMよりもやや拡散寄りの配光になっているようです。
ヘッドツイスト時もゴリゴリ感は一切なくスムーズに操作できます。
ボディ側のネジ長さはそれほど長くはありませんが、ヘッド側の雌ネジ長さは雄ネジの長さの倍近くあります。よって、ヘッドを緩め過ぎない限り簡単にヘッドが脱落することはありません。
スイッチ
ヘッドツイスト式なのでスイッチは外部に露出していませんが、ボディ側の中央突起部分が接点となり、ヘッドを締めていくとココが押されて圧が変化、Low/Hiが切り替わる仕組みです。よって、この突起部がスイッチと呼べるかもしれません。
充電
充電ポートは micro-USB で付属のケーブルで充電します。
PCやモバイルバッテリーなど、DC・5V出力の電源と接続すると直ちに充電が開始されます。
充電中は【赤】、充電完了時には【緑】でインジケーターが点灯します。
内蔵Li-ion充電池は 10150規格ですが容量については不明です。
空の状態から再充電を行ってはいませんが、大容量の充電池ではないので再充電は1時間程度で完了するはずです。
モード
M50は【Low】と【Hi】の2モード。
点灯開始時は常に【Low】でスタートし、そのままヘッドを半回転ほど締めると【Hi】に切り替わります。
点灯開始後、ゆっくりと締めていくと途中で一瞬暗くなりますが、スイッチ、もしくは回路的な仕様によるものなので故障ではありませんし、使用上の不都合もありません。
ちなみに搭載LEDによりランタイムに差が有り、一番明るいLH351Dのランタイムが最も短くなっています。
照射
水平照射
配光/光色
LED電球
ACEBEAM M50
TrustFire Mini2
OLIGHT i1R EOS
WUBEN G342
屋外照射
白昼/軸線(立木まで67m)
ACEBEAM M50
TrustFire Mini2
OLIGHT i1R EOS
WUBEN G342
屋外で照射してみるとスポット重視の配光な為か【Hi】の120ルーメンが数値以上に明るく感じられ【Low】の5ルーメンでも足元を照らすには充分な光量です。逆に【Low】であっても鍵穴を照らすと反射光が少し眩しく感じるかもしれません。
光色は自然な白色光で色の識別にも問題はありません。さらにシビアな演色性を求めるならば 日亜 219C を選択するのが良いと思います。
OSRAM版はスポット重視の配光ですが、TrustFire Mini2 ほど極端なスポットではなく、レンズによる色収差もほとんど感じられませんでした。
蛇足ですが【Low】点灯時でもフリッカーは発生しません。
まとめ
ACEBEAM M50 OSRAM版についての感想は、近距離からもそこそこ離れているポイントまで照射できる守備範囲の広いミニライトで、先行製品をよく研究している印象を受けました。
特に配光パターンについては、3種のバリエーションを用意してるだけあってメーカーの拘りが感じられました。色収差も無く周辺光も均一で非常に綺麗なので使っていて気持ちが良いです。
気になった点…という程ではないですが、デザイン上のアクセントにもなっている赤いOリングの耐久性が未知数であり、OFF状態でもジョイント部分のスキ間を完全に塞ぐには至っていないので、もう少し幅広のリングにするなどの工夫が欲しかったところです。
それでもトータルで観ると、塗装、加工ともクオリティが高く、防水性能もIPX8レベル、ライトとしての性能も申し分ありません。
価格的にも他製品との価格差は数百円程度で、価格差は自分の好み(用途)に合ったLEDがセレクトできる代価…と考えれば納得出来る価格であり、このカテゴリーの製品を検討されているならば有力候補の一本と言えるでしょう。