ThruNite T20T

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ThruNite T20T Titanium

ThruNite の製品ラインナップにCR123A/16340仕様の T20 という型番のヘッドツイスト式フラッシュライトが有りますが、新たに T20S と T20T というリアスイッチ式の新製品が発売されました。

T20SとT20Tの違いは、本体素材がステンレス(T20S)か、チタン(T20T)かの違いなのですが、今回はチタンモデルのT20Tのレビューをしたいと思います。

既に単3×1(1AA)の T10S と T10T は販売されていますが T20S と T20T はCR123A/16340仕様となります。(T10はアルミボディも有り)
※追記:新T20シリーズにもアルミボディが追加されました。

ThruNite Official Page

ThruNite T20T 製品ページ

パッケージ

ThruNite T20T : package
ThruNite T20T : package
ThruNite T20T : package
ThruNite T20T Titanium

缶パッケージに本体、ディフューザー、クリップ、取付ネジ、六角レンチ、予備Oリング(2個)、取扱説明書(英語)が納められています。
本体は薄いシートでラッピングされちゃんと乾燥剤まで同梱されていました。

サイズ

ThruNite T20T : size

CR123A/16340仕様のリアスイッチ式ライトとしてはコンパクトで SOLARFORCE Z1 とほぼ同じ大きさ(全長:80.5mm)です。

重量

ThruNite T20T : weight

重さは電池(Li-ion 16340)とクリップ込みで 62gと軽量なライトに仕上がっています。

同じ電池仕様でT20Tより小型の OLIGHT S10 Baton でも 59gです。(S10の重量に関しては高出力(Max:320lm)の関係で放熱の為に銅系素材を多用しているのが重量増の要因?)

T20Tとほぼ同じ大きさの SOLARFORCE Z1 でも装備重量が 51g(実測値)なので、チタンの強度と耐久性をアルミのそれと比べるのは少々酷ですが、メリットを考えれば重量の増加は許容範囲内のレベルだと思います。

ボデイ

ThruNite T20T : body

ThruNiteのライトと言えば、全身にローレットが施されている製品を思い浮かべる方が多いと思いますが New T10S・T10T/T20S・T20T シリーズにはローレットは一切施されていません。

ローレットが無い分凡庸な印象を受けると思いますがチープ感は全く無く、逆にシンプルで有るが故に素材の質感が際立っています

チタン素材という事でチタン特有の黄味を帯びたカラーを想像していましたが、現物を手にしてみて画像の通り、色の問題は杞憂に終わりました。(T20TのチタンはTC4)

ThruNite T20T : body

ボデイにはゴシック体で T20Tの型番と反対側に THRUNITE の文字がレーザー刻印されています。

ThruNite T20T : clip
ThruNite T20T : clip
ThruNite T20T : clip

クリップはマット処理されたステンレス製で付属の六角穴のビスと工具を使って簡単に取り付けられます。

ローレットが無いのでクリップが無いとON/OFF操作の際に滑り易いか?とも思ったのですが、細かい加工痕が滑り止めとなり、クリップの有無でグリップ感や操作感にさほど違いは無い様に感じます。

チタン製ライトは表面がツルピカの鏡面(バフ)加工や艶消し(マット)加工された製品が多く、人によって好みが別れると思いますが、T20Tがリアスイッチ式である事を考えると特殊加工は反ってマイナス要因になったかもしれません。シンプルな仕上げに留めた事により、製品の質感を高めるだけでなく操作性も確保され、個人的にはコレが正解だったと思います。(鏡面加工のリアスイッチ式ライトは見た目は良いけど滑って使い難い)

ヘッド

ThruNite T20T : head
ThruNite T20T : head

LEDは CREE XP-G2 を搭載し、浅目のOPリフとARコートされた風防の組み合わせです。

ThruNite T20T : head

ヘッド部分の溝は、ヘッドを【緩める/締める】の操作でモード変更を行う際の滑り止めの役割を果たします。フライスによる加工痕がありますが、硬くて加工の難しいチタンで有ることを考えれば丁寧に加工されていると思います。

ThruNite T20T : joint

2分割式なので電池交換はヘッド側から行いますが、ヘッドとボディのジョイント部分のネジ加工も精度が高く、ゴリゴリ感は全くありません。

ThruNite T20T : PCB

PCBとボディの端部が直接接触して通電する構造なので、電池交換後にヘッドを意識して締めないと点灯しない事があります。

リア/スイッチ

ThruNite T20T : switch

スイッチはリバースクリック式で間欠点灯は出来ません。

点灯中、スイッチ半押し操作でモード変更が可能ですが、先に述べた通りモードの変更はヘッドユニットの【緩める/締める】によっても可能です。但し、キッチリとヘッドを締めないと通電しないので片手だとモード変更に失敗する事が有ります。なのでモード変更はリアスイッチで行った方が確実だと思います。

ThruNite T20T : switch

スイッチブーツの素材もチタンなので、金属同士の摩擦感はそれなりに有りますが、オールチタンやオールステンレス製ライトにありがちな『シャリシャリ』や『カチャカチャ』といった安っぽい金属音はしません。

押した感触はやや軽めでストロークも浅すぎず深すぎず丁度良い感じなので余程の事が無い限りミスクリックする事は無いと思います。

ThruNite T20T : spring

スイッチユニットは外部から分解出来る構造で、電池室内部側には【-】の接点となるスプリングだけが見えます。

リアのクラウン形状はキーリングやストラップを付けても“ロウソク立て”が可能な形状です。エッジ部分も面取りがなされているので操作の際の違和感も全くありません。

電池

ThruNite T20T : battery

電池サイズは割とシビアで、例の如く SOLARFORCE の 16340 はNG。
チョイ長の Soshine LiFePO4 でもヘッドが締まりきらずNG。

太さに関しては若干余裕が有る様に見えますが0.2~0.3mmぐらいの隙間なのでCR123Aのサイズに合致していないLi-ion 16340充電池は事実上使えないと考えた方が良いと思います。

照射

ThruNite T20T : Lighting

S10 BatonのみLEDがダイ面積の大きいXM-Lなので中心光が太くなり、リフの深い Archer が集光系の配光である事がわかります。ArcherよりT20Tの方が広角照射なのでEDCとして使い易いと思います。

ThruNite T20T : Lighting

・Firefly:0.04LM/100時間
・Low:11LM/19時間
・Hi:255LM/55分

モードは3モードでSOSもストロボもありません。
(個人的にEDC系ライトにはSOSもストロボも必要無いと思ってるので好感度大)

消灯時から2秒経過すると消灯時のモードが記憶されます。
点灯時にスイッチ半押しによるON/OFF操作(2秒以内)でモード変更を行います。

LowとHiの差が有り過ぎな感も有るのですが、EDCライトとして考えればコレが正解な気もします。(詳細後述)

ThruNite T20T : Lighting

浅めのOPリフなので広角拡散系の照射パターンになりますが、XP-G2・CWの所為かOPリフの割りに中心光と周辺光の境界がハッキリしている印象です。

ThruNite T20T with Dif.

標準付属のディフューザー(硬質プラスチック製)と組み合わせると↑な感じで、柔らかい光で周囲を照らす事ができます。

Hiの255LMでは、それなりにヘッド部分が熱くなりますが、この時季でも危険を感じる程ではありません。

S10 Baton のMax:320LMと比べると数値上では見劣りしますが、サイズを考えれば S10 Baton の方がギリギリな仕様であり、S10 Baton は熱もさることながらランタイムも極端に短いので明るさの数値だけでは判断出来ない気がします。

屋外照射

白昼(立木まで67m)

daylight

Firefly

ThruNite T20T / Firefly

Low

ThruNite T20T / Low

Hi

ThruNite T20T / Hi

ThruNite T20T – All mode

ThruNite T20T / All node

まとめ

“チタニウム”…何と甘美な響きでしょう・・・( ´¬`)

素材マニアでなくてもギークな方々は“チタン製”と聞けば『オっ!』っとなると思います。

しかしながらチタン製となると、多大なメリットを享受できると理解しつつも価格がネックとなり購入をためらってしまうのも事実。
実際、CR123A仕様のチタン製ライトとなると安価な製品でも$80近い価格で$100オーバーの製品も珍しくありません。

が・・・、今回ThruNiteからリリースされた一連のチタンモデルは、他メーカーのチタンモデルと比較しても価格が抑えられており、このT20Tも$59.95(直販価格)と、かなり意欲的・戦略的な価格設定がなされています。

ステンレスモデルとの価格差が$20なので、どちらにしようか迷うかもしれませんが、余程ステンレスに思い入れがある方以外は迷わずチタンモデルを選んだ方が後々絶対に後悔しないと思います。

ステンレス素材では実現が難しい軽量化というメリットと 『チタンだぜ…( ̄ー ̄)ニヤリッ』 という自己満足感は$20の価格差を補って余りあると感じます。

+++

EDCとして常に携帯する事を考えると軽量で充分な強度を兼ね備えているライトが理想です。

アルミ製ライトでも必要条件を満たすのですが、鍵束や他の金属製ガジェットと一緒に携帯すると、幾らHA-3塗装が施されていてもあっという間に塗装が剥がれて悲しい姿になってしまいます。(使い込んで“味”が出て来るとも言えますが…)

ステンやチタン素材でも【傷】が付くのは避けられませんが、GTR-141Tみたく塗装が剥がれる事は無いのでEDCライトとして末長く使えそうです。

T20Tの各モード(照度レベル)についてですが 『 EDCライトをどう捉えるか? 』 で評価が分かれるかもしれません。

Low:11LMでは屋内や鍵穴を照らすなら充分なのですが、夜道を歩くには少々厳しい・・・
Hi:255LMなら夜道でも必要にして充分な明るさなのですが点灯時間が55分と短くなる・・・
(Soshine 16340 700mA だとランタイムは更に短い)

ボタン電池仕様のキーライトや単4×1(1AAA)の単モード仕様ライトの代替として考えるならばLowの11ルーメンでも充分なのですが、それでもやはり中間モード(50~100LMぐらい)が有れば守備範囲も拡がるし1本有れば安心なEDCライトとしての価値がより高まる気がします。

非常時をメインとするか、屋内作業で使うか、オールラウンダーを求めるか・・・

ユーザーによって目的(要求)が異なるので【正解】は無いと思いますが、T20Tのモード(明るさ)に関しては、割り切りが必要かもしれません。

ちなみにわんパトで使う以外は、T20Tの明るさ(モード区分)でもEDCライトとして全く不便を感じない事を付け加えておきます。

カテゴリー: EDC, ThruNite, フラッシュライト タグ: , , , , , パーマリンク

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