前回の続き、BRINYTE T18 Artemis レビューの PART 2 でございます。
PART 2 では、白色LED以外のLEDモジュールや操作方法の解説、照タイム画像などをお届けします。
画質はイマイチですが、IR(赤外線)LEDでの照射画像も頑張って撮影したので、最後までご覧いただければと思います。
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LED モジュール
標準搭載の XP-L Hi モジュールの他に Red、Green、IR-850nm のLEDが用意されており、前回ご説明したように工具無しでモジュールの交換が可能です。
CREE XP-L Hi (CW)
CREE XP-E2 (Red)
CREE XP-E2 (Green)
IR-LED (850nm)
どのモジュールも白い樹脂パーツでLEDが固定されており、基板のパターンも共通です。
Red と Green のLEDは CREE XP-E2 で、IR-LED は外観から OSRAM の OSLON BK SFH 4715AS のようにも見えますが、IR-LEDの仕様については不明です。
点灯状態のIR-LEDを撮影した画像ですが(左:最小出力、右:最大出力)、普通のデジカメで撮影すると薄紫色に写ります。波長が850nmのIR-LEDなので、点灯時には肉眼でも仄かに赤く発光していることが確認できます。
モード/操作方法<
どのLEDモジュールを使っても調光範囲は、2%~100%の無段階調光となり、調光操作はリモコンでのみで可能です。
T18本体のメインスイッチで点灯を開始する場合は、常に100%出力で点灯を開始します。
メインスイッチが【ON】の状態であれば、後はリモコンで減光~増光の操作と、リモコンの【POWER】スイッチにて一時消灯/再点灯の操作が可能です。リモコンで一時消灯する場合は、調光レベルが記憶され消灯時のレベルで再点灯が可能です。
一時消灯のまま5時間経過すると接続がリセットされるようですが、調光レベルまでリセットされるか否かは不明です。メインスイッチが【ON】の状態で一時消灯する場合は、待機電流を消費するので、メインスイッチの切り忘れには注意してください。(特にIR-LEDモジュール使用時)
T18本体のメインスイッチを【OFF】にすると調光レベルはリセットされます。
照射
白色LEDの照射比較は、↑のヘッド径(レンズ径)の異なる4機種のズーム式で行いました。
RedとGreen、IR-LED の比較は、自作のP60互換のLEDバルブを用意しました。
IR-LEDのビームショットは普通のデジカメで撮影できないので、トレイルカメラで撮影してみました。
このトレイルカメラも5mm砲弾型IR-LEDを37灯備えていますが、T18やP60のIR-LEDが加わるとどんな感じになるか?…参考になれば幸いです。
水平照射
BRINYTE T18 Artemis / CREE XP-L Hi (CW)
BRINYTE T18 Artemis / CREE XP-E2 (Red)
BRINYTE T18 Artemis / CREE XP-E2 (Green)
BRINYTE T18 Artemis / IR-LED (850nm)
片面凸レンズを使ったズーム式ライトでは、ヘッド径(レンズ径)のサイズ差が、そのままワイド側の照射角度(照射範囲)に反映されるワケでは無い事が水平照射画像から読み取れます。
レッドレンザーのライトに採用されているような特殊なレンズや、フレネルレンズではレンズ径によって差が出るかもしれませんが、単純な片面凸レンズの場合は、レンズ径よりも、レンズの厚さと、光源となるLEDとレンズまでの距離(焦点位置)によってワイド照射時の広角度合いが変わってきます。
殆どのズーム式ライトは、最スポットにした時に最も集光されるようにレンズとLEDの距離が調整(決定)されているハズなので、ワイド時の最短距離も自ずと決まって来る…という事になります。
ワイド側での超広角照射を実現するには、特殊なレンズを使うか、LEDとレンズの距離をできるだけ縮めれば良い理屈ですが、本来の焦点位置を無視した配置にするとカメラのピンボケと同じ理屈でダークスポットが発生したり、配光が汚くなったりします。故に多くのズーム式ライトの可動域が10mmや15mmと、どれも似たような数値になっているのだと思います。
配光/光色
LED電球
BRINYTE T18 Artemis / CREE XP-L Hi (CW)
Wide beam
Spot beam
BRINYTE T18 Artemis / CREE XP-E2 (Red)
Wide beam
Spot beam
BRINYTE T18 Artemis / CREE XP-E2 (Green)
Wide beam
Spot beam
BRINYTE T18 Artemis / IR-LED (850nm)
Wide beam
Spot beam
P60 LED bulb / CREE XP-E (Red)
P60 LED bulb / CREE XP-E (Green)
P60 LED bulb / 5W IR-LED (850nm)
WUBEN LT35
Wide beam
Spot beam
TANK007 TK737
Wide beam
Spot beam
IceFire IF-10B
Wide beam
Spot beam
T18の白色LEDモジュールの光色は、青被りないスッキリとした白色光で、WUBEN LT35 と同じ色温度だと思います。
TK737は、元々はXR-Eでしたが、XP-G2に換装して、更に余っていたXM-LのNWに換装しています。
IceFire IF-10B は、以前に¥800程度で購入した18650、XP-E仕様のズーム式ですが、実際の見た目はココまで青被りはしていません。(どうも G7X は青味が強調されて写るようで、照タイム撮影との相性が良くないようです…)
T18のRedモジュールは波長がやや低いようで、少しオレンジっぽい色味です。P60自作バルブの赤色波長が660nmだとすると(正確じゃないかも?)630nmぐらいでしょうか…?
Greenモジュールの波長は、P60自作バルブのGreenとほぼ同じなので、これもP60 Green-LED (XP-E)の波長が正しければ 520~530nm という事になるかと思います。
トレイルカメラでIR-LEDの撮影を試みましたが、室内の距離ではT18から照射された赤外線光が反射してカメラが誤作動、まともに撮影できなかったので別のIRカメラで撮影しています。画質はアレですが、P60バルブのIRよりも明らかに強い赤外線が出ているのが判ります。
ちなみに、赤外線感知によるモーションセンサーを採用した KLARUS HC3 を70m先に設置し、T18を最スポットにして照射したらHC3のセンサーが赤外線を感知して点灯/消灯の動作を繰り返しました。これを応用すれば、T18のIR-LEDモジュールを使って、離れた位置の機器を赤外線で遠隔操作する事も可能…という事になります。
屋外照射
白昼(立木まで67m)
BRINYTE T18 Artemis / CREE XP-L Hi (CW)
Wide beam
Spot beam
BRINYTE T18 Artemis / CREE XP-E2 (Red)
Wide beam
Spot beam
BRINYTE T18 Artemis / CREE XP-E2 (Green)
Wide beam
Spot beam
BRINYTE T18 Artemis / IR-LED (850nm)
Wide beam
Spot beam
いや、ナニも写っていないワケではなく、普通のデジカメだと赤外線照射していても全く写らないのであります。
Wide beam
Spot beam
そこでトレイルカメラの出番となったワケですが、廉価な製品ではこんな感じにしか写りません…(泣
それでも最スポットにすると約70m先まで赤外線光がしっかりと届いるのは明白で、高精細なIRカメラやナイトビジョンスコープを使えば暗闇の中でもハッキリと対象を捉える事が出来そうです。
P60 LED bulb : Red / Green / IR 850nm
P60の自作IRバルブは、どうも動作(出力)がイマイチのようで、トレイルカメラに実装された37灯のIR-LEDよりも赤外線量が少なくなっています。逆にφ5mmのIR-LEDでも5m以上先まで赤外線光が届いているので、数を集めればφ5mmのIR-LEDも侮れない存在と言えます。(P60バルブはバラして再調整しよ…)
WUBEN LT35
Wide beam
Spot beam
TANK007 TK737
Wide beam
Spot beam
IceFire IF-10B
Wide beam
Spot beam
Max比較:Wide / Spot
BRINYTE T18 Artemis / Red LED module : review(日本語版)
BRINYTE T18 Artemis / GREEN LED module : review(日本語版)
BRINYTE T18 Artemis / IR:850nm LED module : review(日本語版)
まとめ
以前から、大口径のズーム式ライトはどんな感じの配光(主に集光力)になるのかが気になっていました。
口径が大きくなるにつれてレンズの厚みが増して集光力もアップ、同時にLEDの出力を上げれば更に飛距離が伸びるだろうなぁ…(゚ー゚*)。oO
…と、漠然と想像してはいましたが、今回、BRINYTE T18 Artemis を使ってみて、大口径ズーム式フラッシュライトの存在価値…というのは大袈裟ですが、大口径ズーム式の需要が絶えない理由が判った気がします。
飛び一辺倒の大口径リフレクターのライトでは難しい近距離照射時のフラットな照射面はモチロンですが、集光時でも中心光の回りに周辺光が発生してリフレクターのような配光になるのは新たな発見でした。
また、白色LEDだけではなく、Red や Green、IR-LED でも同様の恩恵が得られると判ったのは、個人的に大きな収穫であります。
それと、実際にT18を使ってみて感じたのは、やはりT18は、汎用ハンドライトとは一線を画した存在なのだなと…。
ズーム式、リフレクター式に関わらず、基本的に大口径ライトは飛び重視の設計なので、常にMAXスタートでも不思議ではないのですが、調光がリモコンのみというのが振り切り感というか、他製品との差別化の大きなポイントになっています。
…で、このリモコンによる無段階調光機能を活かしてT18を写真撮影の補助光として使えないかなぁ…と夢見るdoormanであります。(夢かいっ!
アクリル製のレンズをフロスト加工されたディフューザーに換装、後は5700Kの高演色LEDモジュールがあれば、光量的に小物撮影の補助光に限定されそうですが『狩猟』以外の新たな活用法、ユーザー層の開拓になる…とイイな♪
ココ最近は、光源にレーザー素子を使って小口径ながら超遠距離照射を可能としたLEP製品も徐々に増えており、飛距離面での優位性も確立しつつありますが、手軽に遊ぶ事が出来るLEDズーム式ライトもやっぱり楽しいです。
ちなみに、今回レビューしたT18はLEDモジュールが交換式となっていますが、最初から4種のLEDが組み込まれた T28 という上位機種も併売されています。