ペンライトと言うより、ライト付きペンと言うのが正しいのでしょうか?
WUBEN社製品は、i332 と G339 に続いて、この TP10L が3本目になりますが、平たく言えば同社のアルミ製小型ライトのG3**シリーズを、そのままタクティカル風味の強いペンと融合させたのが TP10L です。
G339 は、コリメーターレンズを搭載した10180仕様のミニ・ライトですが、記事も投稿しないで一人でウヒウヒ楽しんでいた事をEDC01のレビューを書いてて思い出しました。同じ光学仕様のTP10Lの方が購入して日が浅く、男の子が好きなタクティカルペンと合体しているので TP10L をご紹介しようかなと…。
とか言いつつも、TP10Lも購入してから少し(?)時間が経過していますが、10180仕様の超小型ライトの使用感はどんな感じなのか、レビューをお届けしたいと思います。
■製品HP
・WUBEN株式会社 HP
・WUBEN TP10
パッケージ
紙製の頑丈な化粧箱入り。
裏面には主要諸元が記載されています。
内容物は、TP10L本体、充電用USBケーブル、予備Oリング、日本語取扱説明書、保証書となっています。
仕様/サイズ
TP10Lは全長が153mm有るので、2AAA仕様のペンライトや一般的な筆記具と比較するとかなり大型なペンになります。重量的にも少し重めの筆記用具という感じです。
TP10Lのライトユニットは砲弾型ではなく円筒型のG3**シリーズを合体させていますが、ライトユニットを G339 と比較すると同じ大きさなのが判ります。
同社のG3**シリーズは、素材や外観デザインの違いで複数のバリエーションが存在しますが、光学部分や電池部分のサイズは共通化されており、サイズ的にも同じとなっています。
ボディ
CNC加工も丁寧に行われ、塗装や各部のエッジ処理もしっかりとなされています。
TP10Lには2色のカラバリが用意されており、この個体は購入時には【グレー】となっていましたが、メーカーHPでは【シャンパンゴールド】になっています。
ただ、現物はシャンパンゴールドのイメージとは少し違う気もするし、正確にはグレー色でもないような…(゚ー゚*)。oO
でも、決してオカシな色ではありませんし、個人的には Natural-TAN に近い感じで気に入っています。(不安ならば無難なところで Black の方を選ぶのがよろしいかと…)
クリップの剛性も高く、リアパーツでガッチリと固定される構造なので使用時に不安は感じません。
ヘッド(ライトユニット)
ヘッドというか、リアというか…。
ペンキャップの先端部分がライトユニットになっています。
XP-G2 とコリメーターレンズの組み合わせですが、レンズの形状(厚み)が影響しているのか、外からでもLEDダイがハッキリと確認できます。
LEDユニット部を取り外すと充電用のmicro-USBポートが表れます。
先端に黒い樹脂の絶縁材がありますが、軽く接着されているだけなので簡単に取れてしまいます。LEDユニットを外して充電する際に紛失しやすいので要注意です。
もし紛失してしまったら、例えばブリスターパックに使われている透明なPET素材を利用して同じ形状のモノを作って貼り付けておけばOKです。(絶縁材ならナンでもOKです)
ライトユニットは更に分解可能なので 10180 Li-ion充電池の寿命が来たら交換することも可能です。
電池
現状では 10180 Li-ion充電池の入手性は決して良くありませんが、電池交換が可能な点は高評価に値するかと思います。
内蔵された 10180 Li-ion充電池には 70mAh の表記がありました。
容量は小さくともLi-ion充電池である事には変わりなく、衝撃などで発火する危険も同じです。また、小型の電池ゆえに乳幼児の誤飲の危険も大きいので保管には充分注意してください。
充電
先述の通り、LEDユニットを緩めていくと充電用のUSBポートが表れますが、ポートにケーブルを接続するためにはLEDユニットを完全に外す必要があります。
できればネジ長さをもう少し長くして、LEDユニット部分を着けたままでも充電できればLEDユニットの紛失のリスクが減るのですが、小型化を優先すると難しいんでしょうねぇ…。
ソース電源がオンライン状態であれば、TP10LにUSBケーブルを接続するだけで充電が開始されます。
充電中は【赤】、完了時には【青】でインジケーターが点灯します。
充電が完了したらUSBケーブルを外してLEDユニットを取り付けます。
ペンユニット
ペンユニットの片側は、タングステンチップが埋め込まれたガラスブレーカーになっています。
端部のネジ切りはザックリとした角ネジですが、ネジ山数が少なくてもしっかりと締まりるのでガタつきもありません。
ペンユニットのOリングが、何のためにあるのかが良く判りませんが、Oリングの有無でキャップの固定感が変わるのでライナー的な働きをするのだと思います。
リフィルの交換はペン先を外して行います。
標準付属のペンはゲルインクになりますが、パーカータイプのリフィルであればサイズ的に流用が可能なので油性ペンにする事も可能です。
以前は海外製の特殊なペンだとリフィルの入手が困難でしたが、最近は、よほど特殊なペンでなければ大抵のモノが手に入るようになりました。お気に入りのペンを長期に渡って安心して使えるようになったのは有難い限りです。
モード
TP10Lのモードは、Low(3 Lm)/Hi(130 Lm)の2モードで、モード変更機構は感圧式になります。
ヘッド先端のLED格納部分だけを締めていくと最初は【Low】で点灯を開始し、さらに締め込んでいくと【Hi】に切り替わります。
少し気になったのは、点灯状態から先端を緩めて【OFF】にする時で、先端のみを緩めたつもりなのに、電池交換部分のネジが緩んでしまう事が多々ありました。
G3**シリーズよりも長くなる分だけヘッド先端のON/OFF操作はしやすくなりましたが、G3**シリーズでは簡単に緩まない部分がTP10Lでは緩んでしまうので、慣れるまではストレスを感じるかもしれません。
照射
水平照射
配光/光色
・蛍光灯
・MANKER LAD
・MecArmy SGN3
・WUBEN G339
・WUBEN TP10L
個体差、もしくは電池電圧差によるものかと思いますが G339とTP10Lは、カタログ上は同じルーメン値のXP-G2 CW版ですが、TP10Lの方が少し暗く色温度が低いようです。
同じコリメーターレンズでも口径(直径)やらレンズ形状やらに差異があり、それがそのまま配光の差となって表れるのはどなたでも想像できるかと思います。
TP10Lはレンズ越しでもLEDがハッキリと確認できましたが、実際にレンズ形状の違いが配光にも出ていて、水平照射画像を見ると、LADと似たような配光ですがWUBENの2機種の方がリフレクター仕様の配光に近く、中心光がハッキリとしています。
とはいえ、コリメーターレンズらしい拡散配光なので至近距離照射用途では、配光の違いをそれほど意識することは無いかと思います。
まとめ
質感的にも良いですし、全体的に上手くまとめていると思います。
頑張り過ぎていないデザインもタクティカル感の抑制につながり、人前でも使いやすいタクティカルペンだと思いますが、「特攻野郎Aチーム」な方々には少々物足りないかもしれません。
気になった点としては、やはりON/OFF操作時に別の部分が緩んでしまうのと、LEDユニット部のネジ長さです。構造的・サイズ的に致し方無いとはいえ、OFF操作時に別の部分のネジが緩みがちになるのが気になりました。
あとは個体差かもしれませんが、ステンレスのG339と比較すると、消灯時には少し多めにヘッドを緩めておく必要があり、その影響でヘッドが緩い感じになります。
1AAA仕様のヘッドツイスト式では、リアのスプリングの反発力でヘッド全体が押し出され、ヘッドを緩めても脱落は起きにくいようになっていますが、G3**シリーズやTP10Lと同じ構造のミニライトではOリングとネジ部の摩擦でヘッドが仮固定される形になります。
簡単に脱落することはなさそうですが、充電ポートとの位置関係からして、もう少しネジ長さに余裕があれば安心してヘッドを緩めておくことが出来ると思います。
TP10Lが一本あれば、暗闇でも照らしながら筆記するのに便利かな…ぐらいに考えていましたが、片側がガラスブレーカーになっているので、素のまま洋服のポケットに入れるのは危険ですし、下手をすると布地などは簡単に突き抜けてしまいます。
なにより全長が長いので携行するのに少し気合いが必要で、護身・防犯用途、ガラスを破壊して脱出するような事態にならないのが理想ですが、携行する際には一応注意が必要です。
ライトと筆記具を個別に持ち歩くか、それとも合体したTP10Lにするか…、はたまたバックアップとしてEDCするかはユーザーの使用スタイル次第ですが、バッグの中に忍ばせておけばイザという時に役に立つかもしれません。
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製品HPをご覧頂くと判りますが、WUBEN株式会社として日本法人を設立、活動を開始されているようなので、今後色々な媒体や通販サイト、量販店でWUBEN製品を目にする機会も増えてくるかと思います。
G3**シリーズや今回のTP10L以外に、大出力系の製品も増えてラインナップが充実しているので、今後が楽しみであります♪