
LR50の二つ名は【CAMPBANK】…
直訳すると【野営銀行】ですが、預金も出来ませんしATMもありません。(※当然デス…)
しかしながら、LR50の【CAMPBANK】の愛称は、簡易LED照明(ランタン)にもなり、モバイルバッテリーとしても使えるLR50の特徴を端的に表していて、実にナイスなネーミングであります。
LR50の購入動機も正にソコで、ポチるまで【一台三役】の4文字が脳内でループしました…。
機能制限は有るものの18650の他にCR123Aや16340も使用できる仕様は、コアなライトユーザーほど導入ハードルが下がるかと思います。
【ランタン型パワーバンク】なのか、それとも【充放電機能付きランタン】なのかはユーザー各位で判断していただきたいのですが、本日9月1日は【防災の日】でもありますので、ライトマニア向け防災グッズとも言えるLR50のレビューをお届けします。
また、LR50のレビューを読みつつ、改めて防災・減災装備のチェックをしていただければと思います。
※LR50もPDFマニュアルが製品HPよりダウンロード可能です。
製品HP
- NITECORE Official HP (Flashlight)
- NITECORE LR50 – nitecore.com
- NITECORE LR50 ( Jiayan E-commerce )
– amazon.co.jp
NITECORE Official SNS
- Facebook – Nitecore Flashlight / @nitecoreflashlight
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- Twitter – Jiayan E-commerce Japan
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INDEX
パッケージ






NITECOREカラーの紙製化粧箱入り。裏面の特徴は中文で記述されています。
LR50本体が小型な為か、想像よりもパッケージサイズは小さめでした。


商品構成は、LR50本体、USBケーブル、保証書、多言語マニュアル(日本語対応)、予備Oリング×1 で USBケーブル(USB-A /micro-USB)の長さは約1mあります。
基本的に 18650 Li-ion充電池は付属しないので別途用意する必要があります。
仕様/サイズ



LR50のサイズを大きいと見るか、小さいとみるか…
人によって感じ方は異なると思いますが、ランタン/パワーバンク/充電機能の3つを備えつつ18650が2本セット可能でこのサイズ…ってのが魅力でしたので、doorman的には納得であります。


本体は、ほぼ全てが樹脂製(プラスチック)なので非常に軽量です。
電池込みの装備重量は使用電池や電池本数によって増減しますが、18650×2-cell仕様のフラッシュライトよりも軽量、或いは同程度に収まっています。
ボディ





アールを基調とした流線型ボディも個人的には気に入っています。
『カチッ』としたスクエア形状もオサレかと思いますが、キャリーする際に外圧が加わる事を想定したデザインかと思います。





先述の通り、ディフューザーや操作ユニット、電池スロット兼LED実装部分も全て樹脂製です。
ディフューザーは操作ユニットに嵌め込む構造ですが、軽い衝撃ならばディフューザーが簡単に外れないようになっています。
耐防水・耐防塵性能レベルはIP66。
防塵性能は完璧、水没させるのはNGだけど全方位からの強い流水にも影響を受けない防水性能なので、雨天時に屋外で使用しても問題ない…という事になります。
一応、ディフューザーと操作ユニットのジョイント部にOリングを備えていますが、ハンドライトのようなネジ加工は施されていませんし、充電ポートやスイッチにカバーを備えていても樹脂製筐体ゆえにIPx8レベルの防水性能を実現するのは難しそうです。
構造やデザイン、機能を大幅に変更して製造コストを掛ければ防水性能を上げる事は難しくはないと思いますが、重量やサイズ、販売価格が上がってしまうのは避けられません。機能や携帯性を優先するか、それとも徹底的に防水性能に拘るかはユーザー次第ですが、個人的には雨天時でも使えるので全然OKです。
一重のOリングなので少々心許ないのですが、Oリングとの摩擦により、ディフューザーを脱着する際には少し力が必要なほどなので、結構効き目がありそうです。
実際、点灯中に軽くシャワーを当ててみましたが、漏水する事もなく普通に点灯し続けました。
LED



頭頂部(?)および両側面に3灯ずつ、計9灯のLEDが配置されています。
LEDは5630サイズの表面実装型(SMD)LEDで CRI≧90 の高演色LEDです。
メーカーや型番など、LEDについての詳細な情報はアナウンスされていませんが、サイズ的に日亜製ではなさそうな…。(Hi-CRI仕様、電極の形状から Everlight Electronics社の62-227ETシリーズではないかと…)
■MEMO : Everlight Electronics – 62-227ET/RK6D-M4040V7X72530U6/2T/EU
LR50で一番気になったのがLEDの実装方法なのですが、LEDが露出した状態なので電池交換する際にうっかりLEDチップの蛍光体部分に触ってしまう事があります。
18650使用時にはLR50での充電も可能なので、一度電池を装填したら頻繁に電池交換しない…という前提でこの構造になったのかもしれませんが、CR123Aや16340で運用する事も可能なのでLEDの表面保護については、もう一工夫欲しかったところです。
スイッチ



スイッチは操作ユニットの両側面に2つ配置されています。
ボタン全体はシリコン系素材で覆われ、内部スイッチはタクトスイッチですが僅かながらクリック感もあります。
点灯および消灯操作は二つのスイッチを同時に操作する必要がありますが、それほど厚みが無いので楽に操作できます。誤点灯や誤消灯のリスクが低くなるようにスイッチトップも突出していません。
蛍光イエローで目立ち、手探りでも充分操作可能なスイッチですが、後述するUSBポートカバーとスイッチが蓄光仕様(GITD)になっていると更に使い勝手が良くなると思います。
入力・出力ポート


給電用・充電用のポートは操作ユニットの底部に配置されており、シリコン系素材のゴムカバーで保護されます。
外したカバーは一点を中心に回転させる事が可能なので、USBコネクタを接続する際に外したカバーが邪魔になる事もありません。
吊り下げ用ループ/マグネット




吊り下げ用ループは下部に収納できます。
底部にマグネットが仕込まれているので鉄部に吸着できますが、TIP2のように強力でない上にポートカバーが微妙に浮いているので安定感はイマイチです。
本体が樹脂製な事もあり、高所から落下すると破損する確率が高いので、鉄部に吸着させる際には吊り下げ用ループに落下防止のコード(釣り糸ぐらいしか通せませんが…)を結んでおいた方が安心です。
電池





電池は 18650 なら1本ないし2本、CR123Aと16340は2本組もしくは4本組で使用します。
LR50の全機能を使用するには 18650 が必要になりますが、18650はボタントップ型のみが使用可能です。(※16340×2の場合も同様)
フラットトップ型が使えないのは電池スロットの【+】極側が凹形状になっているからですが、装填した電池が固定されるように敢えて凹形になっているものと思われます。
スプリングは【-】極側のみですがディフューザーと電池の間に空間があるので、側面に圧力や衝撃が加わっても電池へのストレスが軽減されます。
LR50で使用可能な電池と機能を下記にまとめてみました。
18650(1本もしくは2本)⇒ 全機能が使用可能。※但しフラット・トップ型は使用不可





CR123A (Disposable)
CR123A(2本もしくは4本)⇒ LEDランプ機能のみ可





16340(2本もしくは4本)⇒ LEDランプ機能のみ可





18650 (Flat-top)
フラットトップ型の18650/16340は使用不可


パワーバンク



一般的なモバイルバッテリーと同様に出力ポートは USB Type:A、入力は micro-USB規格です。
スロットの片側に電池をセットすると、MT21Cと同様に電池電圧に応じてインジケーターが点滅します。(※CR123Aと16340の場合は2本の平均電圧)
点滅回数により具体的な電池電圧が確認できるので電池交換、あるいは充電タイミングの把握が容易です。
2本目の電池をセットする際にはインジケーターが点滅しませんが、消灯時に電源スイッチを押すと3段階で電池残量を確認できます。
LR50の最大出力は、DC5V・2.1Aですが、他のモバイルバッテリーと同様に電池電圧の降下に伴い出力可能な電流量も下がります。また、出力電流量は給電対象機器の仕様により左右されるので、必ずしも2.1Aで充電できるとは限りません。
給電中は頂部のブルーLEDが常時点灯、充電中はインジケーターが点滅します。(※充電完了時には常時点灯)
充電中もライトは点灯可能ですが、同時使用は短時間に留めておくことをオススメします。また、頂部のライトを点灯するとインジケーターは視認できなくなるので注意してください。
モード




出力レベルは【Low】⇒【Mid】⇒【Hi】の3段階で、点灯開始時は常に【Low】でスタートします。
点灯部位

点灯部位は4パターンの中から選べ、各々で出力レベルも調整可能です。なので、出力レベルは3段階ですが、各点灯部位で出力調整が可能なので実質的に12種類の点灯パターンを備えている…という事になります。
出力レベルは記憶されませんが、点灯部位はメモリーされます。
点灯部位を制御して必要なエリアだけを照らす事が出来るLR50の仕様は、実用性は勿論ですが電力消費を抑えるのにも有効な手段で、実にナイスなアイデアだと思います。
NITECORE LR50 (CAMPBANK) / 9x Hi-CRI LED : review – YouTube
照射




4Dセル(単一4本)仕様のランタン、東芝 LKL-1000(31ルーメン)と比較しましたが、全方位拡散となるので一方向からの静止画像では光量差が伝わらないかもしれません。また、自動露出の影響で光量差があまり感じられない写真になってしまいました。(^^;
一部の画像では色温度が高く見えますが、実際は自然な白色光で、カタログ値では 4000K~4500K となっています。(※太陽光の色温度とほぼ同じ)
ランタンであれば更に色温度の低い3000K程度の電球色の方が雰囲気は出ると思いますが、照射対象となる色の判別が肉眼では難しくなります。逆にLKL-1000ほど色温度が高くなると、これまた正確な色の再現も難しくなりますし、個人差はありますが青白い光は見た目の刺激も強くなるので長時間使用には不向き…という事になります。
演色比較の画像はありませんが、自分の手を照らしても肌色が綺麗に見えます。
まとめ
最大で250ルーメンの明るさなので、物足りないと…感じるかもしれませんが、広大なエリアを照らすのではなく、局所的な照明として使うのがランタン本来の用途なのでdoorman的には全く気になりません。【Hi】で点灯すると結構な明るさですし光量が足りなければハンドライトで補えば良い…と、割り切っています。
LR50の光量で不足ならばランタン製品の中にも爆光製品は存在するので、そちらを使用した方が幸せになれると思います。
言うまでもなくLR50の良い所は、EDCできる小型のランタンであり、モバイルバッテリーとしても使える点にあります。
どちらか一方の機能だけで良いのであればLR50を選択しないとは思いますが、一台三役ならではの便利さがあるのも事実です。
ランタン製品は LKL-1000 しか所有していませんでしたが、やはり31ルーメンでは光量的に厳しく、必要な時にはハンドライトにディフューザーを被せて凌いでいました。
本格的なランタンの購入も考えたのですが、大型になればなるほど使用頻度が下がるような気がして…(^^;
『EDCできるランタン』というのは少々煽り過ぎかもしれませんが、↓のようにコンデジ用のカメラポーチにコードも一緒に収納できるサイズなので気軽に持ち出せます。






また、これまではリチウムポリマー電池を電源とした普通のモバイルバッテリーを使っていたのですが、外殻側面への荷重や衝撃、変形に気を使うのが煩わしく、それなりに重量もあるので最近はEDCする事も少なくなっています。
実際、お外でガッツリ充電する事は希であり、モバイルバッテリーとしては先の KRALUS CH1X が活躍しています。しかしながら CH1X は【一台二役】であり、非常時に於ける照明はフラッシュライトに依存するので、【電源】と【照明】が一体になったLR50は、減災・防災装備としてド直球な製品かと思います。
一般家庭にまで普及している…とは言い難い、18650や16340、CR123Aを電源とするので万人には勧め辛いのですが、逆にコアなフラッシュライト・ユーザーにとっては敷居が低く、遊んでいる電池を有効利用できる製品なので【一台三役】に魅力を感じるのであれば検討の価値アリです。