
各社から充電式10180仕様の超小型ライトがリリースされていますが、今回レビューをお届けする TrustFire Mini2 (以下、Mini2)もそのカテゴリーに属する製品です。
詳細については追々ご紹介しますが、Mini2が従来の『キーライト』と大きく異なる点は配光であり、この形態のライトとしては珍しくMini2はスポット重視の飛び系配光になっていて他社製品とは一味違うユニークな製品に仕上がっています。
「キーライトで飛び系ってのはどうなのよ…?」
…と、思われるかもしれませんが、実際に使ってみるとコレがなかなかどうして、遠も近もイケる超小型ライトってのは案外便利だな…と目からウロコでした。
また、搭載LEDが CA18-3X という型式の耳馴れないLEDですが、こちらについてもレビューの中で触れているのでご一読いただければと思います。
製品HP
- TrustFire Flashlights – trustfire.com
- TrustFire Mini2 Keychain Flashlight – trustfire.com
- TrustFire Mini2 (TrustFireDirect-JP) – amazon.co.jp
TrustFire Official SNS
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パッケージ





紙製化粧箱入りでシュリンク包装されています。
内容物は Mini2本体、USB充電ケーブル、多言語マニュアル(日本語サポート)、予備Oリングで、紙製のトレイに納められています。
仕様/サイズ

※Mini2のマニュアル(PDF形式)は、TrustFire社製品HPよりダウンロードできます。


Mini2のサイズは、全長:38.9mm、外径:13.8mm、重量:11g、サイズ的には同カテゴリーの他社製品と大差ありません。



実測した重量はキーリングを含む重量なのでカタログ値よりも0.6g重くなっていますが、IMR16340との比較からも判るように寸法・重量ともカタログ値通りです。
本体



細かな部分まで丁寧にCNC加工されており、HA-Ⅲグレードの表面処理が施されています。
廉価な製品にありがちなのが細かなローレット(セレーション)部分のツブれですが、そうした部分も全く見られません。
Mini2に限らず10180仕様のキーライトは小型ゆえにライト単独にて片手で操作するのは難しくなるのですが、それでも滑らかにヘッドが回転出来るが否かは重要な要素であり、この点については充分及第点の出来です。
鍵束などに着けてON/OFF操作する際には片手でも楽に操作できます。
ヘッド/LED



光学は CA18-3X にTIRの組み合わせ。
分解していないので詳細は不明ですが、正面から覗き込むと一般的なTIRレンズとは異なり、リフレクターらしき物が確認できます。
LEDは CA18-3X という型式ですが、調べてみると「深圳市佳旭光电有限公司」(英名:Shenzhen Jiaxu Photoelectric)という会社のLEDでした。ただ、データシートには「GENESIS PHOTONICS」の記述があり、ググってみたらコチラはどうやら台湾の企業のようです。
あくまで推測ですが、CA18-3X は「GENESIS PHOTONICS」から諸々の権利を買い取って「深圳市佳旭光电有限公司」が製造・販売している…という感じでしょうか?(搭載LEDも中国製となると Mini2 は100%中国製のライト…って事になりますね)
まぁ、そうした事情は置いといて、改めて CA18-3X のデータシートを見ると、チップサイズが1.8mm角、最大順電流が 1000mA なので CREE XQ-E に近い仕様のLEDという事になります。(パルスだと1500mAまでイケる模様)
CA18-3X もドームレスなLEDですが、CREE社のドームレスLEDというよりも0505サイズのようなパワーチップ型LEDに近い外観です。
今のところ XQ-E のように高演色版も用意されておらず、耐久性など未知数な部分が多いLEDですが、新たなメーカーの参入、LEDの採用は業界の活性化にもつながるので個人的には大歓迎であります。
テール

キーライトらしいテール形状ですが、ループ部分が大きく造られているのでキーリング以外の物も取り付けやすいでしょう。
リアキャップ的なパーツは無く、ボディ部分と一体成形(或いは完全接着)されているようなので電池交換は不可と考えた方が良さそうです。
10180仕様の製品の中にはリアキャップを外して電池交換が可能な製品も存在しますが、鍵束などに着けてヘッド操作をしているうちに、意図せずリアが緩んで点灯しない事が起きるので、小型キーライトに限ってはリアキャップが外せる事が必ずしもメリットではない気がします。
ただ、その代償として「電池寿命=製品寿命」となるのも惜しいので、電池交換を可能にしつつリアキャップの無い構造になるのが理想ですね。
《2019.12.20:追記》
コメント欄から頂いた情報によるとリアキャップは普通のネジ式で脱着が可能との事。自分の個体は固くて外すのを諦めましたが電池交換にも希望が持てそうです。
スイッチ




※使用前に絶縁材を取り除いてください。
ボディ中央部の金色の突起部がスイッチ(接点)であり、ON/OFF操作はヘッドを回して行います。
締めて【ON】、緩めて【OFF】と一般的なヘッドツイスト式と同じ操作ですが、【Low】で点灯後、更に半周ほど締めると【Hi】で点灯します。
【Hi】で点灯させる際に少しだけヘッドを回すのに抵抗を感じますが、操作性については良好です。
充電



ヘッドを外すと micro-USB ポートが露出するので付属のケーブルで電源と接続して充電を行います。
電源側が給電可能状態であればケーブルを繋ぐとスグに充電が開始されます。
充電中はインジケーターが【赤】、完了後には【緑】で点灯します。
モード
Mini2 のモードは Hi/Low の2モード。
・Low — 5 Lm (7.5時間)
・Hi — 220 Lm (23分)
前述の通りヘッドを締めると最初は【Low】で点灯、更に締めると【Hi】に切り替わります。
逆に【Hi】からOFFにする時には、一旦【Low】で点灯して更に緩めると完全消灯になりますが、【Low】で点灯しているのに気付かず放置してしまう事があるので要注意です。(えっ!?私だけですか?)
照射
水平照射


配光/光色
LED電球


TrustFire Mini2


OLIGHT i1R EOS


WUBEN G342


これまでの10180仕様のキーライトは、大半の製品が拡散配光でしたが、それらとは一線を画すように Mini2 はスポット重視の配光となっている事がお判りいただけると思います。
ダイサイズの小さい CA18-3X を搭載しているのも、製品開発当初からこの配光を狙っていたからなのかなぁ…と勝手に想像しています。
最初は、四角い中心光に違和感を覚えるかもしれませんが、ズーム式ライトのスポット端と同じなのでスグに馴れました。
スポット重視の配光ですが照射範囲はかなり広く、それなりに周辺光量もあるので Low/Hi の使い分けで遠近どちらにも対応できる守備範囲の広いキーライトになっています。
至近距離だと中心光周りに色収差が出ているのが確認できますが、用途的に問題ないと思います。
ひとつ気になったのは、他の2機種と比較すると【Low】の5ルーメンという数値については『???』という感じで、実際には5ルーメン以下だと思います。ただ、この暗さが幸いして超至近距離でも眩しくないので「暗くて良かった」という感じでしょうか?
まとめ
実際に Mini2 を使うまでは、スポット配光であることを知りませんでした…(^^;
『鍵穴を照らす用途であれば、スポット配光よりも拡散配光の方が良くない?』
・・・と、思われる方も多いと思いますが、例えスポット重視の配光であっても、適度に出力が抑えられていれば(※ココ重要!)至近距離を照らす場合でも全然使い辛くはなくて、逆に照射ポイントがハッキリとするので鍵穴のように一点を集中的に照らすのには都合が良いと知りました。
また、スポット重視であるがゆえに【Hi】で点灯させれば数メートル先も照らせるので、ランタイムは短いものの、バックアップの更にバックアップ的な存在にもなり得るライトかと思います。
TrustFire社の従来のMiniシリーズは、基本的にヘッドツイスト式で型番にゼロが付いており、Mini-02という製品も存在するので少々紛らわしいのですが、ゼロが付いていないのが新シリーズ…という事になります。
今回レビューした TrustFire Mini2 の姉妹機的な存在として、同じ CA18-3X を搭載し単四仕様の mini3(※日本未発売)という製品も既にリリースされています。Mini2 も Mini3 も光学が同じなので似たような配光になるかと思いますが、これも面白い製品かと思います。
また、CA18-3X を搭載、単四仕様でリアスイッチ式の TrustFire L1(※コレも日本未発売)という製品も存在するので、今後の製品展開が楽しみであります。
こんにちは
10180バッテリー交換可能ですよ
テールキャップ接着ではなく通常のネジ式でした
Oリングも入っており防水もバッチリ
バッテリー寿命イコール製品寿命とはならないライトでした
ロットにより固着されているのか、もしくは個体差があるのかもしれませんね。私のはベルトレンチでもビクともしませんでした。無理に回すとネジ山ごと持っていかれそうだったので諦めました。情報ありがとうございました。
LED側取り外し 本体後三分の一の部分(センター縦溝の後ろ)から分離可能でした