『IMALENT』のブランド名を聞くと、doorman は製品名(モデル名)よりも先に『CREE XHP50.x / 70.x が複数配置された絵面…』を思い浮かべてしまうのですが、とにかく『高出力』に拘った製品をリリースし続けているメーカーとしてお馴染みかと思います。
中でも、現在市販されているフラッシュライトの中で最も明るいとされる『IMALENT MS18』は、最大光束値が 100,000ルーメン(!)というトンデモな代物で、IMALENT製品の代表格として、その存在感を示しています。
今回ご紹介する『IMALENT MS03(以下、MS03)』は、IMALENT日本さんより実機をご提供いただきましたので、例によってプロモーションレビューとなりますが、doormanにとって初めての IMALENT製品であり、久しぶりの10,000ルーメン超のフラッシュライトという事で少々緊張しております。
MS03は、21700 Li-ion充電池1本で最大13,000ルーメンもの光束値を持つ『爆光系』のフラッシュライトですが、“ The brightest EDC flashlight ”を謳うだけあって非常にコンパクトで強力なフラッシュライトです。
MS03 の実機を見て“ポケットモンスター”というフレーズが浮かんだのですが、黄色い彼(?)が登場するアレとの関係で、その言葉は敢えて封印し、実際にGWを挟んで約3週間ほど MS03 をガッツリ使用した感想や気付いた点などをレポートいたしますので、どうか最後までお付き合いください。
製品HP
- IMALENT LED Flashlight-OFFICIAL Store – imalentstore – imalentstore.com
- The brightest EDC flashlight IMALENT MS03 13000 lumen – imalentstore.com
- IMALENT 日本公式ストア – imalentstore.jp
- 最も明るいEDC懐中電灯 IMALENT MS03 13000ルーメン – imalentstore.jp
- Imalent-JP メーカー直営店 – amazon.co.jp
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INDEX
パッケージ
外箱は『黒』を基調とした紙製のハードBOXで、両サイドのメーカーロゴや主要諸元は箔押しされています。
モバイルバッテリーをパッケージサイズの比較として並べてみました。
MS03のパッケージを見た第一印象は『ちっさ!(゚∀゚)』以外の何者でもなく、とても10,000ルーメン超の製品が納められているとは思えず、外箱の厚みはありますが『間違えて別のモデルが送付されて来たか?』…と思ったほどです。(^^;
製品内容
外装の筒(?)には外箱と同じMS03が印刷されています。(※MS03が2つあるワケではありません)
外箱のサイドにマグネットが仕込まれており、サイドから『ガバッ!』と開けるタイプのパッケージです。
MS03本体はベルベット調の表面仕上げがなされた緩衝材に納められています。
黒い小箱の中には小物類が小袋にまとめられ、ホルスターの中に収納されています。
製品内容は、MS03本体、21700充電池、予備Oリング(大小)×各1、USB充電ケーブル、ランヤード、多言語マニュアル(日本語サポート)、乾燥剤となっています。
ホルスター
付属のホルスターは布製で比較的カッチリとした造りです。
ベルトループ部分はモールシステムにも対応していますが、MS03には小さめのサイズでヘッド部分がスッキリと納まらず収納時には少々手こずります。
本来は MS03のようなラージヘッドなライトではなく、ストレート形状のライトを想定したホルスターかと思いますが、携帯性に優れたMS03なので、もう少し余裕のあるホルスターを付属させてくれると有難いです。
ランヤード
付属のランヤードは、IMALENTのロゴ入りでループ部全体は柔らかいストレッチ素材、ループストッパーを備えています。
MS03のテール部分にはランヤードホールが存在せず、リードはヘッド部分の放熱フィンに設けられたランヤードホールに通します。(※ランヤードホールは左右両サイドに配置)
実はココにランヤードホールが設けられているとは知らず、MS03のテール部分とランヤードを見つめながら『これは一体…?』と、暫し考え込んでしまった doormanであります(笑)
ランヤードがこの位置にあっても、MS03自体がサイドスイッチ・オンリーのライトなのでハンドリングしやすく、常にヘッドが上向きとなるので素の状態なら誤点灯にもスグに気付き、同時にヘッド、特にフィルター部分の保護にも繋がります。
絶縁材/保護フィルム
21700 Li-ion充電池はMS03本体にセットされた状態で出荷されます。
使用前にテールキャップを外し、絶縁シートの除去と21700の再充電を行ってください。
ガラスフィルターには傷防止の保護フィルムが貼られているので使用前に必ず剥がしてください。
仕様/サイズ
■ FEATURE
・PRODUCT CODE : MS03
・LED TYPE : 3 pieces of American CREE XHP70 2nd LEDs
・BATTERIES REQUIRED : 1x rechargeable 4000mAh 21700 Li-ion battery
・LUMINOUS FLUX : Up To 13000 Lumens
・RUN TIME : Up To 27h
・INTENSITY : 26320cd (Max.)
・DISTANCE : 324m (Max.)
■ OPERATING MODES
・Turbo / High / Middle II / Middle I / Middle Low / Low /
■ MEASUREMENTS
・36 (head diameter) x 27 (body diameter) x 110 (length) mm
・WEIGHT : 187g (battery included)
・IMPACT RESISTANCE : 1.5m
・WATERPROOF : IPX-8 standard waterproof( 2 meters submersible)
MS03の基本性能や特徴はマニュアルに日本語でも記述されていますが、日本語によるモード一覧表の記載が英語表記と微妙に異なるので、モード名称は英語の一覧表を参照してください。
比較画像で一目瞭然なのですが MS03は全長が短く、長さだけであれば18650仕様の製品(VezerLezer ED10)と殆ど変わらない…と、言うか、同じです。
さすがに3眼のライトで、21700仕様の製品なので『太さ』に関してはそれなりのサイズとなるのですが、このサイズで『Max : 13,000 lm』というのが衝撃的で、レビューを書いてる今でも信じがたい…ってのが本音であります。
装備重量の実測値については、カタログ値と6グラムほど重くなっていますが、それでも200グラムを切っています。
MS03のサイズからするとやや重めとも言えますが、XHP70.2を3発積んでいるので照射に伴う蓄熱・放熱を考えると妥当…というか、個人的には『意外と軽いな…』と感じました。
以前にも書きましたが、高出力ライトなのに本体重量が軽いと『あっ』という間にライト全体がアツアツになるので、MS03は必要最低限の重量と考えられます。
ボディ
マニュアルの仕様にも製品寸法が記載されていますが、改めて各部寸法を計測したので購入検討時の参考にしてください。
MS03は上下・左右対称のスッキリ形状で、個人的に好みのデザインです。
グリップ部分よりもヘッド部分が長く、一見するとヘッド部分が重そうな印象を受けますが、実際の重心位置はヘッドとグリップの境目付近になります。
MS03を手にしてみると、放熱フィン、或いはスイッチの反対側に人差し指が来てヘッドを支える形になるので、特にヘッドが重いとは感じず、自然に手のフィットする感じです。
また、大出力ライトの割りにはグリップ径が細く握りやすいのでハンドリングが非常に楽です。
MS03は3ピース構造なので、クリーニングやグリスアップなどのメンテナンスも行いやすくなっています。
表面仕上げは HA-Ⅲ、着色ムラなども一切なく非常に綺麗です。
グリップ部のローレットは深くはなく、素手で触るとサラサラとした感触ですが、布地の手袋をするとローレットに繊維が纏わり付くような感じなので、見た目よりもローレットのエッジが立っていて、濡れた手で握っても滑りにくくなっているようです。
ヘッド/LED
搭載LEDは、CREE XHP70.2×3 の Cool-white、リフレクターは鏡面(SMO)仕様です。
ヘッド部分のボリュームは、3つの XHP70.2 を実装するためのスペースと、LEDから発せられる熱を受け止める為のサイズですが、従来の多灯・大光量製品と比較すると格段にヘッドサイズは小さくなっています。
故にMS03のヘッドサイズに3個の XHP70.2 となると各LEDの間隔は狭くなり、必然的にリフレクター1個のサイズも限定的となります。
リフレクターサイズとXHP70.2の組み合わせにより、どのような配光となるか?…は、後半の照射画像をご覧ください。
ヘッド部分全体、放熱フィンも含めて細部まで丁寧に加工されています。
よく見るとヘッドユニットは面白い構造で、ベゼル部分と放熱フィンの加工がなされている部分との2ピースとなっているようです。
スイッチの周囲とスイッチの反対側に穴の開いたプレートのような部分がありますが、これらの部分は放熱フィン側のパーツと一体となっており、そこにベゼルパーツが差し込まれている構造になっています。
使い慣れてくるとヘッドサイズも気にならなくなりますが、これは MS03 のデザインがスッキリとまとまっている事も大きいと思います。
前述の通り、放熱フィン部分にはランヤードホールが設けられていて、アンチロール効果も備えています。
ヘッド側のジョイント部は角ネジでネジの長さも充分に確保されています。
ヘッドを緩めての物理的ロックアウトも可能ですが、Oリングがしっかりと効いているので、通電カットによるロックアウトを実行する場合は、テールキャップを緩めるほうが楽に行えます。
ヘッドが外せるお陰で、PCBの外周接点および『+』接点のクリーニングなど、メンテナンスが簡単にできます。
付属する21700はボタントップ型の21700ですが、『+』接点が凸形状なので、35Aの放電性能さえ満たせばフラットトップ型21700充電池も使用可能です。
スイッチ
スイッチトップは金属製なのでシリコンラバーのスイッチに比べて耐久性が期待できます。
スイッチ内部の機構は一般的なタクトスイッチで、疑似クリック感やスイッチストロークなどの操作感は一般的なサイドスイッチと大きな違いはありません。
突出量は少ないのですが、スイッチ操作時にはスイッチの反対側に人差し指を添えられ、スイッチ面積も大きいので3回、4回のクリックも楽に行えます。
スイッチと縦並びに配置されたインジケーターは、電池残量通知(低電圧警告)だけではなくスイッチ位置(場所)の目印となります。
※英文マニュアルには『電池電圧が3.0Vを下回るとインジケーターが2Hzで点滅』と記述されています。
アンチロール部分に幅を持たせているので手探りでも上下左右が識別でき、スイッチの位置も特定できるのですが、インジケーターの常時点灯設定(※後述)を行うことで、暗闇でもスイッチの位置がより把握しやすくなります。
サイドスイッチのライトは、テールスイッチのみのライトと比較するとスイッチ位置の確認に手間取り、特に速射したい場合にはストレスを感じる事があるのですが、インジケーターの有無で心なしかストレスが軽減される…気がします。
テール
テールエンドは完全なフラット形状でテールスタンドさせても安定します。
ヘッドサイズが大きなライトは、テールスタンドさせると重心位置が高くなり不安定になりがちですが、MS03は全長が短くテールエンドの面積も大きいので安定しています。
テール側のネジも角ネジ加工され、スレッドも長めに確保されています。
テールエンドにはモデル名や13000ルーメン、電池サイズ(21700)と放電能力(35A)がプリントされています。
テール側には『-』接点となるスプリングのみが存在し、マグネットなどは内蔵されていません。
電池
電池は『+』方向からライトに挿入します。
マニュアルにも記載がありますが、放電能力が35Aを下回る21700充電池は使用不可となるので注意してください。
付属の 21700 Li-ion充電池は容量:4,000mAh、型番は MRB-217P40 で、過充電・過放電防止のプロテクト回路を備えています。
電池のサイズを実測したところ、電極を含む全長が 77mm、直径が 21.5mmでした。
MS03にセットすると、全く余裕のないギリギリのサイズで、付属の21700より0.1mmでも太い直径の21700は物理的に使えません。(…ってか、35A以上の放電性能を有する21700となるとIMR系のLi-ion充電池一択となるので、日本国内で手軽に購入…というワケにもいかないですね…)
パッと見は『+』極側にも『-』接点が存在する特殊な充電池のように見えますが、『+』極周囲の銀色の部分は絶縁フィルムで保護されていて電気的な接点とはなっていません。
また、『+』接点周囲の白い樹脂製ガードは、汎用充電器で誤って充電しない(出来ない)ようにするための安全装置の役割を果たしています。
以前にも書きましたが、OLIGHT社の電池に多く見られる『+』極側にも『-』極が存在する特殊な電池や、充電用のUSBポートを備えた電池は、汎用充電器で充電すると電池内部の回路がアッサリ故障して再起不能となるので注意してください。
充電
スイッチ付近に配置されたインジケーターは、通常設定下ではライトの使用中に常時点灯し、設定により消灯時もインジケーターのみを点灯させる事が可能です。(※詳細後述)
低電圧警告は『3.0Vを下回った時に2Hzで点滅』なので、使用中の電池電圧低下を把握しづらいのですが、頻繁に【Turbo】点灯させた場合などは、こまめに充電するようにした方が良さそうです。
21700の充電ポートは USB Type-C。
付属の充電ケーブル(全長:約71cm)を使い、21700充電池単体を充電します。
マニュアルには MS03本体にも充電機能があるような記述がされていますが、充電はMS03から電池を取り出して電池単体を充電します。
付属の充電ケーブルを使い、USB-Aポートを備えたモバイルバッテリーやPCなどと21700充電池を繋ぎます。
接続後は直ちに充電が開始され、電池の『+』極側にあるインジケーターが充電中は【赤】、充電完了後は【緑】で点灯します。
充電時は、最大:5V/2A での充電が可能で、この場合は空の状態から約3時間30分で充電が完了するようですが、給電側が2A出力に対応していない場合は、更に充電時間が伸びるので注意して下さい。
モード
MS03は、通常モードが【Low】→【Mid-Low】→【Mid-1】→【Mid-2】→【Hi】の5モード。
特殊モードが【Turbo】と【Strobe】の2モードで、搭載モードは計7モードになります。
モードメモリを備えており、2つの特殊モードを除いて消灯時のモードで再点灯します。
操作
マニュアルにも操作方法が書かれていますが、3回クリックなどに関する記述が無いのでUIを図式化してみました。
MS03 のモードグループは、『通常モード群』と『特殊モード群』に分かれています。
【Turbo】や【Strobe】などの『特殊モード群』へのアクセスは、点灯(ON)/消灯(OFF)の状態に関係なく2回の連続クリックで行い、特殊モード群に移行した場合は必ず【Turbo】で点灯を開始します。
『特殊モード群』から『通常モード群』に移行するには、点灯中にスイッチを長押し(2秒)します。
点灯/消灯
点灯/消灯は、スイッチのシングルクリックで行い、通常点灯・特殊モード点灯に関係なく、点灯状態でシングルクリックすると消灯(OFF)となります。
通常モード
モード変更・選択
通常モード群でのモード変更は、点灯等状態でスイッチをロングプレスすると【Low】→【Mid-Low】→【Mid-1】→【Mid-2】→【Hi】→【Low】… のループサイクルでモードが移行し、スイッチを離すとその時点のモード(レベル)で常時点灯になります。
通常モード下で消灯した場合は、消灯した時点のモード(レベル)が記憶され、再点灯時には記憶されたモードで点灯を開始します。
ダイレクト・ロー(Direct Low)
消灯状態にて、スイッチを連続3回クリックレスすると、記憶されたレベルがキャンセルされ、最も低いレベルの【Low】で点灯を開始します。(※マニュアルには記載されていません)
3回クリックによる強制【Low】点灯は、後述する特殊モード(Turbo/Strobe)からでも有効です。また、通常モードの【Low】以外での点灯中でも、スイッチを3回クリックするとモードサイクルの移行順序をスっ飛ばして問答無用で【Low】に移行します。
特殊モード
点灯・消灯状態に関係なく、スイッチを連続2回クリックすると【Turbo】で点灯します。
【Turbo】で点灯した後、更にスイッチをダブルクリックすると【Strobe】に切り替わり、以降もダブルクリックで【Strobe】と【Turbo】が交互に切り替わります。
【Turbo】/【Strobe】のモードに関係なく、スイッチをシングルクリックすると【OFF】になります。
【Turbo】/【Strobe】のモードに関係なく、スイッチを3回クリックすると、通常モードの【Low】に移行します。
【Turbo】/【Strobe】のモードに関係なく、スイッチを長押しすると、通常モード群の記憶されたレベルより1段上のレベルに移行します。具体的には Mid-Low で記憶された状態で Turbo/Strobe で点灯した後に、長押しで通常モード群へ移行すると Mid-Low より1段上の Mid-1 に復帰・点灯します。
インジケーターの常時点灯
消灯時にスイッチを2秒間長押しすると、消灯時でもインジケーターが常時点灯するようになります。
インジケーターの常時点灯を解除するには、同じくスイッチを2秒間長押しするか、テールキャップを緩めて完全に通電をカット(物理的ロックアウト)します。
ロックアウト設定
消灯時にスイッチを素早く4回クリックすると、インジケーターが3回点滅した後にロックアウト状態になります。
ロックアウトに設定された状態でスイッチを操作すると、操作時間(スイッチを押している時間)のみインジケーターだけが点灯します。
ロックアウト設定時には、先項のインジケーター常時点灯は一時的に解除されます。
ロックアウト設定の解除は設定時と同じくスイッチの連続4回クリックで行います。ロックアウト設定前にインジケーターの常時点灯を設定していた場合はロック解除後に設定状態に戻ります。
ロックアウト設定中に通電カット(物理的ロックアウト)を実行してもロックアウト設定は解除されません。
《2022.05.27:追記》
ロックアウト設定に関する補足
スイッチ操作によるロックアウト設定を行った後に、更にテールキャップも緩めて通電をカット(物理的ロックアウト)した状態、すなわち二重ロックアウト状態の時に一度でもスイッチを操作すると、スイッチ操作によるロックアウト設定は強制解除され、テールキャップを閉め直して通電を再開、そのままスイッチをクリックするとライトが点灯します。
インジケーターの常時点灯設定とスイッチ操作によるロックアウト設定の両方を行い、更に物理的ロックアウトを実行した場合も同じで、通電カット状態で一度でもスイッチ操作を行うと、インジケーター、ロックアウト設定の双方が強制解除されます。
通電カット状態にてスイッチ操作を行わなければロックアウト設定は解除されずに設定は有効のままとなります。これは、インジケーター、ロックアウト設定の二つを設定していた場合も、通電カット状態にてスイッチ操作を行わなければ両設定とも有効のままとなります。
過熱防止機構
英文マニュアルには、本体温度が55℃に達した場合に2,000ルーメンまで出力を下げ、65℃まで上昇した場合には【Turbo】での点灯ができなくなる旨の記述があります。
出力レベルの一覧には『Turbo点灯時は45秒で2,000ルーメンまで減光』の表記がありますが、屋外照射の撮影時(気温:15℃)に自動減光されるまでの時間を計ったところ、大体45秒で減光されました。
もし、リミッターの発動が時間経過だけでなく、55℃の上限温度もリミッターの発動条件ならば、夏期など外気温の高い条件下では45秒を待たずに減光されるかもしれません。
IMALENT MS03 / 3x CREE XHP70.2 : 21700 – 13,000lm Flashlight review (日本語版)
照射
今回はこの4機種で照射比較を行ってみました。
MS03以外の3機種は、最新…とは言い難く、複数セル仕様のボディサイズも大型の機種ですが、ヘッドサイズ(リフレクターサイズ)の違いで、どんな風に配光が変化するか?…をご覧戴けたらと思います。
水平照射
配光/光色
LED電球
IMALENT MS03
MANKER MK36
OLIGHT X7R
THRUNITE TN36-UT
屋外照射
白昼(立木まで67m)
IMALENT MS03
MANKER MK36
OLIGHT X7R
THRUNITE TN36-UT
※白飛びが激しかったのでシャッタースピードを2段上げて撮影
MS03のリフレクターは、ボトムホールがLEDドームのみが露出するサイズとなっているので、蛍光着色されたセラミックベースの反射光による色偏差はかなり抑えられています。
色偏差が完全に無いワケではありませんが、MS03では至近距離で照射しても XP-G3、XHP50.2、XHP70.2で発生する中心光周囲の色偏差は殆ど視認できません。
色偏差が発生しないので、照射面全体が『 That’s Cool-white! (゚∀゚) 』という感じの真っ白な光色(色温度)となり、照射していても気持ちイイです。
直径:約37mmのヘッドに3個の XHP70.2 が配置されているのでLEDの間隔が狭く、各リフレクターの口径も限定される為か三眼のライトにしては中心光が絞られた配光になります。
超至近距離で照射すると『ウールマーク』のようなパターンが確認できますが、数十センチも離れるとソレも視認できなくなり、照射角度が広角の拡散・極太中心光となります。
【Turbo】モードでは、前述の通り約45秒で自動減光されましたが、減光直後ではヘッド部分が熱を持った状態となります。
最大出力で照射する必要に迫られるのは希かと思いますが、スイッチがヘッド部分に配置されている関係で、季節によってはヘッドが冷めるまでスイッチ操作に影響が出ることも考えられます。
ただ、歩行であれば150ルーメンの【Low】で充分、通常用途では3,000ルーメンの【Mid-2】でさえ使用する機会は少ないと思うので【Turbo】点灯に伴う発熱にナーバスになる必要はないと思います。
蛇足ですが全モードに於いてフリッカーの発生はありません。
まとめ
最大光束値が何ルーメンなら『爆光』なのか?
『爆光』の定義が有るワケではないのですが、IMALENT MS03 は『爆光フラッシュライト』と呼んで差し支えないと思います。
やはり『このサイズで、この明るさ』というのが MS03 最大のウリであり、約45秒間とういう制限はあれど最大:13,000ルーメンで照射可能なのに軽量でコンパクトなMS03は、身構えずに持ち出せる大光量のフラッシュライトであるのは間違いありません。
実際、爆光ライトの便利さ、有用性を理解していても、複数セルの大型な爆光ライトになると、手軽に持ち出して…というのが難しく、出番(使用頻度)が減って、結局、宝の持ち腐れ…という事になりかねません。(※経験談)
勿論、フラッシュライトは携帯性に優れている事だけが重要ではなく、自然災害に備えて宅内で保管・使用、車載してアクシデントに備える、キャンプする時の照明として…などなど、状況や用途によっては携帯性以外の要素が重要になるので、MS03に限らず、どの要素・機能を優先するか?(必要とするか?)で製品に対する評価が変わるのは当然と言えます。
また、小型であるが故の制限(主にランタイム)も出て来るのですが、MS03の最大出力(Turboモード)以外は、実用的なランタイムを実現しています。
気になった点としては、残量表示のタイミングとインジケーターの配置、インジケーターの常時点灯設定に関するモノです。
低電圧警告としてインジケーター表示が変化するのが『3.0Vを下回った時点で点滅…』というのはギリギリ過ぎる感があり、21700×1 という電池仕様を考えると、残量通知は電池電圧に応じて4段階ぐらいで変化・認識できるようにして欲しいです。
インジケーターの配置・位置に関しては、スイッチの下(テール側)にあるので、スイッチ付近に親指を置くとインジケーターが隠れてしまいます。できればスイッチの中心、もしくは上方(ヘッド側)にあれば、インジケーターが常に確認しやすいかと思います。(低電圧警告がギリギリなので尚更…)
インジケーターの常時点灯設定は、消灯時にスイッチを2秒間長押しする事でインジケーターが常時点灯となり、暗闇でもスイッチの位置がスグに判る…のですが、この設定のまま、テールキャップを緩めて通電をカットする物理的にロックアウトを実行すると、インジケーターの常時点灯設定は解除・無効化されてしまいます。
誤点灯を防ぐ為にテールキャップを緩めて携行、イザ点灯しようと通電状態にしてもスイッチの位置がスグに判らず…となると、折角の『目印』としての便利さが半減してしまいます。
一方で、スイッチを4回クリックしてロックアウトを設定、更に物理的ロックアウトを実行した場合には、ロックアウト設定は継続・有効のままとなります。(※但し、通電カット状態でスイッチ操作を行うと設定は強制解除されます《2022.05.27:追記》)
安全性を重視した結果なのかもしれませんが、個人的には物理的ロックアウトで通電を強制カットしても、インジケーターの常時点灯設定は継続、ロックアウト設定は強制解除…のほうが、通電/非通電の確認が容易となり、両機能の復帰・設定解除の手間も省けて便利な気がします。
後は、これだけ携帯性に優れているMS03なので、付属のポーチがもう少し余裕のある造りであれば完璧だと思います。
それでも、過熱防止機構はキッチリと動作しますし、UIも整理されて直感的に操作できる扱いやすい爆光ライトなのは確かで、『明るいライトは欲しいケド大きくて…』と、考えている方にとって IMALENT MS03 はピッタリの1本だと思います。