前回の照タイムに続き、今回は超Throw系フラッシュライトである Lumintop BLF GT の本体についてのレビューをお届けいたします。
製品HP
・LUMINTOP Flashlight HP
・Lumintop BLF GT – lumintop.com
・Lumintop BLF GT – AliExpress.com (LUMINTOP Official Store)
・LUMINTOP BLF-GT – amazon.co.jp
・LUMINTOP JAPAN メーカー直営店 – amazon.co.jp
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パッケージ
ロゴ入りのPPテープでグルグル巻きにされていますが、大きなクラフト紙製のBOXに各ユニットが分解された状態で納められています。(このPPテープ、ちょっと欲しいかも♪)
仕様
Specifications
Emitter: 12V Cree XHP35 High Intensity,
Neutral white, mounted on copper DTP MCPCB
Flux: >2000 lm
Intensity: >1 Mcd (ANSI throw >2000 m)
Firmware: Tom E’s open-source NarsilM v1.2
User interface:
By default the GT is set to use the very intuitive Narsil smooth RAMPING UI.
Instant access to a 2.5 A TURBO mode is also provided.
A more conventional discrete level MODE-SET UI is available as an alternative.
Any one of 12 pre-defined mode-sets can be selected.
MOMENTARY mode is useful for signaling purposes or rapidly/briefly lighting up targets.
Battery: 4 or 8 button-top 18650 cells (4S1P or 4S2P).
Protected cells are recommended. Cells are not included.
Driver: 35W, 2.5A regulated buck driver with conversion efficiency that exceeds 90%.
Parasitic drain while OFF is ~150μA (~250μA with button back-light on).
Reflector: 118mm ID, aluminum, smooth finish
Lens: Glass with anti-reflective coating
Body: Aluminum with Type III hard-coat anodizing
Tripod socket: Standard 1/4 inch threaded (1/4-20UNC)
Button: Tactile with back-lit rubber boot
Ingress rating: Equivalent to IP65, do not immerse in liquids
Weight: Approximately 1.8 kg without cells
Dimensions: 135mm Ø head x 315mm length
サイズ
改めてサイズ比較してみると、BLF GTのサイズがお判りいただけるかと思います。
SD75 や MAGLITE 4C と比較すると、GTは全長だけでなく、とにかくヘッドサイズが巨大でインパクトがあります。
集光性を高めてカンデラ値を上げるには、リフレクターの口径を大きくすると同時にリフを深くする必要がありますが、ヘッドが巨大化すればするほど可搬性が低下することになります。
逆に可搬性(携帯性)を考慮しなければ、果てしなく集光できることになりますが、フラッシュライトという形態を保持したまま販売するとなると、製造技術やコスト(主に材料の歩留まり)、価格(=利益)なども考慮せなばなりません。
前回、BLF GTのような製品が販売されたことに感動…というのは、こうした制約をクリアして市場に送り出されたからであり、そうした背景に思いを巡らせつつ改めてBLF GTを見ると、飛び系の製品と一味違って見えるのではないでしょうか?
サイズの大型化に伴い必然的に重量も増加しますが、BLF GTは 4×18650 もしくは 8×18650 で運用する関係上、結構な重量になります。
BLF GT本体の重量が約1670g、電池ホルダーが2個で約130g、18650が4本で約190gなので、電池4本で運用する場合の装備重量は約2kgとなります。
ボディ
BLF GT単体だと普通のラージヘッドのフラッシュライト…にも見えますね(^^;
実際には先のサイズ比較画像の通りのサイズなのですが、グリップパーツだけでも結構なサイズです。
グリップパーツは付属の電池ホルダーが2個セットできるロングタイプのグリップが付属しますが、別売りで4×18650専用(電池ホルダー1個用)のショートタイプのグリップも用意されています。
ロングタイプのグリップパーツの寸法は、全長:161mm、外径:56mm、内径:45.5mmです。(※いずれも実測値)
内外径の寸法から肉厚は5mm以上となりますが、充分に強度が確保され、電池をセットした際の重量バランスも取れるようになっています。
フラット加工面は4面で、菱目ローレットやネジ部の加工、塗装(HA-Ⅲ)も丁寧に行われています。
ローレットは浅めですが、円周に刻まれた溝はやや深くなっています。手の平に食い付くようなグリップ感はありませんが、このサイズのライトを長時間手持ちで使う事は希だと思うので問題は無いと思います。
一応、BLF GTもハンドライトのスタイルを採ってはいますが、サイズや重量からして、スリングを取り付けてショルダーライトと使うのが現実的です。(※スリングも別売りオプションで用意)
ヘッド
BLF GTのキモというか、The GT is head というか…
BLF GTの機能は、このヘッドユニットに全てが集約されていますが、それだけにクオリティについては一切妥協せず、陳腐な表現ですが素晴らしい出来栄えとなっています。
搭載LEDは、Cree XHP35-Hi。
巨大な鏡面リフレクターですが、均一にミラー蒸着されているので像の歪みも少なくなっています。
直上からリフレクターを見下ろすと中央部以外に黒いドーナツ状の像が見えますが、これはLEDをセンター配置するための黒い樹脂パーツの鏡像です。LEDダイがリフレクターに全く反射していませんが、この黒いドーナツ状の影よりも更に中心側に反射(集光)しているからであり、BLF GT の集光率の凄まじさが画像からも読み取れます。
ヘッド径が大きければガラスフィルターも大きくなるのは当然なのですが・・・ホントに大きいです。
フィルターの厚みについては不明ですが、ガラス製である以上、割れる可能性は有るワケですし、面積が大きくなればなるほど破損リスクも高くなるので慎重に扱う必要があります。(※GT専用のレンズ保護カバーが別売りのオプションパーツとして用意されているほどです)
ちなみにガラスフィルターはARコーティング加工されています。
スリングのフックを取り付ける為の穴は、ヘッドユニットとテールキャップの2ヶ所に設けられています。
三脚穴は、一般的な1/4インチ(UNC-1/4)規格。
ストラップ穴付きのカメラネジが取り付けられていますが、ここにストラップを取り付けると、万が一外れてGTが落下したら涙目になること必至なので、ヘッドとテールのフック穴の2点で吊り下げる事をオススメします。
制御基板にもルミ兎さん♪
動作電圧(12~20V DC)と製造ロット(2017 R04)がプリントされています。
基板はロックリングで固定される構造で、メンテナンスについてもちゃんと考えられています。
スイッチ
スイッチブーツはシリコン系ゴム素材。
内部のスイッチユニットはタクトタイプのスイッチです。
機械式スイッチのような明確なノッチ感はありませんが、適度なクリック感が有り、ストロークも深くはないので、このボディサイズでありながら操作しやすいスイッチです。
流石にEDCサイズのフロントサイドスイッチ搭載機と同じ感覚で操作はできませんが、後述する【RAMPING UI】や【MODE-SET UI】、動作設定操作も難なく行えます。
スイッチトップの出っ張りも高過ぎず低過ぎず、丁度よい塩梅です。
スイッチ部にインジケーターを備え、消灯時にもインジケーターが点灯します。(最大で250μAの待機電流を消費、インジケーターの点灯/消灯もユーザー設定が可能)
他にも電池装填時の導通確認や電池電圧のチェック、設定変更時の通知など、このインジケーターは重要な役割を担っています。
テール
テールキャップのサイズも大きく、一般的なライトよりも、かなり頑丈な造りです。
テールキャップの内側にURLとQRコードが記載されたシールが貼られていますが、これを剥がす必要はありません。
BLF GT はヘッドユニット側にて、+/-(Vin/GND)両極の導通が確保される構造なので、本体テール側に電気的接点が不要となっています。
先述のとおり、テールキャップ側にもスリング取付用穴があります。
Oリングがしっかりと効いているので、最後まで意識してテールキャップを締める必要があります。キャップの取付が緩いと動作が不安定になるので、ヘッド側のジョイントも含めて確実に取り付けるようにします。
電池
BLF GT は、4本、もしくは8本の18650電池で動作しますが、4本で使用する場合でも空の電池ホルダーを本体にセットする必要があります。
電池ホルダーの装填方向も決まっているので、矢印の向きに合わせて本体にセットします。
よく見ると、ホルダー両端の+接点形状が微妙に異なっています。
片側の+接点にはスプリングが仕込まれていて、指で押すと僅かに前後に動きます。
基準電圧が3.7Vや3.6Vの18650 Li-ion充電池ならナンでもOK!(゚∀゚)…ではなくて、4本、または8本で使用する際にも、全て同一仕様のハイドレインに対応した18650電池で使用することが推奨されています。
電圧、放電性能、使用セルのメーカー、製品型番などは揃えて当然ですが、可能であれば、経年劣化による性能差が生じないように、製造時期・製造ロットも揃えるのが理想です。
※異なる仕様のLi-ion充電池の混在使用は事故の元なので厳禁です。(混ぜるなキケン!)
使える電池は、ボタントップ・タイプの保護回路付き18650のみで、IMR系18650に多い保護回路無しのフラットトップ・タイプの電池は使用不可となっています。(電池ホルダーの構造自体がそうなっています)
画像内の18650電池で、Lumintop 3400mA-18650 と THRUNITE 3400mA-18650 は、どちらも Panasonic 18650B セルを使っているので混在使用出来そうですが、双方の後付けの保護回路まで同じか否かが不明なので、混在使用は避けるのが無難です。
ホルダーに電池をセットすると4本が直列に接続されます。
ホルダーの極性をチェックしてみると、両端とも中央の金色部分が【+】で、周囲のアルミ素地の部分が【-】となっていました。
満充電状態の1本当たりの電池電圧を4.2V、容量を3400mAhと仮定すると、4本使用時には 4.2V × 4 = 16.8V で容量は 3400mAh、8本使用時には電池ホルダー同士が並列接続となるので、16.8Vは同じで総容量は 6800mAh…という事になります。
ホルダーのピラーに記載されている矢印に合わせて電池ホルダーをセットしますが、空の電池ホルダーをヘッド側にセット、電池4本のホルダーをテール側にセットすると重量バランスが良くなります。
モード
BLF GT のモードは、【RAMPING UI】と【MODE-SET UI】に大別され、排他的にユーザーが選択可能となっています。
大まかに図解すると下図の通りですが、全てを文章で解説するのは難しいので、操作動画を制作して後日アップます。
他にもMoonlightのレベル調整、ストロボパターン、インジケーターなどの動作についてもユーザーがカスタマイズ可能となっています。
仕様欄に Narsil smooth なる記述がありますが、BLF X5 のモード呼称を知っている方ならば、「あぁ、BLFらしいなぁ♪」 と思うのではないでしょうか?( Narsil を検索して、私は一人でニヤついてしまいましたw)
まとめ
ココまで Lumintop BLF GT の本体について見てきましたが、如何でしょうか?
飛び系の製品に興味の無い方にとっては、
「これ、何処で使うのヨ?( ̄▽ ̄;) 」
って、感じなのかもしれませんが、イイんです…
飛び系はロマンなのです♪
まぁ、それは冗談にしても、BLF GTの仕様・性能からして、前回も述べた通り、やはりサーチ&レスキュー用途に特化した製品と考えられます。
ココで、「ワイドとスポットが調整可能なZOOM式のライトでも同じ…」と、思われるかもしれません。
確かにZOOM式ライトをスポット側にしても中心光がよく飛び、遠方照射が可能となりますが、ZOOM式ライトのスポット端(で、イイのかな?)では、周辺光は限りなくゼロになってしまいます。
ソレの何が問題なのかと言えば、周辺光が無いという事は、使用者の周辺(特に足元)を照らす事が出来ず、中心光部分のみに意識が集中することで使用者の危険回避行動が遅れ、最悪の場合は、二次遭難の発生にもつながります。また、捜索対象が近距離に存在した場合、周辺光がゼロの状態では見逃してしまう事にもなりかねません。
前回の照タイム画像で確認できますが、100%出力の状態であれば50m程度の範囲まで周辺光が届くので、GTは飛び系でありながら近距離も同時に照らせるように出来ています。
ただ、やはりこのサイズを持ち歩くとなると気合いが必要で、自分は近所のホムセンで工具用のケースを購入しました。内部に敷き詰めるウレタンフォームは用意できていないのですが、梱包用のエアクッション(浮き輪みたいなヤツ)を緩衝材にしています。(組み立てた状態で収納できるケースを選んだのは、撮影時の時間短縮の為です)
装備重量は2リットルのペットボトル飲料とほぼ同じ重さですが、実際に手に持ってみると、体積や重心の関係なのか重量以上に重く感じます。(撮影時、三脚に載せる時に 「ギシッ…」 という音が三脚から出たのはGTが初めてです)
一応、片手で持った状態で操作は出来ますが、もう片方の手でグリップを保持しながら、もしくはスリングで肩に掛けた状態のままスイッチ操作する事が多いと思われるので、使用時にはそれほど重さが苦にならないかもしれません。
子供の頃、単一乾電池4本仕様(4D)の大型電球ライトで、ハッキリと光軸が見えた時の感動というか、驚きというか…同じ経験を持つ方には、飛び系の面白さ、魅力がお判り頂けるかと思いますし、飛び系に興味の無い方にも、LEDライトでもココまで出来るようになった…と、知っていただけるだけでも嬉しく思います。
初めまして、
大きいライトですね、使う場面を想像すると買うことを躊躇ってしまいます。
Lumintop 3400mA-18650 と THRUNITE 3400mA-18650 は、
どちらも ハイドレインに対応していないと思うのですが問題なく使用できるのですか?
ボタントップなら何でもOKなら電池のことを気にしなくて良いので買いやすくなります。
ご覧戴きありがとうございます。
今回、レビューに使用した両電池は中身がNCR18650Bの電池ですが、これでもGTは問題無く作動しました。
ご存知かとは思いますが、ハイドレイン、すなわち放電性能の高い電池はIMR系のLi-ion充電池だけではありませんし、ハイドレインの定義そのものが曖昧で、現状では相対的な表現として“ハイドレイン”という文言が用いられているように感じます。
最近は、IMR18650なら連続放電でも10A、20Aは、特に珍しくもありませんが、数年前は3A放電が可能…というだけで『スッゲェ-!!(゚∀゚)』となっていましたし、当時としては、Max:3A放電でさえ“ハイドレイン”な18650だったのです。
※「1C以上の連続放電が可能」な電池を“ハイドレイン”と呼ぶこともあるようですが、「1C放電」についてはググってみてください。
...で、“どんな18650でもOKか?”と問われると答えは【NO】です。
具体例としては、過去記事の ThruNite TN36 / CREE MK-R (CW) を参照して頂きたいのですが、SoshineやTrustFire、UltraFireの18650は1.5A以下の放電性能しかない為に強制シャットダウンしたと思われます。
BLF GTも同じで、仕様を読むと最大:2A(MODE-SETのカスタマイズで2.5A)の電力を消費・要求されますが、実際にはその倍以上の放電性能を持つ電池を使わないとGT本来の性能を引き出せない…という事になるかと思います。(搭載LEDのデータシートに記載されている最大消費電力も電池選びの参考になります♪)
NCR18650Bだけでなく、どのLi-ion充電池(生セル)もそうですが、大抵はバージョンアップを重ねて性能を向上させています。
よって、初期のNCR18650Bと最近のNCR18650Bでは放電性能に差があり、今回レビューに使用した両電池が、どの程度の放電性能を有しているかは、実際に計測器を使ってテストしてみないと判らない…というのが実際のトコロです。
私の記憶も曖昧なのですが、初期のNCR18650Bは3A~5A程度で、後期のNCR18650BはICR系の18650でありながら10A放電に対応していたと思います。(間違っていたらゴメンなさい)
今回使った両電池が、“偶然にも” 5A以上の放電性能を有していた…のかもしれませんし、そのお陰で安定して動作した可能性も充分に考えられますね…(^^;
KEEPPOWERなど、名の通ったメーカーの由緒正しい(?)最近の18650電池であれば、5A~10A程度の放電性能は確実に有しているハズなので、メーカー品の良質な電池であれば問題ないハズです。
逆に18650でありながら“容量=4000mAh”とか“容量=6000mAh”とか、中身が不明で容量を詐称しているような18650電池では正常動作は期待できないですし、大電流に耐えきれずに電池の破裂や発火が起こる危険が満載なので使用は厳禁です。
結論ですが、もしIMR系の18650を使うなら、必ずプロテクト回路付きのIMR18650を使用し、今回のようにICR系18650を使うなら、中身(生セル)が明確な電池で、セルの仕様書が確認可能であり、同じくプロテクト回路付きで、かつ5A~10Aの放電性能を有する電池が必要になります。
以上、ご参考になれば幸いです♪(^^ゞ
詳しく説明していただき、ありがとうございます。
もちろん何でもOKと言っても、容量を詐称しているような怪しい物は論外です。
自分が所持しているTHRUNITE 3400mA-18650(2年ほど前に購入、外観は同じです)では
最近の高出力ライトではことごとく、シャットダウンしてしまっていて
自分の中では「使いにくい電池」となっていたので、「何でもOK」という扱いで表現してしまいました。
それでもひと昔前よりは十分にハイドレインなのですね、
ロットによって違うかもしれないので、完璧は無いのかもしれませんが、
複数の電池を使うライトではなるべくプロテクト回路付きを使いたいので、すごく有難い情報です。
Astrolux MF02 など、プロテクト回路付きの電池はサイズ的に無理なライトが多い中で、LUMINTOP は気が利いてますね。
ODF30 や、ODL20C でも、プロテクト回路付きでも使えるバッテリーチューブのサイズです。
でもまぁ、THRUNITE 3400mA-18650ではシャットダウンしてしまうんですけどね。。。
勉強になりました、ありがとうございました。
ちなみにランタイムってどのくらいでしょう??
はじめまして
当方もGT70と純正の18650Bの電池をメーカーから購入しましたが電池が電池ホルダー内に全く入りません
電池を電池ホルダー内に入れるコツなどあれば教えていただけないでしょうか
電池の長さは69mmで画像に写っている純正電池です
よろしくお願いします