今回は、昨年9月頃にポチした MIHOSE P1C (以下、P1C)についてのレポをお送ります。
数年前から気になっていた1本ですが、結論から言って価格の割りにしっかりとしたクオリティで、お買い得感は高いと思います。
過去にはアリさんで Bronte と同じライトを MIHOSE ブランドで販売していたと記憶しています。
doorman的には、ガワ(シェル)さえちゃんとしていれば、『中身(LEDやPCB)を載せ替えて…(゚ー゚*)。oO』とも考えていたのですが、そのままでも使用に耐えうる製品でした。
CR123A/16340 対応の単セル仕様、LEDは CREE XP-G2、充電機能無しと、昨今の小型・高出力ライトと比較すると2、3世代前の製品でスペック的には物足りなさを感じますが、CR123A/16340 単セル仕様でシンプルな製品がめっきり少なくなっている中で貴重な存在かとも思います。
テールエンドの形状がUシェイプに加えて小型サイズなのでスイッチ操作のし辛さはありますが、フォワードクリック式でメモリー機能なしの【Hi】スタートと、なかなかタクティカル風味の強いフラッシュライトになっています。
貴重な存在だから情報が少ない…ワケではないと思いますが、メジャーなブランドの製品と比較すると情報が少なく、情報収集の手段も限られているので、MIHOCE P1C について詳しくレポしたいと思います。
INDEX
パッケージ
アマポチしてから10日ほどで大陸から到着しました。
自分がポチした後に暫く『品切れ入荷未定』状態でしたが、昨年末に販売が再開されました。
外箱はクラフト紙ベースのカッチリとした造りです。
CR123A リチウム乾電池が付属してきたのには驚きましたが、オマケの電池なので使用期限とか細かいツッコミは無しで…(^^;(※詳細後述)
箱の中には、P1C本体の他にも色々とぎっしりと詰まっていて、直方体の小箱の中にはホルスター他の付属品が収納されています。
付属品は、ホルスター、予備Oリング×2(大・小)、予備スイッチブーツ、ポケットクリップ、HEXレンチ、ランヤード、製品マニュアル(英文)となっています。
テールエンドには、ポケットクリップの装着穴とランヤードホールが別々に設けられていますが、ポケットクリップはネジ切りが施してある穴に、付属のHEXレンチとビスを使って装着します。
ホルスター
付属のホルスターもカッチリとした造りで、ベルトループ部分はモールシステムにも対応しています。
P1Cのサイズはポケットキャリー可能なサイズではありますが、ホルスターが付属することで、より安心してキャリーできるかと思います。
仕様/サイズ
マニュアルには IPx8 1.5mの記載がありますが、実際に点灯中に水没させても普通に点灯し続けました。
amazon の販売ページには大まかなサイズが記載されていますが、各部の寸法や重量を計測したので参考にしてください。
ボディ
各部のCNC加工、および電着処理も丁寧に行われています。
電着の仕様については、マニュアルに HA Type-Ⅲ の記述があります。実際のところはどうか判りませんが(笑)剥げもなく均一で綺麗です。
HA-Ⅲでなくとも、この価格でこのレベルのクオリティを保っているならば充分に納得できます。
ポケットクリップは好みで装着すれば良いのですが、装着すればアンチロールにもなり、僅かながらグリップ感の向上にもなります。
P1Cはヘッドが大きく(長く)、握った際の指掛かりが約55mmしかないので『グーパンチ』で握ると握りづらく、Uシェイプによりスイッチの操作時には親指が曲ってしまうのでホールド感がすこぶる悪いです。
指2本で握るとスイッチ操作が比較的しやすくなりますが、テールキャップの直径がもう少し太ければスイッチ操作時のストッパー(滑り止め)になり、操作感も良くなったのでは?…と思います。
ヘッド
CREE XP-G2 にミラーリフ(SMO)の組み合わせでスポット強めの配光です。
ステンレスベゼルは割と簡単に外せます。
まだヘッドをバラしてはいませんが、LEDの積み替えなど、改造ハードルは低いと思います。
先端からガラス製の風防フィルターまでが深いのでヘッド径の割りに広角照射とはなりませんが、このステンレスベゼルは個人的萌えポイントであります。
ヘッドパーツとグリップパーツは別パーツだと思いますが、この二つは接着固定されているようで分離できませんでした。
テールから覗くと制御基板の一部が見えます。
【+】接点の周囲に樹脂製と思われるリング状のパーツが存在しますが、電池の逆挿入防止用のパーツかと思われます。このリングパーツによりフラットトップ型の電池は使用不可となっています。
既存の回路基板の直径は17mmだと思いますが、もしかしたらφ20mmの基板が使われているかもしれません。ただ、意外にも(?)全モードでフリッカーが発生しないので、基板交換は当面見送りすることにしました。
しかし、テール電流を計測してみたところ【Hi】モードでは過電流気味の電流量だったので、5ワットのXP-G2から10ワットクラスの XP-L や SST-20 にLEDを交換するつもりです。
モデル名とS/No.、メーカーロゴがヘッドにプリントされています。
ヘッドに施された『溝』もアンチロール効果を生み出していますが、ポケットクリップを装着したほうがアンチロールになります。
スイッチ
スイッチはフォワードクリック式で間欠点灯が可能です。
テールエンドがUシェイプに加え、スイッチトップが低いので押しやすいスイッチではありません。
新品だからなのか?、それともスイッチブーツが肉厚なのか…?
スイッチの感触が不自然に固いのでスイッチ部分をバラしてみましたが、ロックリングは逆ネジになっていました。
スイッチ本体は12mm角の汎用パーツ、ラバーブーツも 12×16×7.5 の一般的なサイズでしたがブーツ全体の肉厚が少し厚いようです。
ブーツの高さ(厚み)がもう少しあれば操作感も良くなると思うので、NITECORE MT2C のラバーブーツと交換してみようと思います。
ジョイント部のネジは山ネジです。
ネジ部すべてに絶縁塗装が施されているので、リアを緩めてのロックアウトが可能です。
製造されてから時間が経っているからか、未塗装部分が黒ずんでいました。使用前にクリーニングして酸化被膜を除去することをお薦めします。
電池
P1C は CR123Aの一次電池、16340 Li-ion充電池に対応していますが、フラットトップ型の電池は使用不可になります。
一応、LiFePO4 のRCR123でも点灯させられますが、電池の全長が長く電池にストレスが掛かるのでお薦めはしません。
注記として、16340を使用する場合はプロテクト回路付きの充電池を使用する事が求められています。
P1Cと同送されて来たのは『LISUN』というメーカーのCR123A電池でした。
電池の使用期限、製造日が曖昧なのはアレですが、届いてスグに動作確認ができるのは有難いです。(開封直後の電池電圧は 3.2v を保っていました)
モード
P1Cの搭載モードは下記の4モードになります。
- 【Hi】281lm:1.2時間
- 【Low】48lm:4時間10分
- 【Firefly】0.4lm:148時間
- 【Strobe】281lm
各モードの数値がCR123Aを使用した場合か、それとも16340なのかは明記されていませんが、照タイム画像からは16340使用時の数値と思われます。
モードの選択は、消灯状態(OFF)で半押しを繰り返すと【hi】→【Low】→【Firefly】→【Strobe】→【Hi】…のサイクルでモードが移行します。
いわゆる直線4モードでサイクルの中に【Strobe】が含まれていますが、モードメモリは備えておらず、時計読みですが消灯後3秒経過すると【Hi】スタートにリセットされるので使い辛くはないです。
前述の通り、全域でフリッカーは発生せず、低出力時でも使いやすいのですが、【Finefly】は、10~20ルーメンくらいの明るさで、表記の 0.4ルーメンよりも遙かに明るいです。(^^;
CR123A使用時の【Hi】モードでは電力消費が激しく、電圧降下スピードが半端なく早いので、実際に1.2時間ものランタイムが得られるかは疑問です。
また、過熱防止リミッターなどの安全装置は搭載されていないと思われるので、16340使用時での【Hi】モード点灯は短時間に留めることをオススメします。、
ロックアウト機能
誤点灯防止のロックアウトは、リアを緩めての物理的ロックアウトになります。
照射
今回はこの5本で照射比較してみました。
すべて CR123A、もしくは16340の単セル仕様のライトですが、P1Cと同時期に販売されていたと思われる機種を中心に集めてみました。また、両規格の電池に対応している機種については電池の違いによるビームショットも撮影しました。
水平照射
配光/光色/演色
LED電球
MIHOSE P1C
SUNWAYMAN S10R
SOLARFORCE Z1
SURFIRE EB1C-B
P60 LED bulb
屋外照射
白昼/軸線(立木まで67m)
CR123A リチウム電池
MIHOSE P1C
SUNWAYMAN S10R
SOLARFORCE Z1
SURFIRE EB1C-B
P60 LED bulb
16340 Li-ion充電池
MIHOSE P1C
SUNWAYMAN S10R
P60 LED bulb
ミラーリフ+XP-G2により中心光クッキリのピンスポット配光ですが、肉眼だと中心光部分に少しムラがあります。屋外では気にならないレベルなので許容範囲内であります。
ピンスポット配光で真っ白な Cool-White なのでそれなりに飛びますが、P1Cより大きなリフレクターのP60バルブよりも飛距離は限定的です。
カンデラ値の表記『7320cd』から飛距離を計算すると √(cd÷0.25) により 約『171m』になります。以前レビューした NITRCORE MT2C (390lm / 7100cd)と比較しても遜色ない飛び具合なので最大:281ルーメンの数値にも納得できます。
まとめ
スイッチ操作の操作感がもう少し良ければ文句ナシ♪…なのですが、タクティカルリングなどを後付けするのも難しく、スイッチブーツを背高なモノに交換しても『快適』な操作感とするには難しいかもしれません。
クリップ部分にペンダント(スカルや盾のエンブレム)やパラコードを通すなりしてストッパーとするのが最もお手軽なので試してみようと思います。
フリッカーが発生しない既存の回路はそのままにしてLEDを載せ替えると面白そうですが、燃費が良くないので長時間の使用を前提とした用途には適さない気がします。
『ジャンクフード』と言っては失礼かもしれませんが、doormanはこういう製品も大好物なので(笑)購入してヨカッタと思います。
P1Cのような CR123A/16340 単セル機でもソレなりにボリュームがあるので冬季にしかポケットキャリーできない(しない)のですが、手元に置いて大事に使っていこうと思います。
どちらかと言えばクセの強い製品なので万人にお薦めはできないのですが、気になるのであれば早めのポチをお薦めします。
amazonで販売されている事にお気付きの方も多いかと思いますが、クオリティが読めずにポチあぐねている方の参考になれば幸いであります。