
Lumintop社のODシリーズ…と、考えてよいのでしょうか?
Flood系配光の ODF に対して Throw系の ODL と非常に判りやすいのですが、結論から言ってこの ODL20C は、飛び系ライトとして非常に良く出来ています。
搭載LED、電池仕様、ボディサイズは、MANKER U21 と殆ど同じなのですが、U21で感じた不満点がこのODL20Cで全て解消され 『そうそう、コレだよコレ!こういうのを求めていたんですヨ♪(゚∀゚)』 って感じの飛び系ライトに仕上がっています。
Lumintop社のThrow系の代表格といえば BLF-GT であり、その小型モデルの GT-mini もラインナップされていますが(※GT-miniのレビューは後日)、ODL20C はその中間…というか、26650(もしくは18650)単セルで駆動可能な、趣味性よりも実用性に軸足を置いた飛び系モデルかと思います。
なんだか初っ端から【まとめ】みたいになってしまいましたが、今回は、実に気持ち良く飛んでくれる ODL20C をじっくりと見ていきたいと思います。
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パッケージ



カッチリと造られた頑丈な外箱。
ODL20Cのヘッドサイズにより、BOXサイズはODF30Cより一回り大きくなっています。




BOX裏面には主要諸元を記載。
内容物はODL20C本体、多言語マニュアル(日本語サポート)、USBケーブル(Type-C規格)、予備Oリングx2、ランヤード、保証書と使用上の注意とThank You Cardの【ルミンちゃんの世界にようこそ♪】となっています。
仕様





飛び系ライトをカタログ上で比較・検討する際に重要になるのは【Intensity】の値と【Distance】の値です。
【Intensity】は、カンデラ値と呼ばれる事もあり、数値が大きいほど輝度が高いことになります。【Distance】はそのまま最長照射距離を表しています。
どちらもルーメン値が関係していますが、ルーメンが大きくても集光度合いが低ければ【Intensity】の値は小さくなり、同時に【Distance】の距離も短くなっていきます。
それらを踏まえた上で、改めてODL20Cの仕様を見てみると、【Intensity】は 184,500cdを叩き出し、【Distance】は860mにも達していて、単セル仕様の飛び系ライトとしては、かなりの高輝度、長距離照射を実現していることが仕様からも読み取れます。
サイズ


飛び系ライトならではのヘッドサイズで、同じ26650仕様のODF30Cと比較するとヘッド径は勿論ですが長さ(深さ)の違いがよく判ると思います。




装備重量は使用電池によって変動するので参考程度にとどめてください。
KEEPPOWER(KP)26650 4500mAh 使用時で約400gですが、26650仕様で最大出力:2000ルーメンのライトとしては妥当な重量かと思います。
ボディ


ODL20Cは、ヘッドとグリップが分割可能です。






グリップ部分の独特なローレットは好みが別れるとは思いますが、こういうユニークな意匠は個人的に好きですし、ODL20Cのチャームポイント(?)の一つかと思います。



ローレットは粗めにザックリと刻まれていますが、各ブロックのエッジを残すことで滑り止め効果も充分です。
ODF30Cのグリップもそうですが、一般的な菱目ローレットよりも加工に手間と時間が掛かるのではないでしょうか…。
ヘッド



CREE XHP35-Hi に SMOリフレクター。
リフレクターの口径も深さも充分で反射具合も良い感じです。
当然、内部にはホコリの残留もありません。



ガラスフィルターはARコート、赤い先端Oリングが印象的です。
ヘッド側の接点にアクセスできるので接点クリーニングなどのメンテナンスもしやすくなっています。
ODL20Cの搭載LEDは、XHP35-HiなのでXHP50.2や70.2に比べると発熱量は少ないのですが、それでも2000ルーメンでのMax点灯時にはそれなりに発熱します。
過熱防止リミッターは55℃で発動するように設定されていますが、放熱フィンも全周に刻まれており、過熱対策について配慮されています。
スイッチ




スイッチトップは硬質素材で電池残量、低電圧警告のインジケーターを兼ねています。
スイッチ機構はタクトタイプのスイッチです。
スイッチトップは低く抑えられていますが、スイッチ面積が大きく採られ、疑似クリック感もあるのでオペレーション操作時にミスすることは少ないでしょう。
テール/リア




テールエンドはフラット形状で、一応テールスタンドも可能となっていますが、ODL20Cに限らずラージヘッドのライトは逆さにすると、必然的に重心位置が高くなるので、不安定な場所でのテールスタンドは要注意です。
ストラップホール径も充分に確保されていますが、ホール廻りのエッジが立っているのでナイロン製リードのランヤードを使用する際は擦り切れやすいので注意してください。
電池





同じ電池でも固体によって入る、入らないという事があるみたいですが、手持ちの KEEPPOWER 26650 4500mAh (プロテクト回路付きICR) は問題無く使えました。
固体によってボア径に差があるのか、それともKEEPPOWER製電池のサイズにバラ付きがあるのかは不明ですが、実測したらボア径が約26.8mm、KEEPPOWER 26650の直径が最も太い部分で約26.5mmだったので、ややタイト気味…と、いえるかもしれません。
ただ、自分の固体ではリアキャップを取り付けない状態で振るとカタカタと音を立てるぐらいのクリアランスがあり、電池の装填も取り出しも問題無く出来ています。
ODL20Cは、26650だけでなく付属のスリーブを使う事で18650での使用も可能です。
ODF30Cに18650用のスリーブが付属しないのは、ODF30Cの搭載LEDがXHP70.2であることが大きく関係しているものと思われます。
同じCREE XHPシリーズでも XHP35-Hi と XHP70.2 では最大出力時に要求される電力に差があるので、ODF30C は18650よりも放電能力が高い26650の使用を前提としているものと思われます。
放電能力の高い18650を使えばODF30C(=XHP70.2)も単セルで駆動可能ですが、電池に掛かる負荷や効率を考慮すると26650での運用がオススメです。
ODL20C ではプロテクト回路付き電池の使用が推奨されているので、プロテクト回路の無いIMR系電池の使用はユーザーの自己責任で…ということになります。
最近のメーカー製26650充電池であればIMR系でなくとも充分な放電性能を有しているので、サイズ的な問題がなければIMR系セルに拘る必要はないと思います。ちなみに26650 Li-ion充電池は、ICR系でもIMR系でも基本的に【+】側の電極形状がほぼ同じなので、18650ほどボタントップ/フラットトップの違いを意識する必要はありません。
※厳密には+極全体が少しだけ凸形状になっている物と完全にフラットの物がありますがODL20CはどちらでもOKです。
充電

5V電圧では最大で2Aの充電に対応しており、容量:5000mAhの26650使用時は約3時間で充電が完了します。
充電中はスイッチ部分のインジケーターが【赤】で点灯し、充電が完了すると【青】に変わります。
充電中も点灯させる事は可能ですが【Eco】もしくは【Low】に限定されます。




ODL20Cの充電ポートは、USB Type-C規格で付属のケーブルで充電が可能です。
市販のUSB Type-C規格のケーブルの中には、ODL20Cに限らず、フラッシュライトの充電に対応していない物が多いので、充電時は必ず付属のケーブルを使ってください。
充電ポートはシリコン系ゴム素材でカバーされています。
本体とカバーは限りなくフラットになっていますが、割と軽いチカラでもカバーが外れてしまうのが気になりました。個体差かもしれませんが、もう少しカバーが外れにくい方が安心かと思います。
ちなみに給電側(ソース電源)が供給可能となっていれば、ODL20Cと電源をケーブルで繋ぐだけでスグに充電が開始されます。
モード




基本操作は、【OFF】からの1-clickで【ON】、点灯中の長押しで【OFF】となります。
ODL20Cの通常モードは【Low】・【Med】・【Hi】の3モードで、この3モードについてはモードメモリが可能です。この3つのモードは点灯中に1-clickする度にモードが切り替わります。
他に【OFF】の状態からスイッチの長押しで点灯が可能な【Eco】と、上記の3つの通常モードで点灯中にダブルクリックすることで【Turbo】が発動します。
【Strobe】・【SOS】・【Beacon】の3つの特殊モードは【Eco】からのダブルクリックで発動します。3つの特殊モードも点灯中に1-clickする度にモードが切り替わります。
特殊モードから点灯したまま通常モードに復帰する手段はなく、特殊モードを終了する際には【OFF】となります。
基本的なオペレーションはODF30Cと酷似していますが、ODF30Cには無かった【Breathing】がODL20Cには搭載されています。
他にも【Lock-out】を備えていますが、詳しくは動画を参照してください。
LUMINTOP ODL20C / CREE XHP35-Hi (CW) : review – YouTube
照射
水平照射

配光/光色
LED照明


LUMINTOP ODL20C


MANKER U22 (NW)


MANKER MK39 (CW)


SOLARFORCE M3


屋外照射
白昼(立木まで67m)

LUMINTOP ODL20C





MANKER U22 (NW)





MANKER MK39 (CW)






SOLARFORCE M3



光色は飛び系ライトと相性の良い Cool-White ですが、CWの中でも色温度が少し高めな感じです。(※個体差の可能性アリ)
配光については、コレはもうピンピンのピンスポットで、実に気持ち良く飛んでくれます。
さすがに BLF-GT の飛び具合には一歩及びませんが、両者のヘッドサイズを考えれば当然ですし、BLF-GTのように持ち出すのに気合いは必要ありません。
MANKER社のU22とMK39も飛び系に属するライトですが、三者を比較してみるとODL20Cとヘッドサイズが近いMK39の方が配光パターンが似ています。
U22と比較すると若干照射範囲は狭くなっていますが、そのぶん周辺光量が豊富です。照射面も非常に綺麗ですし、照らしていても気持ちがイイです。
ピンスポット配光なので【Med】以上のモードだと至近距離は使い辛いのですが、【Eco】や【Low】モードであれば至近距離でも問題ありません。ただ、やはり ODL20C は遠距離照射がメインの製品なので、EDC01 や EDC05 などの小型ライトと組み合わせて使うのがオススメです。
まとめ
何度も同じ事を言いますが、やっぱりODL20Cはよく飛んで、照らしていても気持ちの良いライトです。
屋外照射画像では、中心光軸が地面の反射光と重なってよく判らないと思いますが、真横からみると中心光軸がハッキリと確認できますし、「薙ぎ払え!ヽ(`Д´)ノ」 を疑似体験できるかと思います。
入手性の良い汎用の26650で運用できるのも魅力ですし、それなりの放電性能を有する18650でも使えるのもODL20Cの強みかと思います。
乱暴な言い方をすれば、XHP35-Hiを搭載してラージヘッドであれば飛び系のライト…であり、このクラスの製品は益々差別化が難しくなりそうですが、単セル仕様の飛び系ライトとして現時点ではトップクラスの性能を誇る製品なのは間違いありません。
グリップの意匠は好みが別れると思いますが、インパクトのある意匠はマーケティング的にも重要なポイントですし、見る角度によって印象が変わるので鑑賞していても飽きません(笑)
電池をセットした状態での重量バランスも良いので、長時間使用しても負担は少ないでしょう。(コレも飛び系ライトの重要な要素)
同クラスの製品の中では価格設定がやや高めですが、自分で改造してカンデラ値を上げるのは至難の業なので、飛距離性能差の対価としては充分納得できます。
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