トンボ鉛筆 エアプレス 【AirPress】- 破損・修復・分解編

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トンボ鉛筆 エアプレス

約5年間、ほぼ毎日使い続けた『トンボ鉛筆 エアプレス(AirPress)』の透明バージョン(BC-AP20)ですが、いよいよ寿命が来たようです。

ボディの一部が割れてしまい、補修を試みたのですが修復できず、ならばっ!…と、以前より試したかった樹脂染料のSDNで着色してみました。

ところが、染色したことでノック機構がイカれてしまったようで、最終的には不可逆の分解を実行、兼ねてから気になっていたエアプレスの中身(?)を確かめる事と相成りました…(´Д` )

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使用期間:5年

トンボ鉛筆 エアプレス / 使用期間:5年

エアプレスの本体軸は、樹脂コーティングというか、プラスチック製のボディと可塑性エストラマーとの二重構造ゆえに、変色や加水分解は不可避…と予想していましたが、予想以上に劣化・変色が進行し、透明バージョンは黄変が目立ち、当初の透明感も失われてしまいました。

トンボ鉛筆 エアプレス / 劣化
トンボ鉛筆 エアプレス / 劣化
トンボ鉛筆 エアプレス / 劣化
トンボ鉛筆 エアプレス / 劣化

他にも銀色に着色されたプラスチックパーツの色剥げも激しく、定規に当て線を引く事も多かったのでペン先もスリ減っています。

それでも内部の加圧機構に異常や故障は起きず、リフィルを交換しつつ5年間使い続けられました。(過去形…)

破損

トンボ鉛筆 エアプレス / 破損

破損箇所や破損状況から、矢印の方向から限界以上のチカラが加わったと推測できるのですが、普段は腕のペン差しに挿して使い、特に無理なチカラを掛けたり、落としたりした記憶もなく、気付けば破損していた…という感じです。

トンボ鉛筆 エアプレス / 破損
トンボ鉛筆 エアプレス / 破損
トンボ鉛筆 エアプレス / 破損
トンボ鉛筆 エアプレス / 破損

購入当初から厚い物に挟むとクリップの軸受け部分に負荷が掛かるだろうな…とは思っていましたが、外皮のエストラマー部分ではなく、プラスチックパーツが破断し、クリップ軸受けの近辺には蜘蛛の巣状のヒビも入っています。

補修

トンボ鉛筆 エアプレス / 補修
トンボ鉛筆 エアプレス / 補修
トンボ鉛筆 エアプレス / 補修

プラスチック部分に接着剤を塗布して補修を試みましたが、クリップを取り付けるとバネの反発力で接着剤が剥がれて歪んでしまいます…orz

着色

ノック部分が歪んでもナンとか使い続ける事は可能でしたが、本体の黄ばみが気になったので、ダメ元で『樹脂用染料 SDN』で着色してみました。

トンボ鉛筆 エアプレス / 着色

塗装されていると上手く染色できないので、予めペン先の塗装を剥がしました。

トンボ鉛筆 エアプレス / 着色
トンボ鉛筆 エアプレス / 着色
トンボ鉛筆 エアプレス / 着色
トンボ鉛筆 エアプレス / 着色
トンボ鉛筆 エアプレス / 着色
トンボ鉛筆 エアプレス / 着色

スモークグレーにしたかったので、最初はSDNの『黒』で染めたのですが、染料の関係で少し青くなってしまったので、2回目に『黄』を使ったら見事に『濃緑』になってしまいました…orz

まぁ、コレはコレでミリタリーっぽくてイイかな♪…と思ったのですが、熱湯で煮たのが災いしたのか、ノック操作が出来ない状態になり、完全に壊れてしまいました。

部分的に熱に弱い部分もあるだろうと予想し、染色液の温度は最高でも50℃以下に抑えたつもりですが、目を離したスキに80℃ぐらいまで液温が上昇して、内部パーツの一部が変形した模様です。

エアプレスを染色する事はもうないのですが、じっくり時間を掛けて低温で染色すれば上手くいく…かもしれません。

分解

トンボ鉛筆 エアプレス / 分解

再起不能となってしまったので、不可逆の分解(=破壊)を実行し、内部ユニットを確認してみる事にしました。

トンボ鉛筆 エアプレス / 分解
トンボ鉛筆 エアプレス / 分解

ブラック・ジャックによろしコ…

トンボ鉛筆 エアプレス / 分解

外皮のエストラマーは簡単にカットしてムキムキ…出来ず、ボディの骨格となるプラスチックもなかなか割れず、少しずつ削って中身を取り出しました。

トンボ鉛筆 エアプレス / 分解
トンボ鉛筆 エアプレス / 分解

四苦八苦して内部ユニットを取りだしてみましたが、想像よりシンプルな構造でした。

トンボ鉛筆 エアプレス / 分解

ノック部分とペン先側のスプリングはノック機構用で、外部の覗き窓(?)から見える部分が加圧用のポンプになっています。

特に気密性が高いワケでもなく、ノックと連動して小さな赤いシリンダーが動き、白い風船状の柔らかいパーツが押されてリフィルに空気が送り込まれるシンプルな構造でした。

まとめ

『5年』という使用期間が長いのか?…それとも短いのかは、使用状況によっても異なるかと思いますが、doorman的には『随分とアッサリ壊れたなぁ…』というのが本音です。

「500円のボールペンに何を期待しているのか?」…という意見もあるかとは思いますが、同じようなプラスチック製のボールペンで更に安価な製品であっても10年以上壊れないペンを何本も持っていますし、エアプレスは少々ハードに使用される事も想定されたペンであるような能書きからして『うーむ…』という感じです。

同じトンボ鉛筆の OBJECT X3 なぞ、交換リフィルの調達に困りながらも’92から既に30年近く使い続けています。紛失してしまったのが悔やまれますが、リポーター3 コンパクトも凄く使いやすかったのに廃盤・入手不可になってしまい残念デス…。

壊れないと新調しないとメーカーが考えている…とは決して思いませんが、壊れ方によってはリピート購入しない事もあるワケでして…。

購入当初から金属ボディのエアプレスがあれば…と考え、非公式にリクエストもしていたのですが、どうやらメーカーにその気はなさそうで、発売から5年以上経過しても素材・構造ともそのままで、新色を追加するだけに留まっています。

今回、分解して内部のユニットを確認してみても金属ボディ不可な構造ではなさそうですし、旧態依然的に大量生産・大量消費のビジネスモデルを是としているのかなぁ…と思ってみたり…(゚ー゚*)。oO

もう1本のブラックボディのエアプレスは壊れるまで使い続けますが、予備のリフィルが無くなったら、残念ながら金属ボディのエアプレスが販売されるまで封印…という事になりそうです。

個人的に、エアプレスは歴代のボールペンの中では使用頻度の高い製品であり、気に入っているペンなのですが、透明に比べて使用頻度の低いブラックは加水分解でベトつき始めているので、他のボディカラーの購入意欲も減退しています。

…とは言え、加圧式ボールペンは使いやすく、自分の使用状況(用途)にもピッタリな筆記用具であり手放せないワケでありまして…(^^;

ジェットストリームにするかなぁ…と考えていたトコロに、ゼブラから加圧式ボールペンが新発売されるとの情報が!(゚∀゚)

ゼブラ ウェットニー (ZEBRA WETNIE)

ボディ素材も含めて諸々の仕様が自分好みだったので速攻で購入しました(笑)

既に手元にも届いているので、次回は加圧式ボールペンの『ゼブラ ウェットニー(ZEBRA WETNIE)』のレポートをお届けしたいと思います。

カテゴリー: DIY, EDC, 改造/修理, 文房具 タグ: , , , パーマリンク

トンボ鉛筆 エアプレス 【AirPress】- 破損・修復・分解編 への1件のコメント

  1. ねこ丸 のコメント:

    こんにちは
    加圧機構はバラしてないので想像ですが、
    シリコンの円筒形のポンプ先端フタに穴があり、
    それを塞ぐ詰めを押し付けて、ポンプがたわんで内圧が上がるような構造ですか?
    さて、インクリフィルですが、ダイソウの
    キャップ式ボールペン,0.8mmHAUSER10本入りの芯を取り出し、
    樹脂チューブを同じ長さ49.5mmになるように、ニッパーでちょん切り、ティッシュでキレイにしてから、
    先のチップを引っこ抜いて、後ろから頬に貯めた空気で1滴(ゴマ粒3~4個分くらい)インクを押し出し、チップを元通り押し込んで収めます。
    吹いた方のインク汚れをティッシュの細いこよりで拭き取ります。

    インクが拭き取りにくい時は切り方を替えて後ろ側を使う方法もあります。
    後ろの透明部分を5mm残して切り詰め切り口が平らっぽく変形したのをニッパーの刃の支点の反対側で軽く挟んで丸くなるようにします。
    同じように49.5mmになるようにインキの先側をニッパーでちょん切り、空気で少し押しティッシュでキレイにしてから、出し太めの千枚通しのようなものでチップが差し込みやすいように広げて、差し込みます。
    これで格安リフィルの出来上がりです。
    本の芯に入ってる綿みたいのはインクがポンプに行きにくいように入れてあるので、移植したほうが良いかもしれません。
    ではまた

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