doormanのACEBEAMに対する印象は、『ユニークで尖っているけど大味なのかな?』…というもので、これまでは、性能・デザイン的に惹かれるモノが有りつつも…という感じでした。
今回レビューするTK16は、最初に銅モデルがリリースされ、3種類のLEDの中から選択可能!…って事で前のめりになっておりましたが、迷ってる最中にTK18(コレも銅モデル)が出て「さて?どうするか…」と、更に迷いが加速したところにアルミモデルが出て陥落と相成りました。
LEDについては、自分は当初から飛び重視でしたのでOSRAMと決めていましたが、光束値優先ならXP-G3、演色性重視ならSST-20と選べるのもTK16、TK18のウリのひとつかと思います。
初めてのACEBEAM製品レビューになりますが、EDCライトに属するTK16はどんな製品なのか?…また、OSRAM版の飛び具合はどんなモノか?…レビューしたいと思います。
製品HP
- AceBeam®-Official Site – acebeam.com
- ACEBEAM TK16-AL – acebeam.com
- ACEBEAM TK16-AL / OSRAM (Jiayan E-commerce) – amazon.co.jp
ACEBEAM Official SNS
- Facebook – ACEBEAM.Official
- Instagram – ACEBEAM Official
- Twitter – ACEBEAM
- Twitter – Jiayan E-commerce Japan
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パッケージ
ACEBEAM製品全体に大味な印象を持っていただけに、カチッとした清潔感のあるパッケージは意外でした。
パッケージングのコストを出来る限りカットして製品全体の価格を下げるか、それともパッケージングも製品の構成要素と考えコストを掛けるかはメーカーの戦略によりますが、TK16に関しては後者に該当するかと思います。
同じメーカーの製品であっても製品によってパッケージング形態に差異はあると思いますが、製品パッケージからもメーカーのチカラの入れ具合が伝わってきます。
ただ、昨今の地球温暖化、環境問題に対する意識変化・行動を考えると、フラッシュライトに限らず、今後はエコロジカルなパッケージか否かも製品評価、選択のポイントになるかもしれませんね…。
側面に製品仕様が記載されているので、届いた製品に間違いが無いか開封前に確認できます。
中箱は引き出し式で緩衝材の下にマニュアル等が収納されています。
製品内容はTK16本体、予備Oリング*2、予備スイッチブーツ、英中文マニュアル、保証カード、乾燥剤。16340Li-ion充電池は本体にセットされて出荷されるので使用前に絶縁材を除去してください。
仕様/サイズ
複眼・リアスイッチ仕様としては小型・軽量の製品です。
16340(CR123A)単セル仕様でリアスイッチの製品となると、極端に選択肢が限られるのでTK16の仕様は個人的に大歓迎であります。
ボディ
ザックリとした鬼目ローレットにより野生的な印象の外観デザインですが、ベゼルやクリップをブロンズ色に着色して高級感を演出しつつ無骨一辺倒にならないように考えられています。
ステンレス製クリップの方向はリバース出来ますが、逆向きにするとヘッドの脱着がし辛くなります。
TK16にはストラップ穴が無いのでランヤードはクリップに引っ掛けるしかないのですが、TK16がリアスイッチ仕様である事を考えると逆方向の方が利便性が向上するような気がします。
リバースさせる際、再取付時に塗膜を傷めやすい(…ってか、実際に傷めた…orz)ので要注意です。
ヘッド
TIRには保護フィルムが貼られているので使用前に必ず除去してください。
搭載LEDに合わせてTIRの仕様も変えられていると思いますが、OSRAM版はレンズ全体が透明でLED基板の一部分が正面から確認できます。
TK16-ALのOSRAM版は、OSRAM OSLON Black Flat との情報もありますが、AL版の製品HPにはLEDの詳細情報は記載されていません。
銅バージョンが OSRAM KW となっているのでアルミ版も同じだと思うのですが、ベゼルが外せなかったのでエミッターは未確認です。
TK16-ALの製品HPに「OSRAM」の記述しかないのは、もしかしたら製品ロットによってBFとKWFが混在してる…もしくはBFのKWとKWシリーズを混同してる…とか?(※個人の妄想です)
・OSRAM OSTAR® Projection Compact, KW CSLNM1.TG
・OSLON Black Flat Family
製品名、高温注意、シリアルNo.はヘッド部分に印刷されています。
基板部分はフィルムで保護されています。
ジョイント部は角ネジになっているのでネジ山数が少なくても強度的な不安はありません。
スイッチ
スイッチ機構はタクトスイッチです。
ストロークは浅いのですが、レスポンスも良く、疑似クリック感があるので操作性は良好です。
予備のスイッチブーツが付属するという事はリア部分も分解可能という事で、テールエンド部分はネジ込み式になっています。指掛かりが少ないので決して廻しやすくは無いのですが、逆に外れやすい方が問題なので外し辛いぐらいが丁度良いかと思います。
分解・組み立て時は、素手よりもゴムコーティングされた手袋を嵌めた方が作業がしやすく、テールエンドのリングパーツもしっかりと締められます。
スイッチトップが飛び出ていないのでテールスタンドも可能です。
電池
付属の16340は容量:550mAh、10C放電が可能なIMRタイプです。
付属電池はボタントップ型ですが、フラットトップ型の16340も使用可能です。ただ、他メーカーのIMRで試してみたところ【Turbo】での点灯時に動作が不安定になったので、TK16の性能を最大限に引き出すには高品質な16340が必要デス。
TK16はCR123Aの一次電池(乾電池)も使用可能ですが、16340使用時に比べると制限があります。それでもCR123Aが使えるのは、大きなメリットですし個人的にスゴく嬉しいです♪
モード
TK16の基本操作はワンクリックでON/OFF。
点灯時の長押しでモード変更。
モードは【Low】⇒【Med】⇒【Hi】⇒【Low】…のサイクルで移行します。
消灯時に長押しすると【Moonlight】で点灯を開始しますが、そのままスイッチを5秒間押し続けると【Lock-out】に設定されます。
【Moonlight】での点灯は、消灯時からの長押しのみで、通常サイクルに【Moonlight】は含まれていません。
点灯・消灯に関係無くダブルクリックで【Turbo】、トリプルクリックで【Strobe】になります。
ECOモード
TK16は【ECO】と【POWER】の2つの出力グループを備えており、双方を切り替えることで【Turbo】点灯時の電力消費や発熱をコントロールできます。(※工場出荷時は【ECO】に設定)
ECO ⇔ POWERモードの切り替え方法
1.消灯時に5秒間長押しで【Lock-out】に設定
2.【Lock-out】状態で素早く10回スイッチをタップ
3.[暗]⇒[明]、または [明]⇒[暗] の順に点灯したら切り替え完了
4.5秒間長押しで【Lock-out】解除
移行完了時の点灯が [暗]⇒[明] の順ならば【POWER】、 [明]⇒[暗] なら【ECO】に設定されています。
※【POWER】モードは16340(RCR123)使用時のみに設定可能です。
ACEBEAM TK16 / 操作ガイド (日本語版) – YouTube
照射
水平照射
配光/光色
LED電球
ACEBEAM TK16-AL : OSRAM
LUMINTOP FW3A : XP-L Hi
MANKER E14 : XP-G3
OLIGHT S1R-Ⅱ : XM-L2
屋外照射
白昼/軸線(立木まで67m)
ACEBEAM TK16-AL : OSRAM
※初出時の画像で【Turbo : 1300 Lm】のキャプションが入っていましたが、正しくは【Turbo (ECO) : 780 Lm】です。POWERモード時の1300Lmを撮り忘れていたので(オイ!)最大出力時の照タイム画像は後日撮影して掲載いたします。(※2019/11/05 画像差替えました)
LUMINTOP BLF FW3A : XP-L Hi
MANKER E14 : XP-G3
OLIGHT S1R-Ⅱ : XM-L2
色温度はやや低めですが色の判別に支障がでるほどではありません。
この画像では伝わらないかもしれませんが、至近距離でTK16 OSRAM版を照射すると、外周光部分にダビデスター(五芒星)が表れ、中心光部分には3灯のLEDの存在が視認できます。単眼+TIRの照射パターンとは明らかに異なっていますが、ある程度の距離を置くと気にならないと思います。
同サイズのリフレクター仕様のライトと比較すると、集光度合いはリフレクターに及ばないものの、TK16のサイズ、ヘッド径を考えれば充分な飛距離だと思います。
同じTK16でもXP-G3版やSST-20版は、OSRAM版とは一味違った配光になるかと思いますが、OSRAM版に関しては光量・飛距離とも個人的には充分満足できるレベルです。(他のLEDバージョンも気になるんですよねぇ…)
まとめ
CR123A(16340)の単セル仕様で小型、リアスイッチ仕様、光量・飛距離とも申し分なく、ECO/POWERの切り替え、ロックアウトも可能…と、マニアにとっては至れり尽くせりなEDCライト…TK16はそんな感じの製品です。
TK16のサイズでMAX:1300ルーメンってのは出力過多な気もします。実際に【Turbo】に入った途端にヘッドがアツアツになるので実用性は低いのですが、あれば安心…的な存在です。
3灯を集光させているので1灯の場合よりも集光ロスが発生し、周辺光も均一ではありませんがdoorman的には綺麗な幾何学模様を気に入っております。
なによりも「このサイズで…」ってのが嬉しく、EDCライトとして携行する事が多くなりそうです。
気になったのはクリップの方向で、出荷時の方向をデフォルトとするならキーリングなりを取付可能にして欲しかったです。
帽子のバイザーに装着して即席ヘッドランプ…ってのも便利だとは思うのですが、実際にこのサイズのライトでやってみるとライトの重みで帽子が下がったり、頭を振ると帽子がズレてあさっての方向を向いたりするので、自分は1AAAのライトぐらいが限界です。
また、リアスイッチ、サイドスイッチに関係なく、ランヤードを取り付ける場所がクリップに限定されるなら筆記用具と同じ方向が断然使いやすいと思います。
一応、リバースさせる事もできますが、向きを変えて取り付ける際に嵌め辛く、ヘッドも脱着し辛くなるのでクリップについては一考をお願いしたいです。
気になったのはそれぐらいで、トータルで見れば非常に使いやすいライトなので、パワフルなEDCライトをお探しならば最有力候補の一本になると思います。