i5T EOS は久しぶりの OLIGHT社製 単三(1AA)ライトで、遡って調べてみたら S1A BATON 以来、約4年ぶりの1AA製品になります。
型番からして i3T EOS の姉妹機であり、先頭が【i】で始まり【EOS】の名を冠することからしても、同社内的にはEDCライトのカテゴリーに属する製品ではありますが、フォワードクリック式スイッチに加えて2モード仕様とタクティカル要素も取り入れた製品となっています。
EDCとタクティカルの2つの要素が合わさると、双方の利点がぶつかり合って製品の魅力が半減してしまう事も起こりえるのですが、果たして i5T EOS はどうなのか…?
その辺りも含めて i5T EOS をじっくりと見ていきたいと思います。
《2020/06/08:追記》
i5T EOS ブラック色が日本のamazon、olightstore.jp 双方にて販売開始となりました。螺旋部分もHA-Ⅲのブラック色となっていますが、クリップはブルーにPVD着色されています。今の処、ブラック色(RSV)は数量限定ではなく、これからも継続販売される模様です。i5T EOS DESERT TAN 色は、本日現在も olightstore.jp にて購入可能となっています。(※各販売ページは下記のリンク参照)
製品HP
- OLIGHT Official WEB site JAPAN – olightstore.jp
- OLIGHT i5T EOS RSV (Black) – olightstore.jp
- OLIGHT Official WEB site – olightworld.com
- OLIGHT I5T EOS – olightworld.com
- i5T EOS DESERT TAN – olightstore.jp
- OLIGHT i5T EOS RSV (Black) – amazon.co.jp
- Olight® Direct JP – amazon.co.jp
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パッケージ
i5T EOS も他のOLIGHT製品と同じく白色ベースの紙製化粧箱入りで裏面には主要諸元が記載されています。
製品内容は、i5T EOS 本体、多言語マニュアル、電池の装填方法、Thank-you CARD で、単三形アルカリ乾電池は本体に内蔵されています。(※使用前に絶縁材を除去)
多言語マニュアルで日本語はサポートされていませんが、i5T自体が難しい操作の必要がない極めてシンプルな製品であり、英語の記述でも十分理解できるので心配ありません。
※マニュアルは OLIGHT Official HP / i5T の製品ページよりPDFマニュアルをダウンロードできます。
螺旋部分にOLIGHT カラーが墨入れされた i5T EOS は、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) 対策のチャリティー対象製品であり、売り上げはすべて COVID-19対策費として寄付される事になっています。同梱のThank-you CARD にはお礼のメッセージが記されています。
白状すると『物欲センサーは強く反応してないけど撲滅や支援の一助になるなら…』として i5T を購入したワケですが、購入当時は現在ほど世界的なパンデミック状態ではなく、そんなに拡がらないだろうと楽観視しておりましたが…今はもう、一日でも早く終息してくれることを願うばかりであります。
仕様/サイズ
全長:95mm、直径:17.8mm、電池込みの装備重量が60g(※カタログ値)
電池込みの重量は使用電池(アルカリ乾電池かNi-MH充電池か)によって変動しますが、i5T本体のみの重量は実測で40gでした。
本体重量の約1/3はリアスイッチユニットの重量で、真鍮素材が多用されていることが影響しているようです。(※詳細後述)
Tool AA 2.0 と比較すると全長が大きめですが、ストレート形状のボディが影響しているのか、実物は見た目ほどのサイズ差は感じません。
ボディ
i5Tボディは、i3T や M1T と同じく1ピース構造で、螺旋状に刻まれたローレットなどデザインも統一されています。
溝部分に墨入れ(着色)が施されていますが、前述の通りOlightカラーで着色されたi5Tはチャリティー対象製品となっています。
この着色加工については興味があり、少しぐらいは塗装がハミ出しているだろうと意地悪な期待をしていましたが、溝に合わせて寸分違わずピッタリと着色されていたのには恐れ入りました。
i3T や M1T と比較すると、M1Tだけがスパイラルローレットに加えて細かなセレーションが施され異なる雰囲気を漂わせていますが、それ以上に着色の有無で印象がガラリと変化しています。
脱着式のステンレス製のS字クリップは黒色で焼付塗装されています。i5Tにはストラップホールが無いのでランヤード等はクリップに引っ掛けることになります。
ヘッド
i3T、M1Tと同様に前面封入式の構造で、光学はTIRレンズです。
この画像ではよく判りませんが、レンズ表面はフラットになっています。
樹脂製レンズなので鍵束などと一緒にラフにポケットキャリーするとレンズ表面に傷がついてしまいますが、レンズ表面がフラットになっていると液晶保護フィルムを丸くカットして貼り付ける事ができます。(※高出力ライトでは非推奨)
搭載LEDについてのアナウンスはなく、Olight World のi5T製品HPには『High Performance Cool White LED』の記述のみとなっています。
目視出来る範囲ではOSRAMっぽいようにも見えますが、もしかしたら中国LEDメーカーのエミッタが搭載されているかもしれません。
LED単体云々よりも『フラッシュライト製品としてどうなのか?』が重要ではありますが、LEDはキモとなるパーツ(要素)のひとつなので個人的には積極的に情報を開示して欲しいと思います。
テール側から覗くと制御基板の一部や【+】接点が確認できます。
スイッチ
冒頭で述べた通り、スイッチはフォワードクリック式で間欠点灯が可能です。
スイッチの素材、デザインも i3T、M1Tを引き継いでいます。
硬質素材のスイッチキャップなのでゴム製スイッチキャップのように変形する事なく、そのままスイッチキャップ全体が沈み込んでいきます。全押し時のクリック感(ラッチ感)もハッキリとしています。
ただ、スイッチの意匠は共通ですが、 M1T、i3T、i5T の3機種の操作感を比べてみると微妙に感触が異なっています。
個体差の可能性もありますが、具体的には M1T のスイッチは全体的に粘るような感触で、i3T はストロークが短く硬く張りのある操作感です。
ぶっちゃけ個人的に一番押しやすいと感じたのは、この i5T のスイッチで、程良い抵抗感とストロークの深さが自分好みです。
角ネジ加工されたスイッチユニットは外殻が真鍮製でスイッチ部分だけの重量が結構あります。
ユーザーの手によるスイッチユニットの分解は難しく、接点調整などはできませんが、硬質素材のスイッチによりミスクリックする可能性は限りなく低いと思われます。
電池
電池は、1.5vの単三形乾電池と1.2vの単三Ni-MH充電池に対応しています。
上の画像ではエネループ・プロを使っていますが、白エネは勿論のこと、基準電圧が1.2VのNi-MH充電池であれば使用可能です。
単三形乾電池もアルカリ乾電池の他にリチウム乾電池が使えますし、i5T本来の性能は引き出せないかもしれませんがマンガン乾電池でも点灯させる事は可能です。
※3.6/3.7v の14500は使用不可
電池の交換はテール側から行い、ヘッド側が【+】、テール側が【-】になります。
i5T EOS は14500非対応なので、電池の+接点がフラットトップ型か否かを考慮する必要もありません。
モード
i5T の搭載モードは Low/Hi の2モードでストロボなどの特殊モードはありません。
点灯開始時は常に【Low】でスタートし、消灯状態で半押しを繰り返すと Low/Hi が交互に切り替わります。全押しすると選択したモードで常時点灯になります。
【Hi】で連続点灯させる際には 300ルーメンが約3分、その後に50%出力が25分、10%出力が約2時間という具合にステップダウンしていきます。
【Low】での点灯時にはスイッチの操作に合わせてレスポンス良く反応してくれますが、【Hi】での点灯開始時は昇圧と電流量の関係なのか『ジワッ…』という感じで点灯します。
それでもワンテンポ遅れるというほどのタイムラグではないので実用上の問題はありませんし、3.7VのLi-ion充電池を使わずに300ルーメンを実現している事を考えると納得の仕様かと思います。
蛇足ですが【Low】でもフリッカーの発生はありません。
OLIGHT i5T EOS – 1AA EDC flashlight review : 日本語版 – YouTube
照射
水平照射
配光/光色
LED電球
OLIGHT i5T EOS
OLIGHT M1T RAIDER / LUMINUS SST-40
OLIGHT i3T EOS / LUXEON TX
LUMINTOP TOOL AA 2.0 / Nichia 219C
ThorFire TG06S / CREE XP-G2
屋外照射
白昼(立木まで67m)
OLIGHT i5T EOS / Unknown
OLIGHT M1T RAIDER / LUMINUS SST-40
OLIGHT i3T EOS / LUXEON TX
NITEFOX ES10K / CREE XP-G2
LUMINTOP TOOL AA 2.0 / Nichia 219C
ThorFire TG06S / CREE XP-G2
※使用電池はすべて eneloop 1.2V(M1Tを除く)
Cool White LED とありますが、実際の色温度は Nichia 219C の 5000K に近く Neutral White とも言える光色です。
配光に関してはピンスポットな配光ではなく、M1T、i3Tとウリ三つの拡散系の配光になっています。
壁面照射画像では周辺光の境界が曖昧ですが、広角の照射角度により広範囲が照らせます。拡散配光なので遠距離照射には適していませんが近距離では使いやすい配光です。
※屋外照射画像は後日追加します…スミマセン(^^;
※2020/04/11:屋外照射画像追加
まとめ
i5T EOS の購入前に、うっかり前面封入構造のライトを落として風防フィルターが衝撃で外れるイベントを経験したので、前面封入式はチョッと…という感じでした。(あ、OLIGHT製品じゃないですヨ…念の為)
それ以外に前面封入構造だと『改造してムフフ♪』のハードルが一気に高くなるので(てか、不可能)個人的にスルーする傾向がありました。
実際、この i5T EOS の購入動機は、チャリティー参加がメインであり、ライト本体に対してはスイッチ形態と着色技術について興味を持ったぐらいでした。それに単三形乾電池仕様のライトなら何本あっても邪魔にならないかなと…(^^;
実機が届いて実物に触れ、最初にスイッチ操作してから『お!?コレはなかなか良きかな♪』と感じた次第です。
スイッチの感触がM1Tやi3Tよりも自分好みで、ボディ径も太過ぎず細すぎず、手に馴染む太さでマル。【Low】の15ルーメンも屋内での短時間点灯の多い自分には丁度良い明るさで、常に【Low】スタートなのもGoodです。
着色された事によって、もっとポップな感じ…と言うか、悪く言えばオモチャっぽくなるのではないかと危惧していましが、全然そんなことはなくて違和感ゼロです。
着色面積と色の彩度、着色の精度が安っぽさを感じさせないのかもしれませんが、コレはコレでアリだなと納得しました。
剥離や褪色など、経年による着色部分の変化については現時点で判断できませんが、凹部に墨入れされているので簡単に塗料が剥がれるような事はなさそうです。
OLIGHTカラーだけでなく他色のカラーバリエーション展開されるかは不明ですが、白色ボディに黒の墨入れをして Canon とEOS繋がりでタイアップ…的な(゚ー゚*)。oO(某所ネタの使い回しですw)
不満な点というほどではありませんが、個人的にはもう少し光色の色温度が高いほうが好みで、ライトマニア的には搭載LEDについての情報が欲しい…ぐらいでしょうか。
前面封入構造についても M1T・i3T と同様に強度的・性能的な問題はないので、あとは個人の価値観かと思います。
スイッチの感触や光色の違い、ルーメン区分により M1T や i3T に比べてタクティカル感が薄まった気がするのですが、逆に三兄弟の中では最もEDCライト感が強く普段使いに適した製品に仕上がっていると思います。
14500に非対応については評価が別れそうですが、入手性の良い単三乾電池のみに対応していることが i5Tの間口の広さ、手軽さであり、マニアだけでなく普通の方々にも受け入れられるポイントにもなり得る気がします。
残念ながら本家の OLIGHT Store でもOlightカラーのアルミ版は SOLD-OUT ですが、アルミ版のカラバリが追加される可能性もゼロではなさそうです。また、既に i5T EOS の銅バージョンが発売されているので気なる方は検討してみてください。
《2020/06/08:追記》
i5T EOS ブラック色が日本のamazon、olightstore.jp 双方にて販売開始となりました。螺旋部分もHA-Ⅲのブラック色となっていますが、クリップはブルーにPVD着色されています。今の処、ブラック色(RSV)は数量限定ではなく、これからも継続販売される模様です。i5T EOS DESERT TAN 色は、本日現在も olightstore.jp にて購入可能となっています。