今から約8年前、LEDフラッシュライトに興味が沸き始めた頃にマイ・ハートに突き刺さったライトが、この NITECORE MT2C です。(他にも IFE1 や EX11、D11.2 などなど、当時のNITECORE社のデザインは大好きでした♡)
記憶が曖昧なのですが、大文字・小文字が混在した NiteCore のロゴ表記が NITECORE の大文字表記に変わって間もない頃の製品だと思います。
その頃は、片足の指先をライト沼に浸けた程度で済んでおり、海外製フラッシュライトの製品価格を見て『こんな高いライトを買う人が世の中に居るんだ…』と衝撃を受け、『とても自分には買えない!』と、思いながらアカリセンターさんのHPを眺めていた記憶があります。(慣れって恐いですネ…( ˘ω˘)ウンウン
また、ジェントスやレッドレンザーの単三、単四電池を使うLEDライトから沼に沈み始め、沈む前から所有していた3本の電球マグライト(ミニマグ、マグソリ、3C)が全てアルカリ乾電池仕様だった事もあってか、18650/16340充電池やCR123A電池を使うライトは、異次元世界の製品のようなイメージがありました(笑)
MT2Cは、異次元世界の扉を開いてしまった後もずっと気になっていた1本なのですが、NITECORE社製充電器の不具合により、意識してNITECORE社の製品と距離をおいていたので、結局買わずじまい…となっておりました。
ここ1~2年の内に、複数のNITECORE社製ライトを使うようになってから変な先入観もなくなり、色々と見えて来た(ような気がする)のと、THYRM の Switch Back 2.0 の対応機種に“MT2C”の記述を見つけて断線していた物欲センサーの回路が自動修復されてしまいました。
既にMT2Cは停産品であり、新品となると流通在庫のみになると思いますが、手頃な価格で販売されていたのを見つけたので迷わず購入しました。
今となっては、仕様・性能面で特筆すべき所が少ないフラッシュライトなのですが、MT2Cのデザインは、同じマルチタスク系(MT)のMT21Cとかではなく、タクティカル系のP10に引き継がれ現在のP12シリーズに至る元祖的な製品では?…と勝手に思っています。
6月の上旬にオーダーして手元に到着したのが9月の中旬…。
Li-ion充電池も内蔵していないのに、ナゼか大陸を出られず、途中でキャンセルしようかとも思ったのですが、じっと耐え忍びました(笑)
そんなこんなで、純然たるNITECORE社製ハンドライトとしては、doorman的に初めてとなる MT2C のレビューをお届けします。
製品HP
- NITECORE Official HP (Flashlight)
- NITECORE MT2C (Discontinued) – nitecore.com
NITECORE Official SNS
- Facebook – Nitecore Flashlight / @nitecoreflashlight
- instagram – NITECORE Flashlight / nitecoreflashlight
- Twitter – Nitecore Flashlight / @nitecorelight
- Twitter – Jiayan E-commerce Japan
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- NITECORE MT21C / CREE XP-L HD V6 (CW) – roomX.jp
INDEX
パッケージ
NITECORE社のコーポーレートカラーである黄色と黒の紙製パッケージです。ロゴタイプが変わった頃からパッケージデザインもこの色使いに統一されるようになった気がしますが、間違ってたらゴメンなさい…(^^;
製品内容は、MT2C本体、樹脂製タクティカルリング、クリップ、ランヤード、予備Oリング、予備スイッチブーツ、英語マニュアル、保証書となっています。(まだ多言語マニュアルではない点も時代を感じさせます)
※製品マニュアルは NITECORE MT2C 製品HPよりPDFファイルがダウンロードできます。
仕様/サイズ
NITECORE社はディスコンとなった製品のWEBページもそのまま残しておいてくれるので非常に助かります。性能とは無関係な部分なのですが、メーカーや製品に対する信頼感や安心感につながっているのでは?…と思ったりします。
・全長:125mm
・直径:25.4mm
・重量:76g
※カタログ値
グリップ部分の最細部は実測で22mm、アンチロール部分で約27.4mmでした。
テールスイッチ仕様、18650、2×CR123A 対応のライトとしては全長が短く小型の部類に入ると思います。
ヘッド径とテール径が1インチとなっている事からしてMT2Cの位置付けが伝わって来ます。
本体重量はカタログ値どおり76gジャストでした。
例によって電池込みの装備重量は、使用電池によって増減するので参考程度に留めてください。
ボディ
直線的なフォルムですが、スッキリとコッテリが混在・融合したようなデザインです。
MT2Cは、ヘッド/グリップ/リアの3ピース構成。
初見では、グリップ部分のタクティカルリングやクリップを取り付ける部位がデコボコしててクドく感じたのですが、段々とそのクドさがクセになったと言うか、今でもこのようなデザインのライトを見ると物欲センサーが反応してしまいます。
タクティカルリングを装着するとこんな感じですが、ストレート形状のデザインのライトには、タクティカルリングがあまり似合わないような気がします。(※個人の偏見です)
ヘッド/LED
SMO(鏡面)リフレクターにCREE XP-G2 の組み合わせ。
ヘッド先端はストライクっぽい形状ですが、エッジが面取りされているので触っても痛くはなく、実物は見た目ほど攻撃的でもありません。
このMT2Cは、リビジョンアップされたモデルで、1st.バージョンのMT2Cは、XP-G2ではなくXP-Gを搭載していました。(※後述)
アンチロール部分とボディの一部にローレットが施されていますが、僅かに残されたローレットに IFE1 や EX11.2、D11.2 の流れを感じます。
ヘッドのジョイント部は無塗装でネジは角ネジになっています。
制御基板に直接アクセスできるので接点のクリーニングがしやすいのですが、タクティカル系ライトには必ずと言っても良い、+接点のスプリングがMT2Cにはありません。
スプリングが無い理由は、モードグループの制御・変更方法にあるかと思いますが、タクティカルに全振りしていないトコロが、MT2Cの『マルチタスク』とされたポイントかとも思います。
スイッチ
スッチはフォワードクリック式で間欠点灯が可能。
まだ経験値が低かった当時は、テールスタンドするにもランヤードを着けるにも U-シェイプは必須…と思っていたのですが、今ではフォワードクリック式スイッチのライトとUシェイプの組み合わせは絶対に看過できず、速攻で NTC1 に交換しました(笑)
スイッチブーツの直径は、1AAサイズによくあるφ12mm(※実測値)と小さめで、径が小さい所為かスイッチの突出部が大きく感じます。
当時でも18650仕様のライトはφ14mmが多かった気がするのですが、12mmと14mmでは、親指でスイッチを触った時の感触の違いだけでなく操作感も微妙に異なります。
違和感というほどではありませんが、スイッチを押した時のチカラ加減・方向でスイッチがブレるような感じがしました。
まだ使用期間が短く、スイッチパーツのアタリがついてない事も影響しているかもしれませんが、元々固め(重め)のスイッチなので、余計にそう感じるのかもしれません。
端部に絶縁塗装が施されていないので、リアを緩めて物理的に通電をカットする事も可能です。
ネジ部は一般的な山ネジですが、ネジ径・ネジピッチはシュア互換となっています。
SUREFIRE との互換性
純正のZ41を持っていないので、G2のスイッチとソラフォのL2-S1スイッチで検証。
MT2CにL2-S1を取り付けると接点位置の関係で点灯できませんが、14mmや16mmのスイッチブーツが使えるようになり、後述するサイリムのスイッチバックがガッチリ固定できるのが魅力です。
THYRM Switch Back 2.0
MT2Cへの物欲(所有欲)が再燃したキッカケとなったサイリムのスイッチバック2.0(SB2.0)を取り付けてみました。
SB2.0に付属するOリングを使わないとSB2.0がクルクルと軽やかに回ってしまいますが、標準スイッチであれば接点調整用のワッシャがなくとも普通に点灯可能です。
doorman的には、超絶格好イイ!(゚∀゚)…と思っているのですが、SB2.0を取り付けると、尚更Uシェイプが邪魔に感じます。
また、隙間調整のOリングを噛ませても完全にはSB2.0を固定できず、特にグループ変更を行う時に動いてしまうのが気になります。
SB2.0をガッチリ固定するには、更に線径の太いOリングを使うか、先のL2-S1スイッチと交換するのが良いかもしれません。
電池
MT2Cは18650、もしくはCR123A×2、16340×2で動作しますが、16340×2は『使えるけど推奨はしないヨ…』というニュアンスです。
18650は完全なボタントップ型にしか対応しておらず、フラットトップ型電池は使用不可となります。
モード
スイッチの全押しで ON/OFF。
ターボモードとユーザーデファインモード2つのモードグループを備え、ヘッドを完全に締めるとターボのみのシングルモード、少し緩めると5モードのユーザーデファインとなります。
5モードはスイッチの半押しで【Hi】→【Med】→【Low】→【SOS】→【Strobe】→【Hi】…のサイクルでモードが移行し、全押しでモード確定、常時点灯となります。
ユーザーデファインではモードメモリが有効となりますが、消灯からメモリされるまでの時間が、時計読みで約3秒以上と長く、特殊モードの【SOS】や【Strobe】も記憶されるので、点灯・消灯を繰り返す場合やEDCライトとしての使い勝手は、正直あまり良くありません。(ターボモードに切り替えてもメモリは維持されます)
一時期、ヘッドを締める・緩めるでモードグループを切り替える製品が多く存在していましたが、制御プログラムの深化やサイドスイッチ搭載の製品が増えた影響なのか、最近ではめっきり見かけなくなりました。
【Med】や【Low】ではフリッカーが出ていますが、周波数が高いので肉眼ではさほど気になりません。
【Strobe】の点滅周波数も高く、光量が少ないので刺激は小さいのですが、逆に『イラッ』と感じるから不思議です。
照射
今回はこの5本で照射比較を行ってみました。
MT2Cとモデル名がよく似ているMT21Cは比較的新しい製品ですが、他は5~6年前の製品で出力も限定的です。
OLIGHT i6 は、MT2C とどちらにするか迷った1本なので加えてみました。
TK18はXP-Gで口径、発売年が近く出力も限定的です。A6はXM-L2搭載機ですが、リリース当初はXP-Eで、何度も搭載LEDが変わる面白い1本です。(現行品はSST-40)
水平照射
配光/光色/演色
LED電球
NITECORE MT2C
NITECORE MT21C
OLIGHT i6 Paladin
SupFire A6
Tank007 TK18
屋外照射
白昼/軸線(立木まで67m)
NITECORE MT2C
NITECORE MT21C
OLIGHT i6 Paladin
SupFire A6
Tank007 TK18
MT2Cは、最大出力の【Turbo】でも 390ルーメンですが、1st.モデルのMT2Cは最大出力が360ルーメンで、LEDをXP-G2にして30ルーメンのアップ…となった経緯があります。
1インチ径のヘッドでXP-G2、出力も限定的ではありますが、照射角度が狭い事もあって集光度合いが高く『結構飛ぶなぁ…』と感じました。
ぴんぴんのピンスポットではありませんが、ミラーリフの効果なのか、中心光と周辺光の境界が割とハッキリとしています。
光色は『That’s 白色光』ですが、色の偏りもなく、色の再現性も悪くはないと思います。
まとめ
この頃のMT*A、MT*Cシリーズには、1AAのMT1A、2AAのMT2A、CR123AのMT1C、そしてこのMT2Cの4種類が存在していたのですが、現在はAA仕様のMT1AとMT2Aの2種類のみが現行モデルとして残っています。
MT1C や MT2C は現在のPシリーズに引き継がれ、モードグループやモード変更はパンタグラフ状のサブスイッチで切り替えるシステムに変わり、ワンハンドオペレーションをウリとしています。
MT2Cにデザインやサイズ感が一番似ているのはP10GTだと思うので、次はP10GT…となりそうです。(^^;
それぐらいMT2Cが気に入ったワケなのですが、仕様の古さは否めず、もうチョイ上が欲しいナ…と思う場面もチョイチョイあります。
そんな時は、サブ機として携行している小型の高出力ライトでカバーして、そこそこ発熱しつつも、一定の出力で長時間連続点灯が可能。取り回しが楽で Switch Back 2.0 と NTC1 を組み合わせたら更に使いやすくなって、益々、MT2Cが気に入りました。
あくまで超個人的な嗜好(趣味)、感想であり、懐古趣味&郷愁要素も多分に含んでいるので、万人にオススはできないのですが、最新の製品には無い魅力がこの頃の製品にはあると思います。
また、MT2Cを手にしてみて沼の縁でウロウロしていた当時のトキメキが蘇り、これからのブログ運営、レビュー記事にも影響を及ぼす…かもしれないと思う今日この頃であります。