ランタンは Nitecore LR50 を愛用していますが、単三形や単四形の乾電池(一次電池)を電源とする小型のランタンが欲しいなぁ…と思っておりました。
今回ご紹介する SUNREI CC-SE のようなスタイルの製品は数多く存在し、既に日本でも購入可能となっていますが、とにかく充電式の製品ばかりで『うーむ…』という感じで購入に踏み切れず、サイドスイッチのライトにディフューザーを取り付けて“代用品”にしていました。
最初は CC-SE のデザインに惹かれたのですが『コレも充電式だろうな…』と思いつつ製品タイトル・仕様をよく見たら【単三乾電池】の記述が!(゚∀゚)
詳細については追々ご紹介していきますが、記事タイトルに『 Multifunctional 』の文言を入れているのも、2種類のモードグループが使い分けられ3種の点灯パターンが選択できる多機能ランプとなっているからで、ランタンにも懐中電灯にもなる多機能ライトです。
類似製品を色々とチェックしてみましたが、ランタンとスポットライトの両方を備えた製品は他に見当たらず、それがこの製品を選択した理由のひとつでもあり、結論から申しまして、コレはかなり良い…というか、自分が求めていた通りの乾電池仕様の小型ランタンでアウトドアでもインドアでも便利に使える『ライト』でした。
SUNREI というメーカーについては、アリさんや他の大陸通販でも目にしていたのですが、昨今の新コロ情勢を考えると海外通販では手元に届くのがいつになるか読めなかったので amazon の Jiayan E-commerce さんから購入しました。※KLARUS Mi2 に似た製品も一緒にポチしたので後日レビューします。
直感的に使える製品ではありますが、詳細な操作方法の説明がなく樹脂製ゆえの注意点も存在するので、それらの解説も含めて備忘録的にレビューしたいと思います。
製品情報
- SUNREI CC-SE / 3xAA LEDランタン – amazon.co.jp
関連記事
- NITECORE LR50 (CAMPBANK) / 9 Hi-CRI LED – roomX.jp
INDEX
パッケージ
パッケージはブリスターパックですが簡単に開封できます。
製品内容は、CC-SE本体、アルカリ単三乾電池×3、取扱説明書(英中文)で台紙にも特徴が記載されています。
仕様/サイズ
取説には各部位の名称、素材が記載されています。(防水性能はIPX6)
・電源:1.5V・単三形乾電池×3
・直径:約80mm
・高さ:約47mm
電池込みの装備重量が約176g(※実測値)です。
LR50と並べてみて改めて思ったのですが『ランタン』になると、その用途(配光)からして必然的に丸っこい形になるんだなと…(^^;
主要部分が樹脂製でありながら本体重量は約105gと重めになっています。
重量増加の理由としては、外周部のアルミリングの他に内部にも金属製のパーツが多用されていると推測できますが、放熱を考慮した設計になっている…とも考えられます。
ボディ
ランプユニットのディフューザーはポリカーボネート(PC)、木目調のベース部分はABS樹脂、外周のアルミリングは装飾だけではなく放熱機構の一部として機能するようです。
フック部分も樹脂製で可倒・収納が可能です。
このスタイルの製品はベース部分が【黒】となっている製品が圧倒的に多いのですが、色だけでなく木目調とすることで全体的に柔らかい印象の製品になり、女性の部屋に置いてあっても違和感のない家電的なデザインにまとまっていると思います。
ベースのボトムにはマグネットを内蔵。
吊り下げて使用する他に鉄部に吸着・固定しても使えます。
最初はこのマグネットが重量増加の要因かと思ったのですが、ベース部分のみの重量は 34g程度なので、やはりランプユニット内に重さの秘密がありそうです。
本体は2ピース構造でランプユニットとベースが分割できます。
単純なスクリュー式なので分割・合体は簡単ですが、不意の分離(脱落)を防いで IPx6 の防水性を得るには、合体時に切り欠き部分が噛み合って「カチッ」と音がするまで完全に回す必要があります。(※接合部にOリング有り)
ただ、音がするまで完全に回すと、今度は分離する際の初動時にチカラが必要で、握力の弱い高齢者だと扱いが難しくなりそうです。
分離・合体を繰り返すことで段々と馴染んで軽いチカラでも操作できるようになるとは思いますが、それは樹脂製部分がスリ減っていることの裏返しとも言えます。こればかりは樹脂同士なので仕方が無いのですが、無理なチカラや衝撃が加わると破損の可能性もある点に留意したほうが良さそうです。
切り欠き部分が噛み合うまで完全に回さずに寸止め状態で使ったとしても、ネジ同士は噛み合っているので両ユニットが簡単にバラけたりはしません。なので、自分は据え置き状態で防水性も考慮する必要がない時は、完全に合体させずに寸止め状態で使っています。
更にディフューザー部分も分割できれば内部構造(素材)を詳しくチェック&レポートできるのですが、残念ながら分解できませんでした。
スポット・ランプ
CC-SEには、単眼・リフレクター仕様のスポットライトが中央に組み込まれています。
リフレクターはミラータイプ、風防フィルターは触った感触ではプラスチック製です。LEDの詳細については不明ですが、出力値から1~3WクラスのLEDだと思います。(中国製のLEDかな?)
光色や配光については後半の照射画像を参照していただきたいのですが、普通のハンドライトと同じく、中心光と周辺光が存在する一般的な配光パターンの『ライト』です。
スイッチ
スイッチは機械式のリバースクリック・スイッチで、スイッチ本体はランプユニット側に存在します。
操作時にはベース部分のシリコンブーツ内側にある突起でスイッチが押される仕組みですが、電池交換後にランプユニットとベースを合体させる時は、両スイッチ部分の位置を合わせる必要があります。
スイッチが反応しなかったり反応が悪い時は、ランプユニットとベースのスイッチの位置がズレているので、組み直してみてください。ベース側、スイッチブーツ部分の凸部面積がもう少し広ければ、スイッチ本体との多少の位置ズレも吸収できそうですが、両ユニットの噛み合わせが甘いまま使用することにも繋がりかねないので悩ましいトコロです。
電池
電池は、1.5vの単三形乾電池に対応しています。
※マニュアルの 3*AAA は誤植です。
1.2vの単三形Ni-MH充電池使用の是非については言及されていませんが、Ni-MH充電池でも動作には支障がありませんでした。
ただし、1.2vのNi-MH充電池使用時にはランタイムに差が出ると考えられますし、Ni-MH充電池の下限電圧とされる 0.9v(1本当たり) の電池電圧を下回っても点灯、あるいは通電が完全にカットされずに電力を消費し続ける回路の場合は、Ni-MH充電池側が一発でオシャカになるので要注意です。
正式に【Ni-MH充電池対応】を謳った製品は、Ni-MH充電池の下限電圧を割り込まないように設計されているので安心(なハズ…)ですが、Ni-MH充電池対応と明記されていない製品でエネループなどを使う時は、安全マージンを見て電池電圧が 1.0v を下回らないように充分注意してください。
電池はライトユニット側にセットするのでベース部分を外したままでも点灯できます。
モード
CC-SE は【Camping mode】と【Flashlight mode】の二つのモードグループがあります。
両グループの切替えは点灯時・消灯時に関係無く0.5~1秒程度スイッチを長押しします。(但し、どちらのグループでも最後のモードでは長押ししても【OFF】になります)
消灯後もモードグループは記憶され、次回の点灯時にはランタンか中央のライトで再点灯します。
基本的にスイッチのクリックでON/OFFになりますが、点灯開始から3秒以内にスイッチを押すと次のモードに移行、3秒以上経過するとワンクリックでOFFになります。
Camping mode
このモードは、ランタンのみのモードで3段階の明るさが選択できます。
【OFF】→【Mid】→【Hi】→【Low】→【OFF】
常に【Mid】で点灯を開始。(グループの切替時も【Mid】でスタート)
点灯開始から3秒以内にスイッチを押すと【Hi】に移行、更に3秒以内にスイッチを押すと【Low】になり、最後は【OFF】になります。
Flashlight mode
このモードは、センター部分のライトと赤色灯、赤色点滅が選択できます。
【OFF】→【Low】→【Hi】→【Red】→【Red Blink】→【OFF】
センターライトは【Low】と【Hi】の2モードで、常に【Low】でスタートします。(グループの切替時も【Low】でスタート)
点灯開始から3秒以内にスイッチを押すと【Hi】に移行、更に3秒以内にスイッチを押すと【赤色灯】になり、更に更に3秒以内にスイッチを押すと【赤色点滅】で、最後は【OFF】になります。(※赤色点滅はビーコン点滅よりもややピッチの速い点滅です)
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文章にすると複雑ですが、基本的なスイッチ操作はワンクリックか長押しかの2つのみで、ワンクリックの操作が、消灯(OFF)かモード移行のどちらに該当するかは3秒ルールで決まる、単純で判りやすいUIです。
SUNREI CC-SE / 3AA Multifunctional Lanthanum Lamp review(日本語版) – YouTube
照射
スポット照射
配光/光色
SUNREI CC-SE
NITECORE LR50
ランタンの光源は9個の白色LEDで色温度は 4500~5000K ぐらいでしょうか…長時間点灯しても目への刺激が少なく見やすい光色で拡散具合も良い感じです。
カメラの自動露出の関係で明るく見えないかもしれませんが、テーブルに置いた状態では【Low】でも少し眩しく感じるほどです。
さすがに普通の屋内照明のように天井に吊して使うには【Hi】でも光量不足と感じますが、1m程度の高さであれば充分な光量で広範囲を照らせます。
スポット光も少し暖色寄りの Cool-white ですが、中心光部分に XP-G3 や XP-L2 のような青白い光輪(色分離)が発生します。これにより色温度が高く感じられますが、周辺光はムラのない綺麗な配光です。
ランプユニットが分解できれば単眼部分のLEDを載せ替えたいトコロですが、分解するのは難しそうなのでこのまま使うつもりです。
3灯の赤色LEDはあまり使う機会はないかもしれませんが、暗順応状態の目にも優しく赤色点滅はマーカーや非常信号として使える便利な機能です。
まとめ
乾電池仕様のランタンに拘って物色(?)していたのは、防災・減災用の照明として使う為であり、緊急時の運用を考えると電源が充電のみでは心許ないからです。
充電しながらでも点灯可能な製品であれば充電オンリーの製品でも良さげですが、供給できる電力が限られた状況では、ラジオや携帯情報端末などに優先して電力を供給したいので、照明に限らず防災・減災用途では乾電池でも駆動できる製品がベストだと考えています。
防災・減災用途だけでなく、ランタン/フラッシュライトとして CC-SE を見ても、出力が控えめなので発熱も少なく、どの出力レベルでもフリッカーが発生しないので長時間点灯させるランタンとして優秀な製品だと思います。
この本体形状なので一般的なハンドライトのように使うには少々無理がありますが、拡散配光のランタンでは限界のある距離もカバーできるのは便利かなと…(゚ー゚*)。oO
野外キャンプに出掛ける時にはこのCC-SEだけでなく、別途ハンドライトも用意していくので(断言!)グループを切り替えるよりもハンドライトを使ったほうが手っ取り早いのですが、ランタン、スポット、赤色灯が1台にまとまっているのでなにかと重宝するハズです。防災・減災用途だけでなく底部にマグネットを装備しているので車載しておいても良さげなランタンだと思います。
SUNREI製品の中には、リモコン調光が可能なランタンや、ガスランタン的デザインのLEDランタンなどなど、ユニークな製品を数多くリリースしています。一定のクオリティを満たしつつ、お求めやすい価格設定が魅力なので今後が楽しみであります。